5ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

ストーリーを教えてもらうスレ Part9

1 :マロン名無しさん:04/11/27 01:49:12 ID:???
暇がない、金がない、手に入らない等などの事情により読めない漫画のストーリーを教えてもらうスレです。
次スレは>>950か、容量が450を越えた時にお願いします。

前スレ:ストーリーを教えてもらうスレ Part8
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1092543120/

要望を出す前に既出かどうかをまとめサイトでご確認下さい。
過去ログ・リクエスト表もまとめサイトにあります。

まとめサイト
http://f30.aaa.livedoor.jp/~malon/
未解決リクエスト表
http://f30.aaa.livedoor.jp/~malon/mikaiketu.htm

【注意点】
・要望に出ている漫画のストーリーはどんどん書いて下さい。 
 ただ要望に出ていないものは敬遠される傾向にあります。
 レスは期待しないで下さい。それでも良いというならどうぞ。
・この板は一般板なので18禁の漫画のストーリーの要望、紹介はご遠慮下さい。
・名前欄に作品名を入れてもらえると、まとめやすくありがたいです。
・時間を置いて数回に分けて投稿する際には、最後に「続く」と御書き下さい。
 そうする事でストーリーの投稿の混交を防げます。
・これを書こう、と思われた際は「○○○○を書きたい」と意志表明し、予約していただけると、
 投稿の重複が防げて大変ありがたいです。
 また、書くのはよそう、と思われた時には面倒でも予約の取り消しを御願いします。

453 :トップ オブ ザ ワールドな人たち 1:05/01/21 00:42:24 ID:???
雅野学園高等部に入学した香月礼弥(あやみ)は、
人とかかわるのが苦手なため帰宅部を希望する。
友人の御子紫百合(クールな秀才)は演劇部に、
近原深雪(明るいスポーツ少女)は運動部を五つかけもちする予定。
しかし雅野学園の生徒は必ず部活に所属しなければならず、
また部活の掛け持ちも禁止されていた。
「部活強制なの!?あたし団体活動ぜんぜんダメなのにー!」
「かけもち禁止!?あたしに五つのうち四つを捨てろと!?」
発狂寸前の二人。一人動じない百合。
礼弥は渋々、人が少なく男子生徒のいない華道部に入ると決めた。

二人に付き添ってもらい、礼弥は入部届を出しにいく。
そこへ、作り物の翼を背につけた鳥人間(のようなもの)が空から現れ礼弥に直撃。
鳥人間に潰され茫然自失としている礼弥の前に数人の男子生徒が現れ、
「きみたちは飛行妨害の責任上、チャレンジ部に入部してもらう」と一方的に告げた。
ぶつけられたこちらが被害者なのになんで責任を取らないといけないんだと百合は怒る。
「こちらがぶつかった代償としては、きみたちに好きな時に好きな部員を
 コマしていいことにする。男ばっかりだから選び放題」
そんなもんいるかと百合は言うが、問答無用で三人はチャレンジ部部室に連れて行かれる。

チャレンジ部は世界一を目指す部。
ジャンルを問わず出来そうな事になんでもチャレンジして
ギ○ス(作中では版権上の問題のためネッシーと表される)記録に載るのが目標。
見かけからして濃いチャレンジ部の人たちに礼弥は引きまくるが、
百合と深雪は面白そうだから入部すると言う。
二人が入るのに鳥人間とぶつかった張本人である礼弥が入らないわけにはいかない。
三人はチャレンジ部に入部した。

翌日チャレンジ部の部室へ行く礼弥。百合と深雪は用事があってこれない。
どうやって部室に入ろうかと礼弥が悶々としていると、
「どうした 鍵開いてない?」と後ろから声がかかった。
振り向いた礼弥は、声の主の男子生徒に一目ぼれをする。

454 :トップ オブ ザ ワールドな人たち 1:05/01/21 00:43:29 ID:???
すみません、割り込んでしまった。

455 :日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/21 00:59:14 ID:???
>>452の続き

鯨井が池上の元商社マンの情報収集能力は日本の在外公館よりも凄い、と感心していると渡辺周三と古之川元久が
大橋内閣の対応について述べた。

渡辺曰く、まっ先に国連に対して国連軍の派遣を要請した。
古之川は「おろかなことだ、常任理事国の中国が拒否権を発動すれば終わりじゃないか」と続けて国連について語った。

国連はその結成からして平和の殿堂ではなく、それぞれの国が伝統的な外交方針をすりあわせる交渉の場に過ぎない。
確かな外交方針も持たず、すべてを他国に委ねて助けを乞うばかりではいつまでたっても世界の笑いものだ、と。
モリス・谷口が「まるで世界の属国だな」と呟いた。そこに、気になる報告がある、と報告書が桜木に提出された。

この5年間、日本企業の中国進出が活発だが、これに最も熱心だったのが現政権最大派閥の大橋派である、と。

鯨井は、つまり、大橋派はアメリカと同盟関係を堅持する一方で、中国と限りなくグレーな関係を持っているということか。
危険だ・・・と述べたのだが、次の桜木の言葉に注意を引きつけられた。

桜木はアメリカはミサイル攻撃のあと、全く動きを見せていない、と延べ、モリスは世界の警察を自認するアメリカに
しては大人しすぎる、と述べ、鯨井は確かに、と述べた。そこに発言を求めたのは鷲尾星ニ。アメリカを知り尽くした男。

鷲尾は桜木はアメリカをよく知っている、と褒めた上でまくし立てた。
「アメリカ政府はいわば【銃を持ったセールスマン】なのであり、軍事行動を起こす裏には必ず経済活動が潜んでいる。
ズバリ アメリカの世界での目的は― 
【ドル外交支配!!! ドル経済体制拡大のためならアメリカはいかなる作戦も考える国なのです!!】
このアジアの緊急事態ですら、水面下では自国の国益を考えるのがアメリカ、と聞きつつも、桜木はスパイダーの
言葉を思い出し、「上等だ!」と決意し周囲に命令した。

【至急 アメリカ政府要人のここ最近の外交接触をつぶさに調べ上げてくれ! 公式 非公式も含めてだ!】と。

456 :日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/21 01:00:19 ID:???
>>454
あ、大丈夫。気にしないで。

457 :日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/21 01:19:40 ID:???
―国会前―
もはや集団ヒステリーと化した群集は国会前だけではなく、日本中にあふれかえっていた。
彼らの主張は「一刻も早く安保を廃棄しろ」「現政府は日本を焦土と化す気か」「日本を守らないアメリカは米国に帰れ」
「安保さえなくなれば日本の平和は取り戻せるんだ」

無精ひげも生え追い詰められた表情の大橋総理は「まだ米大統領との会談はセッティングないのか、と
外務省北米課長を怒鳴りつける。が、彼からは「数日前から連絡がつかない」とつれない返事。
そこに伝令が入り、ホワイトハウスからキャラダイン大統領との電話対談を行う、と連絡がついた、と。

