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ジャンプキャラ・バトルロワイアル PART.2

1 :名無しかわいいよ名無し:2005/07/11(月) 22:20:02 ID:HOvzsM4p
このスレは週刊少年ジャンプのキャラクターで所謂バトルロワイアルのパロディをしようという企画スレです。
これはあくまで二次創作企画であり、集英社や各作品の作者等とは一切関係ありません。
それを踏まえて、みんなで盛り上げていきましょう。

※ここはSS投下専用スレになります。感想、議論は下のスレでお願いします。
ジャンプキャラバトルロワイアル PART.4
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1119876007/

前スレ
ジャンプキャラ主人公&ヒロインバトルロワイアル
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1115216913/
ジャンプキャラ・バトルロワイアル準備スレ PART.2
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1116767239/
ジャンプキャラバトルロワイアル準備スレ PART.3
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1117638620/

2 :名無しかわいいよ名無し:2005/07/11(月) 22:21:07 ID:HOvzsM4p


3/4【こち亀】○両津勘吉 /○秋本麗子 /○中川圭一 /●大原大次郎
4/4【NARUTO】○うずまきナルト /○春野サクラ /○大蛇丸 /○奈良シカマル
4/4【DEATHNOTE】○夜神月 /○L(竜崎) /○弥海砂 /○火口卿介
4/4【BLEACH】○黒崎一護 /○藍染惣右介 /○更木剣八 /○朽木ルキア
4/4【ONE PIECE】○モンキー・D・ルフィ /○ニコ・ロビン /○ウソップ /○道化のバギー
3/4【銀魂】○坂田銀時 /●神楽 /○沖田総悟 /○志村新八
4/4【いちご100%】○真中淳平 /○西野つかさ /○東城綾 /○北大路さつき
3/4【テニスの王子様】○越前リョーマ /●竜崎桜乃 /○跡部景吾 /○乾貞治
4/4【アイシールド21】○小早川瀬那 /○蛭魔妖一 /○姉崎まもり /○進清十郎
4/4【HUNTER×HUNTER 】○ゴン・フリークス /○ヒソカ /○キルア・ゾルディック /○クロロ・ルシルフル
5/5【武装錬金】○武藤カズキ /○津村斗貴子 /○防人衛(C・ブラボー) /○ルナール・ニコラエフ /○蝶野攻爵(パピヨン)
5/5【SLAM DUNK】○桜木花道 /○流川楓 /○赤木晴子 /○三井寿 /○仙道彰
4/4【北斗の拳】○ケンシロウ /○ラオウ /○アミバ /○リン
3/4【キャプテン翼】○大空翼 /○日向小次郎 /●石崎了 /○若島津健
4/4【キン肉マン】○キン肉スグル /○ウォーズマン /○ラーメンマン /○バッファローマン
4/4【ジョジョの奇妙な冒険】○空条承太郎 /○ディオ・ブランドー /○エリザベス・ジョースター(リサリサ) /○ブローノ・ブチャラティ
3/4【幽遊白書】○浦飯幽助 /○飛影 /○桑原和馬 /●戸愚呂兄
4/4【遊戯王】○武藤遊戯 /○海馬瀬人 /○城之内克也 /○真崎杏子
3/4【CITY HUNTER】●冴羽リョウ /○伊集院隼人(海坊主) /○槇村香 /○野上冴子
4/4【ダイの大冒険】○ダイ /○ポップ /○マァム /○フレイザード
4/5【魁!!男塾】●剣桃太郎 /○伊達臣人 /○富樫源次 /○江田島平八 /○雷電
3/4【聖闘士星矢】○星矢 /●サガ /○一輝 /○デスマスク
4/4【るろうに剣心】○緋村剣心 /○志々雄真実 /○神谷薫 /○斎藤一
6/6【DRAGON BALL】○孫悟空 /○クリリン /○ブルマ /○桃白白 /○ピッコロ大魔王 /○ヤムチャ
4/4【封神演義】○太公望 /○蘇妲己 /○竜吉公主 /○趙公明
3/4【地獄先生ぬ〜べ〜】○鵺野鳴介 /○玉藻京介 /○ゆきめ /●稲葉郷子
4/4【BLACK CAT】○トレイン・ハートネット /○イヴ /○スヴェン・ボルフィード /○リンスレット・ウォーカー
4/4【BASTARD!! -暗黒の破壊神-】○ダーク・シュナイダー /○アビゲイル /○ガラ /○ティア・ノート・ヨーコ
3/5【ジャングルの王者ターちゃん】○ターちゃん /○ヂェーン /●アナベベ /●ペドロ・カズマイヤー /○エテ吉
4/4【とっても!ラッキーマン】○ラッキーマン(追手内洋一) /○勝利マン /○友情マン /○世直しマン
3/4【世紀末リーダー伝たけし!】○たけし /○ボンチュー /●ゴン蔵 /○マミー

118/130 (○生存/●死亡)


3 :名無しかわいいよ名無し:2005/07/11(月) 22:24:05 ID:HOvzsM4p
前スレ

ジャンプキャラ・バトルロワイアルSS投下専用スレ PART.1
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1119971124/

まとめサイト
ttp://jumproyal.exblog.jp/

4 :盗賊の極意:2005/07/11(月) 22:31:34 ID:trho/HeZ
「盗賊の極意(スキルハンター)」
片手をかざしオールバックの男がそう唱えると、魔法のように本が現れ男の手の中に納まった。

この男―A級首の盗賊集団、幻影旅団の団長クロロ・ルシルフルは。
このゲームに参加した時点で『念能力を使用すれば心臓を潰される』という制約をかけられていたが。
戦闘の避けられそうにないこの状況で能力が使用できなければ話にならない。
そう思い一か八か試してみたところ、心臓は潰されていないようだ。
もちろん、そうなるであろうという勝算はあったが。とりあえずはセーフだ。

「……白紙か」
生み出した本をパラパラとめくるが、中には何も書かれていない。

念能力を発動させても、鎖野郎の制約が働かなかった事。
盗賊の極意の中身が白紙に戻っている事。
この二点から見て、ここは自分たちのいた世界から完全に遮断された全く別物の世界といった所だろう。
この能力は術者から能力を盗んでいるだけだ、術者と遮断されてしまえばこの能力は使えない。
体術だけでもそれなりに戦えるだろうが、能力も欲しい、出来れば強力な武器も。

宝も、人も、能力も。
欲しいから奪う。
それが盗賊だ。
欲しければ奪うまでだ。

名簿の中で知ってる限り、念能力を使えるのはヒソカのみか。
食えない男だ、ヤツから能力を盗むのは難しいだろう。
他の次元の特殊能力も奪えるだろうか?
こればかりは試してみない事にはなんとも言えない。
機会があれば試してみるとしよう。

思考を打ち切り、至急品を確認しようとしたクロロは、すぐ近くに気配を感じその手を止める。
集中しなければ気づけない程の小さな気配。
熟練したプロの動きだ。何らかの能力者である可能性は高いだろう。

なにを思ったかクロロはオールバックに固めた髪を下ろす。
そして暗闇から気配の方向に駆け抜けると、男の顔面目掛け蹴りを放った。

5 :盗賊の極意:2005/07/11(月) 22:32:53 ID:trho/HeZ
掃除屋スヴェン・ボルフィードは暗闇の町を歩く。
気配を殺しながらもその足取りは速く、どこか焦りの色が見えていた。

トレインの野郎は簡単にくたばるようなヤツじゃない。
リンスもなんだかんだで、こんな状況でも上手くやり通せるだろう。
問題はイヴだ。いくら強いといってもまだ子供だ、こんな異常な状況に耐え切れるわけがない。
すぐにでも保護しなければならない。

気配を殺しながらも、さらに歩調を速め道を急ぐ。
そんなスヴェンの目の前に、暗闇から突然男が現れスヴェンの顔目掛け蹴りを放った。
その蹴りは鋭く、明らかに熟練した格闘者のものだろう。
だがこちらも、あの黒猫の相棒を務めるほどの一流の掃除屋だ。
不意打ちとはいえ、その程度の蹴りは当たらない。

スヴェンはその攻撃を、顔を反らしギリギリで避ける。
そして落ちかけた帽子を片手で押さえ、スヴェンは男を睨みつける。
見た目はただの若い青年に見える、だが先ほどの動きから戦闘馴れした戦闘者だろう。
「不意打ちとはご挨拶じゃねえか、つまりお前はゲームにのってるってことだな」
「…そうだ」
男は短くそれだけを答えた。
「そうか、なら容赦はしねえぜ」
スヴェンは男に向かって駆け出した。

そしてスヴェンは男と激しい格闘戦を繰り広げる。
その実力は互角。
例え愛用の武器が無くとも、あらゆる状況に対応するのが掃除屋だ。
格闘戦でもそれなりには戦える。
事実、目の前の男と互角に渡り合えている。

そうスヴェンは自信と確信を持つ。
だが、その均衡は徐々に崩れつつあった。
男が顔面に蹴りを放つ、先ほどかわしたはずの攻撃が頬を掠める。
続いて放たれた拳を両腕で受けるが、受けた骨がミシリと軋む。

気のせいか徐々に攻撃が速く、重くなってきている。
まるで自分の実力に合わせているような…。
遊んでいるのか? そんな風には見えないが。
なんにせよこのままでは勝てない。
そう確信したスヴェンは素早く眼帯を投げ捨てる。
そして現れた瞳が青く輝く。
それは亡き友人から受け継いだ能力『予見眼(ヴィジョン・アイ)』
未来を見通す異能の眼。

6 :盗賊の極意:2005/07/11(月) 22:33:28 ID:trho/HeZ
その瞳を気にせず男が迫る。
――蹴り。
男が足を大きく振りかぶり、こちら目掛け鞭のようになぎ払う。
その蹴りがこちらに届く前に、素早く攻撃範囲内から脱出する。
――突き、突き。
男が拳を二発繰り出す、正確に急所を狙ったその攻撃を片手で払い、反撃の蹴りを決める。

敵の行動が手に取るようにわかる。
それは読みなどというレベルの話ではない。
見えるのだ、敵の次の行動が。
ならばどれだけ敵の行動が早かろうと、こちらはそれにあわせて動けばいい。

「なっ…!」
正確に反撃を食らった男は、後ずさり驚愕の声を上げる。
「無駄だぜ、あんたがどれだけ早かろうと、俺の目には見える」
「…それはどういうことだ?」
怯えたように男は問いかける。
「――未来が見えるってことさ」
その様子に勝利を確信してしまったのか、つい口がすべる。
「…そうか」
その答えを聞き、男はそれだけを呟き俯いた。
そして、ユラリと揺らめいたかと思うと、男の姿が闇消えた。

次の瞬間、この予見眼が捕えた光景は、10m程離れていたはずの男が自分の腕をつかんでいる光景。
その動きは、来るとわかっていても反応しきれない程の動き。
その光景をなぞるように男は駆け、あっさりと予見した光景が再現される。
見下ろすと腕を掴んだ男と目が合った、その表情は先ほどのまでの怯えた表情は消え、完全に色をなくしていた。
そして、職業柄その男の目を俺は良く知ってる。
冷たく凍りついた殺し屋の眼だ。
これまでの全ては演義だったとでいうのか?

折られる、瞬間的にスヴェンはそう思ったが、男は意外な行動に出た。


7 :盗賊の極意:2005/07/11(月) 22:34:26 ID:trho/HeZ
盗賊の極意の手形に男の手を合わせる。
それだけを行うとスーツの男を蹴飛ばし、転がる男をそのままにその場から離れた。

「…成功だ」
広げた本を見つめクロロは僅かに笑みをこぼす。
これで実証された、この世界の特殊能力も盗める。
だが術者が死んでしまえば盗賊の極意で奪った能力は使えない。
殺してしまっては意味が無いし、あの男がこのゲームで誰かに殺されても消えてしまう。
それに生かさず殺さず、ギリギリまで追い詰めて能力を使わせるというのは骨が折れる。
だがそれでも奪う、奪えるものは全部、道具も、力も、それが盗賊、幻影旅団だ。

【茨城県/黎明】

【スヴェン・ボルフィード@BLACK CAT】
 [状態]:僅かに疲労、ダメージ、眠気、予見眼使用不可
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式(不明)
 [思考]:1イブを探す(ついでにトレインとリンスも)

【クロロ・ルシルフル@HUNTER×HUNTER】
 [状態]:健康
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式(不明)
 [思考]:1能力を盗む
 2アイテムを盗む
 [盗賊の極意]:予見眼

8 :888:2005/07/11(月) 22:57:49 ID:vxs/kVHi
「おいファッキンチビ。お前なら今の状況でどこに向かうのが効率が良いと思う?参號夷腕坊とお前の支給品があるこの状況でだ」
 セナはヒルマの言葉に少しだけ考え込んで答える。
「とりあえず、東京を目指した方が良いと思います」
「何でだ?」
「まも姉や、進さんがいるかもしれないし……」
 言葉は途中でヒルマに遮られる。
「考え所は悪かねぇ……が、外れだ。関東にはいずれは行かなきゃならねぇだろうが、まだ早い。俺達はいったん佐賀辺りに向かうぞ」
「えっ?何でですか?」
 セナには意味が分からない。
「東京を目指すのは自明のことだ。そうでなくても、いずれ、九州は出るべきだろ。食料制限や制限時間のある今の状況じゃどうしたって人がいるであろう場所に行くしかねぇ」
「なら、何で佐賀に?」
「佐賀は例えだが、位置的には丁度良いだろうな。ともかく、この状況下でゲームに乗った奴ってのはどこで待ち伏せるよ?」
「それは……。だから、人が集まる都市は避けるって事ですか」
「半分当たり。もう半分は、本州に渡る経路の周辺だ。福岡はどっちの条件もはたしてやがる。コイツに乗ってりゃ負ける気はしねぇが避けた方が良いだろうよ」
「でも、それじゃ結局……」
「だから今はなんだよ。コイツを完璧に操るまでの間だ。なに、一日で仕上げてみせらぁ。って事で行くぞ」
 ヒルマは夷腕坊を操り、二人分の荷物とセナを拾い上げる。
「足休めとけ。テメーは全力出した後はへばっちまうんだからな」
 こうして二人は佐賀に向かった。


9 :888:2005/07/11(月) 22:59:06 ID:vxs/kVHi
「でもヒルマさん。味方を集めるにも都市の方が良いんじゃないんですか?」
「味方を集めるにもまず力をつけてだ。その方が集めやすい。それに、そう考える連中は他にもいるだろうよ。だから、そいつらと組めば良いのさ。さっき言った理由もそれだ。福岡は危険だと、ゲームにのらねぇ連中だって思うだろうよ。だから今は福岡を離れる」
 セナは感心する。信頼はしていた。ヒルマなら何とかしてくれると。
 だが、侮っていたとしか言いようがない。この人の頭はもう既に状況に冷静に対応している。
 佐賀までの移動でヒルマは大分夷腕坊を使いこなせるようになっていた。
 戦車を操るのとは大分違うが、いけるなこりゃあ。
 
 その時、音がした。
 岩の削れる大きな音。明らかに戦闘音だ。
「ファッキンチビ。声出すなよ」
 ヒルマは集中し、限界まで音がしないように夷腕坊を操る。
 夷腕坊は土色をしているし、人工物だ。気配も何も無い。
 木の陰に隠れて見ると、髪に鈴をつけた和服の大男と奇術師の様な格好をした男が闘っていた。
 決着が付くと思った時、爆発があり。おかしな羽を生やした男が割って入った。
 あれがリーダー格か……。
 ヒルマは冷静に観察する。
 奴らは強い。仲間にすれば重要な戦力になる。
 その時、髪に鈴をつけた和服の大男と奇術師の様な格好をした男が同時にこちらを見た。
 気疲れたッ!!!!!
 ヒルマはセナを放り出し、夷腕坊を駆って疾駆する。
 リーダー格を人質に取る。セナが逃げる時間を稼ぐ。勿論、自分は生き延びる。
 穿腕撃でリーダー格と思われる男の羽を抉り取り、そのまま押し倒すとその首に手を掛ける。
「誰も動くな!!!!!」
 向かってこようとした髪に鈴をつけた和服の大男と奇術師の様な格好をした男の動きを声で制す。
 さぁて、どうするか?ヒルマの思考はこんな時でさえ冷静だった。


10 :888:2005/07/11(月) 22:59:36 ID:vxs/kVHi
【佐賀県 北部海辺の崖/黎明】
【小早川瀬那@アイシールド21】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.逃走する 2.ヒルマを助ける

 【蛭魔妖一@アイシールド21】
[状態]:健康
 [装備]:参號夷腕坊
 [道具]:荷物一式 セナの支給品
 [思考]:1.この場を逃れる 2.セナの心配 3.仲間を集める

 【チーム名=奇人変人】
 【パピヨン@武装錬金】
 [状態]:微傷
 [装備]:核鉄LXX@武装錬金
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1乱入者の排除 2カズキとの合流 3主催者を抹殺

 【ヒソカ@ハンターハンター】
 [状態]:微傷
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式(支給品不明)
 [思考]:1乱入者の排除 2知り合いとの合流、パピヨンと行動  3主催者の抹殺

 【更木剣八@ブリーチ】
 [状態]:微傷
 [装備]:ムラサメブレード@バスタード
 [道具]:荷物一式 サッカーボール@キャプテン翼
 [思考]:1乱入者の排除    2志々雄と決着を付ける 3強いヤツと戦う

 【志々雄真実@るろうに剣心】
 [状態]:健康
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1事態の把握 2刀を探す 3剣八と決着を付ける 4主催者の抹殺


11 :宇宙最強の男VS悪の帝王 ・ 修正版:2005/07/12(火) 22:12:55 ID:xwJi1ylZ
前スレ>>232>>239の修正です。

――長野山中の別荘地

「オイおめえ!」
山吹色の道着を纏った黒いツンツン髪の男、孫悟空はその視線の先に居る最悪の吸血鬼。
悪の帝王ことDIOをジっと睨み吸えていた。その悟空の険しい表情にいつもの陽気さは微塵も無い。
「こいつにいきなり襲い掛かったってのは本当か?こんな馬鹿なゲームに本気で乗る気なのか?」
悟空は傍らに横たわっているルフィにチラリと目線を配った後、その真意を確かめる様にDIOを問い詰めた。
「だとしたら、どうだと言うのだ?そこの小僧が死のうが他の参加者を殺そうが所詮は取るに足らぬ人間共、
 このDIOの知った事ではない」
事も無げに言い放つDIO、彼にとって自分以外の参加者など己の空腹を満たす餌でしかない。
主催者の意図に従う気は毛頭ないが腹が減れば参加者を殺し、その血を啜る。
詰まるところ今現在の彼の行動原理はそれだけであった。ただ本能に従い他者の命を吸い尽くす。
そんなDIOの言葉を聞いたルフィがブルブルと身体を震わせ彼を睨みつけた。
「コノヤロ〜!」
拳を握り締め今にも襲い掛からんと立ち上がったルフィだったが――
「やめろッッ!!」
悟空は手を前に突き出しルフィを静止させる。
「なんだよお前!?邪魔すんな!!」
「おめえじゃアイツには勝てねえ!殺されっぞ!」
先刻DIOと戦っていたルフィは悟空が割って入るまで一方的に痛めつけられ内臓にまでそのダメージを負っている。
悟空でなくともルフィに勝ち目がない事は誰の目にも明らかだった。
しかしその程度で引き下がるルフィではない、むしろ彼の性格を考えれば悟空の言葉は逆効果といえる。
「ンガー!!んなもんやってみなくちゃ分かんねえだろ!いいからそこどけよ!!」
悟空の言葉が癪に障ったのか、まるで駄々っ子のように食ってかかるルフィ、
悟空が譲らなければ延々と喚き続けるつもりだろう。
そして当然、隙だらけなその姿をDIOが見逃す筈もなく、
「フン」
鼻を鳴らしクナイを二本、悟空とルフィそれぞれダーツの的の如く狙いを付け投げつけるDIO。
狙うは頭部、命中すれば百点満点ゲームセットだ。
「危ねえ!」
間一髪それに気づいた悟空が喚き散らしていたルフィを蹴飛ばし飛んでくるクナイからなんとか身を避わす。
「いってえな!急に何すんだーッ!」
助けられた事にも気づかず単に蹴飛ばされただけと勘違いしたルフィは相も変わらず喚き散らすが悟空は既に取り合わず、
「・・・どうやら言っても聞いちゃくれねえみてえだな?」
意識は既にDIOの方へと向けられ敢然と対峙していた。
「フン、まずは貴様からだ!その後でじっくりと、小僧の方も始末してくれる!」
そう言って悟空に向かい歩を進めるDIO、迎え撃たんと身構える悟空、そして――
「WRYYYYYYYYィィィィッーーーッッ!!」
射程距離2mまで近づいたDIOは己の分身、ザ・ワールドを発現させ散弾の如き怒涛のラッシュを悟空に繰り出した。
(な!ざ、残像拳じゃねえ!!なんなんだこりゃ!?)
突如DIOの身体から出現した不可思議な人型のヴィジョンに虚を突かれたのか、
ガードの隙間から数発まともにパンチを食らった悟空は体勢を立て直すタメ後方へと飛びのきDIOから距離を取る。
「むぅ・・・先程の小僧といい貴様も『スタンド』が見えるのか?」
明らかにザ・ワールドが見えている悟空のその反応にDIOは声を上げる。
「スタンド?」
DIOの疑問に首をかしげる悟空、だがそれも当然である。
彼の世界に『スタンド』などという概念はそもそも存在しないのだから。
「フン、まぁどうでもいい、見えていても『それ』が使えないのであればな、所詮このDIOの敵ではない」
本来、『スタンド』は同じ『スタンド』使いでない限り見えないのが、そのルールだ。
しかし目の前の男は『スタンド使い』でも無いのにスタンドが見えているではないか。
これも、この島がもたらす現象の一つなのか?