日米会談が始まった。必死な大橋総理に対し、大統領はイスに座ってゆったりとくつろぎながら喋る。
大橋は現状を説明し、助けを求める。「アメリカのご英断なくして日本はこの難題を乗り切ることは不可能であり、
日本単独ではこの有事には対応不可能なのだ」と。

キャラダインは心中察するといいながらも、現状が続けば中国は確実に次なる軍事行動に出る、と現状分析。
 大橋総理は、机をツメでかきむしりながら「これ以上の軍事威嚇が続けばわが内閣・・・いや、日本が完全に崩壊する!」
瞑目するキャラダイン。号泣しながら助けを求める大橋。そして、大統領は言い放った。

「ミスター大橋!我々は長きに渡って良きパートナーであった。アメリカ合衆国ははこれ以上盟友の苦痛を
無視する訳にはいかない 米軍を撤退しよう 日米安全保障条約を廃棄したまえ!」と。

大橋は驚愕しながら「あ・・・安保廃棄ィ〜〜!」と絶叫する。キャラダインはアジアにおける基地を失うのは
損失だが日本国にとってはそれが1番の効果を生むかもしれない、と返した。
大橋はこれまでのアメリカとの友好は・・・というがキャラダインは畳み掛ける。
「まずは アジア危機を終結させることです。すべてが終わった時には【新たな】友好関係を考慮しましょう」と。
大橋は歓喜しつつ、感謝します!さっそく国内をまとめてその方向でいかさせてもらう!と言ってホットラインをきった。
 切れた電話を見ながら、キャラダインはクックック・・・と笑い、こう述べた。「つくづく日本という国には外交能力が無いッ
シミュレーションどおり安保廃棄の勧めをありがたく受けおったわ」 スパイダー以外の閣僚は爆笑した。

458 :日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/21 01:31:48 ID:???
―官邸前―

マスコミは昨夜緊急召集された臨時閣僚会議がたった今終了したことを継げていた。
たかまる世論に押され、ついに安保廃棄が閣議決定されたのだ。

桜木事務所ではモリス谷口の声が響き渡っていた。
「バッバカなッ!どうしてこの重大事に日米安保を廃棄するんだッ 日本は再び『鎖国』をやるともりかッ!?」

ガタッと音を立てて席を立ちながら桜木は考えながら思考していた。
 安保廃棄のデメリットは安全保障問題や食糧危機ではなく国際情報の不足である。日本は国家レベルの情報の
 ほとんどをアメリカ政府・軍・企業から入手している。通信衛星を経由してくる情報をストップされただけで日本は
 大損害をこうむる。ましてこのアジア危機を情報なしでどう乗り切るつもりだ!?
と。桜木の参謀の恩田誠十郎が重い口を開いた。

「茶番じゃな・・・何よりも国益を重んずるアメリカがアジアの経済基地である日本からこうもあっさりと撤退するとは
 合点がいかぬ・・・陰で糸を引いとるのは間違いなくアメリカじゃ!!」と。桜木は切迫した表情で鯨井に言った。
「鯨井さんアメリカ側の例の分析を急いでくれ 一刻も早く彼ら(アメリカ)の真意をさぐらねば
 日本は取り返しのつかないことになりかねんッ!」と。

翌日・国会では賛成355票反対145票で安保廃棄が可決された。号外は「日米安保廃棄、申請日本の誕生」
大橋首相の会見で大橋は誇らしげに語った。アメリカに安保廃棄を通告した事、在日米軍は準備が都と西台撤退すること。
今後は周辺諸国及びアメリカとの友好なる関係維持を未来永劫続ける覚悟である、と。

459 :日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/21 01:49:07 ID:???
テレビ:中国共産党は安保廃棄を評価すると発表。これによりミサイル攻撃の可能性はほばなくなったと言えるでしょう!
    また安保廃棄により米軍に負担していた「思いやり予算」はなくなり基地周辺の住民の不安も解消!
    英断を下した大橋内閣の支持率は急激に高くなっています!(映像は祝安保廃棄に沸く人々)

―沖縄・嘉手納基地―

大橋首相による日米安保廃棄宣言からまだ12時間しか経過していないにもかかわらず、日本各地の港湾や
米軍基地から撤退が始まった。東シナ海に展開中の戦闘機及び戦艦を除くほとんどの輸送機や輸送船が
日本から立ち去っていったことを、テレビは伝えた。(注:戦艦という艦種は数十年前から存在していません)

一方、桜木事務所では桜木が首をかしげていた。まるで大橋総理が安保廃棄を言い出す前から準備していたかの
周到さだ、と。そこに鯨井が報告書をもって現れた。そして、桜木は驚愕した。

―赤坂9丁目・防衛庁―
米軍撤退後、自分たちは暇になるだろう、と言っていた偵察レーダー室では、米軍の輸送機の進路のおかしさに
気づいた。撤退先はハワイであったはずなのに、進路がおかしいのだ。報告は上にあげられた。

―首相官邸―
米軍基地撤退の『式典も無事終了、どのマスコミも大橋を戦後最高と褒め称えており、内閣支持率も最高をマーク。
「アジア危機サマサマってところだなフォッフォッフォッ」と祝杯をあげているところに防衛庁長官からの報告。
祝杯を挙げに誘う首相に無視して長官は報告。自衛隊のレーダーが確認。撤退中の米軍部隊が大きく進路を変えた、と。

桜木事務所では鯨井が携帯で連絡を受け驚愕しつつ報告した。撤退中の米軍部隊は急遽北に進路を変更したのだ。
そして桜木は気づき、述べた。
調査報告書に有るロシア高官とのひんぱんな密室会談という証拠を。そう・・・アメリカは冷戦時代の仇敵、
ロシアと手を結ぶ気だ!と。そして、撤退中の輸送隊の目的地は・・・と(千島を指さした)。
アメリカは今なお開拓者精神を忘れていない。米国は日本を見限り、「完全なるアジア制覇」に向け始動した!
新たな西部開拓史の始まりだ!と。ホワイトハウスでは米ロ首脳の緊急記者会見が開かれていた。(第5話 了)

460 :トップ オブ ザ ワールドな人たち 2:05/01/21 02:59:12 ID:???
男子生徒の名前は剣崎。顧問の父親に無理矢理入らされただけで、
いつもやる気がなくボーっとしている。

その他のチャレンジ部部員

菫谷   ゴツいオカマ。剣崎にベタ惚れ。
道明寺 鳥人飛行でギネス記録を目指す。
天根   顔が白塗りで髪はオールバック。深雪は歌舞伎先輩と呼んでいる。
工藤   板前みたいな顔。
内田   目立たない人。途中で顔がものすごく変わる。
速水   生徒会長。女子生徒に人気がある。
堀    目つきが鋭い。ツッコミ役。
長尾   顔が黒い。深雪は湘南と呼んでいる。