12 :宇宙最強の男VS悪の帝王 ・ 修正版:2005/07/12(火) 22:14:04 ID:xwJi1ylZ
しかし単に見えているだけでスタンド使いでないのならば最強のスタンドを持つ自分にとってなんら問題にはならない。
そう胸中で呟いたDIOは再び重火器の一斉放射の如くザ・ワールドのラッシュを放つ。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ーッ!!」

時速300km以上コンマ数ミリ秒で繰り出される超高速のラッシュが悟空を襲う。
しかし悟空、先程とはうって変って暴風の様に荒れ狂うパンチその全てをガードもせずに紙一重で避ける避ける避ける。
「む?こいつ!?」
原型も残さず葬るつもりで放ったラッシュが一撃も当たる事無く空振りに終わりDIOは思わず目の色を変えた。
「ひゅ〜、あっぶね!あぶねえ!さっきはつい驚いちまったけどよう、良く見りゃなんとか避わせっぞ!」
薄笑いを浮かべ挑発するかの様な悟空の台詞にDIOの顔が一層険しくなる。
しかし当の悟空は決して目の前の相手を挑発しているワケでも、ましてや侮っているワケでもなく、
それは未知の強敵に対する期待の表れ、つまりは『強いヤツがいるとワクワクする』彼の悪い癖だった。
「我が最強のスタンド、ザ・ワールドの攻撃を『良く見れば避わせる』だと?
 マグレで避わせたからといって、いい気になるんじゃあない!」
DIOは思う。
マグレに決まっている。
でなければザ・ワールドのラッシュをスタンドも持たないタダの人間がどうして避わせるというのだ?
「マグレなんかじゃねえって、それにそんくらいならオラにだって出来っぞ?」
そう言って腰を深く落とし構えを取る悟空、
独特ではあるが前傾姿勢なその構えは明らかに攻撃重視の型である。
「ほう・・・ラッシュの速さ比べか?面白い」
その顔に再び余裕の色を宿らせDIOはザ・ワールドを発現させる。
相手は多少身体能力に優れているとはいえタダの人間。
今度こそ確実に葬り去ってくれる、そしてその血を貪って糧としてくれる。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ーッ!!」
三度、怒涛のラッシュが悟空を襲う、しかし悟空、今度はガードもせず避けもせず―――

「うおりゃああああああああああああああっっーーー!!」

独特の前傾姿勢から一足飛びで懐に飛び込み散弾銃の如しザ・ワールドのラッシュに応戦。
手足が分裂したかと見紛う程の悟空の攻撃は宙空でザ・ワールドのパンチとぶつかり合い
まるで金属音の様な硬物同士が激しくぶつかり合う音をひっきりなしに辺りに轟かせる
「すっげ〜」
轟音を轟かせ激突する両者、その限界を超えた超人同士の戦いは傍らで見ていたルフィのド肝を抜く。
DIOと悟空、その二人の攻防は全くの互角と言えた。
しかしその均衡が段々と崩れてくる、悟空がザ・ワールドのラッシュを押し返し始めたのだ。
「なにぃぃぃ〜〜〜っっ!バ、バカなコイツ!コイツのスピードッ!ザ・ワールドより!!」
悟空の息もつかせぬ連続攻撃に次第に防戦一方となるDIO、その顔に既に余裕の笑みは無い。
「りゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃっっーーーっ!!」
その攻撃に既にガードすら間に合わなくなったDIOに対し止めと言わんばかりに悟空は蹴りを入れる
その蹴りを思い切り顔面に食らい後方の林まで吹っ飛ばされるDIO。
「ヌゥ、なんというヤツだ、ザ・ワールドのラッシュのスピードを上回るとは・・・」
すぐさま立ち上がるDIO、肉体的なダメージは思ったより少ないが完全に力負けした事実に心中穏やかではない。
「今のでわかったろ?オメエじゃオラに勝てねえ」

13 :宇宙最強の男VS悪の帝王 ・ 修正版:2005/07/12(火) 22:18:22 ID:xwJi1ylZ
「今のでわかったろ?オメエじゃオラに勝てねえ」
降伏を進める悟空の言葉だったがDIOは全く聞き耳持たず「フン!」と鼻を鳴らし悟空にゆっくりと近づいていく。
「まだやんのか?しょうがねえヤツだな」
半ば呆れた様に声を上げ再び構えを取る悟空、しかし次の瞬間彼にとって予想だにしてなかった事が起きる
それは射程距離まで近づいたDIOがザ・ワールドを発現させ繰り出したパンチに悟空がカウンターを合わせようとした瞬間だった。

ドギャッ!!

後頭部からコンクリートを鈍器で叩いた様な鈍い音が鳴り響き悟空は前のめりにつんのめる。
振り向けば一瞬前まで前方にいた筈のDIOが悟空の死角、背後から後頭部を殴りつけたのだ。
「ク・・ど、どうなってんだ?スピードはオラの方が上だった筈なのに、なんでいきなり後ろに?」
確実に合わせられる筈だったカウンターを外され、その上視認する事もできず背後に回りこまれ殴られた。
その不可解な現象に膝をつきながら悟空はワケも分からずDIOを見る。
「チッ!煮崩れしたカボチャの様に頭を粉々にフッ飛ばすつもりだったのだが・・・・・・・・
 貴様が単に頑丈なだけなのか?それとも我がザ・ワールドが思いのほか弱体化しているのか?」
舌打ちしDIOは見下ろしながら持っていたクナイを一本悟空に投げつける。
「クッ」
飛んでくるクナイを避けるタメに悟空は膝をついた体勢からジャンプし空へと逃れ、次の瞬間――――


 「  ザ
  世 ・
    ワ
    |
  界ル
    ド
    」


――――時が止まった―――――

空へ飛んだ悟空はそのまま宙に固定されてしまった、木々のゆらめきも草葉のざわめきさえも止まってしまった。
この何もかもが静止された世界でただ一人DIOは悠々と口を開く
「フフフ、正に世界を支配する能力、これが世界(ザ・ワールド)だ!もっとも貴様には見えもせず感じもしないだろうがな」
そして懐から残ったクナイ7本全て取り出し―
「さっきは仕留め損なったが、今度は逃さん!」
そのまま宙に固定された悟空目掛けその全てを投げつけ、悟空に刺さるほんの数センチ手前でクナイが動きを止める。
「クックック、チェックメイトだ!」
今にも悟空に襲い掛からんとするクナイの群れ、その恐ろしい光景を見てDIOが邪悪極まりない笑みを漏らす、そして――

「時は動きだす」

―――静止された世界が再び動きだした。

「いっ!!」

クナイを避けるタメに宙に逃れたはずなのに、目の前には突如出現したクナイの群れ、
またもや理解を越えたその現象に悟空は不思議に思う暇もなく今まさに襲い掛かるクナイからもはや死は免れぬかと思われた、
その瞬間―――――

「界王拳!!」

悟空がそう叫ぶと彼の身体は灼熱色に発光し、遅いかかるクナイから身を守るべく超反応で手足を突き出す。
数倍に高められた身体能力を駆使し死に至る急所だけは手足を盾にして防いだモノの数本のクナイはガードを掻い潜り悟空の胴体に無残にも突き刺さり、
「ぐぎ・・・」
鈍い呻き声を漏らし空中から力無く地上に崩れ落ちた悟空はそのまま気を失った。

14 :宇宙最強の男VS悪の帝王 ・ 修正版:2005/07/12(火) 22:20:38 ID:xwJi1ylZ
「フン!土壇場で何か妙な技を使って即死だけは免れた様だが・・・・ここまでだな」
勝利を確信したDIOが邪悪な笑みを浮かべ瀕死の悟空に一歩一歩詰め寄る、倒れ伏した悟空の血を啜るタメに・・・
しかし――
「ム?」
横から異常に伸びきった拳がDIOに襲い掛かりその進行を阻んだ、そして後方にバックステップするDIO。
「お前の相手は俺だぞぉ!!忘れんなぁっ!!」
見るとすっかりダメージから回復しきったルフィがそこに立ち、猛っていた―――――



―――それは主催者の意図か、はたまた偶然か、
奇しくも長野の山中に飛ばされた彼は草葉の影で世にも恐ろしい光景を目の当たりにしていた。
手足が異常に伸びる麦わら帽子の男と刃物を投げつけ分身する金髪の男との殴り合い、
そしてそれに割って入ったツンツン頭の田舎クサイ男。

「ウキウキキキウキィーー!(訳:じょじょじょじょじょ冗談じゃないのだ!)」

彼は元々アフリカのサバンナに生きる野生の猿であった、気配を殺し気づかれない様にする芸当は得意な方である。
そうして彼は草葉の影に隠れ、事の一部始終を覗き見していた。

『・・・そいつがいきなり襲ってきやがったんだ・・・』
『・・・こんな馬鹿なゲームに本気で乗る気なのか・・・』
『・・・他の参加者を殺そうが・・・このDIOの知った事では・・・』

三人の会話の内容からして金髪の男が悪者である事は一目瞭然。
そして金髪男から麦わら帽子の男を助けようと割って入ったツンツン頭の男が刃物でメッタ刺しにされた。
それを見て復活した麦わら帽子の男も今再び金髪男に挑んでいるが――――

「ウ、ウウ、ちっくしょ〜っ!」

―――結果はご覧の通り、再戦虚しく麦わら帽子の男は金髪男の前に再び地を舐めた。

「フン!余計な手間をかけさせるな小僧!貴様のおかげでヤツの血が栓を抜いたばかりの
 シャンパンみたいにドクドク外に溢れ出て勿体無いじゃあないか?」

―――既に麦わら帽子の男に興味は無いのか、金髪男は既に虫の息なツンツン頭の方に歩いていく、きっと彼の止めを刺すつもりに違いない。
 
「小僧・・・貴様は後でじっくりと料理してやる、この男の血を吸った後でな・・・おとなしくそこで待っているがいい」

―――ああ、どうしよう?やはり助けるべきなのだろうか?このままではツンツン頭が死んでしまう!
草葉に隠れて彼は自問自答していた、あの金髪男の得体の知れない力はあまりにも強大だ。
自分なんかが出て行った所でたちまちの内に殺されてしまうだけだろう。
しかしこの武器を使えば・・・・・あるいはあのツンツン頭を助けられるかもしれない!
そんな考えが頭をよぎり、彼は小脇に抱えた己の獲物をチラリと見やる。
そう、彼に支給された武器、それは・・・・・パンツァーファウスト!
およそ100mmもの弾頭直径を持つ弾を命中させれば、あの恐るべき金髪男だって一溜まりも無い筈。
しかし支給された弾はたった五発。
このまま黙って傍観に徹すれば、あの金髪男は草葉に紛れている自分に気づく事はあるまい。
麦わら帽子とツンツン頭の二人は殺されるだろうが、自分だけはまず助かる。
生き残りを考えるなら、たった五発しかない貴重な弾をこんな場面で使うのは愚の骨頂といえた。
しかし―――(もしターちゃんなら・・・・)

「フフフ、さよならだ!このDIOの血肉となり生きるがいい」
そう言って意識を失い仰向けになった悟空の前に立ち、血を吸うタメにゆっくりと右手を振り上げるDIO。
もはや目の前の『餌』を食らう事しか頭になかった彼は、草葉の影からスコープで狙っている襲撃者の存在など予想もせず―――

15 :宇宙最強の男VS悪の帝王 ・ 修正版:2005/07/12(火) 22:21:18 ID:xwJi1ylZ
ドォン!!

悟空に向け右手を振り下ろした瞬間だった。
雷鳴を思わせる様な凄まじい爆炸音が鳴り響きDIOの即頭部を中心に大爆発!もうもうと白煙を上げた。
草葉に紛れていた襲撃者は寸分の狂いもなく見事ターゲットを、その100mm弾頭で撃ち抜いたのだ。

「ウキ!!ウキキキキ!ウッキーーーーー!!(訳:やった!やった!!やったのだーーー!!!)」
そして草葉の影に隠れていた襲撃者がターゲットを仕留めた事に感極まったのか叫びその身を躍らせながら姿を現す。
「な、なんだぁ?アレお前がやったのか?」
大砲を持った猿がいきなり現れたのを見て尻餅をついていたルフィが声を上げる。
そのルフィの言葉に応えるように猿はエッヘンと言わんばかりに胸を張った。
しかし――――

「お、おのれぇ・・・」

立ち込める白煙の中、呪い殺す様な恐ろしい声が響いた。
「ウ・・・ウキ?」
「う・・・うそだろ?」
ルフィと猿が一緒になって目を白黒させる、白煙が晴れた中からまだ生きているDIOが姿を現したのだ。
ザ・ワールドの腕を交差させガードした奥から覗かせるDIOの顔には血が滴り悪魔的な形相を呈している。
そして右腕の肘から先が吹き飛んだその断面からは壊れた蛇口の様に血が噴出している。
スプラッター映画さながらな凄惨極まりないその姿は通常の人間なら悶絶するどころかショック死していてもおかしくはない。
しかしDIOはそれでも生きて立っていた。
マグナムをも上回る威力を誇るパンツァーファウストの100mm弾頭だったが、その弾道が弧を描き、かつ弾速が遅かった事。
この二つがDIOにとって幸いした。
悟空に止めを刺そうとした瞬間に弧を描きながら向かってくる弾頭を、着弾直前に目の端で捕らえたDIOは、
すかさずスタンドを発現させ、その不死身の肉体の唯一の弱点――頭部を守るべく右腕を犠牲にして防いだのだ。

そしてDIOの眼光はギラリと襲撃者である猿に向けられていた。
「・・・・・猿?猿だとッ!?たかが猿如きがこのDIOに対してッッッ!!!」
怒りに震えるDIOの形相はまさしく悪鬼羅刹といった表現がピッタリであろうか?
そのドス黒い感情を惜しみなく表情に出しDIOはルフィ達に突撃していく。
「コンニャロ〜!来るなら来いってんだ!!」
DIOを迎え撃たんと迎撃体勢を取るルフィ。
対してDIOは懐から支給品である手裏剣を一本取り出しルフィに投げつける。
顔面目掛け飛んできた手裏剣を間一髪見極めなんとか右の肩口にそらして受けるルフィ。
「いってぇ!」
そして手裏剣に気を取られている隙にルフィの懐まで飛び込んだDIOは、
「どけィッ!!」
ルフィを思い切り殴り飛ばし生い茂った林の奥までぶっ飛ばした。
「貴様は後で料理してやると言った筈だ・・・・・まずはそこにいる猿を殺さねば気がすまん!!」
そう言って恐ろしい形相でにじり寄ったDIOは猿の顔面を残った左手で掴み、その身体を宙吊りにする。
「ウ・・・ウキ・・・・」
「猿の血など吸うのも汚らわしい・・・このまま顔面を握りつぶしてくれる!」
そしてDIOは猿の顔面を握りつぶさんとその凶手に力を込めた瞬間―――

ドォン!

握りつぶす前にDIOの背後が爆裂、その背中から白い煙が立ち上った

16 :宇宙最強の男VS悪の帝王 ・ 修正版:2005/07/12(火) 22:22:27 ID:xwJi1ylZ
「ぐ!今度はなんだぁ!?」
見ると数m離れた後ろについさっきまで気を失っていた筈の悟空がヨロヨロと左手を膝につけ
今にも倒れそうな姿勢で、しかし右の掌だけはしっかりとDIOに向け立っていた。
「貴様か・・・大人しく気を失っておけばいいものを・・・」
クナイにその身を無残に刺し貫かれ己の血で悟空の道着は真っ赤に染まっている、だがそれでも――
「へ、へへ・・・オラまだ死んじゃいねえぞ?」
絶望的な状況に置かれながらも悟空の眼光は少しも揺らいではいなかった。
「よかろう!ならば貴様の血でこの傷の燻蒸消毒してくれよう!」
肘から先が無くなった右腕を悟空に突き出しDIOはその口元にある牙を光らせる。
「なぁ・・・血なんかよりもっといいモンくれてやろうか?」
「・・・なに?いいものだと?」
「かめはめ波だ」
ニヤリと笑みを零し悟空は両手を合わせると、その掌が輝きだし闇夜の山林を照らし始めた。

「か」

(なんだ?・・・なにをするつもりだ?)