礼弥は部員たちと共に断食合宿を行ったり(暑さと空腹でみんな発狂)、
ドミノ積みにチャレンジしたり(ギ○ス記録を破るものの、崩れてしまう)する。
しかし剣崎との仲は縮まらず、剣崎の捨てたテストの答案や
剣崎の触った部のボールペンを盗んだりとストーカーまがいの事をする。
呆れた百合は、入部する時に言われた「コマし権」を利用して
既成事実をつくり、ストーカーから足を洗って彼女にでもなれと言う。
半ば強制的に礼弥はコマし権を使う事になる。
部員たちは、子供をつくって出産記録の世界記録を目指せとはやしたてる。

カラオケボックスに閉じ込められた礼弥と剣崎。
そこで剣崎は、小学五年生の時に円周率暗記でギ○スに載った事があると言う。
ギ○スマニアの父に言われてやった物の、次の年には100桁ほどの差で破られた。
抜き返せと言われたが無理で、それ以来無気力になった。

話すうちに二人の間に良さげな雰囲気が漂うが、空気の読めない部員たちに妨害される。
礼弥は剣崎の使ったストローをさりげなくパチり、百合に「進歩がない」と怒られた。

461 :トップ オブ ザ ワールドな人たち 3:05/01/21 03:02:40 ID:???
実績がないためにチャレンジ部の部費が60%も減少した。
一刻も早くギネスに載らなければ、廃部の危機さえある。
留年をかけたテストを前に道明寺が死にかけなため、鳥人飛行はできない。
その他の部員たちはそれぞれギ○スに載ろうと様々な事にチャレンジする。
日本人らしく巨大折り鶴をつくろうと深雪が提案。
現在の記録の巨大折り鶴は16m。
それを超えるために部員たちはいらないノートやプリントを集め、
でんぷんで張り合わせて巨大なひとつの紙にしようとする。

以前より積極的になった礼弥に誘われ、剣崎も珍しく部活動に参加する。
紙を集めるため書道部に強奪に行ったり焼却炉からかき集めたりしている所へ、
テストが終わり晴れ晴れとした顔の道明寺が「これも使え」と100点のテストを差し出した。
部員たちが紙を集めている一方で、浪人生なみに勉強した道明寺は留年を免れた。

試験期間中、数学の問題用紙が一枚紛失した。
人気のない時間に、紙を集めに職員室のプリント類を漁るチャレンジ部員が目撃されており、
留年直前の道明寺が100点を取ったのは、問題用紙を盗んだためではないかと疑われる。
道明寺が努力していた事を無視して、最初から疑ってかかる顧問との口論の末、剣崎は部活に出なくなる。
礼弥は何度か剣崎を呼びに行くが、剣崎は部室に来る事を拒む。
沈鬱としながらも巨大折り鶴の作成に励む部員たち。
しかし、でんぷんをつくる鍋の不始末で折り鶴ごと部室が燃えてしまう。

「試験問題の件すら解決していないのにボヤまで起こすとは何事だ!
 チャレンジ部は本日を持って廃部にする!
 だいたいギ○スに載るというのがはじめから無謀だったんだ!」
理事長の言葉にギ○スマニアの顧問は怒り狂う。
「いいでしょう!載ってやりますよギ○スに!
 もし十日以内に達成できなかったら、あんたの言うとおり廃部で結構だ!」
部員たちは卵一気飲み、片足立ち、耐久しりとりなどでギ○スを目指すが、上手くいかない。
期限はあと三日。
破られたとはいえ一度ギ○スに載った事のある剣崎にも参加してもらおうと礼弥は説得する。
しかし剣崎は嫌がる。感情的になった礼弥は泣きながら剣崎を怒鳴り、勢いで好きだと打ち明けてしまう。

462 :トップ オブ ザ ワールドな人たち 4:05/01/21 03:05:52 ID:???
「……やっぱり一回の高校生がネッシーに載ろうなんて最初から間違いだったのか……?」
「……そんな 最終回にきてすべてを根底から否定するような…」
今日で十日の期限が切れる。どんよりとした雰囲気が漂うチャレンジ部。
礼弥は勢いで告白してしまった事で一際暗いオーラを纏っている。
そこへ理事長がやって来て、これでもうチャレンジ部は廃部だと告げる。
「やだっ!まだ今日は終わってないもん!まだ六時間ぐらい残ってるもん!!」
礼弥が泣き叫んでいると「……六時間…なんとか間に合うな…」と言いながら剣崎が現れた。
剣崎は世界記録の一桁上の、四万二千百九十六桁の円周率を暗記してきたのだ。
まわされたビデオカメラの前で、剣崎は円周率を暗唱する。

「救世主さまー!」「ケンちゃんステキー!」興奮するチャレンジ部一同。
12時直前に、剣崎は四万二千百九十六桁の円周率をいい終えた。
世界記録を達成したからと廃部は取り消しになった。
連日ギ○スに挑戦していた部員たちは疲れのためその場で眠りに落ちる。
起きていた剣崎は、同じく剣崎への気まずさで眠れずにいる礼弥にキスをした。

翌日、円周率暗唱のために回っていたビデオカメラが、暗唱の後も回され続けていた事が発覚。
ビデオテープを見られたら礼弥と剣崎のキスも知られてしまう。
剣崎は証拠隠滅のためにビデオテープをぶっ壊し、円周率暗記の記録も消えてしまった。


――チャレンジ部の戦いの日々は終わらない。




463 :トップ オブ ザ ワールドな人たち 5:05/01/21 03:07:46 ID:???
綺麗で賢い百合は男子生徒に人気があるが、百合自身は男嫌い。
番外編「百合のキモチ」

しかし一人だけ嫌悪感を持たない男性がいる。それはオカマの菫谷だ。
「あれは反則だろう…」「たしかに男の人だけど…」
なんでよりによって菫谷なんだと納得できない礼弥と深雪。

ある日チャレンジ部に女子生徒の白石が訪ねてくる。
彼女は先週の金曜日に、なんでここまでというほど豪快に
クラス全員分の資料を廊下にぶちまけてしまった。
その時通りすがりの男子生徒が、何も言わずに黙々と資料を集めてくれた。
白石は彼に一目ぼれをして、彼を探して部室を歩き渡っているのだ。
その男子生徒とは菫谷だった。
菫谷は拾わなければ廊下を通れなかったから手伝っただけだが、
白石はすっかり菫谷を男らしい素敵な人だと世紀の勘違いをし、
菫谷を慕ってチャレンジ部に入部した。
せっかくの新入部員を逃がしてはいけないと、
白石がいる時は、オカマっぽい言動を慎むよう菫谷は強制される。