「め」

その姿を見たDIOが本能的に危険を察知したのか――

「は」

掴んでいた猿を放り投げ――

「め」

構えている悟空に突っ込みスタンドを発現させ手刀を振り上げ――

「なにか分からんが食らえ!!」
「波ーーーーッッ!!」

DIOの手刀よりも悟空の行動の方がほんの一瞬早かった。
両手を突き出したと同時にそこから放たれた光波がDIOの腹部をブチ破る。

「な!なぁぁぁにぃぃぃっっ〜〜〜〜っ!!」
絶叫を上げ腹から噴水のように血が吹き上がり遥か後方まで吹き飛ばされたDIOはそのまま地面に倒れ伏した。
そして今の攻撃で全精力を使い果たしのかガックリと膝を突く悟空。
身体のあらゆる部位からは血が止まる事無く地面に滴り落ちている、精神も肉体も既に限界なのであろう。
今のかめはめ波で仕留められなかったら自分にはもう打つ手が無い、頼むから起き上がってくれるな―――
しかしそんな悟空の願いも虚しくDIOは上半身をムクリと起き上がらせる。
「殺して・・・やる・・・・・」
DIOはボソリと幽鬼の様に呟き、殺意の塊を宿らした眼光を悟空に向ける。
「ま、まいったなぁ・・・あれでもくたばらねえなんて・・・・」
笑いながら悟空は半ば諦めたかの様に言った。
DIOはその場から立ち上がり悟空の元に歩を進めようとする―が、その足は小刻みに震えている。
「ヌ、ヌゥ・・・・」
そして、

―――ガクン

二、三歩あるいた所で己の意思とは無関係にDIOはその場で地面に膝を付けた

17 :宇宙最強の男VS悪の帝王 ・ 修正版:2005/07/12(火) 22:26:38 ID:xwJi1ylZ
「バ、バカなッ!このDIOがッ!!この程度のダメージでッッ!?」
ガクガクと膝を震わせながらDIOは這い蹲りながらも悟空を睨み据え、
(お、おのれ・・・ヤ、ヤツの・・・ヤツの血さえ吸えば、この程度の負傷なんぞ・・・)
餓えた狼の如く瀕死の獲物に近づいていく。
右腕を吹き飛ばされ腹にガッポリと大きな穴が開いているDIO
全身をクナイで刺され出血多量、そして気まで使い果たした悟空。
どちらも既に限界であったが、その不死身性においてDIOは瀕死の悟空よりまだ余力を残していた。
這い蹲りながら段々と近づいて行くDIO、もう動く事すら出来ないのか諦めた様に地面にヒザをつける悟空。

しかしその時、横の木々の間からガサガサと・・・・・・
「ウガー!!もう許さん!!ぶっ飛ばしてやるッッ!!!」
ついさっきDIOに林の奥までぶっ飛ばされたルフィが両手を広げ怒り心頭に戻ってきた。

(ク・・・小僧がいる事を忘れていた)
――DIOは考える。
今のこの状態で小僧と戦うのはマズイ!
忌々しい島の影響で不死性が弱まり更にスタンド能力さえも弱体化し連続して時が止められない今
仮に仕留める事が出来たとしても確実に時間を取られる上に更なる負傷も免れないやもしれん。
この場にいる二人と一匹を始末してしまえば、その血を吸って傷などいくらでも癒せるが、
殺すのをもたついてる内に夜が明けてしまうかもしれない。
このDIOにとってそれだけは避けねばならない――
(・・・・・どの道、太陽が昇るまでに身は隠さねばならん)

「うぇ〜!腹にデッケェ穴が空いてる〜!」
DIOの凄惨な姿にルフィが気を取られたその一瞬だった。

ビシュッ!

「うわっ!!」
DIOは右腕から溢れる出血をシャワーの様にルフィの顔面に浴びせ、そして――
「こ・・・このDIOが、こんなクソカス共相手に・・・」
ルフィの目が血に眩んでいる間にDIOは奥の山林に身を隠そうと無様にその身に這わせて行く。
「くぬ・・・・コンニャロ!逃げる気か!?」
瞼をこすりながら血でぼやけた視界でDIOが逃げようとする姿を見たルフィは当然それを追おうとする。
しかし興奮するあまり足元にまで注意が向かず、
「イデデデデデデー!!」
落ちていた『棘』に足の裏を刺したルフィはその場で足止めを食らってしまった。
DIOは逃げる際に支給された『まきびし』を用意周到に撒いていったのだ。
ルフィはその場にへたれ込みサンダルを脱ぎ素足にフーフーと息を吹きかける。
そしてその間にDIOは闇夜の山林の中に姿を消し、まんまとルフィから逃げおおした。
「くっそ〜!あんにゃろめ!!」
DIOに逃げられたルフィは引っかかったまきびしと悪戦苦闘しながら悪態を付く。
「ウキ!ウキキ!!」
「ん?どうした猿?」
ルフィがふと見ると猿が慌ただしく声を上げそしてその先には悟空がグッタリと横たわっていた。
「おい!大丈夫か!?死んじまったのか!?」
「ウキキキウキウキウキキキーー!?」
駆け寄ったルフィと猿が悟空に必死に声を掛ける。

18 :宇宙最強の男VS悪の帝王 ・ 修正版:2005/07/12(火) 22:27:32 ID:xwJi1ylZ
「あ、ああ・・・・で、でえじょうぶだ・・・心配すんなって」
ブルブルと唇を震わせ何とか『大丈夫』な事をアピールする悟空、しかしその姿はどこから見ても『大丈夫』ではない
「ウキウキキキィウキィ・・・・・」
「へへ、そっかおめえエテ吉って名前なんか?
 サ、サンキュー、エテ吉・・・おめえのおかげであいつ追っ払う事が出来た」
言葉が分かるのか目の前の猿に礼を述べる悟空。
「うっは〜、お前、猿と話しできんのか?」
猿――エテ吉と会話した悟空にキラキラとまるで少年の様に目を輝かせるルフィ。
「あ・・・ああ、オラ、ガキの頃からずっと山で暮らしてたからさ・・・猿の言葉とか・・・大体分かんだ」
「へースッゲー!!スッゲー!!」
「へ、へへへ・・・そ、それよりおめえ名前なんてんだ?」
悟空の問いにルフィはスックと立ち上がり鼻をこすりながら答えた。
「俺はルフィ!海賊王になる男だ!!」
自信満々に応えるルフィ、その目には一点の曇りも無い。
「そ、そっか・・・オラ孫悟空ってんだ、なぁルフィ、エテ吉、わ・・・わりいんだけどオラをあの家まで運んでって休ませてくんねえかな?
 オ、オラさっきのかめはめ波で力(リキ)全部使い果たしちまって・・・もう自分じゃ動けなくってさ・・・鼻クソほじる力もねえんだ」
そう言って悟空はDIOとの戦闘で外観が少々破壊されたコテージをブルブルと震える指で指し示した。


【長野県/黎明】

【別荘地のコテージ】
【チーム名=スーパーモンキーズ】
【孫悟空@ドラゴンボール】
 [状態]:出血多量、各部位裂傷、極度の疲労、重傷のタメ早急に手当ての必要あり。
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式、支給品不明
 [思考]:1、フリーザ達を倒す。

【モンキー・D・ルフィ@ONE PIECE】
 [状態]:各部位に打撲、右肩刺傷、基本的に軽傷、疲労小、空腹。
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式、支給品不明
 [思考]:1、食料を探す、悟空の治療。

【エテ吉@ジャングルの王者ターちゃん】
 [状態]:無傷、疲労小。(PT内では悟空とだけ会話可能)
 [装備]:パンツァーファウスト(100mm弾頭×4)@ドラゴンボール
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1、悟空の治療。
2、ターちゃん達と合流。


【山中】
【DIO@ジョジョの奇妙な冒険】
 [状態]:右肘部から先を損失、腹部に巨大な貫通傷、疲労大。
 [装備]:忍具セット(手裏剣×9)
 [道具]:荷物一式、
 [思考]:1、夜が明けるまでに太陽から身を隠せる場所を探す。
      2、参加者の血を吸い傷を癒す。

19 :奇妙な遭遇 1/2:2005/07/13(水) 10:20:14 ID:1fgzmX4c
「ね、ねえ……まだ歩くわけ……?」
「当然よ。こんな所で突っ立ってる訳にいかないでしょ?」
舗装された道路を歩く2人の女性。辺りは闇に包まれており、おぼろげな月明かりだけが唯一の照明となっている。
「ま、まだ歩くの……リンスレット。育ちの良い私には酷だわ…」
「ワガママ言わない、置いてくわよ。後リンスで良いって」
素っ気無いながらもどこか温かみを含んだ言葉。それを知ってか知らずかもう一人の女性、
ブルマは膨れっ面のまま歩き続ける。

つい先程の事、リンスレットはちょっとした崖の上に立っていた。
別に飛び降りようとした訳ではない。何もせずに自殺するほど潔くは無いし、するならもっと確実に死ねる場所を選ぶ。
気付いたら佇んでいた、つまり主催者達によって飛ばされたのだ。幸い舗装道路もすぐに発見し、その道なりに沿って歩き出した。
地図の通りならこのまま進めば街に着く。街ならば人も集まりやすいだろうし雑貨品等も手に入れられるかも知れない。
もちろん『乗った』連中に遭遇する危険もあるが、泥棒稼業をやっている自分にとってその手の対処は熟知している。
…絶対に切り抜けられる保証は無いが。
頭にトレイン達の事が思い浮かぶ。トレイン、スヴィン、イヴ、三人とも自分よりも腕が立つ実力者だ。
よっぽどの事が無い限り心配は無いだろう。そうタカを括ってみるものの、どうにも嫌な予感は拭えない。
あの三人も強いが、このゲームに参加している者はより異常であってもおかしくないのだ。
現に妙な光線を発した大男が、ロクに抗えぬまま主催者の一人に殺された。異常なのだ、これは。
自分一人で脱出するのは無理だろう。トレイン達のほか、信用できる有能な協力者がいる。
三人の事も気掛かりではあるが、まず自分が生き延びなければ話にならない。
リンスは一旦思考を切り替えると、引き続き夜の道の先を見やる。その時だった――――

 ガサッ

確かに音がした。脇の道、否、道とは呼べない草木が茂る奥から。
反射的に身構え距離を置き、緊張した目で木々の奥を見据える。そして現れた人物をその双眸が捉えた。
女性だ。年齢は自分と同じかやや上。体のあちこちが汚れており、心なしか両目が赤くなっていた。
泣いていたのだろうか…? 敵意は感じられなかった為、依然警戒を続けながらも尋ねる。
「貴女…大丈夫? 何かあったの?」
リンスレットの言葉にも呆けた様に反応しない女性、ブルマ。
話し掛けれた事にしばらく間を置いてようやく気付いたのか目に光が戻った。

次の瞬間、抱きつかれた。一瞬呆気に取られたが振りほどこうとする。しかしそれは途中で中断を余儀された。
ブルマは嗚咽を漏らして泣いていた。過酷なゲームにほっぽり出された彼女は平静を保てるほど強くは無かった。
出発地点から動く事なく震え、恐れ、泣いていた。涙も出なくなり呆然と虚空を見つめながら、
当てもなく歩き続きここに至ったのだ。
泣き続けるブルマからその経緯を知る事は出来なかったが、リンスレットはブルマを優しく抱きしめた。


20 :奇妙な遭遇 2/2:2005/07/13(水) 10:21:30 ID:1fgzmX4c
そして今、落ち着いたブルマを連れて街へと向かう道中。
最初の印象こそ弱気なブルマであったが、いつもの調子を取り戻すと途端に明るくなった。
そのギャップに少々驚きはしたが、さっきの悲しげな態度から回復したのは喜ばしい事だ。
ブルマだけでなく、一人だけで行動していたリンスレットにとっても、この出会いは嬉しいものだった。
ブーブー文句を垂れるブルマに目をやった後、正面を見る。そこには街が広がっていた。
懐の武器を確認する。支給品のベレッタM92、これが自分達が持つ唯一の武器…。
ブルマの支給品もあるにはある。精巧で特殊な力を持ち、山をも断つという剣だった。
しかし2人とも剣術の心得が無く、満足に振るう事すら出来なかった為、一度カプセルに戻して所持している。
徐々に不安と緊張が高まり、遂に街の領域に足を踏み入れる。
そこでリンスレットはある気配に気付く。ちょうど隣にある公園、そこに立つ一人の人物に。
「な、何?」
「しっ! 隠れて!」
急いで公園脇の茂みに身を隠す2人。公園中心部に居る人物に目を向ける。
後ろを向いているので顔は分からないが、何やらローブらしきものを纏っていた。
何やらボソボソ呟いている。興味本位で2人は聞き耳を立ててみた。

「…実に興味深いですね。別世界に属する住人を喚び出し制約の元に殺し合わせる。
お世辞にも良い趣味とは言えませんが素晴らしきはそのメカニズム。
私達が属する世界とはまた体系が異なる魔法と科学。恐らくこの舞台にはそれらが極自然に存在するのでしょう。
あの主催者達が何者なのかは現状では確認の仕様がありませんが、今の私達では打倒はまず無理無理無理ですね。
何よりもこの忌々しい首輪、いくらこの私といえどこの最悪の条件下で外す事は容易では無いでしょう。
業に入っては業に従えとも言いますし、まずこのゲームから生き延びることが先決でしょうね。
当然の様に私の魔力も随分弱まってしまっているようです。この分では他の参加者も己の弱体化に戸惑っている事でしょう。
ダーク・シュナイダーは鬼畜街道驀進中であるのは想像に難くなく、ガラは気楽に気分で行動と言った所でしょうか?
美しいお嬢さんが無事かどうかは分かりませんが、彼女のバイタリティを信用するとしましょう。
彼等との一刻も早い合流が理想ではありますが、いかんせん勝手の分からぬ未踏の地。
闇雲に探しても運良く再会できる確率は微々たる物でしょう。という事はそれまで独力か第三者と協力し合う
大別して2つの選択肢があり、この危機的状況では後者の方が望ましいと思われますがどう思いますお嬢さん方?」
まくし立てるように長ったらしい台詞を区切ると同時に、グルンと首をこちらに向ける人物。びびる2人。
ローブを纏った男性はにこりと笑っているらしいが、どこか妙な威圧感がある。というか怖い。
余りに唐突な出来事に絶句するリンスレットとブルマ。
返答を首を長くして待っている男性、アビちゃんことアビゲイル。
暗い公園を暫し静寂が支配していた。


【富山県東部、街の公園/黎明】

【リンスレット・ウォーカー@BLACK CAT】
[状態]:健康
[装備]:ベレッタM92(残弾数:予備含め32発)
[道具]:荷物一式
[思考]:1.目の前の男にどう答えるか考える。
     2.トレイン達、協力者を探す。
     3.ゲームを脱出。

【ブルマ@DRAGON BALL】
[状態]:健康(泣き疲れ)
[装備]:なし
[道具]:荷物一式 支給品:雷神剣@BASTARD!! -暗黒の破壊神-
[思考]:1.目の前の男にどう答えるか考える。
     2.孫悟空達、協力者を探す。
     3.ゲームを脱出。

【アビゲイル@BASTARD!! -暗黒の破壊神- 】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:荷物一式(支給品不明:本人は確認済み)
[思考]:1.お嬢さん方の返答を待つ。
     2.ダーク・シュナイダー達と合流&脱出方法を探す。
     3.ゲームの脱出。

21 :カリスマ達1/3:2005/07/13(水) 15:52:44 ID:+1ymSTA9
「屁のつっぱりはいらんですよ!!」
全身を筋肉で纏った男、キン肉マンは堂々と、そして真っ直ぐに歩いていた。
突然開始されたこんな馬鹿げたゲームに乗る気なんて彼には毛頭なかった。
以前の彼ならおびえて震えて逃げ出していただろう。しかし、今の彼は違う。壮絶な王位争奪戦に勝ち抜き、100の技を極め、そして王としての資格を得た彼には臆病さなどひとかけらも残っていなかった。

22 :カリスマ達2/3:2005/07/13(水) 15:53:27 ID:+1ymSTA9
「とりあえず状況を確認しなくては」
地図を広げてみると、見慣れた地図。そして、九州は大分県に赤い印が点いていた。「私は日本の超人だ。日本と、そして日本にいる全ての人を私は守ってみせる!」

そんなキン肉マンの様子を木陰で見ている少年がいた。全身筋肉の男、堂々とした姿、まっすぐな目。彼には一目でキン肉マンが信頼に値する男だと見抜くことができた。いや、どこか同じ臭いを感じたのかもしれない。

23 :カリスマ達3/3:2005/07/13(水) 15:55:29 ID:+1ymSTA9
ガサガサ!
「!!」

思わず警戒態勢をとるキン肉マン。しかしそこに現れたのは…
「ゲェー、おっさん顔の少年!!」
「俺の名はたけすぃ!!みんなのリーダーだ!!」
「わ、私はキン肉スグル。第58代キン肉大王だ!!」


【大分県西部、道路/黎明】

【キン肉スグル@キン肉マン】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]支給品一式
[思考]1,目の前の男への対処
2,仲間を探し友情をつくる
3,ゲームの脱出

【たけし@世紀末リーダー伝たけし!】[状態]健康
[装備]なし
[道具]支給品一式
[思考]1,キン肉マンとの和解
2,みんなのリーダーとなる
3,ゲームの脱出

24 :救世主:2005/07/13(水) 16:58:09 ID:qJOjbOtw
ヤムチャはまもりに襲われてから約1時間苦しみと気絶を繰り返していた。
(クソっ、俺はまた死ぬのか・・・プーアル・・・)
その時ヤムチャのいる家の扉を誰かが開いた。そして入り口付近に倒れているヤムチャをすぐさま
発見する。
「・・ん?おいっ、大丈夫か!」
(うぅ・・)
「これはひどいな」
「全身に切り傷と・・それに毒も盛られている」
(メ・・メシア・・。)
ヤムチャの意識はそこでついえた。


「はっ!」ヤムチャは目をさました。いつのまにか全身を手当てされており、顔全体にマスクの
ような物をつけられている。しかも不思議なことに気絶するほどの苦しみがきれいさっぱり消えていた。
(俺は超神水の試練に打ち勝ったのか?)
「気がついたようだな」
目の前に辮髪の東洋風の男が座っていた。

25 :救世主:2005/07/13(水) 16:59:14 ID:qJOjbOtw
「あんたは・・」
「私の名はラーメンマン、自分の世界では正義超人をなりわいとしていた」
「既に気づいているかもしれないが、お前の体内に残っていた毒は私の支給品
モンゴルマンマスクで一時的に中和されている。
そのマスクをつけている限りは毒に苦しむことはないから安心しなさい。」
ヤムチャは胸をなでおろした。あのような激痛にあうのはもうごめんだ。
「ただし」
「マスクを外すと再び毒がお前を襲うことになる、そこは気をつけるようにな」
(なんだ、根本的な解決にはならないのか。まあ脱出さえできればドラゴンボールでなんとかなるだろう)
「助けてくれてありがとう、ラーメンマン。俺の名前はヤムチャ、こう見えても自分の世界では
仲間と一緒に世界の命運をかけて悪と戦った(仲間を手助けした)こともあるんだぜ」
「ははは、それは心強いな。まあ話は後だ。夜が明ける前に少し眠っておきなさい。
そうすればお前は強くなれる」
そう言われると確かにマスクをかぶっているとはいえ疲労は大きい。ヤムチャは素直に眠ることにした。

(さて)
ラーメンマンは考えていた。おそらくこの男の実力はたいしたことない。
むしろ怪我をしているので足を引っ張る可能性が高い。
また会場で周囲の人物を観察していたが、かなりの強者揃いであるように見えた。
超人である私の力さえ越える人物も中にはいるだろう。
街道で不意打ちをしかけられればこの男を守りきれない可能性は高い。
(あまり動き回るべきじゃないだろうな)
ラーメンマンは家の周囲にしかけるトラップの準備を始めた。

【ラーメンマン@キン肉マン】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]支給品一式
[思考]1,周囲に罠をしかけて篭城
2,仲間を探す
3,主催者を打倒

【ヤムチャ@ドラゴンボール】
[状態]モンゴルマンマスクにより毒は一時的に中和、ただしマスクを外せば再び毒におかされる
右小指喪失 左耳喪失 左脇腹に創傷 中量の失血
治療により失血は止まった
[装備]モンゴルマンマスク
[道具]無し
[思考]1,とりあえず眠る

26 :救世主・修正:2005/07/13(水) 17:06:50 ID:qJOjbOtw
「あんたは・・」
「私の名はラーメンマン、自分の世界では正義超人をなりわいとしていた」
「既に気づいているかもしれないが、お前の体内に残っていた毒は私の支給品
モンゴルマンマスクで一時的に中和されている。
そのマスクをつけている限りは毒に苦しむことはないから安心しなさい。」
ヤムチャは胸をなでおろした。あのような激痛にあうのはもうごめんだ。
「ただし」
「マスクを外すと再び毒がお前を襲うことになる、そこは気をつけるようにな」
(なんだ、根本的な解決にはならないのか。まあ脱出さえできればドラゴンボールでなんとかなるだろう)
「助けてくれてありがとう、ラーメンマン。俺の名前はヤムチャ、こう見えても自分の世界では
仲間と一緒に世界の命運をかけて悪と戦った(仲間を手助けした)こともあるんだぜ」
「ははは、それは心強いな。まあ話は後だ。夜が明ける前に少し眠っておきなさい。
そうすればお前は強くなれる」
そう言われると確かにマスクをかぶっているとはいえ疲労は大きい。ヤムチャは素直に眠ることにした。
(さて)
ラーメンマンは考えていた。おそらくこの男の実力はたいしたことない。
むしろ怪我をしているので足を引っ張る可能性が高い。
また会場で周囲の人物を観察していたが、かなりの強者揃いであるように見えた。
超人である私の力さえ越える人物も中にはいるだろう。
街道で不意打ちをしかけられればこの男を守りきれない可能性は高い。
(あまり動き回るべきじゃないだろうな)
ラーメンマンは家の周囲にしかけるトラップの準備を始めた。

【京都府 民家/黎明】

【ラーメンマン@キン肉マン】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]支給品一式
[思考]1,周囲に罠をしかけて篭城
2,仲間を探す
3,主催者を打倒

【ヤムチャ@ドラゴンボール】
[状態]モンゴルマンマスクにより毒は一時的に中和、ただしマスクを外せば再び毒におかされる
右小指喪失 左耳喪失 左脇腹に創傷 中量の失血
治療により失血は止まった
[装備]モンゴルマンマスク
[道具]無し
[思考]1,とりあえず眠る

27 :略奪:2005/07/13(水) 20:20:48 ID:rP5JIHcB
太平洋に日が昇る。ゲーム開始から初めての朝がやってくる。
桃白白は、ゴン蔵を殺した後、海岸線沿いに南下し、宮城県に到達していた。
「もう夜明けか…ずいぶん走ったな。」
桃白白は地図を取り出し、現在地を確認した。
その時、ハイウェイの脇の森からガサッという音がした。
「誰だ。出てこい!」
大声で叫んだが返事はない。怖気付いたのか。気のせいではないだろうが。
桃白白はゴン蔵から奪ったバスケットボールを茂みにむかって投げ付けた。
すると…
「危ないわねッ。いきなり何するのよッ!」
大声と共に太った女性が顔を出した。
「女か…貴様、武器と食料を出せ。そうすれば見逃してやろう」
まるで山賊のような口調で桃白白は言った。
「食料って…そんなモノ、とっくに皆食べちゃったわョ」
二日分の食料も、彼女にとっては一食分にしかならなかったのだ。
「チッ。使えない女だ。悪いが死んでもらうぞ」
そう言い、カプセルにしまってあった脇差しを取り出し、女の方へ向けた。
「フン。あんた、これが目に入らないの」
女の方も茂みの中からショットガンを取り出し、桃白白の方へ向けた。
(このショットガンはかつてジャギが愛用していたものだ。)
「ほう。中々いいものを持っているではないか。だがこの私に当てられるかな?貴様のようなデブに」
桃白白は不敵な笑みを浮かべて女を挑発した。
「あんた!そんなに死にたいの!!!」
女の理性が切れた。

ドン!

すさまじい銃声。飛び出す散弾。しかし、斜線の先に桃白白の姿はなかった。
「エッ。嘘。どこ行ったの?」
女は桃白白が消えて困惑している。
「ここだ!」
突然木の上から声がした。女は逃げようとしたが足が竦んで動かない。
次の瞬間

グサリ。

桃白白の脇差しは女の心臓を貫いた。
そして、彼女が最後に発した言葉は…
「た、ターちゃん…」
女の名はジェーン。ジャングルの王者ターちゃんの妻であった…
「ククク。死んだな。それにしてもいい武器を拾ったものだ。この調子で孫悟空も蹴散らしてくれる」
桃白白はショットガンと弾を回収し、さらに南へと進んでいった…

【宮城の海岸線添いの道@早朝】
【桃白白@ドラゴンボール】
【状態】健康
【装備】脇差し、ジャギのショットガン残弾20@北斗の拳】
【道具】支給品一式(バスケットボールは捨てました)
【思考】1悟空を殺す。2優勝する。
【ジェーン(ジャングルの王者ターちゃん)死亡確認】

28 :888:2005/07/14(木) 01:24:54 ID:RW7G3uzo
前スレ>>230>>231の修正

 ヒソカは更木と対峙するとおもむろにポケットに右手を突っ込み、カードを取り出した。
 そのカードには禍々しい悪魔の絵が描かれている。ヒソカの支給品であるマジックアンドウィザーズのカード、デーモンの召還である。
 ヒソカはこれ以外にもマジックアンドウィザーズのカードを四枚持っている。だが、あえてその力を使って闘おうとは思わない。そんな事をすればこの男との戦いが興ざめなものになる。 
 更木はそれに一瞬怪訝そうな顔をしたがヒソカの殺気を感じ取り、口の端を吊り上げ笑い、ムラサメブレードを持つ手に力を込める。
 ヒソカはそれに怖気のはしる笑みと手招きで答えた。
「簡単に、死ぬんじゃねぇぞ」
「それはこっちの台詞だよ」
 ヒソカは一瞬でカードに念を込め、更木はヒソカに向かって疾駆する。
 数度の、そして全てが一瞬の攻防。
 ムラサメブレードが地面を削る音が響き渡る。
 更木が斬り、ヒソカが凌ぐ。
 ヒソカは思っていた。力の劣化が激しいと。
 更木は気付いていた。自分の戦い方が保てなくなっていることに。
 だが、念の精度が落ちているにも関わらず、カードは切り捨てられることは無い。特殊な力が宿っているせいだろう。
 それでも、ヒソカの不利に違いは無かった。単純な身体能力なら更木はヒソカの上をいっている。ヒソカもそれは気付いていた。
 更木の剣が肩に掠り、二の腕を切り裂く。
 なら、奇術師の本領を見せようか……。
 ヒソカは微笑んでハンカチを取り出し、更木はいつものごとく距離を詰めんと疾駆する。
 更木が圧倒的な速さで繰り出す横薙ぎの一閃に、ヒソカは絶望的な反射神経で身を逸らしながらその剣先にハンカチを重ねる。
 ハンカチは切り裂かれた。
 だが、念で強化されたそれが切り裂かれる事によるタイムラグは致命的だ。
 ヒソカは更木の斬撃を避けると、更木の間合いに身体を滑り込ませる。
 カードによる一閃。
 更木の胸板が切り裂かれ、赤い血が流れた。
ヒソカは追撃をいれずに距離を取る。
 どうやら、軽減には差異があるらしい。膂力や念は悲しいほど劣化してしまっているのに、反射神経などは弱体化の程度がしれている。
 だが、所詮は弱体化だ。

 ほんの少しの静寂。

 ヒソカは狂気でもって笑い、更木は不服と表情を歪める。
「テメェ、チマチマと斬り合ってんじゃねぇ」
「心配いらない。実験は終わったよ。予知しよう。君は踊り狂って死ぬ」
 その言葉に、その殺気に、その狂気に、更木は心のそこから狂喜した。

29 :死線2:2005/07/14(木) 01:28:03 ID:RW7G3uzo
「へぇ、良いじゃねぇか。なら、殺しあおうぜ」
 更木は地を蹴り疾駆した。
 が、そこでヒソカの腕の傷がなくなっている事に気付く。
 ヒソカは一瞬でさきほどのハンカチとドッキリテクスチャーを使い、相手の視線を腕に集中させたのだ。
 そして、視線の一箇所への集中は、他方への油断も同じ。
「この世界では力は劣化する。でも、特性は消えない」
 ヒソカは微笑む。
 瞬間、更木に向かって全方位からあたりの物が飛来した。
 木の枝、小石、それら全てが圧倒的な速度で飛来し、更木の全身に突き刺さる。
 血が辺りに舞う。更木の力も劣化しているのだ。
 それでも、更木は止まらない。
 だが、それすらもヒソカの策だった。
 本命は小石の飛来に紛れて更木の後ろの木に貼り付けたカード。
 バイバイ、楽しかったよ。
 更木の背中にカードが飛来する。
「やるじゃねぇか……。外すぜ」
 更木は眼帯を外し、ブレードを振りかぶる。
 更木の背中にカードが突き刺さった。ヒソカは微笑し、それから驚愕へと表情を変える。
 更木は倒れない。更木の気配は消えない。それどころか、一瞬で圧倒的に大きくなった。
 絶望的な圧迫感。
 念を修めたヒソカは本能で後退する。その足を、更木の左手が掴んだ。
「一体どうして逃げるんだ?何で、それだけ強くて苦痛を恐れる!?」
 更木は絶望的な程の狂気を剥き出しにして笑う。
 
 ヒソカの胸板に紅い線が奔った。

【ヒソカ@ハンターハンター】
 [状態]:負傷中(戦闘続行可能)
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式(支給品不明)
 [思考]:1更木と遊ぶ 2知り合いとの合流、パピヨンと行動

 【更木剣八@ブリーチ】
 [状態]:負傷中(戦闘続行可能)
 [装備]:ムラサメブレード@バスタード
 [道具]:荷物一式 サッカーボール@キャプテン翼
 [思考]:1ヒソカと遊ぶ 2志々雄と決着を付ける 3強いヤツと戦う
 すいません、前のタイトル付け忘れました死線1でお願いします。

30 :彼の者の名は伝説の 1/9:2005/07/14(木) 16:57:17 ID:xuZ4WDnt
きりきりきり。きりきりきり。
鈍い痛みが何かを削る。
かりかりかり。かりかりかり。
鋭い痛みが何かを動かす。
望まぬほうに。望まぬほうに。

―――――誰もが忘れたあの闇に。




目覚めた彼が始めに認識したのは、手足の感覚すら曖昧にするほど重い空気と、
ともすれば天地の差すら分からなくなるほどに果てしなく広がる闇だった。
状況としては、白と黒の違いこそあれ、彼が良く知るあの部屋に酷似している。

もしこれが幼かったころの彼であれば、この状況に狂乱するのに五分もかかりはしなかったろう。
だが、今の彼にそんな様子は微塵も感じられない。
あの頃から、彼は肉体的にも精神的にも大きくなったのだ。並大抵のことでは動じないほどに。

(――――?)

彼は両手を頭上に伸ばしていつも起きるときのように大きく伸びをした。
これは儀式だ。真っ暗な闇の中で、それでもいつもやってくる朝を迎えるための。

(なんだ、これ…オラ、夜まで寝ちまったのか?)
彼らに一度眠ったほうが回復が早いと言われて素直に寝たのは確かだ。だが、そんなに長く眠ったつもりは無いのだが。
あれほど全身を刺されたというのに、全身は痛みも無くすこぶる軽い。
ただ、あの男に殴られた後頭部が僅かに鈍く痛むだけだ。
心中で首をかしげ、孫悟空はそこにあるのかどうかもはっきりしない床に手をついて立ち上がった。

闇の向こうにじっと目を凝らし、気のアンテナを張り巡らす。
かつては厳しい自然の中で一人生きてきた野生児であり、
今では卓越した戦闘技能を持つ武道家である彼は、厳しい修行の中でその五感、そして第六感を限界まで高めている。
だが、闇夜の密林をかける猛獣をいとも容易く捉える彼をしても、この闇の中から光を拾い上げることはできなかった。

(おかしいな…パオズ山の夜でも、ここまで暗く静かにはならねぇぞ…)
強いて言えば宇宙船の窓から覗けた光景が最も近かったが、
それにしてもまばらな星々が彼の目を楽しませてくれたものだ。

(どうもどこかに閉じ込められたみてえだな。じゃ、とっとと出口を探さねえとな)

ただでさえ自分たちは殺し合いの舞台のど真ん中にいる。早々に状況を打開せねばなるまい。
それに、自分を手当てしてくれていたはずのあの一人と一匹のことも気にかかる。
早々に結論を出した彼は、気を引き締める意味も込めて胴着の帯を締めなおし、新たな方角を調べようと振り返り


そこに見てはならないものを見つけてその場に立ち尽くした。


「――――――おい、なぁ。冗談、だろ?」
不用意に音を立てることが危険に直結するのを熟知していたはずの彼だったが、
口が勝手に震える言葉を発するのを止めることはできなかった。



31 :彼の者の名は伝説の 2/9:2005/07/14(木) 16:58:04 ID:xuZ4WDnt
暗闇の中、そこだけがスポットライトを浴びたかのように青白い燐光に包まれている。
彼には分かる。
尾を無くせども、彼の身体に流れる貴種の血は、あの魔力を血球のひとつ血漿の一滴にいたるまで覚えている。
あれは、月の光だ。
月など何処にもないが、それでもアレを包んでいるのは禍々しい月光だ。

「――――っく、えっく……じい、……ん」

小さな影が、あるはずの無い月光の下で滑稽な悲劇を演じていた。
汚れた顔の少年。ぐずぐずと崩れる軟らかな塊をもてあまし、一見泥遊びでもしているかのように見える。
掬っては崩れ、形を成しかけては崩れ、賽の河原の子供のごとくそれを延々と繰り返す。

濃厚な血の匂いと、死臭。彼がずっと記憶の奥底に押し込んでいた、そしてあまりにも忘れ難い光景だった。

「――――――っ…」

彼の目の前で、小さな少年は顔を汚れた手で覆い肩を震わせていた。
だが、その手指の間からぱたぱたと零れ落ちる液体が涙だったのかそれとも血だったのか、彼にはもう思い出すことはできない。
分かるのは、誰より好きだった祖父であった人間が、月の光の下で物言わぬ崩れた肉塊と化した事実のみである。

「…………」

彼は首を振って過去の幻を追い出そうとし、それが不可能だと悟ると踵を返してその場を立ち去ろうとした。だが、



32 :彼の者の名は伝説の 3/9:2005/07/14(木) 16:59:01 ID:xuZ4WDnt
「なぁ、何で逃げるんだ?」

声がかかった。誰が誰に発した言葉なのかは、考えるまでも無い。
彼が見えない手に頭を掴まれでもしたかのように慌てて振り向いた時、すでにそこにいた過去の自分は消えうせていた。

「オレが、何か悪いことでもやったっていうのか?」
「――――――!?」

彼が声に反応するよりも、相手の手のほうが数瞬早かった。
背後から首を掴まれ、そのまま宙に吊り上げられる。

「か、はっ――――!」

驚愕のあまりに声が出せない。別にいとも簡単に背後を取られたからという訳ではない。
その声にが、彼にとってあまりにも聞きなれすぎたものだったからだ。
悟飯のものに、似ていなくも無い。だがもっと低い声。

後頭部の傷がずきん、と痛む。

背後の声は悪びれた風も無く淡々と言う。
「だってさ、早いとこ全部終わらせて帰らねえとさ」
「チチに怒られるから。チチは結構厳しいらしいんだ」

―――分かってる、チチが自分を待っていることぐらい言われなくても分かってる。

暴れる四肢が空しく宙を切る。

―――きっとチチは怒ってる以上に悲しんでいる。早く帰って無事な姿を見せてやらなければ。
―――だから離せ、この手を離せ。


だが影の次の言葉が、彼の思考を抵抗することすら忘れるほどの混乱の只中に突き落とした。
「アニだってもうそろそろ帰ってきてる。早く帰らねえと、絶対『遅い!』っておかんむりだ」



33 :彼の者の名は伝説の 4/9:2005/07/14(木) 17:00:13 ID:xuZ4WDnt


―――アニ?兄貴って………あのラディなんとかいう…?
 
     ―――待てよ、こいつの兄貴だろ?オラ、何を勝手に自分のだと間違えて…

  ―――いや、違う、こいつは、こいつはオラの
 
       ―――こいつが、オレの



彼は混乱する思考を何とか整えようと、頭を押さえて首をぶんぶんと振った。

「――――つっ!」
後頭部の傷がまたひとつ刺すように痛む。どうやら本当に打ちどころが悪かったらしい。

痛みに思わず閉じてしまった目をゆっくりと開けてみれば、
彼の右手には全身血で濡れそぼった少年がぶらんとぶら下がっていた。

「????」

一瞬、彼には状況が飲み込めない。
きょとんとした目でそろそろぐったりし始めた少年を見つめる。

泣き喚くこいつを黙らせたのは自分で。その自分に吊り上げられたのは自分で。
祖父を踏み潰したのはオラで。大猿の本能に呑まれながらも、足の下でひとつの命が消えた感覚に陶酔したのはオレで。

(いや、何でこいつがオレなんだ?地球人の一人や二人死んだぐらいで泣き喚いているこいつが?)


34 :彼の者の名は伝説の 5/9:2005/07/14(木) 17:03:08 ID:xuZ4WDnt

球形ポッド内に備え付けの学習マシンは、彼に、彼の父が下級戦士ながらも
エリート戦士をも凌ぐほどの勇猛果敢さを持つ男であることを教えてくれていた。
もちろん、自分の任務の事も。

(何やってるんだオレ、しっかりしろ。親を踏み超えていくのがサイヤ人だろ)
(早く任務を終わらせて母星に帰還しないと、王からお叱りを…)

腕にちくりと痛みを感じた。
見れば最後の抵抗か、いつのまにか彼の手を振り解いていた少年が彼の腕にしがみついて爪を立てている。
無論のこと、筋肉のよろいで覆われた彼の腕は、子供の握力で傷つけられはしない。
だが、彼にとってこの少年が邪魔なことには違いなかった。
少年の額にぴたりと手を当てる。
「おい、邪魔すんな。オレは今から地球人をこ…」

少年はエネルギー弾を突きつけられながらも、必死の目で彼を見上げ、そして声ならぬ声で叫んだ。

――――違う!

「な、に…!?」


ずぐん!


「ぐがぁあぁあぁぁぁぁああああああぁぁぁぁあああっ!」


瞬間脳髄を引き裂かんばかりの激痛が襲い、彼は獣のように絶叫した。
少年を放り出し両手で頭を押さえる。
放り出された少年は即座に闇に溶けてほどけるように掻き消えた。

―――違う、違う!