意地でも男言葉を使いたくない菫谷は部室では無口に無愛想に振る舞い、
白石は「シャイでカッコイイ人」だと菫谷への憧れを益々強くさせる。
それを見ても百合は何もできずにいる。

464 :トップ オブ ザ ワールドな人たち 6:05/01/21 03:09:40 ID:???
連日オカマな言動を出来ず、抑圧された菫谷は剣崎に襲い掛かる。
それを目撃した白石は「オカマならオカマでわかりやすいようにしとけ!」
と泣き叫びながら退部。
恋愛感情は抱けないものの、あまりにもよく慕ってくる白石を
妹のように思い始めていた菫谷はショックを受け、
オカマと書かれたタスキを肩にかけて落ち込む。
「なにもそこまでわかりやくしなくても…」
部員たちは励まそうとするが菫谷は完全にへこんでいる。

百合は菫谷のために、礼弥から徴収した剣崎の使用済みストロー、
おはし、空き缶、ハンカチ、髪の毛、ちょっと危ない写真などを差し出す。
興奮して鼻血を流す菫谷に百合は言う。

「本当はこんなもので元気出してほしくなかった。
 剣崎先輩の物なんかじゃなくて…駄目ですか?あたしじゃ」
女なんて論外よと答える菫谷に、そう言うと思ったと百合は穏やかに笑う。

「いい? あんたオカマに血迷うなんてこれで最後にしなさいよ。
 ちゃんとしたいい男みつけて結婚してそれで幸せになんなきゃ。
 あんた たぶん女にしては上等な方なんだから」
菫谷はそう説教し、しばらく百合とくだらない話をする。
雑談をしながら、この先菫谷と別の場所で生活するようになっても、
菫谷が今日の事を思い出してくれる日があればいいなと百合は思った。

<完>

465 :トップ オブ ザ ワールドな人たち 6:05/01/21 03:15:54 ID:???
>>463は一行目と二行目が入れ替わってました。修正お願いします。

466 :マロン名無しさん:05/01/21 13:11:51 ID:???
真崎守の「ジロがゆく」をおねがいします

467 :マロン名無しさん:05/01/23 04:13:25 ID:???
『夕凪の街 桜の国』やります。
作者のこうの史代は広島県出身。
自身は被爆者でも被爆2世でもないけれど、
避けて通る事は出来ない問題であるとこの作品を描いた、との事。

初刷 2004年10月20日
双葉社より800円+税で発売中。

468 :夕凪の街 桜の国:05/01/23 04:28:41 ID:???
大まかなあらすじ

『夕凪の街』と『桜の国』の二部構成。

『夕凪の街』は、原爆投下より10年後の広島が舞台。
父を亡くし、遠く茨城に弟を養子に出し、母と二人暮らす平野皆実(みなみ)を軸に描かれる、被爆の悲しみ。

『桜の国』は現代が舞台。
皆実の弟・石川旭が広島に戻り、被爆した女性と結婚。
一男一女に恵まれるが、被爆2世という事が、彼等の恋愛に暗い陰を落とし…という話。

469 :夕凪の街(1):05/01/23 05:23:49 ID:???
原爆投下から10年後、昭和30年の広島。
建設会社の事務員・平野皆実は貧しいバラック小屋で母と二人暮らし。
茨城に養子に出した弟に母を会わせる為、交通費を捻出しようと
娘らしいお洒落もせず、節約生活を送っている。
同じ会社の営業・打越といい雰囲気であるが、なかなか素直になれない。
ある日の会社帰り。
女物の洋装店を覗く打越を見掛けた皆実は
「好きな人にあげるんじゃが、見立ててくれ」と言われ、
「ふられてつっ返されても、これで泣きゃええが」と、レースのハンカチを選ぶ。
店を出て、打越から「返さんでくれ」と、
そのハンカチを渡された皆実は、照れながらも受取る。
河原を歩きながら、皆実は打越に体をもたせかけ、キスを交す。
瞬間、彼女の脳裏には10年前に目の前の川が焼死体で埋まっていた光景が広がり、
「ごめんなさい」と打越を振り払って走り出す。

10年前の8月6日。
皆実は原爆で父と妹を亡くした。
救護所で丸く膨れた母を見つけ、姉の霞とも落ち合った。
あまりの惨状に感覚は麻痺し、死体を平気でまたいで歩くようになった。
腐臭に苛つき、橋の上から姉と一緒に川に溢れる死体に石を投げつけた。
やがて姉も、被爆症で紫のシミだらけになって死んでいった。
自分は、幸せになってはいけない人間なのだ…
そんな想いが、皆実を頑なにさせていた。

翌朝。
会社で打越と挨拶を交した皆実は、彼に
「うちは、この世におってもええんじゃ、と教えて下さい」と
10年前の体験を話して聞かせる。
打越は理解を見せ、「生きとってくれて、ありがとうな」と、優しく皆実の手を握る。

470 :夕凪の街(2):05/01/23 05:50:49 ID:???
その翌日から皆実は疲れからか、体がだるくなり、寝込んでしまう。
見舞いに来た打越は帰り際、『月がとっても青いから』と鼻唄を歌う。
それを見送りながら、皆実も続きを歌う。
♪月がとっても青いから 遠回りして帰ろう
もう今日限り逢えぬとも 想い出は捨てずに
君と誓った並木道 二人きりで さぁ帰ろう♪
夕凪の、幸せな風景。
翌朝には皆実の足腰は立たなくなり、夜遅く、真っ黒な血を吐いた。
被爆症が今になって発症したのだった。
友達や会社の同僚が見舞いに訪れるが、皆実の症状は急激に進み、目も見えなくなった。
(皆実モノローグ)
黙って手を握る人がいた。知っている手だった。

痛い。喉をまた生ぬるいかたまりが通ってくる。
もう、ただの血ではなくて、内臓の破片だと思う。
髪も抜けとるのかも知れんが、触って確かめる気力もない。
明日にしよう…明日…

嬉しい?
十年経ったけど、原爆を落とした人は、私を見て
「やった!また一人殺せた」と、ちゃんと思うてくれとる?
ひどいなぁ。
てっきり私は、死なずにすんだ人かと思ってたのに。

ああ、風…
夕凪が終わったんかねぇ…

そして、いつかの河原に座り込む打越の横を、剥がれた
『原水爆禁止世界大会』のポスターが風にあそばれてゆく。
皆実の手には、打越に貰ったハンカチが、力無く握られていた。
(終わり)

471 :マロン名無しさん:05/01/23 10:39:50 ID:???
お、重い

472 :マロン名無しさん:05/01/23 10:51:25 ID:???
やたら新聞とかでも評判になってたから気になってたけど、やっぱ原爆物だけあって重いねぇ。


473 :マロン名無しさん:05/01/23 18:33:19 ID:???
>471-472
漫画が柔らかい絵柄なだけに、悲壮感更に倍、みたいな…
モノローグの場面は背景無しの白いコマに延々と書かれていて、心に迫ります。
後半の『桜の国』は少し希望のある感じです。
夜に書きます。

474 :PEACE MAKER (ACT.20-21):05/01/23 18:51:37 ID:???
>>429 の続き

一八六四年、六月五日早朝。
物音を、吉田の帰宅だと思い玄関に赴いた古高が見たのは
殺した筈の歩(本当は扮装した烝)だった。
悪趣味だと言い逃れようとするも、腕の怪我を指摘され青ざめる古高。
そこに新撰組が現れ、捕り物が始まる。
逃げる古高に、烝は大男を両手に持ちながら静かに歩の死に様を語る。
殺気を感じた古高は、殺されるよりは捕まったほうがマシだと外に逃れようとするが
「・・・ホンマは殺ったらあかんのやけどなぁ カンニンなぁ」
そう言って烝苦無を振り下ろすのだった。
「もう忍にはなれへんのや」

捕り物が全て終わった後、烝を心配する鉄之助が駆けつける。
烝は「手加減できなかった」と、思い切り殴った拳を見せた。
殺すつもりだったのに最後まで中途半端だと言う烝に、自分もアユ姉も嬉しいという鉄。
しかし吉田稔麿は枡屋には居らず、取り逃がしてしまった。

屯所に戻る途中、鉄之助は鈴と再会する。
鉄之助を狙う鈴に、怒る鉄之助。鉄之助は刀を避け、鈴の苦しそうな顔を見る。
そこに現れた吉田稔麿。鈴の行動は彼の命令によるものだったのだ。
鉄之助を殺そうとする吉田を、鈴は堪りかねて止めようとする。
一方、鉄之助の方は過去の恐怖が先行して逃げることしか出来ない。
パニックを起こし、空き家の押入れに隠れる鉄之助。
吉田はその家に放火すると、鉄之助の潜む押入れを開け喉元に刀を突き立てた。
恐怖に怯え、失禁する鉄之助。
そこを鈴が止めに入り、泣きながら吉田に殺さないよう頼むのだった。
人が集まりだし火の回りも早いことから、吉田は鈴と共に燃える空き家を後にする。

両親の墓参りをしていた辰之助は、立ち上る煙を見て、嫌な予感を巡らせる。
火事の現場に走り、勘違いでありますように・・・と祈りながら押入れを開けると
そこにはもう一歩も動けず蹲る鉄之助がいた。

475 :PEACE MAKER (ACT.22-23):05/01/23 18:56:35 ID:???
完全に正気を失い、押入れに閉じこもってしまった鉄之助。
散々引っかかれた辰之助は、総司に押入れを開けないように言う。
もう誰が誰かなど認識できず、ただ押し入れで毛布に包まって怯えているのだ。
両親が死んでから、全く鉄之助は成長しなくなったという。
総司の自分の心の傷について咳き込みながら考えるのだった。

先日捉えられた古高は、土方にひどい拷問を受けていた。
ふと歩のことを口走る土方。
吉田の行動にしては、歩を殺したのはおかしな行動だと土方は言う。
それまでギリギリの均衡を保ってきた両者。その均衡を簡単に崩してしまった。
その言葉から、自分の独断で歩を始末したことが裏目に出たと気付く古高。
専属の忍を持ちながら、なぜ吉田らだけ逃げてしまったのか。
古高は吉田に見捨てられたのだ。
それまで黙秘していた古高は、土方に吉田の姿を重ねとうとう口を割ってしまうのだった。

「御所の風上から火をかけ京を火の海にし、その混乱に乗じて親幕派を暗殺、
帝を救い長州へ連れて行く」というのが吉田の計画である。

古高の土蔵から武器一式が奪われ、状況は一変する。
枡屋の一件で、善後策を講ずる会合が開かれると踏んだ新撰組は活動を開始し
午後六時、東には土方・原田ら24名が、西には近藤・沖田・永倉・藤堂ら10名が御用改めへ。

土方の頼みで押入れを開けようとする烝。
野生動物のように気を立たせていた鉄之助も、烝の説教で少しずつ正気を取り戻す。
烝は鉄之助に隊服と差し料を渡した。
辰之助は「勝手な真似をするな」と烝に怒りをぶつけるが、烝は彼の過保護に釘を刺すのだった。
鉄之助は決意し、先に出発した新撰組の後を追う。

476 :PEACE MAKER (ACT.24-26):05/01/23 19:06:25 ID:???
池田屋で会合を開く長州藩士達。二日後に計画を実行しようと吉田は言うが
宮部は古高を気にかけない吉田に異論を唱える。
しかし吉田はどうしても早く計画を実行したいらしい。(鉄之助の存在が原因?)

新撰組の動きを嗅ぎつけたくの一は池田屋へと急ぐが、途中烝に足止めをくらう。
池田屋についたのは近藤ら、少ない面々であった。
逃げ回る長人達を容赦なく斬る近藤・総司・永倉・藤堂。
数的優位にも関わらず、長州側は混乱し不利な状況に立たされていた。
裏口に脱出口を確保し退避を促す吉田に、宮部は同意せず切り殺されてしまう。
それを見た吉田は全てご破算になったことを悟り、自嘲気味に笑い池田屋に戻るのだった。
そこへ謹慎中だった鈴が、吉田を心配し駆けつけ自分も戦うと言う。
吉田は長州藩邸へ援兵を頼むようにと命令を与えるが
それは鈴を池田屋から遠ざけるためで、援兵が来ないことを吉田は知っていた。

槍を持ち店内に戻る吉田。藤堂が不意打ちを仕掛けるも寸でのところで外し
逆に頭部を突かれそうになるところを永倉に助けられるが額に重症を追ってしまう。
くのいちと対峙する烝は自分が力しか上回らないことを考慮し、至近距離での勝負に持ち込み
隙をついて発光弾を打ち上げた。

吉田を蹴り飛ばした総司が刀を突き立てようとしたその時、鉄之助が到着し
名前を呼ばれ振り向いた総司の隙をついて、吉田は瓦礫を吹き飛ばし、総司は倒れる。
吉田は総司には目もくれず、現れた鉄之助に焦点を定める。
恐怖に、またも押入れに逃げ込んでしまう鉄之助。総司は吉田を追い止めようとするが
それでも吉田の眼中には鉄之助しかない。
総司は吉田の左腕に一撃を入れ、優勢になったかと思われたが、その時激しく咳き込んでしまう。
力の入らなくなった総司は刀を落とし、窮地に陥る。
鉄之助は押入れから一部始終を見ていた。
そして、自分が強くなりたかったのは、殺すためではなく大事な人を守るためだと思い至る。