だが、声が消えたわけではない。
彼を苦しめる声はいまや彼の頭蓋の内側から聞こえてきている。頭の中で割れ鐘のようにぐわんぐわんと反響を繰り返す。
痛みと混乱に耐え切れず、サイヤ人の戦士たるカカロットはとうとうその場に倒れ臥した。


「な……んだ、よ、お前……」
違う、違うと壊れたテープレコーダーのように繰り返す声が、彼の思考を津波のように飲み込んでいく。
「違う、て…………なに、が」
その疑問に声が答えを出す前に、彼は意識をあっさりと手放した。



35 :彼の者の名は伝説の 6/9:2005/07/14(木) 17:05:47 ID:xuZ4WDnt


「おい!」
「おいったら!」

彼にとっては引き裂くべき獲物の鳴声が聞こえる。
そして彼にとっては馴染みのある友人の声が聞こえる。

「おーきーろーよー!悟空!」




「………う?」
目を開けば、そこにはコテージの天井。

「夢、か」
常日頃よほどのことでは憔悴や動揺を表に出さない彼としては珍しく、その声は明らかに揺れていた。
「ひでえ夢みたもんだ」

日の光が燦燦と差し込んでいた。あの戦いから、どうやらそう長く時間がたったわけではないらしい。
日光のまぶしさに目を細めた悟空の視界に、麦わら帽子の少年がいきなりにゅっと顔を出した。

「おーおきたおきた。いーやー、ずいぶんうなされてたんだぜ?」

旧知の声と聞こえたのは、実際はこの少年の声だったらしい。
そういえば、最初に彼のもとに駆けつけたのも、ルフィの声をクリリンの声だと勘違いしたからだった。
木の床に手をついて上半身を起こす。全身を苛む痛みは、当初と比べれば少しはましになっていた。
怪我のほとんどが鋭利なクナイによる傷だったのがまた幸いしたようだ。
悟空はルフィに、安心させる意味も込めて一つ頷いて見せた。



36 :彼の者の名は伝説の 7/9:2005/07/14(木) 17:08:12 ID:xuZ4WDnt

悟空が今度こそ『大丈夫』そうなのを見て取ると、ルフィは自分の荷物に手を突っ込んでごそごそとやり始めた。

「悪いけどさ、包帯とかなかったから服使わせてもらったぜ?」

見れば、多数の傷には、不器用ながらも止血用に長い布が巻かれている。
その代わり、彼の胴着は破かれてすっかり無くなっていた。

「ウキウキウキーウキー!ウッキッキー!
(訳:こいつ不器用だからさ、そんだけの布作るのに無駄が多いのなんのって。本当は上半身ぐらいで済んだはずなのによ)」
エテ吉に言われてみてみれば、包帯になるまでの大きさにできなかったらしい青や山吹の布片が
床にばらばらと散らばっている。ルフィが不器用な手で悪戦苦闘した跡が見て取れた。
悟空が心底すまなさそうな顔になる。

「そっか…いや、いいんだ。いろいろ迷惑かけてすまねえ」
「あーそれでさ。代わりっちゃなんだけどこれ着たらいいんじゃねーか」

ルフィが悟空の目の前に何か人の胴体ぐらいあるものを無造作に放り出した。
次いで深い青色の薄い布と、純白のブーツとグローブも。

悟空の目が大きく見開かれる。
「――――これ」

「ウキーウキウキキッキ?キッキッキ?(訳:何だよこれ、鎧か?肩とか動きそうにねーじゃねーか、どうやってこんなもの着るんだよ?)」
「これ面白いんだぜー?オレの体と同じみたいに伸びやがんだ。ほーれびよーん」
「ウキキキーウキー!(訳:うお、すげえぇー!)」



軽く眩暈がした。

彼の目の前に放り出されたものは、こともあろうに

サイヤ人の着ていた戦闘ジャケットだった。



37 :彼の者の名は伝説の 8/9:2005/07/14(木) 17:09:39 ID:xuZ4WDnt


「オレは自分の体がこうだからさ、別に着ても意味無いんだよな。てわけであんたが着てくれよ」
「ウキキーウキー(オレじゃどの道サイズあわねーしな)」

一人と一匹の言葉に背を押されるようにして、彼はのろのろした動きでアンダーウェアを手に取った。
「あ、ああ――――」


頭が痛む。ぎりぎりと痛む。
本当に、よっぽど、呆れるぐらいに、打ちどころが悪かったらしい。
そう、二十数年か前と同じぐらいには。


一匹と一人は、まだ悟空の目の前でじゃれあっている。言葉が通じずとも、通うものはあるのだろう。
元気のいいルフィの声は、やはり彼にとってはクリリンのことを想起させた。

(クリリン。クリリンはどこにいるんだろう)

山吹色の布をひとつひとつ外しサイヤ人の装束に着替えながら、彼は親友の名を心中で繰り返していた。
少年期を一緒に過ごした、かけがえの無い地球人の仲間。
家族もそうだが、彼にとってはこここそが自分の居場所だという認識を与えてくれる貴重な友人である。
それにクリリンだけではない、ブルマやヤムチャもここにいるはずだ。
探し出して、会わなければならない。会って、それで




―――『オレ』はどうするつもりなんだろう




「あいよ、水飲むかー?」
「ああ、すまねぇ…」
―――――大丈夫だ、こいつは地球人じゃない。あんなに伸びたり縮んだりする特徴は、地球人にはねえはずだ、多分。
彼は何かを振り払うかのように、ルフィに渡された水を一息に煽った。



38 :彼の者の名は伝説の 9/9:2005/07/14(木) 17:10:52 ID:xuZ4WDnt


きりきりきりきりきりきりきりきり。
鋭い痛みが今まで得てきた何かを削る。

かりかりかりかりかりかりかり。
鈍い痛みがずっと錆付いていた何かを動かす。


狂ったほうへ。狂ったほうへ。



―――――誰もが皆忘れていた、彼のあるべきその姿へ。



【別荘地のコテージ】
【チーム名=スーパーモンキーズ】

【孫悟空(←→カカロット?)@ドラゴンボール】
 [状態]:出血多量、各部位裂傷(以上応急処置済)、重度の疲労
 [装備]:サイヤ人の硬質ラバー製戦闘ジャケット@ドラゴンボール
 [道具]:荷物一式、支給品不明
 [思考]:1とりあえずある程度回復するまで待機。
      2クリリンをはじめとした地球人の知り合いを探したい。(会ってどうするかは???)
 [備考]:「地球人」に対する攻撃衝動が出始めています。

【モンキー・D・ルフィ@ONE PIECE】
 [状態]:各部位に打撲、右肩刺傷、基本的に軽傷、疲労小、空腹。
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1食料を探す
     2悟空がある程度回復するまで待機。

【エテ吉@ジャングルの王者ターちゃん】
 [状態]:無傷、疲労小。(PT内では悟空とだけ会話可能)
 [装備]:パンツァーファウスト(100mm弾頭×4)@ドラゴンボール
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1悟空がある程度回復するまで待機。
      2ターちゃん達と合流。

39 :彼の者の名は伝説の 訂正プラス補足:2005/07/14(木) 19:47:05 ID:wv1cWrG0
8レス目
元気のいいルフィの声は、やはり彼にとってはクリリンのことを想起させた。
↓ ↓
元気のいいルフィの声は、やはり何度聞いても彼にクリリンのことを想起させた。


孫悟空の支給品
サイヤ人の硬質ラバー製戦闘ジャケット@ドラゴンボールは、
マミーの支給品
フリーザ軍戦闘スーツ@ドラゴンボール
と基本的には同じ性質のものです。

一応こちらのデザインは初期襲来時べジータのものを想定しています…があんまり気になさらずとも。
(ジャケット:白基調、ベージュのアクセント、両肩プロテクター有、腰プロテクター有)
(アンダーウェア:青色、長袖長ズボン、白のグローブ及びブーツ)

40 :彼の者の名は伝説の 補足2:2005/07/14(木) 20:14:03 ID:wv1cWrG0
【現在地:長野県】もプラスしておいて下さい…

41 :名無しかわいいよ名無し:2005/07/14(木) 22:39:38 ID:xKVhd2GU
>>8-10 「888」
>>24-26 「救世主」
>>28-29 「死線」

以上3点は無効です

42 :暴走列島@一時休憩:2005/07/15(金) 00:33:16 ID:5JK3pMR9
影は薄く時刻は5:15を指す。
山陽自動車道。山口県下関市から兵庫県神戸市を結ぶ高速道路
通称、山陽道。越前と新八は10分ほどかかって次のサービスエリアに差し掛かる。

広い敷地内は公園となっており中心の小高い丘に
いくつかの商店が固まっている。
無人の静けさが物悲しい。

越前はウェイバーを徐々に失速させ後ろの新八に到着したことを告げる。
ウェイバーの牽引力は弱く時間がかかることを予想していたが目的地は思っていたよりずっと近く
にあった。

ロープでウェイバーと繋がれた自転車は新八を乗せたままパタンと倒れた。
芝生がクッションになったらしくたいした音はしなかったが新八は起き上がらない。
さては打ち所が悪かったなと越前が近づく。新八の顔はドドメ色に変わり口から泡を吹いていた。
あーあ。越前はゲームが始まってから何度ついたかわからないため息をもういちど大きくついて
しゃがみ、新八を背負った。自転車で車酔いか。無理させすぎた。

レストラン店内は閑散として薄暗く人の気配はない。開けっ放しの扉をくぐる。
越前は一番奥のイスに新八を座らせた。土気色の顔は表情がない。額に手を当ててみる。
ぬるり、と汗がつく。体温は高いくせに汗は水のように冷たい。新しい汗が出ていないのだ。
やばい――。
「脱水かな」
絶えず汗を流すスポーツ選手にその恐ろしさはよく知られている。体内の水分が極端に不足すると
血液の循環が悪くなり頭痛、めまい、吐き気、酷くなれば意識障害を引き起こし
放っておけば生命に関わる。夏場は特に注意しなければならない。
越前は慌ててデイパックの中のペットボトルを取り出すと新八の口にあてた。
意識があるのか、ないのか。新八は少しづつ水を吸い始める。

自分で飲み込めるなら比較的症状は軽い。
見た目より丈夫で強運な男だ。
重症であっても病院に連れて行くことなどできないのだから。

この時代錯誤な衣装のメガネの青年は一体何時間走ってきたのだろう。年齢は乾先輩と同じか上だろうに
あまり落ち着きはなさそうだ。人前で当たり前のように泣いたり叫んだり落ちこんだり。語りだしたり。
ゲームに対する恐怖や不安が彼をハイにさせるのか。
それともこれは彼が元々住んでいた世界のカラーなのか。
見つかるかどうかもわからない仲間を追ってペダルを漕ぎ続け
結局、倒れてしまったけど――
こんな人間も混ざっている。そのことが少なからず越前を安堵させていた。
ペットボトルの水が半分をきった。これだけ飲ませておけば後は勝手に回復するだろう。

43 :暴走列島@一時休憩:2005/07/15(金) 00:37:23 ID:5JK3pMR9


越前は新八を床に寝かせキッチンに入った。業務用の巨大な冷蔵庫やダンボールが積んである。
なるべく期待せずに冷蔵庫のドアを開けると予想通り何も入っていなかった。
「ちぇっ、ここもか」
ゲーム開始から数軒の建物を物色してきたが、これまで食料の類は全く見つかっていない。
最初は先に侵入した誰かに持っていかれたのだと思い警戒を強めながら家屋を選んだが
どこも同じ。偶然にしては続きすぎだ。これもルールの一つなのか。
デイパックに入れてある食料は2日分。切り詰めても4日と持たないだろう。
殺されるか餓死か。棚、ダンボールを調べる。割り箸の束にコップ。包装されたプラスチック製の
フォークにスプーン。ボール。役に立ちそうにないものばかり。自衛に使えそうな道具もなさそうだ。
せめて水は欲しかった。ウェイバーがいつ止まるかわからないからだ。あんな燃料口もエンジンも
搭載されていない自動二輪は始めて見た。少なくとも日本やアメリカには存在しない乗り物だ。
ここに先輩の乾がいたなら大喜びでデータをとって分解し動力の秘密をつきとめようとするだろうが
自転車にしか乗ったことのない越前は故障や燃料切れで停止してもどうすることもできないのだ。
いくら縮小された日本とはいえ東京までの道のりを何十kmも歩くのは並大抵の事ではない。
毎日の過酷なトレーニングをこなしてきた自分にはスタミナにかなりの自信がある。
しかしそれは水や栄養の充分な補給があってこその体力だ。限られた食料と水をもたせることが
生き残るために相当のプレッシャーになるだろう。


――竜崎。
越前の記憶の中で三つ編みが揺れる。困った顔で彼女はこっちを見た。
どうしていつも誰かに絡まれてんのかな。

見つかれば殺されないまでも食料は確実に奪われる。
早く合流できればいい。自分でなくとも乾か跡部、新八のような人間と。

越前は次に自転車とウェイバーを店内に隠した。
新八は店外からは死角になっていて見えない場所にいたが用心のため
キッチンまで移動させておく。当分目は覚まさないだろう。
越前はガラス扉を閉め外を歩き出した。


44 :暴走列島@一時休憩:2005/07/15(金) 00:45:02 ID:5JK3pMR9
新八、早く起きるネ!
もう朝ョ!この駄メガネ!
「・・・・わ、わかったよ・・・い、今起きるよ起きるって」
神楽のケリが飛んでくる。
夜更かしばっかりしてると銀ちゃんみたいなロクデナシになるョ。
二日酔いで尿から糖がでる駄目なおとなネ!
神楽は新八をグルグル振り回す。
やめてやめてバターになっちゃう。新八は神楽のビンタを右手で受けた。
痛い
痛いよ
駄目だよ神楽ちゃん。そんな乱暴な起こし方しちゃあ。
新八が叫ぶ。思ったより自分の声は響かない。

45 :暴走列島@一時休憩:2005/07/15(金) 00:50:54 ID:5JK3pMR9
「・・・・・・・・」
見覚えのない天井に新八はうろたえる。神楽にビンタ、否、転んで骨折した右手指の痛みが
疲弊した全身に伝わった。・・・ここは?新八は恐る恐る辺りの様子を窺う。
越前のウェイバーに引きづられて振り落とされないように自転車にしがみついて・・・
それから――。記憶は飛んでいた。自分は途中で気絶したのか。この場所まで越前が運んでくれたのだろうか。
なんてことだ。自分も疲れているだろうに。床はひやりと冷たく新八はくしゃみをした。

身体を引きずって入り口を出ると
朝陽がガラス越しに薄暗いレストランの内部を照らしていた。
新八は改めて店内を見回す。どこにでもあるような安っぽい内装。
奥のトイレの横に自転車とウェイバーが並びそれぞれにデイパックが備え付けられている。
5組の白いテーブル。そのひとつに水の入ったペットボトルが無造作に置かれている。
正面ガラスに人影。新八は悲鳴を上げた。
「もう起きたんスか。寝てていいっスよ」
「えじ、越前くん・・・・」
「毛布を探したんだけどどこにもなかったっス。物探しは期待しない方がいいや」
越前はイスにどかりと腰をおろした。
「僕は何時間くらい寝てたんだろ」
「さあ、2、30分くらいじゃないスか?」
もっと寝ていたのかと思った。疲れがそのまま残っていて身体がとても重い。
神楽に急かされて起きてしまったことに新八は苦笑した。早く迎えに来いと夢に現れたんだろうな。
「とにかくもう少し休んでてくださいよ。相当疲れがたまってるみたいだし。
メシ食ったら寝ちゃってください。アンタ、脱水起こして死ぬトコだったんすよ」
原因の半分は乗り物酔いだけどね。ボソッと越前が呟く。
「し、死ぬぅ?僕が?まさか!」
「走るときは、こまめに水をとってください。常識だよ」
乾先輩の受け売りだ。彼ほどの薀蓄を語る知識はない。
「し、死ぬわけにはいかないけど眠れるかな・・・。なんだか起きたら・・・
目が冴えちゃって身体はだるいんだけど横になっちゃ悪いような気がするんだ。
まだ誰も見つけてないのにさ」
頭を抱えて新八が唸る。
「横になればそのうち眠くなって夢の中っスよ」
「寝てる場合じゃないんだ・・・。早く見つけてあげないと」
神経の昂ぶりが新八の声を震わせた。青白く疲弊した顔。頬の傷が生々しい。
そのくせ、死人のようだった目は精気を取り戻している。
危険信号だ――。高揚して自分の体力の消耗を感じなくなっている。
いま休息させなければすぐにまた倒れるだろう。
「アンタの仲間って、そんなに急いで見つけないといけないほど弱いんスか?
どっかに隠れて飯でも食ってますよ。
俺は何時間もあの車で走ってやっとアンタを見つけたんだ。
他の奴らが何を支給されたか知らないけど日本中バラバラに飛ばされて
こんな短時間にヤバい奴に出会う確率なんてそうそう無いっスよ。心配しすぎっス」
「それはそうだけど、でも、なんか嫌な予感がするんだ。
こんな状況で混乱してるせいもあるかもしれないけど、心配でたまらない」
なおも食い下がる新八に越前はため息をついた。。
乾先輩がいればもっと上手く説得してくれるか手製の不味い野菜汁で失神させてくれるのにな。
せめてあと2時間は休ませたい。とりあえず喋るだけ喋らせて疲れて気を失うのを待とう。
越前はそう考える。嫌な予感。会えない相手のことを心配したってしょうがないじゃないか。
こんな馬鹿なゲームで死ぬわけがない。そうだろ?越前は思考を打ち切って新八の震える声を聞いた。
「だから、僕はなんとかして皆を・・・」



まもなくゲームの開始から6時間が経とうとしていた。


46 :暴走列島@一時休憩:2005/07/15(金) 00:53:05 ID:5JK3pMR9
【兵庫県(1日目) 山陽自動車道のサービスエリア/早朝】

【志村新八@銀球】
 [状態]:中度の疲労。全身所々に擦過傷。特に右腕が酷く、人差し指、中指、薬指が骨折。
    精神に多少の消耗、高揚あり。
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式 両さんの自転車@こち亀
 [思考]:1.休憩したいがとても休める心境ではない。
    2.かぶき町(東京)を目指す。
    3.一刻も早く仲間と合流する。

【越前リョ―マ@テニスの王子様】
 [状態]:心身ともに健康。
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式 (半日分の水を消費)サービスエリアで失敬した小物(手ぬぐい、マキ○ン、古いロープ
    爪きり、ペンケース、ペンライト、変なTシャツ)ウェイバー@ワンピース
 [思考]:1.なんとかして新八を休ませる。
    2.情報を集めながらとりあえず地元である東京へ向かう。
    3.仲間との合流。

47 :魁!!一護100%〜血を吐くような思いと共に〜 1/3:2005/07/15(金) 02:13:53 ID:CSIEoCC4

 ラオウが去ってしばらく後。

「東城……西野……さつき……唯……こずえちゃん……ちなみ……」

 圧倒的な闘気に中てられたためか、九死に一生を得た安堵のためか、真中は再度放心し、独り、何か、自分でもよく分からないことを
呟き続けていた。それを見て、一護は真中の元に駆け寄る。自分の理解をなにか斜め上に超越した風な生命体、江田島平八に、
一応の注意を払いつつも、だが。

「おい、アンタ、大丈夫か?」
「あぁ……死ぬ前に、あの苺パンツを、もう一度、ファインダー越しに、見たかった……」
「おい、アンタ、しっかりしろ!性癖は果てしなく深そうだが、外傷は比較的浅いぞ!」

 実際、真中の外傷といえば、転倒した際についた擦り傷がせいぜいだった。血すら滲んでいない、何の問題もないようなかすり傷。
実際のところは、真中は手首を捻挫しているのではあるが、闇の中、虚ろに何事かを呟き続ける真中を見て、それに気付けというのは
一護には少々酷なことであろう。だが、と一護は危惧する。自分の家は医院を経営している。だから、人間の壊れやすさも、
ある程度は知っているつもりだ。確かになんでもないような傷だ。が、自分が見逃していただけで、もしかしたら先程転倒した際に
頭でも打っていたのかもしれない。
(この場合、頭を振ったら悪影響だったか?)
咄嗟に、肩を揺すっていた手を止める。しかし、自分に出来ることなど多寡が知れている。
(こんなことなら、ユズやカリンみたいに、看護士の真似事でもしとくんだったか)
「いちごパンツの美少女……東城……東城の文才は最高だ……最高……そうだ、俺は最高の映画を撮らなきゃ……」
「おい、おいってば!(くそっ、錯乱してやがるのか。つうか、なんでいちごパンツから映画が連想されんだ?)」
「西野……西野の作ったケーキを……って、うわぁ!!」