※宮部=宮部鼎蔵

477 :PEACE MAKER (ACT.27-29):05/01/23 19:16:09 ID:???
土方らは、池田屋に急ぎかけつける。
忍同士の戦いも終わり、二人は別れを告げる。忍の女は金髪の異人だった。
鈴は長州藩邸前で援兵を叫ぶが、誰も応答することはなく、涙を流す。

池田屋では鉄之助が吉田に立ち向かっていた。
吉田に突進し、足に刀を突き刺す。立ってはいても吉田の両足そして左腕は
ほとんど使い物にならなくなっていた。
残った右腕も切り落とされ倒れた吉田に、鉄之助は二年前になぜ自分を殺さなかったのか聞くが
吉田からは「なんのことだ。」という答えしか返ってこなかった。
トドメを差さない鉄之助に吉田は刃物を咥え、鉄之助の喉に突きたてる。
殺さないと殺されると分かっていても、鉄之助は吉田を慕う鈴のことを思うと動くことが出来ない。
刀が刺さるその直前、総司は吉田の首を刎ねるのだった。

騒動の後、会津藩から手柄を横取りすようとする連中が現れるが、土方・近藤らが追い払う。
総司を心配する土方は、総司が咳き込んでいるのを見て驚くが、総司は全部返り血だと嘘をつく。
土方に初めて優しくされ喜ぶ鉄之助は、置き去りになっていた刀を回収しているところを
空ろな表情で池田屋に戻ってきた鈴に見られるが、鉄之助は鈴に気付かずにその場を後にする。
呆然として吉田の死体に話しかける鈴。
凱旋の列の中、総司は土方に「鉄クンは自分のようにはならない。強い子だから大丈夫」と言う。
その列とは一人逆方向、吉田の首から滴り落ちる血の筋を道に作る鈴がいた。

こんな大事件がありながら、祇園祭は敢行され新撰組もお祭りムード。
祭りに出かけた鉄之助、烝、辰之助だが、辰之助の表情は暗く、
気まずい鉄之助は明るく振舞いながらもずっとお面を被ったままである。
刀を握ることをまだ反対する辰之助に、それでは鉄之助が可哀想だと烝は言うのだった。
祭に沙夜を誘いに来た鉄之助は、明里が寝込んでしまったため沙夜は看病していると聞く。
窓越しに沙夜と会った鉄之助は、刀を握っても人は殺さないと誓った。

それぞれの隊士達が祭りの夜を穏やかに楽しみ、池田屋事変は静かに幕を閉じるのだった。

                                                  <終>

478 :マロン名無しさん:05/01/23 19:30:17 ID:???
一応これで終わりです。
謎は謎のままで終わりという・・・
続編の「鐵」は連載中なので続きはそちらでどうぞ。

479 :桜の国(1):05/01/24 00:04:22 ID:???
17年前の東京。
祖母(皆実の母)、父(皆実の弟)、弟と団地に暮らす
石川七波(ななみ)は、男子に混じって草野球のショートを守る、活発な小学5年生。
名字が石川だからという理由で「ゴエモン」と呼ばれている。
母は既に亡く、連絡帳に書く事はいつも決って
「おばあちゃんは、弟と病院です。お父さんは、会社です。」
その後は、隣の一軒家に住む同級生、利根東子(とうこ)と遊んだ事か、野球の練習に参加した、と続く。
春のある日。
いつもの様に野球の練習をしていた七波は、シートノックの球を顔面に当ててしまい、鼻血を出す。
監督に休んでいる様に言われた七波は暇になり、
辺りに散った桜の花びらを集めると、グラウンドを抜け出す。
駅で偶然、ピアノのレッスン帰りの東子に会った七波は運賃を借り、
彼女と一緒に、弟の凪生(なぎお)が入院する総合病院へと向かう。
ここへは、祖母も通院している。
病室に着いた東子は、喘息で腕に点滴を付けた凪生に同情したのか、
自分のピアノの楽譜を破り、自分が一番好きな曲だと渡す。
七波は凪生のベッドに立ち、桜の花びらを上から降らせる。
「凪生が休んでるから、小学校の桜の出前に来たんだよ。」
興が乗った東子もどんどん楽譜を破り、小さく千切ると、花びらの様にワッと空中に散らす。
そこへ検査を終えた祖母がやって来て、七波は大目玉をくらう。
祖母に伴われて利根家に謝罪に行き、帰宅した七波は洗濯物を干す。
ベランダからはピアノを弾く東子のシルエットが見えた。
互いに即興で口笛とピアノを合わせ、楽しい気分になる七波だったが、
ふと振り返ると、室内では帰宅した父に、祖母が検査結果の封筒を渡しているところだった。
翌朝。
登校時に赤い目をして現れた東子に、七波は昨日の事で叱られたのかと心配するが
東子は夜中まで宿題の作文「将来のゆめ」を書き直していたのだという。
日々の慌ただしさに紛れ、七波は東子の夢を聞きそびれてしまった。
その夏には祖母が亡くなり、秋には凪生が通院する事になり、
病院の近くに引っ越したので、東子とも、何と無く疎遠になっとしまった。
七波の夢は「東子ちゃんの様におとなしい子になる事」だったが
転校先でも相変わらずお転婆で、やっぱりあだ名は「ゴエモン」になった。

480 :桜の国(2):05/01/24 01:03:18 ID:???
2004年、夏の東京。七波は28歳で会社員。
父は仕事を退職し、凪生は努力の末に医学部に入り、今は研修医になっていた。
凪生は病院で、偶然にも看護婦になっていた東子と再会し、親しくしている様だ。
そんな話を聞き流した七波には、父・旭の事が気掛かりだった。
最近自宅の電話代が跳ね上がり、旭は散歩と称して出かけては、
二日間帰ってこなかったり、という事がままある。
凪生は宿直で家を空ける事が多いのであまり判らないが、
七波は父がボケたのではないかと心配しているのだ。
ある週末の夜、買い置きしていた桃が無くなっているのを、
七波は旭に「食べたのか」と聞く。
旭は「食べたかも」と答え、散歩のついでに買ってくると外出。
心配になった七波は跡を追う。
帰宅していた凪生にそう告げると、関心無さそうに「いってらっしゃい」と言われ、こちらも何かおかしい。
一方旭は、自転車の籠に隠してあったリュックを背負い、何故か駅へ。
七波が妙な散歩だと跡をつけていると、突然「七波ちゃん」と呼び止められる。
17年ぶりに見る、変わらない東子の顔。
彼女に何をしているのかと聞かれた七波は、まさか父のボケが心配で
とも言えず、「家庭の事情で尾行などを」と言葉を濁す。
前方に旭を発見した東子は、さり気ないふうを装ってその後ろに付くと、
彼が買った切符と同じ切符を2枚買い、少々強引に七波と行動をともにする。
旭は東京駅で降り、広島行きの高速バスに乗ろうとする。
たいしたお金も持たずに出てきた七波が諦めかけると、
東子は「貸すわよ」と、バスの切符を2枚買い、またも強引に七波に渡す。
乗り込む前には自分の上着と帽子を七波に被せ、とっさに変装させるという機転まで見せる。
二人は難無くバスに乗り込み、旭から離れた席に座る。
何とはなしに気まずい七波は、看護婦になったという東子に凪生の話をふる。
凪生は皆に可愛がられていて、やはり「ゴエモン」と呼ばれているらしい。
「よく似てるからすぐ分かった」と言う東子。
七波は気が詰まり、「見付かるといけないし、もう寝よう」と東子に背を向ける。
窓に映る東子を見つめながら、七波は秘かに「会いたくなかった」と思う。
「この人の、顔といい、髪といい、
あの桜並木の町の、日溜まりの匂いがする」