 真中が我に返ったとき、眼前にいたのは頭髪をオレンジ色に染めた、いかにもヤンキー然とした青年だった。
(カツアゲ……てこんなゲームでカツアゲも何もないっていうか、殺される?!)
泡を食いつつ、ニューナンブを持ち上げようとしたものの、激痛に襲われ思わずそれを取り落としてしまう。
「おい、アンタ!手ェ怪我してんのか?大丈夫か?」
「うあ、やめて、殺さないでくれ!」
「殺さねぇよ!つうか、殺す気ならとっくに殺ってるっての。まぁ、いいか。オレは黒崎一護。アンタは?」
「俺の名――

     「わしが男塾塾長、江田島平八である!!」

                    ――っていうんだけど」

「平八か、パチキとかしてきそうな名前だな……って、オッサンじゃねーよ!つーか声でかすぎるよ!つーか名前似合い過ぎてるよ!」




48 :魁!!一護100%〜血を吐くような思いと共に〜 2/3:2005/07/15(金) 02:15:02 ID:CSIEoCC4



 ――――等と一悶着はあったものの。現在、三人は今後の方針について話し合っていた。真中が北斗七星って八星だったっけと聞いて、
一護が哀れみの涙を零すのをこらえたり、豪放磊落を地で行くような平八の声量に、一護が「乗ったヤツ」に見つかるのではないかと
密かに肝を冷やしたり、といった塩梅ではあるが。こういうキャラは自分ではなく、知り合いの改造魂魄が担うべきじゃないか、と
血を吐くようなストレスのもと、一護が心の中で慟哭しかけたのも余談ではある。

「俺は、東城や西野、さつき……北大路を探したい。皆、普通の女の子なんだ、きっと震えて助けを待ってる」
「オレはルキア、朽木ルキアって奴を探してる。黒髪で時代がかった喋り方をする、小さいやつなんだが、知らねェか?」
 一護の言葉に、二人は首をふる。真中は済まなそうに、平八は嘆かわしいといった表情で。都合よくは行かねぇか、と嘆息する一護。
それを受けて、平八が言葉を発する。
「わしはこの下らんゲームとやらを止めるつもりだ」
「オッサンの知り合いはいねぇのか?心配していたりは?」
「合流できるに越したことは無いが、わしの塾生には、こんな戯けたゲームに乗るものも、死ぬものもおらんわい」
「そうか……で、具体的に、これからどうする?」
「……俺は、東京に行きたい。東城達がどこにいるのか分からないなら、人が集まるところに行けば会える一番確率が高いと思うから」
「あァ?人が集まるってことは危険だってことだぜ。さっきみたいな奴がまた居たらどうするんだ?」
「俺、弱いけど。でも、皆、大切な人だから。確かに、人が集まる場所は危険だと思うけど、危険を避け続けて、あいつ等になにか
 会ったら、きっと、後悔すると思うから」

 少しの沈黙。そして。

「なぁ。しばらく、三人で行動しねェか?」
「三人で?」
「人を探すんでも、ゲームを止めるんでも、目的地が分からない以上人数が多いに越したことはねェだろ。見落としも減るだろうしな」
「いや、なら三手に分かれたほうが」
「……たく、武器も使えねぇんだろ。ミイラ取りがミイラになったらどうすんだよ」

 そういうと、一護は誰の返事も待たず、自分のデイパックと真中のデイパック、二つを持ち上げて行動を開始する。
面食らったかのように真中も立ち上がり、一護の後を追う。その様子を、平八が微笑ましいものを見るような目で見ていた。


49 :魁!!一護100%〜血を吐くような思いと共に〜 3/3:2005/07/15(金) 02:16:06 ID:CSIEoCC4

【群馬県の小屋周辺/黎明〜早朝】

【いちご100%@真中淳平】
【状態】手首捻挫
【装備】ニューナンブ@こちら葛飾区亀有公園前派出所
【道具】水6分の1、食料1食分消費した支給品一式
【思考】1.知り合いとの合流
    2.東京を目指す

【江田島平八@魁!!男塾】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明
【思考】1.「わしが男塾塾長、江田島平八である!!!」
    2.「日本男児の生き様は色無し恋無し情けあり」

【黒崎一護@BLEACH】
【状態】健康 (名簿に写真がないため、メガネ藍染かオールバック愛染かは知らない)
【装備】シャハルの鏡@ダイの大冒険
【道具】支給品一式
【思考】1.目の前で襲われている奴らがいたら助ける
    2.朽木ルキアとの合流
    3.東京を目指す


50 :最期に想うはビデオと 1/3:2005/07/15(金) 20:28:24 ID:EnMqoNHK
「マヒャド!」
フレイザードの右手から放たれた強烈な冷気の下を掻い潜った銀時は、
髪の一部を凍らせながら逆刃刀でフレイザードの足を薙ぐが、剣と足の間に炎の剣を突き立てられた。
逆刃刀の一撃を止められただけではなく炎の剣が足元の雪を蒸発させた蒸気によって視界が閉ざされる。
刹那、フレイザードの足に顔面を蹴飛ばされた。
「痛ぇぇぇぇぇっ! 熱ぅぅぅぅぅぅっ! 反則だろこれ! どっちか片っぽにしやがれ!」
後ろに転がりながら銀時は逃げ、顔面を雪に押しつけて冷やす。
その間にルキアは、鞄から支給武器『火竜ヒョウ』を取り出した。
本当は二本一組なのだが、右手を火傷しているので使うのは一本だけ。
宝貝という異なる世界の武器のため使いこなす自信は無いが、破道でろくなダメージを与えられないのだから仕方ない。
フレイザードの半身は氷、ならばそこだけを狙って焼けばダメージを与えられるはずだ。
「行け!!」
ルキアの投げた火竜ヒョウを見て、フレイザードはニンマリ笑いながら横っ飛びに避けた。
「ほお、いい武器持ってるじゃねぇか。炎を出しながら飛ぶ武器か、オレと相性がよさそうだ!」
笑いながらフレイザードは炎の剣を振りかざしてルキアに迫った。
その背後から避けたはずの火竜ヒョウが飛来する。持ち主の下へ戻るついでに敵を焼き殺すつもりだ。
「甘ェよ!」
フレイザードは振り向き様に炎の剣を振るって火竜ヒョウを上に弾き飛ばしたが、
火竜ヒョウはそれで勢いを止める事はなくルキアの手へと戻っていった。
一度武器を投げただけのルキアだが、その呼吸は乱れつつあった。それを見てフレイザードは悟る。
「なるほど、そいつも宝貝らしいな」
「何? まさかこの武器は貴様の世界の物か!?」
「違ェよ。だがなぁ……オレも持ってんだ、その宝貝ってやつをよォッ!!」
かざしたフレイザードの右腕の中から水塊がポコポコと宙に浮かんだかと思いきや、
一瞬で蜘蛛の巣のように広がりルキアに迫った。
再び火竜ヒョウで相殺しようとするルキア。互いに宝貝を使いこなしてはいないが、
宝貝本来の強さは純潔の仙女竜吉公主の所有していた霧露乾坤網の方が上だった。
火竜ヒョウは水膜の一部を散らしたものの、すぐ周囲の水が集まり空中で捕縛してしまう。
武器を失ったルキア目掛けて、蜘蛛の巣状の水の一部が矢となって放たれる。
咄嗟に後ろへ飛んで逃げた瞬間、今度はフレイザードの口から放たれた凍える吹雪が迫る。
「くっ……!」
ある程度距離が離れていたため身体の前面にわずかな氷が張りつくだけで済んだが、これでは動きが鈍ってしまう。
「霧露乾坤網! オレに素晴らしいプレゼントを持ってきてくれたその小娘を楽にしてやりな!」
生後一歳の化け物は、外見をはるかに越える死神の女を殺すよう宝貝に命じた。
火竜ヒョウを捕らえたままの霧露乾坤網は、再び水の矢を放った。
「クハハハハハハハハガゲッ!?」
フレイザードの笑い声をさえぎるよう、その口腔から刀の切っ先が飛び出していた。逆刃の切っ先が。

51 :最期に想うはビデオと 2/3:2005/07/15(金) 20:28:56 ID:EnMqoNHK
「おいおい、女の子ばっかに夢中になるなんてアンタ結構いい趣味して――」
「ガアアッ!!」
人間であれば致命の一撃のはずなのに、フレイザードは口から飛び出した逆刃刀を右手で掴んで凍らせた。
背後からの奇襲に成功し気が緩んでいた銀時は、予想外の事態に慌てながら逆刃刀を引き抜こうとする。
だがフレイザードの腕力には遠く及ばず、刀を引き抜けない。
「グガッ……ガッ!!」
苦しそうというよりも喋りにくいといった様子で言葉にならない声を出したフレイザードは、
凍りついた逆刃を力強く握り締め、真っ二つに砕いた。
「嘘ぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」
驚愕した銀時は逆刃刀を手放し、フレイザードから距離を取ろうとした。
だが振り向き様に放たれたフレイザードのメラゾーマが、銀時の左足に直撃する。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
フレイザードはのどから口へと貫いた逆刃刀を引っ張り出し、雪の上に放る。
「ゲベッ……デ、テメェッ、やってくれるじゃねぇか」
砕けた口周辺の岩石の修復が済んだのか、フレイザードは何事も無かったかのように喋り出した。
だがそれでも受けたダメージを癒すため、ある程度の生命力を消費していたが。
雪面を転がって炎を消す銀時にトドメを刺そうとしたフレイザードだが、背後の足音に気づき振り向く。
空中で制止したままの霧露乾坤網に捕まっている火竜ヒョウを、ルキアが引っ張っていた。
「オイッ! それはオレ様の物だァー! 霧露乾坤……」
再び宝貝を操るフレイザードだが、再び銀時の方を振り返った。
折れた逆刃刀を拾い、フレイザードの足を斬ろうとしている。
「この死に損ないがァッ!」
「その武器を持って逃げろぉぉぉぉぉぉっ!!」
フレイザードの炎の剣が銀時の右腕を貫き、傷口を焼く。
「小僧っ!」
「ぐぅっ……いいから逃げろ! その武器をこいつに渡すんじゃねぇ! 俺達だけじゃ勝て――」
「黙りやがれッ!!」
フレイザードは炎の剣を手放し、拳を燃え上がらせて銀時の頭部に体重を乗せた一撃を叩き込む。
「ぐがっ! ……に……逃げ…………」
「――すまぬっ!」
ルキアは霧露乾坤網から火竜ヒョウを引きずり出し、フレイザードに背を向けて走り出した。
「しまった! 霧露乾坤網、奴を……」
「火竜ヒョウ! 頼む!」
ルキアは火竜ヒョウを足元に投げて雪面を焼き払った。フレイザードがやったように蒸気でその身を隠す。
これでは霧露乾坤網の矢を放とうにも狙いがつけられない。やむを得ず霧露乾坤網を自身の腕に戻し、叫ぶ。
「小娘がアァッ!!」
フレイザードは目を血走らせながら蒸気の中へ身を投じ、ルキアの後を追う。
しかしルキアは火竜ヒョウを投げさらに広範囲の雪を溶かし蒸気の煙幕を広げていた。
ルキア本人も視界の悪さのせいで足場の確認も出来ない状況だが、フレイザードに見つかるよりはマシだ。

52 :最期に想うはビデオと 3/3:2005/07/15(金) 20:30:05 ID:EnMqoNHK

しばらくして――フレイザードは立ち止まる。完全にルキアを見失ったからだ。
「クソッ……火竜ヒョウ、面白ェ武器だったのによぉ。逃がさねぇぞあの女ァ」
身体の中に埋めておいた遊戯王カードを一枚取り出したフレイザードは、それを天にかざして叫んだ。
「出ろ! 幻獣王ガゼル!!」
その命に従い、カードから角を生やしたライオンのようなモンスターが生まれる。
カードには『走るスピードが速すぎて、姿が幻のように見える獣。』と書かれていた。
「さあ行け! お前の足であの小娘を探して殺して来い!
 何なら他の獲物でも構わねェ、誰か見つけたら殺して武器を奪って戻ってくるんだ。お前が消える15分以内にな!!」
その言葉に従い幻獣王ガゼルは凄まじいスピードで雪原を駆け出した。
「……クソッ、あの小娘を見つけられるかどうかは微妙だな。
 今さら後悔してもしょうがねぇが、カードを使ったのはもったいなかったか?」
フレイザードは幻獣王ガゼルのカードを体内にしまうと、自身もまた雪原を歩き出した。
今はとりあえずどこかで休み体調を万全にしよう。それからまた狩りの始まりだ。


頭蓋を砕かれ、頭皮を焼かれ、それでも彼はまだかすかに生きていた。あくまでも、かすかに。
「…………くそぉ……」
痛みは無い、ただ身体の感覚がやけに希薄だった。
「こんな……とこ……ろで…………」
自分が立っているのか寝転んでいるのかも分からない。視界は白くぼやけている。
「延滞した……ビデオ、まだ……返し…………」
その中に眼鏡をかけたオタクっぽい男と、うるさそうな少女の姿が浮かぶ。
「……延滞料…………」
そうだ、こんな所で死ぬ訳にはいかない。まだやるべき事があるのだから。
立ち上がって、あの化け物を倒して、あいつらと一緒に元の世界へ帰って、延滞料が溜まる前にビデオを返さねば。
あいつらと一緒に元の世界に帰って。
「…………」
しかしもう銀時には、指一本動かす力も残っていなかった。
二人の姿が闇に埋もれ、彼自身の意識も深い深い闇の淵へと落ちていく。落ちていった……。



【場所:北海道南西部/黎明〜早朝】

 【フレイザード@ダイの大冒険】
 [状態]:疲労。成長期・核鉄で常時ヒーリング
 [装備]:霧露乾坤網@封神演義 炎の剣@バスタード 核鉄LXI@武装錬金
 [道具]:荷物一式
      遊戯王カード@遊戯王(『青眼の白竜(次の0時まで使用不能)・サイコショッカー(罠破壊)
      幻獣王ガゼル(現在使用中、残り15分)・他二枚』)

 [思考]:1 どこか安全な場所で休みながら幻獣王ガゼルの帰りor15分経過を待つ。
      2 ルキアを殺して火竜ヒョウを得る。
      3 出会った参加者を出来る限り殺す。ダイ、ポップ、マァムを優先。
      4 優勝してバーン様から勝利の栄光を。


 【朽木ルキア@ブリーチ】
 [状態]:疲労、右腕に軽度の火傷。
 [装備]:火竜ヒョウ@封神演義
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1 フレイザードから出来るだけ遠くへ逃げる。現在西へ逃亡中。
      2 仲間を集めてフレイザードを倒す。仲間は一護優先。

 【坂田銀時 死亡確認】
 【残り116人】

53 :狂える瞳、支配する瞳、決意の瞳 ◆SD0DoPVSTQ :2005/07/15(金) 22:39:16 ID:wC4Y/i++
「てっててて……何だったんだあいつは?」
蹴られた脇腹をさすりながらスヴェンは当てもなく歩いていた。
イヴを探す。
とは言っても探す術を彼は持ち合わせていない。
そもそもこんなクソッタレなゲームでそんな術が簡単に見つかれば、信頼できる仲間同士が直ぐ集まる事になる。
そんなことはバーンと名乗った奴等にはマイナスでしかない。
「日頃の行いが物を言う、か」
こうなったら頼るのは運しかない。
この島がどれだけでかいのかは地図を見ただけでは実感が湧かなかった。
だがその島の中に大量の人数が放り込まれて殺し合いを強制させられているのは現実だ。
「なら、急がないとヤバイな」
現に先程自分はこのゲームにのっていると言う男に出くわした。
しかも始まって直ぐ出会った今の所最初で最後の奴がそれだ。
状況に耐えるとかそんな問題じゃない。
何人この島に殺し合いにのっている奴がいるかわかったものじゃないのだから。
焦りと共に足は速さを取り戻す。
「――ったく、この際ついでにリンスにも恩を売っておくか」
イヴはおろかリンスもこの島じゃ危険だろう。
どちらに先に合うか解らないが困っている奴はなるべく助けたい。
口と心の差に、正直でない自分を見つけ苦笑した。

54 :狂える瞳、支配する瞳、決意の瞳 ◆SD0DoPVSTQ :2005/07/15(金) 22:39:45 ID:wC4Y/i++
あれから何分走ったであろうか?
横に連なっていた民家が次第に減っていき、変わりに木々が増えてきた。
とは言っても月明かりで見える範囲内でしか変化は感じられないのだが。
静かな街。
沢山の民家が連なっていたのに灯りも人の気配もなくただ其処に建っていただけ。
その街も終わりを告げ目の前に茂る木々の中にスヴェンの足音だけが静かに木霊していた。

ふと自分の足音以外に気配を感じ、慌てて近くの木に隠れるてその気配を探る。
音一つなく無機質にも感じるこの世界。
気配の正体は直ぐに掴めた。
「――女性……か?」
向こうから黒ずくめの女性が一人歩いてくる。
「隙がない?いや、逆に隙だらけなのか?」
今一その女性が解らない。
一見すると態度と表情から落ち着きが感じられ、歩き方も隙が無いように見える。
しかしそれとは逆に手ぶらで、危機感を持ち合わせていない様にも見え隙だらけにも思える。
「この手の場合要注意だったりするんだがな……」
スヴェンの中で黒ずくめの女性がリンスと被る。
彼の知るリンスも裏の社会の住人である。
一通りの自分の身を護る術は身に付けている。
「が、このゲームじゃヤバイと言ってたのは俺か」
帽子を被り直し、背広を直してから、向こうから歩いてくる女性に両手を挙げながら姿を見せた。
もし何かあっても予見眼や支配眼がある。
助けられる女性を見過ごすのは紳士として出来なかった。
「俺はスヴェン、別にあんたにどうこうする気はねぇ」
「――ロビンよ」
ロビンと名乗った女性も両手を挙げげる。
ひとまず相手に攻撃の意志がないことを読みとり、ほっと溜息を付く。
「お互い変なことに巻き込まれたな」
「えぇ、その様ね」
彼女は両手を挙げながら此方に歩み寄ってきた。
見た限りではバックもない。
胸やポケットに銃らしき物を入れている様子もない。
恐らくカプセルの中に全て詰め込んでいるのだろう。
そう判断してスヴェンは彼女に少し気を許した。
「解っているだろ?この島は危険だ、先約がいないなら俺と一緒にデートでもする気はないかい?」
目の前の女性に問いかける。
「俺の目的は人捜しだ、それをしながらで良いなら貴方をエスコートする事も出来る」
相手の表情を窺いながら更に続ける。
「そちらも人捜しだとしても手伝えると思う、この島じゃ一人や二人仲間を探すのもそれ以上探すのも同じだからな」
女性の表情が仲間と言う単語で一瞬変化して俯いたのをスヴェンは見逃さなかった。
「そうそう、仲間の一人はイヴって言う小さな女の子なんだが何処かで……」
「――ありがとう、貴方の気持ちは受け取って置くわ――永遠に」
そう言いつつ彼女の表情が再び変化する。
彼女が顔を上げた時確認したソレは悲しさを携えた狂気。

55 :狂える瞳、支配する瞳、決意の瞳 ◆SD0DoPVSTQ :2005/07/15(金) 22:40:06 ID:wC4Y/i++
「――のってないんじゃ無かったのか?!」
相手に問いかけのではなく、判断をしくじった自分への問いかけ。
慌てて距離を取るために後退しながら眼帯を外す。
即座に予知眼を発動させようとする――が、不発で終わる。
「何故だ?!」
最初に対峙したクロロに技を盗まれたと知らないスヴェンは混乱しながらも目の前の女性を凝視する。
しかしロビンは手を挙げたままその場から1歩も動いていなかった。
まるで自分が感じた感触が錯覚だったかのように。
だが目の前の彼女の眼は狂気に歪んだ先程の眼と変わってはいなかった。
「仕方ない……」
体力を激しく消耗するがしょうがない。
相手の狂気だけは本物だ。
何かがあってからでは遅い。
スヴェンは不発に終わった予知眼から支配眼へと変化させる。

急に自分の周りの世界の速度が変化する。
否、彼自身の速度が変化しているのだ。
世界を超スロースピードで認識させ、自分自身はその中でいつもの速さで行動が出来る切り札中の切り札。
勿論自分自身の限界を超えた速度で行動する訳だから身体に必要以上の負担がかかるので諸刃の剣だ。
四方八方に気を張り巡らせながら状況を確認する。
周り360度、そして上と下。
何処も変化はない。
目の前に立っている女性も再確認したが動きは見えない。
だが止まった時間の中でもスヴェンの視線とロビンの視線が交差する。
全てが遅く感じられる世界の中で唯一その狂気だけが存在感を増していた。

56 :狂える瞳、支配する瞳、決意の瞳 ◆SD0DoPVSTQ :2005/07/15(金) 22:40:25 ID:wC4Y/i++
気は抜けない。
体力面への更なる負担を覚悟して再度周りに集中する。
すると月明かりにより自分の後方で何かが光ったのが感じ取れた。
「背中かっ!」
身体を捻り振り向いた先には夜空に浮かぶ月に照らされ反射した剣が此方を向いていた。
自分の背中から生えた手に握られた剣が迫る。
が、本来ならば必中のタイミングであったそれは、支配眼を発動したスヴェンによって叩き落とされる。


「これはあんたの仕業かい?」
息も切れ切れに背中から生えた手を掴みながらスヴェンは目の前の女性に尋ねた。
流石に支配眼発動下の行動は身体に堪えた。
支配眼を解除して降魔の剣を踏みつけながら目の前のロビンを見据える。
「あんたもやっぱりそうなのか……このクソッタレなゲームにのっているのか」
「私はただ生き残りたいだけよ」
瞳の中に悲しさを携えたままロビンはそれだけ答えた。


「手の内は全て晒された――終わりだ」
掃除屋スヴェンは未だ手を挙げたままの女性に向かって走り出す。
「女性には手を出したくなかったんだがな、悪いが気絶させて貰う」
女性の目の前まで走りきった時目の前に何かが立ちふさがる。
「おっと、俺が相手だ」
スヴェンが振り下ろした拳を軽く受け止めその男はニヤリと笑った。
スヴェンは驚いて咄嗟に二度目の支配眼を発動させる。
しかし世界がどれだけ遅くなろうとも力の差だけは変わらない。
体力が持たず二度目の支配眼の時間が終わったが、目の前の状況はなんら覆せなかった。
そのまま勝利マンに羽交い締めにされるスヴェン。
「――貴方が私を信用してくれた事感謝しているわ、ジェントルマン」
地面から延びた手が落ちていた降魔の剣を拾い、そのままスヴェンを斬りつける。
頭の中からイヴの事が消えていく。
「なら何故こんな真似を……?」
薄れ逝く意識の中、戦闘が終わった今でさえ悲しい目をした女性にそう問いかける。
「――人を信用して、裏切られた時が怖いの……あれだけは、何度味わっても慣れる事がないのよ」
理性が消えていく中、まずは疲労に身体を乗っ取られ眠りにつく。
「約束通り貴方の探していた子を一緒に探してあげるわ」
疲労に意識を奪われ崩れ落ちるスヴェンを受け止めながらロビンは言った。
――人捜しをしながらでも良いなら護ってやる。
もう彼は裏切らず自分を護ってくれる、信用のおける仲間だ。
だからその言葉は彼女の中で仲間との約束に変わっていた。

57 :狂える瞳、支配する瞳、決意の瞳 ◆SD0DoPVSTQ :2005/07/15(金) 22:42:07 ID:wC4Y/i++
(勝利マンを正気に戻せるのはボクだけッス!)
もう昔のように怖がってはいられない。
勝利マンとの特訓、そして一緒に戦ってきた日々を思い出す。
勝利くんは自分にそう言い聞かせながら震えて動かない足を叩いて渇を入れる。
臆病だった日とはおさらばだ。
自分は辛い日々を勝ち抜いた上で1位の表彰台に立っている勝利くんなのだから。

チャンスは1度だけ。
先程、勝利マンが突然現れた理由がそれだ。
支給品『ミクロバンド』。
腕時計の様な形をしていて、装備者を自在に一瞬で大きくしたり小さくしたり出来るアイテム。
先にスヴェンの気配に気が付いていたロビンが勝利マンを予め小さくさせて切り札としていたのだ。
もう一度勝利マンが小さくなる時に自分が勝利マンから離れれば大きさは対等になる筈。
勝利マンを殴ってでも目を覚まさせる。
(ってボクがっスか?!)
果たして小さくなったとは言え勝利マンの目を覚まさせられるのであろうか?
その事実に再び足が震え動かなくなる。
返り討ちに合うかも知れない事実。
そして自分が足掻いた位じゃ勝利マンを元に戻せられない可能性も高いと言う事実。
けれどやるしかない。
身も心も強くして貰った勝利マンの為に――修行して貰った成果を見せる為に。



【群馬県と茨城県の境目/黎明〜早朝】

 【ニコ・ロビン@ONE PIECE】
 [状態]:健康
 [装備]:降魔の剣@幽遊白書
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1絶対に裏切らない(妖怪化で)仲間を増やす
     2仲間を増やす中でイヴを探す
     3死にたくない

 【勝利マン@とっても!ラッキーマン】
 [状態]:妖怪化
 [装備]:勝利くん ミクロバンド@ドラゴンボール
 [道具]:荷物一式
 [思考]:妖怪化しロビン絶対


【スヴェン・ボルフィード@BLACK CAT】
 [状態]:妖怪化、激しく疲労、軽い睡眠中、予見眼使用不可
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式(不明)
 [思考]:妖怪化しロビン絶対


58 :邂逅・乖離1/3:2005/07/15(金) 22:57:32 ID:CSIEoCC4


 ヒソカと更木。二匹の獣は峻烈な舞を踊り続けていた。

 押されているのはヒソカ。体格の差、体重の差、そして得物の有無。妖刀ムラサメブレードを振るう更木と、共通支給品のエンピツを
念で強化しているヒソカ。埋められない武器の差。ヒソカは致命傷こそ受けてはいないものの、既に全身に軽い打撲や裂傷を負っている。
だが、更木もヒソカもそれに構うことなど全く無い。互いに持てる技巧の限りを尽くして、終わることなく、凄絶な舞を踊る。踊る。
踊り続ける。



 唐突に、ヒソカは間合いを離そうと後ろに跳んだ。それを受けて、更木はさせまいと大地を蹴る。よって互いの間合いは未だ変わらず、
故に、ヒソカは刀の間合いから逃げることあたわず――
と、ヒソカはおもむろに自分の指を鳴らした。すると、前触れも無しにナニかに足を取られ、更木が転倒する。

「驚いたかい?これがボクの能力。オーラを粘着質のゴム状に変化させることができる」
 体勢を崩した更木に向かって、追い討ちをかけるわけでもなく、ヒソカは語りかける。何故なら――
「さっき、賭けの提案をした時、すでにこのチカラ、「伸縮自在の愛(バンジーガム)」をキミの足に貼り付けておいた」
「はっ!くだらねェ!こんなチャチな玩具に軽い攻撃で、俺を止められるとでも思ってんのか?!」
 ――ヒソカは理解していたから。今の自分の使った攻撃では、相手に決定的なダメージを与えられないということに。
瞬時に更木は体勢を立て直し、疾駆する。狙うは一つ、前方に存在する奇術師の命、ただそれのみ。

 更木がヒソカに肉薄し、同時に右手に構えたムラサメブレードを薙ぐ。ヒソカは身体を屈め、紙一重の距離で避ける。避ける。避ける。
そして、刃を振るえぬ零距離に密着すると、エンピツを更木の眼球に突き立てんと腕を伸ばす。更木は僅かに顔をずらし、エンピツが
己の眼球に突き立つのを阻止。同時に、空いていた左手で、ヒソカに正拳での攻撃を加え、刀の間合いに入りなおそうとする。

 次の瞬間、ヒソカが指を鳴らす。間髪おかずに、更木は、左足に何かに引き摺られるような感覚を覚える。が、その体勢は崩れない。
(くだらねェ!来るタイミングさえ分かれば、簡単に踏ん張れる!それに、体勢を崩したところで、アイツの攻撃じゃ――)
 ――更木の独白が終わる前に、ナニか彼の首筋を切り裂いていた。



 ――ヒソカは既に、身体に武器を仕込んでいた――




59 :邂逅・乖離2/3:2005/07/15(金) 22:58:20 ID:CSIEoCC4
 ヒソカが仕込んでいた武器、それは全員に共通の支給品として配られたメモ用紙。一般人にとっては、それは単なる紙に過ぎないが、
念能力者である自分にとっては、オーラを伝わせることによって、紙を刃のように変化させることも容易い。使い慣れたトランプほどの
殺傷力は期待できないが、急所を狙えば人間一人を殺害することなど造作も無い。

 ヒソカが張っていた伏線は、自身の念能力、「薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)」。予め、肌の質感を紙の上に投影し、
それを「伸縮自在の愛(バンジーガム)」で自分の腕に貼り付けることで、あたかも徒手であるかのように装った。そのうえで、
「伸縮自在の愛(バンジーガム)」を実演することによって、それのみが自分の奥の手であるように見せかけた。

 ヒソカの嘘は、「伸縮自在の愛(バンジーガム)」の発動の際、指を鳴らすという動作を付け加えていたこと。更木の注意をそちらに
ひきつけるため。実際のところ、「伸縮自在の愛(バンジーガム)」はヒソカの意のままに伸び縮みするということを隠すため。
そして、足だけではなく、更木の首筋にも「伸縮自在の愛(バンジーガム)」を貼り付けていたということも。

 何が起こったのか分からない、といった顔で首筋から出血する更木から顔を逸らし、ヒソカは志々雄に向き直る。
 
「キミもなかなか強そうだ。どうだい?ボクと遊ばないか?」
「……やめておく。獲物を横から掻っ攫ったら、更木が怒りそうだしな」


「……重ね重ね済まねェな、志々雄」


 ヒソカの誤算は、更木の耐久能力。下手な斬魄刀では、傷一つ付けることができない、その鋼の肉体。制限下では、その防御能力は
確実に減していたが、同じように威力の減衰した念能力では、更木に致命傷を負わせるほどの殺傷力を紙に持たせることはできなかった。
見れば、首筋から噴出していた血液は、止まることはないものの、既にその勢いを減じていっている。

「このゲームは最高だ……。こんな連中がゴロゴロいやがるのか!!」
更木は天を仰ぎ、祈りを捧げるかのような歓喜の表情で呟く。その身から放たれる圧迫感は、更に大きさを増していき……


(潮時……だな)
蝶野は考える。おそらく、あの更木という男は戦闘狂。仲間に引き入れることは難しいし、出来たとして、それは雷管の故障した爆弾を
手に入れたようなもの。このままでは、ヒソカの勝ち目は限りなく薄いし、自分のオシャレを理解できるものをここで失うのも惜しい。
ならば、この場は退くか……

    ――――――ヒラリ――――――


 一羽の蝶が戦闘の中心点に舞い込み、次の瞬間、轟音と共に炸裂する。視界を遮る爆炎と爆煙。


 そして、視界が回復した時には、ヒソカも蝶の様な男も、その場から姿を消していた。

「チッ。逃げやがったのか」
「いや、お前の勝ちだぜ。更木。見ろ」

 ヒソカたちがいた場所に残っていたのは、何の変哲もなさそうな釣竿が一つ……戦闘前の約束通り、残されたヒソカの支給品だった。


60 :邂逅・乖離3/3:2005/07/15(金) 22:58:51 ID:CSIEoCC4

 【佐賀県 北部海辺の崖/黎明〜早朝】

 【パピヨン@武装錬金】
 [状態]:健康
 [装備]:核鉄LXX@武装錬金
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.ヒソカを連れてこの場を離れる
     2.知り合いとの合流、ヒソカと行動

 【ヒソカ@ハンターハンター】
 [状態]:疲労(中)全身に軽い打撲、裂傷
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式(支給品不明:ヒソカの得意武器の類ではない)
 [思考]:1.武器を手に入れ、万全の状態となったあとで更木と再戦
     2.知り合いとの合流、パピヨンと行動

 【更木剣八@ブリーチ】
 [状態]:首筋に中度の裂傷。急ぐ必要は無いが、止血の必要有り。
 [装備]:ムラサメブレード@バスタード
 [道具]:荷物一式 サッカーボール@キャプテン翼
 [思考]:1.ヒソカとの再戦
     2.志々雄と決着を付ける 
     3.強いヤツと戦う

 【志々雄真実@るろうに剣心】
 [状態]:健康
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式 ゴンの釣竿@Hunter×Hunter
 [思考]:1.刀を探す
     2.剣八と決着を付ける
     3.全員殺し生き残る

61 :名無しかわいいよ名無し:2005/07/15(金) 23:09:28 ID:CSIEoCC4
>>60のヒソカの支給品を
>荷物一式(支給品不明:ヒソカの得意武器の類ではない)
から
>荷物一式
に修正します。

62 :狂える瞳、支配する瞳、決意の瞳の修正 ◆SD0DoPVSTQ :2005/07/15(金) 23:36:45 ID:wC4Y/i++
4レス目からの修正です

気は抜けない。
体力面への更なる負担を覚悟して再度周りに集中する。
すると月明かりにより自分の後方で何かが光ったのが感じ取れた。
「背中かっ!」
身体を捻り振り向いた先には夜空に浮かぶ月に照らされ反射した剣が此方を向いていた。
自分の背中から生えた手に握られた剣が迫る。
が、本来ならば必中のタイミングであったそれは、支配眼を発動したスヴェンによって叩き落とされる。


「これはあんたの仕業かい?」
息も切れ切れに背中から生えた手を掴みながらスヴェンは目の前の女性に尋ねた。
流石に支配眼発動下の行動は身体に堪えた。
支配眼を解除して降魔の剣を踏みつけながら目の前のロビンを見据える。
「あんたもやっぱりそうなのか……このクソッタレなゲームにのっているのか」
「私はただ生き残りたいだけよ」
瞳の中に悲しさを携えたままロビンはそれだけ答えた。


「手の内は全て晒された――終わりだ」
掃除屋スヴェンは未だ手を挙げたままの女性に向かって走り出す。
「女性には手を出したくなかったんだがな、悪いが気絶させて貰う」
女性の目の前まで走りきった時、突然目の前に何かが立ちふさがる。
「おっと、俺が相手だ」
スヴェンが振り下ろした拳を軽く受け止めその男はニヤリと笑った。
彼が拳を受け止めた腕に付けていたのは、支給品『ミクロバンド』。
腕時計の様な形をしていて、装備者を自在に一瞬で大きくしたり小さくしたり出来るアイテム。
先にスヴェンの気配に気が付いていたロビンが勝利マンを予め小さくさせて切り札としていたのだった。

だがそんな事を知る由もないスヴェンは突然の乱入者に驚いて咄嗟に二度目の支配眼を発動させる。
こうなったら超スピードで逃げるしかない。
力を振り絞り拳を握っている相手の指を引き剥がそうと苦戦する。
しかし世界がどれだけ遅くなろうとも力の差だけは変わらない。
体力が持たず二度目の支配眼の時間が終わったが、目の前の状況はなんら覆せなかった。
そのまま勝利マンに羽交い締めにされるスヴェン。
「――貴方が私を信用してくれた事感謝しているわ、ジェントルマン」
地面から延びた手が落ちていた降魔の剣を拾い、そのままスヴェンを斬りつける。
頭の中からイヴの事が消えていく。
「なら何故こんな真似を……?」
薄れ逝く意識の中、戦闘が終わった今でさえ悲しい目をした女性にそう問いかける。
「――人を信用して、裏切られた時が怖いの……あれだけは、何度味わっても慣れる事がないのよ」
理性が消えていく中、まずは疲労に身体を乗っ取られ眠りにつく。
「約束通り貴方の探していた子を一緒に探してあげるわ」
疲労に意識を奪われ崩れ落ちるスヴェンを受け止めながらロビンは言った。
――人捜しをしながらでも良いなら護ってやる。
もう彼は裏切らず自分を護ってくれる、信用のおける仲間だ。
だからその言葉は彼女の中で仲間との約束に変わっていた。

63 :狂える瞳、支配する瞳、決意の瞳の修正 ◆SD0DoPVSTQ :2005/07/15(金) 23:37:15 ID:wC4Y/i++

【群馬県と茨城県の境目付近/黎明〜早朝】

 【ニコ・ロビン@ONE PIECE】
 [状態]:健康
 [装備]:降魔の剣@幽遊白書
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1絶対に裏切らない(妖怪化で)仲間を増やす
     2仲間を増やす中でイヴを探す
     3死にたくない

 【勝利マン@とっても!ラッキーマン】
 [状態]:妖怪化
 [装備]:ミクロバンド@ドラゴンボール
 [道具]:荷物一式
 [思考]:妖怪化しロビン絶対


【スヴェン・ボルフィード@BLACK CAT】
 [状態]:妖怪化、激しく疲労、軽い睡眠中、予見眼使用不可
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式(不明)
 [思考]:妖怪化しロビン絶対

64 : ◆QXU.Tc2.M2 :2005/07/15(金) 23:55:24 ID:114brzjX
愛知にある田んぼ道、おおよそこのゲームに似つかわしくないであろう、のどかな風景が広がる田舎にその男は居た。
幸か不幸か、開始から数時間経ったというのに男は他の参加者と未だ遭遇する事なく、そのあぜ道をひたすらに歩いていた。

「もうすぐ夜が明けるな・・・・・」

東の空を仰ぎながら日が差し込むのを待ちわびるかの様に男は一人呟く。
田舎道に存在する僅かな街路灯が照らす男の身体は黒い光沢を放つメタリックのボディ、
呟いた声からは乗用車のアイドリングを思わせる様な呼吸音、男が持つ雰囲気は明らかに通常の人間のそれではない。

「キン肉マン、ラーメンマン、そしてバッファローマン・・・彼らは今一体どこにいるんだ・・・」
水平線の彼方を見つめながら男はかつて共に戦った戦友の名を口に出した。
彼の名はウォーズマン。
かつて元いた世界では戦友であり、また親友でもあるキン肉マンと共に、彼の力になるために幾度もの死闘を演じてきた正義超人の一員である。

もちろん正義超人としてかつての世界の平和を守ってきた彼が殺し合いのゲームなんかに乗る筈はない。
彼の目的はキン肉マンとの合流、日本を模した見知らぬ地方に飛ばされてから彼はずっとその事を考えていた。
そう・・・・キン肉マンならこんな絶望的な状況でも、きっとなんとかしてくれるんじゃないか?
今までだってずっとそうだったじゃないか、どんなピンチになったとしてもキン肉マンは火事場のクソ力でいつだって乗り越えてきた。
きっと今回だってキン肉マンの力さえあれば・・・・・・・

(そのタメにはオレが力にならないとな)

胸中そう呟くとウォーズマンは足早に歩を進める。
目指すは東京。
東京に行けばキン肉マンに会えるとは限らない、しかし日本で彼がよく知る地と言えば東京だけであった。
土地勘のない地方に留まるよりかは、多少はその地理に詳しい東京に行った方がいい。
それに大都市に行けば、こんな片田舎よりいくらか人も集まっている筈だ。
もちろん人が集まる以上そこにはゲームに『乗った』ヤツらだっているかもしれない。
しかしそれ以上にそんな『乗った』奴らに狙われている、か弱い人達だっているはずだ。
助けを求めている人間がいるのなら正義超人として、それを見逃すワケにはいかない。
それにキン肉マンだって、もしかしたら同じ事を考えて東京に向かっているかもしれない。

考えれば考える程ウォーズマンは『自分は東京に向かうしかない』、と思い始めた。
実際には、
「・・・かも」「・・・しれない」「・・・筈だ」
などという何の根拠もない推論のみで東京に向かっているだけでしかないのだが、
誰もいない見知らぬ地に放り出され迷暗していた彼は、そう思い込む事によって無理やり目標を作り上げた。

そして相変わらず誰とも出会う事なく、ようやく愛知を抜け出そうかという所に道案内を示す一つの立て札がウォーズマンの目に付いた。

「右に行けば静岡、左は長野か・・・」

ウォーズマンは立て札を凝視しながらその場で考え始める。
―――さて、どうするか?
どちらのルートを取っても東京には辿り着けるが、
左は長野の山の入り口となっている山道、一方の右は静岡へと続く整備された平坦な道路。
東京までの距離はどちらも大差ない、となれば険しい山道ではなく整備された道路を通るのが定石だが・・・・・・
しかし静岡方面の道路を通るとなると、今はいいだろうが夜が明けた後、日が照れば他の参加者から常に360℃丸見えの状態になる。
一方の山道は仮に敵に襲われたとしても、いくらでも身を隠せる場所はあるし逃げやすい、そもそも好き好んで険しい山道を歩いているヤツもいないだろう。
となると敵に襲撃されやすい静岡よりも安全な長野のルートを取るのが吉か?
そこまで考えてウォーズマンはハっとする。

「何を考えているんだオレは・・・・・距離が同じならより早く東京に辿り着けるであろう静岡の道路を通るべきじゃないか・・・・・・・・・・
 それに敵に襲われやすいってんなら、なおさらそっちに行くべきだ、そいつに襲われて今も危険な目にあっている人がいるかもしれないってのに!」

一人呟きウォーズマンは自分を叱咤する。自分の身の保身より人々の安全を最優先するべき!が正義超人の信条なのだ。
「よし!そうと決めたらさっさと東京に向かうとするぜ、こんな所で無駄に時間をとってはいられないからな」
立て札の案内通りウォーズマンは右に向かい静岡方面の道路に進もうとする、その時だった。

65 :機人夜襲:2005/07/15(金) 23:57:08 ID:114brzjX
ガサ!