481 :桜の国(3):05/01/24 02:01:23 ID:???
まだ祖母が生きていた、あの頃。
もう寝たきりになって、ボケていた祖母は、七波を娘の友達だと勘違いし、よく
「なんであんたァ助かったん?どこへ居りんさったん?」と聞いてきたものだった。
(娘は、もう帰ってこないのに)その事は今も、苦い記憶として七波の胸に残っている…

広島に着いた二人は、少し離れて旭を尾行する。
彼は七波の知らない年輩の婦人を訪ね、玄関先で何か話をしては、同じような年の婦人達を何軒も訪ね歩く。
進展の無い尾行に飽きてきた様子の東子に観光を勧め、七波は一人で旭を追う。
やがて旭は平野家の菩提寺を訪ね、リュックから出した桃を墓に供える。
平野の墓には、旭の実父と三人の姉、そして実母(七波の祖母)が眠っている。
旭は疎開先の茨城の親戚宅で終戦を迎え、その後も大学まで広島に帰らず、その家の養子になった。
彼は「ヒロシマ」を知らない。

寺を出た旭は川沿いに出、そこで待ち合わせをしていたらしい老人と河原に座って長話をする。
この河原は、かつて戦争スラムと呼ばれ、バラック小屋が密集していた場所だった。
皆実が暮らした場所。今は整地され、美しい緑野が広がる。

退屈になった七波はふと思い立ち、東子に連絡を取ろうと、借りっぱなしになっている上着のポケットを探った。
別れ際に渡された東子のケータイ番号のメモと、前から入っていたらしい手紙。
それは、凪生から東子に宛てたものだった。
『利根東子様
今日、ご両親がみえて、もう貴方に会わない様に、と言われました。
僕は、祖母や父や姉に大切にされて、今まで生きてこられました。
東子さんのご両親だって、同じだけ東子さんを大切に思ってこられた筈ですよね。
だから、その人達を裏切ったり、悲しませたりする権利は、僕にあるとは思えない。
ただ、僕の喘息ですが、環境のせいなのか、持って生まれたものなのかは判りません。
今はすっかり元気です。
姉は今も昔も元気です。
さようなら 石川凪生』
おとなしい筈の東子の強引な様子に思い当たった七波は、
そのまま父の背中を眺めながら時を過ごす。
老人と別れた旭も、じっと河原に座り、過去へと想いを馳せていた。

482 :桜の国(4):05/01/24 03:16:13 ID:???
(旭の過去)
広島の大学に入学した旭は、実母と暮らす様になる。
洋裁の仕事で生計を得ていた母は、近所の戦災孤児の女の子に裁縫を教えたりしていた。
よく来ていたのは中学生の兄と暮らす、「少し頭が足りない子」だと評判の京子だった。
手先が器用な京子は裁縫の上達は早く、母は彼女を娘の様に可愛がっていた。
自然、旭とも親しくなり、彼女の身の上話を聞いたりもした。
「うちねぇ、赤ちゃんの時、ピカの毒に当たったん…
ほいで、足らんことになってしもうたんと」
「誰が言ったの?」「みんな言うてじゃ」
「先生も?」「うん」
「…すぐ原爆のせいとか決めつけるのは、おかしいよ」
旭は京子の勉強をみてあげる事にし、暇を見ては、彼女と過ごした。
京子は旭が標準語を喋るのを聞いては「東京におるみたいじゃ」と嬉しがった。

(現在)
昼を大分過ぎ、七波は、平和資料館を見てきたという東子と落ち合う。
東子はおかしな様子で、暫く黙っていたかと思うと、突然吐いて、うずくまってしまう。
その間に旭は宮島行きのバスに乗って行ってしまう。
気分の悪そうな東子をほっておく訳にもいかず、七波はラブホテルで休憩する事に。
部屋に入ると、東子は七波に謝り、自分は看護婦失格だと言う。
「あれが家族や友達だったら、と思っただけで、もう…」
「関係ないよ。その方がまともなんだよ、多分」
そう慰めると、東子の吐いた物での汚れた服を洗おうと七波は洗面所に立つが、その間の服をどうしようかと途方に暮れる。
東子は備え付けのガウンを勧め、ドライヤーもあるから、と慣れた様子で指示を出す。
ポケットの手紙を思い出し、凪生と来たのだろうか、と下世話な想像をする七波。
ホテルを出、旭を見失ってしまった事を謝る東子に、七波は宮島には叔父が居るから心配はない、と言う。

483 :マロン名無しさん:05/01/24 03:17:15 ID:???
すんません。続きは明日…

484 :マロン名無しさん:05/01/24 19:37:48 ID:???
そろそろ次スレの季節ですね・・・

485 :マロン名無しさん:05/01/25 06:49:08 ID:???
>>442
さとうだいすけ 「25M」

25Mが泳げない小学4年生のまもる。いきなりまもるの前に現れたあつし。
まもるは親友・あつしに励まされ徐々に泳げるようになっていく。

実はあつしは未来からやってきた少年だったのだ。
そしてあつしには重要な使命があった。
あつしがいた未来の地球は人の手によりめちゃくちゃに破壊されていたのだが
その悪い未来を変えるための条件が「まもるが小学四年生の時25m泳げること」だったのだ。
まもるに25M泳がせること、それがあつしの使命。

もしまもるが25M泳げるようになってしまえば,歴史が変わりあつしの存在は消えてしまう。
もちろんそんなこと、まもるに言ってもまともに信じてくれない。
あつしも自分が存在できなくなるということを承知しながら、それでもまもるを応援する。

ついに主人公は苦手な水泳の時間に25メートルを泳ぎきる。
その瞬間、あつしの存在は消え、あつしに関する記憶も消えてしまう。
と同時にまもるはふと、とても悲しい(寂しい?)感情がこみ上げてくるのだった。

さいごはまもるが周りに「やったじゃないか」とか言われながらも
あれ?という感じで「でも、なんか・・・」と言いながら涙を流しEND。

486 :マロン名無しさん:05/01/25 07:22:38 ID:???
まとめサイト、「BLACK CAT」はもう連載終了してますよ。

最後は主人公のトレインがラスボス・クリードの
精神を具現化した武器を砕き(つまり相手の心を砕き)勝利。

その後は今まで通り掃除屋(スイーパー)として
自由気ままに生きていきましたとさ。おしまい。

487 :桜の国(5):05/01/25 07:29:16 ID:???
夜になり、高速バスの乗り場で変装して旭を待っていた七波と東子は
彼とは別のバスになり、拍子抜けしながら変装をとく。
動き出したバスの中、東子は原爆ドームを見ながら口を開く。
「七波ちゃん、私ね、夕べはある人に会いに行く途中だったの。
でも、勇気が無くて、七波ちゃんについて来てしまったの。
でも、ここに来られて良かった。今度は両親と来るわ。
来れば、きっと二人も広島を好きになると思うから…」
それきり目を閉じると、東子は眠ってしまった様だった。
七波は問わず語りに
「母さんが38で死んだのが原爆のせいかどうか、誰も教えてくれなかった。
おばあちゃんが80で死んだ時は、原爆のせいなんて言う人はもういなかったよ。
なのに、凪生も私も、いつ原爆のせいで死んでもおかしくない人間とか、決めつけられたりしてんだろうか。
私が、東子ちゃんの町で出会った全てを、忘れたいものと決めつけていたように…」
と話す。聞いているのかいないのか、東子は少し微笑んだ様に見えた。
七波はバスのトイレに入り、携帯電話で凪生に連絡を取る。

東京駅に到着し、東子の住む新井薬師まで送ってきた七波は、昔遊んだ公園で二人、ブランコに乗る。
そこへ、呼び出された凪生がやって来る。
驚く凪生と東子を置いて、七波は二人に背を向ける。
しかし「辞表出して、家にも帰らずにどこ泊まってたんだよ」
などと、東子に下らない事を言う凪生に肚が立ち、落ちていた松ぼっくりを彼の頭に投げつける。
今言うべき言葉は他にある。
二人を置いて、かつて暮らした町を七波は一人歩く。
昔の通学路の歩道橋に差しかかり、東子の上着を借りっぱなしなのに気付いたが、今度会う時に返せばいい、と微笑む。
七波はポケットから凪生の手紙を取り出すと、細かく千切り、手をかざす。
「母さん…
見てるんでしょう、母さん」
手紙は風に乗り、桜の花びらの様に舞った。
遠く、広島の空の下、旭が京子にプロポーズをしたのは、桜舞い散る春だった。

488 :桜の国(6):05/01/25 08:17:51 ID:???
(旭と京子)
兄が結婚し、京子も独立を考えていた。
『求む!お針子さん 住込み可』の洋装店の張り紙を見ていた京子の横を、旭が通りかかる。
(ここが打越がハンカチを買った店だったり…細かい伏線)
大学を卒業し、社会人になっていた旭は、「うちで母の仕事を手伝えばいい」と京子を誘う。
旭の気持ちに気付いた母は、京子のいない時、
「あんた、被爆者と結婚する気ね?
何のために疎開さして、養子に出したんね?
石川のご両親にどう言うたらええんね?」
と彼を責める。旭は意外に思うが、その後の母の言葉を重く受け止める。
「なんで、うちは死ねんのかね。
うちはもう、知った人が原爆で死ぬんは見とうないよ…」

何年か後の春、東京に転勤が決まった旭は京子を呼び出し、母と一緒に嫁も連れて行きたい、とプロポーズする。
その頃には、母も「同じ心配するんなら、離れてするより、そばに居た方がいい」と言ってくれていた。
そうして、東京での暮らしが始まった。

そんな風景を、七波は知っている様に思う。
母親から聞いたのかもしれない。
しかし、それは生まれる前の記憶で、確かに知っていると思えた。
この町で、この歩道橋で、桜の花びらの中、幸せそうな二人を見て、「このふたりを選んで、生まれてこようと決めたのだ」と。

帰りの電車。ずっと尾行に気付いていたらしい旭は、七波の隣に座る。
彼は姉の皆実の五十回忌に合わせ、広島で皆実の知り合いに昔話を聞いてきたという。
凪生と東子との事を聞いた旭は、「お前の方が心配だよ。28にもなって…」と、ふざけて泣き真似をする。
旭は七波が皆実に似ていると言い、
「お前が幸せになんなきゃ、姉ちゃんが泣くよ」と呟くのだった。
(終わり)

489 :マロン名無しさん:05/01/25 15:37:30 ID:???
マイネリーベ永遠なる夢想曲お願いします。

490 :マロン名無しさん:05/01/25 17:23:03 ID:???
夕凪の街、桜の国乙。
いい話だった。タフな時に原作読んでみる。

491 :マロン名無しさん:05/01/25 17:25:59 ID:???
ピースメーカー、乙。
なんか全然画を知らないから、全ての人物がNHKの某大河になってしまったよ。
特に山南と明里が……。


492 :マロン名無しさん:05/01/25 17:26:25 ID:???
和深ゆあなの「空夢のかなた」と、喜多尚江の「空の帝国」をお願いします。

493 :赤ちゃんと僕、リク主:05/01/25 18:53:55 ID:???
>178-184
まさかネト落ちした直後に書いて頂けていたとは。
超超遅レスですが、あらすじありがとうございました。

494 :マロン名無しさん:05/01/25 19:39:24 ID:???
>>485
地味に泣ける

495 :マロン名無しさん:05/01/25 19:43:50 ID:???
>1
>容量が450を越えた時
今の容量=491 KB
次スレ立ててくる。

496 :日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/25 19:48:00 ID:???
ストーリーを教えてもらうスレ Part10
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1106649935/
どうぞ

497 :マロン名無しさん:05/01/26 15:08:01 ID:???
時間モノはタイムパラドックスのことを考えると
途端に泣けなくなるなあ。俺は汚れてしまった。orz

498 :マロン名無しさん:05/01/26 16:32:05 ID:???
歴史が改変されたとたん平行宇宙になると考えればパラドックスは解決。

499 :マロン名無しさん:05/01/26 20:29:31 ID:???
>>498
なるほど!
何かYU-NOとか思い出したよ。

500 :マロン名無しさん:05/01/26 21:57:10 ID:???
元ネタはラリー・ニーヴン「時は分かれて果てしもなく」です

501 :500:05/01/26 22:11:02 ID:???
おっ、キリ取ってたのか。

つうかエヴェレットの多世界解釈だけどな


502 :桜木健一郎担当:05/01/27 04:33:16 ID:??? ?
>498-501
クロノアイズ、ですな。
そういえば、同作者のイサミダッシュ、書こうと思った時期もありましたが、桜木がまだ2冊730ページも残ってるから
無理だなあ。

492 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.04.00 2017/10/04 Walang Kapalit ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)