「ン?」

立て札の左側、長野に続く山道から何者かが草葉を分けて通るような音が聞こえた。

「誰もいないな・・・・・気のせいか?」

キョロキョロと辺りを見回すウォーズマン。
何者かの気配は感じられない・・・が、気のせいか先程までの田舎独特の落ち着いた空気がどこか嫌なモノに変っている。

「なんだか嫌な空気だぜ・・・とっととここから離れるとするか」

何か不吉な予感を感じ取ったウォーズマンは急いで、その場から立ち去ろうとする。
しかし―――

ガサガサ!!

後方から再び草を掻き分ける様な音が鳴った。
その場から立ち去ろうとしたウォーズマンが思わずその場で振り返る。

「き・・・気のせいじゃない・・・何かいるぞ・・・・」

予感が確信に変ったウォーズマンは音が鳴った方向に向かい恐る恐る近づいていく、
そして音が鳴った草葉を覗き込もうとした瞬間――

「うわ!!」

一匹の野ウサギがウォーズマンの顔面を横切った、思わず声を上げ驚いた拍子に尻餅をつくウォーズマン。

「ハ・・・ハハハ、なんだお前だったのか、あんまり驚かしてくれるなよ」

草葉から出てきた野ウサギ相手に笑いながら、声を掛けるウォーズマン。
どうも自分は神経過敏になっているらしい、こんな異常な状況下でずっと一人でいたせいもあるんだろうが、
まさかタダの野ウサギと敵の気配すら見分けが付かないなんて。

「まったく・・・こんな調子じゃキン肉マン達に会わす顔がないぜ」

そう言って己の心を自嘲したウォーズマンはその場から立ち上がろうと地面に手をつける。
その手をつけた地面からヌルリと生暖かい液体のような感触が伝わった。

「なんだ・・・コレ?」

地面から手を離し液体の正体を確認しようと掌を返すウォーズマン。

(赤いぞ・・・赤い液体・・・・血?なんでこんなトコに?・・・さっきのウサギの?)

刹那、背後から黒い影が覆いかぶさりウォーズマンの思考を遮った。

「ゲェッ!?」

襲い掛かってきた黒い影に背後から首を絞められ身動きが取れないウォーズマン。
そしてすかさず彼の首筋を細い3本の『指』が刺し貫いた。

「ウギャアァァーッッ!!!」

突然の出来事にウォーズマンは思わず叫び声を上げる。
そのまま背後から襲い掛かってきた何者かに殺されると予感したウォーズマンだったが、
彼の首筋に刺さった三本の『指』は第一関節半ばで首筋に刺さったまま何かを待つように、動きを止めてしまった。
そして、その蛇の生殺しのような状態のまま十数秒の・・・ウォーズマンにとっては永

66 :機人夜襲:2005/07/15(金) 23:57:38 ID:114brzjX
「・・・・・・・貴様・・・・人間では・・・・・ないな?」

ウォーズマンの背後から激しい息遣いをした男の声が上がる。

「ウゥ・・・オ、オレはロボット超人だ・・・・・に、人間じゃ・・・ない・・・」

ウォーズマンは首根っこを捕まれながらそれだけを口にした、否、恐怖に震えた彼の口はそれだけしか口に出来なかった。
恐ろしかった、本当に恐ろしかった、元いた世界では正義超人として数々の死闘をくぐりぬけてきたウォーズマンだったが、
この瞬間の恐怖は今まで味わってきたものとは違う、全く抗う術のない絶対的な恐怖が彼の血の通わぬ鉄の精神を支配していた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

そして背後にいた何者かは何かを思案しているのか、ウォーズマンの首を掴んだ状態のまま何も発せず―――

ブン!!

掴んでいた首を離しウォーズマンを数十メートル先まで放り投げた。

「ウォア!」

いきなり放り出されたウォーズマンはそのまま頭から地面に落ち、したたかに頭部をうちつける、
彼がロボット超人でない普通の人間だったなら、今の衝撃で首の骨が折れていたろう。

「ク、クソッ!!」

そしてダメージを意に返さず、すかさず起き上がり戦闘態勢を取るウォーズマン。
しかし見つめる視線の先には何も無く、ただ山道を覆う闇が広がっているばかりだった。

「ウゥ・・・・・一体なんだったんだアレは?」


【場所:愛知の田舎にある長野、静岡間の県境/黎明】

【ウォーズマン@キン肉マン】
 [状態]:首筋刺傷
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式、支給品不明
 [思考]:1、静岡の道路を渡って東京を目指す。襲われている人がいたら助ける。
      2、キン肉マン達と合流、
 [備考]:恐怖心・・・オレの心に恐怖心・・・・・




【DIO@ジョジョの奇妙な冒険】
 [状態]:右肘部から先を損失、腹部に巨大な貫通傷、疲労大。
 [装備]:忍具セット(手裏剣×9)
 [道具]:荷物一式、
 [思考]:1、夜が明けるまでに太陽から身を隠せる場所を探す。
      2、参加者の血を吸い傷を癒す。

67 :機人夜襲:2005/07/16(土) 00:00:10 ID:114brzjX
最初タイトル付け忘れてしまいました・・・>>64>>66までです
それと>>65の最後の行が途中で切れてるので↓に張っておきます


そして、その蛇の生殺しのような状態のまま十数秒の・・・ウォーズマンにとっては永遠とも思われる短い時間が流れた。

68 :多勢に無勢 ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/16(土) 00:12:54 ID:p9ikjrt4
「む…どうやら動くようだぞ、富樫」
本を読んでいた男の側へ駆け寄る影が一つ。
その影は、なにやら叫びながら男に向かって飛び掛った。
「よし、わしらも少し近づくぞ」
「おいおい、大丈夫かよ」
「ふふふ、いざという時のための秘密兵器はできておる。…そうそう、これを渡しておかねばな」
太公望は、乾いた草の固まりを2つ冨樫によこした。
「なんだ、耳栓か?」
「いや……鼻栓だ」

藍染は焦っていた。
盤古幡を使用したことによる疲労が癒えないうちに、次の敵が来たのは不運だった。
そして、この襲撃者は強かった。何よりスピードが速い。
「(く…この体では避けるのが精一杯だ。攻撃に転ずることができん!
 しかし、いきなり襲いかかってくるとは…!?)」
「くそっ、当たれ!石崎さんの仇だ!」
「(仇…!?さっき殺した奴の仲間か!)」
相手が頭に血が上っていること、そして自分が回避に専念することで、
藍染何とか敵の攻撃を避けられている。
しかしそれも時間の問題だろう。
「(…盤古幡を使うしかないか?だが……)…っ!?」
藍染の目の前には、ダメージで動けない(と思っていた)キルアの姿があった。

星矢は驚いていた。
予想以上に自分のスピードが鈍っていることももちろんだが。アイゼンの仲間だと思っていた
ツンツン頭の子供(キルア)が、アイゼンに攻撃したからだ。
アイゼンはそれをかろうじて避けたようだが、その腕には一筋の傷がついていた。
「君はアイゼンの仲間じゃないのか!?」
「仲間?ジョーダンじゃないね。さっきコイツにやられて渋々一緒にいただけさ。
 気をつけた方がいいぜ、ヤツの武器は……」

69 :多勢に無勢 ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/16(土) 00:14:06 ID:p9ikjrt4
「重力10倍!」
キルアと星矢の動きが止まる。
見ると、藍染が肩で息をしながら盤古幡を掲げていた。
「(使うしかなかった…!しかも、殺すほどの威力は出さずに、動きだけを封じて
 その隙に私は逃げるという、消極的な手段を用いるしか…)」
キルアは先ほどの戦闘のダメージが抜けていないため、もはや動くこともできない。
星矢はなんとか動けるようだが、骨にかなりの負担がかかっているようだ。
藍染は二人から離れようとして…そこへ麗子のサブマシンガンが掃射される。
「(まだ仲間がいたのか!あの距離では重力も届かん…どうする?)」

「おい、どっちに味方するんだよ?」
「まぁ待つがよい。どうやら、オールバックの男が誰かを殺したらしいな。
 そのツレが乱入してきた少年だ。ツンツン頭の子供は、それを機に寝返った、と」
「つまり……?」
「………。簡単に言うとじゃな。オールバックは敵だ」
そう言いながら、太公望はペットボトルと『怪しげな液体』を取り出す。
「(しかもあれは盤古幡…良い武器のないわしらでは迂闊に飛び込んでも返り討ちだのぅ)」
さらに鼻栓をすると、富樫にも鼻栓をするよう促した。
「おいおい、どうしようってんだ?」(鼻声)
「黙ってみておれ」(鼻声)
怪しげな液体の入った器に、ペットボトルの水を少量振り掛ける太公望。そして…
「疾(ちっ)!」

「疾(ちっ)!」
誰かの声が響いた。続いて、
「全員、鼻をふさげ!」
その場にいる全員に聞こえるほどでかい声が再び響いた。
藍染、キルア、、星矢がわけもわからずにいると、突然凄まじい悪臭が広がった。
『ぐあああああああああああっ!!!』
3人は鼻を押さえてその場に転げまわる。
麗子は距離が離れていたため、それほど酷い目にはあってないようだ。
もちろん、盤古幡の力は止まってしまう。
「よし、行くぞ富樫!そして行け、五光石よ!」
茂みから富樫が飛び出してきた。
と同時に、輝く石が藍染めがけて飛ぶ。
避ける余裕もなく、石は藍染に当たり…藍染の顔が一瞬だけ濃ゆくなった(笑)
さらに富樫が襲い掛かり……


…気絶した藍染が木に縛られている。
太公望、冨樫、キルア、星矢、麗子がその側に座っている。
「…つまり、あの液体は酒と反応して超悪臭を放つ物体X(クサイの略)だったのだ。
 水をかけて、その水を術で酒に変えるだけで悪臭が発生する。
 ただし、作るのに手間がかかる割りに数時間しか保存が効かぬのでな。
 ニョホホホ、ちょうど頃合じゃったのぅ」
「変なモン作ってると思ってたが、ホントに変なモンだったのかよ…」
「どうせならもっとマシな援護を頼むよ」
「まだ鼻が…」
「あの距離でも臭ったわよ。髪に移ってないでしょうね」
ボロクソに言われる太公望。
「し、しかたないではないか!盤古幡は危険な宝貝じゃとさっきも言ったであろう!」
などと色々話しながら一通り互いの立場を説明した所で、藍染の処遇について話し合うことになった。
「俺は……やっぱり許せない。石崎さんはコイツに…」
「俺も殺しておいた方が良いと思うね。こいつは危険だよ(俺が言えた柄じゃないけど)」
星矢とキルアは、許せないとの意見を述べる。
「ふむ…じゃが今は無抵抗だしのぅ。あまり気が進まぬ…」
「私も、いちおう警察官だし…」
太公望、麗子は穏健派だった。
「俺?俺は……」
富樫だけが、どうするか決めかねていた。

70 :多勢に無勢 ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/16(土) 00:14:40 ID:p9ikjrt4
【岡山県北西/黎明】
【藍染惣右介@BLEACH】
 [状態]:わき腹負傷。骨一本にひび。極度の疲労。打撲数ヶ所。気絶。
 [装備]:なし
 [道具]:なし
 [思考]:出会った者の支給品を手に入れる。断れば殺害
     特にキメラの翼を求めている。


【キルア@HUNTER×HUNTER】
 [状態]:回復中。戦闘不可能。
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式 爆砕符@NARUTO
 [思考]:藍染にトドメを刺す。仲間を探す。


【太公望@封神演技】
 [状態]:健康
 [装備]:鼻栓(薬草でできた、超悪臭にも耐える優れもの)
 [道具]:荷物一式 宝貝『五光石』@封神演技 支給品不明(本人確認済み)
 [思考]:藍染の処遇を決めた後、四国に渡る。

【富樫源次@魁!!男塾】
 [状態]:健康
 [装備]:鼻栓(薬草でできた、超悪臭にも耐える優れもの)
 [道具]:荷物一式 
 [思考]:藍染の処遇を決めた後、四国に渡る。


【マシンガンチーム】
【星矢@聖闘士星矢】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.石崎の仇を討つ 2.麗子を守る。3.ハーデスを倒す 。

【秋本・カトリーヌ・麗子@こち亀】
 [状態]:健康
 [装備]:サブマシンガン
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.今後について決める 2.星矢に協力する。

刀「雪走り」@ONE PIECE
アバンの書@ダイの大冒険
スーパー宝貝「盤古幡」@封神演技
荷物一式(食料2人分)
これらを誰が持つかは決めていません。荷物1人分だけは、星矢が取り戻した。

71 :偶然が生む力1/3 ◆rJs90Nf2Bk :2005/07/16(土) 00:32:44 ID:d38Zl+UI
「あ〜っもう うっとぉしいな、チクショウ」

 彼――トレイン・ハートネットは、徳島の山中をさまよっていた。
 参加者リストを確認し、支給品を装備して、とりあえず人を探そうと小一時間ほど歩き続けていたのである。
 首にかかる金属の感触だけは、どうしても馴染めずにいた。
 普段から常にチョーカーを身に着けている彼にとって、
 突然二つ目の異質な感触が首に生まれるのは我慢がならなかった。 
 自分を縛れるのは自分だけ――そんな意味が彼のチョーカーにあったからだ。

「ったく…猫は、自由に生きるもんだぜ」

 そう呟いて歩みを進めようとしたその時、前方から真っ直ぐ飛んでくる何かを目撃する。

(何だ? 光っている……いやこれは!)
「くっ!」

 ガキイイッ!
 間一髪左手に装備していた鉄甲で受けとめるものの、それは粉々に砕けてしまった。

(あっぶねぇー!
 …敵か? あの光弾みたいなやつの速度からして相当距離はあるな、向こうにバレてる状況でどう近づいたもんか…)

72 :偶然が生む力2/3 ◆rJs90Nf2Bk :2005/07/16(土) 00:33:31 ID:d38Zl+UI
「むー いつもの半分以下ってとこかぁ? 1発分使ってでも試し撃ちしといてよかったな」

 闇に向かって霊丸を撃った幽助は、いつもより二回りほども小さかったそれに嘆くとその場に腰を降ろす。

(どうせこう暗くちゃよく見えん、こいつを持って移動するのも疲れそうだし 今は霊力を貯めとくのが得策だな)




 そう思い精神統一を始めてしばらくたった頃、張り詰めた気は高速で動く何かを察知する。

(早い! こっちに来る!?)

 夜間をものともしない黒猫の目は、正確に標的を捉える。
 バゴッ!
 戦闘態勢を整える前に背後から脳天を殴られてしまった。

「ってぇ〜!! てめぇ、俺に向かって不意打ちたぁいい度胸だな」
「あり?」

 予想外にすんなり殴れたコトに、トレインは呆気に取られた表情を見せる。

「あり? じゃねぇよ! 殺し合いなんてしたくはねぇが、てめぇがその気なら容赦しねぇぜ」
「ちょ、ちょっと待てって! 俺だってそんな気はねーよ!」
「あぁ? じゃあなんでいきなり俺を殴るんだよ」
「こっちの方から飛んで来た光弾を食らったんでな、お前がそうかと思って仕掛けたんだよ …悪かったな」
「光弾? ひょっとして俺の霊丸のコトか?」
「霊丸だぁ? ちょっと見せてみろよ」
「いや、一日に4発しか撃てないんでな なるべく無駄撃ちはしたくねぇんだ
 さっきのはどうもこの世界に来て霊力が弱まってる気がしたから試し撃ちを…とにかく、偶然とは言え悪かった」
「うんにゃ、故意じゃないなら責めはしねぇよ
 それより、一日4発で思い出したんだが…」
「ん?」
「それ、お前さえよかったらこの鉄甲と交換しねぇか?」

 指差した先には、彼が見覚えのある重兵器が木に立て掛けられていた。

「これか? まぁ持ち歩くのも大変そうだし、
 俺には扱いきれそうにねぇから別に構わねぇが…アンタ、銃火器を扱えるのか?」
「おぉう、人並以上にな
 それに…もしかしたらこいつはとんでもねぇ切り札になるかもしれねぇ」

 人間の特異能力が制限されたこの世界で、
 本来の世界より数倍以上の相乗効果を持ったそれが生み出すのは――圧倒的破壊力。

73 :偶然が生む力3/3 ◆rJs90Nf2Bk :2005/07/16(土) 00:34:14 ID:d38Zl+UI
【徳島県 山中/黎明】

 【トレイン・ハートネット@BLACK CAT】
 [状態]:左腕に軽傷
 [装備]:ウルスラグナ@BLACK CAT(バズーカ砲 残弾2発)
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.スヴェン、イヴ、リンスを探す
     2.幽助に協力する 
     3.ゲームからの脱出

 【浦飯幽助@幽遊白書】
 [状態]:頭部に軽度のダメージ
 [装備]:新・無敵鉄甲@るろうに剣心(右腕用のみ)
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.桑原、飛影を探す
     2.トレインに協力する
     3.ゲームからの脱出

トレイン自体の能力は静電気程度らしいので制限対象外というコトにして、通常弾のハーディスでアレな威力だから
同じ作中に出てきたバズーカと組み合わせたら面白そうかなぁと思って書いてみましたが、
やっぱ制限対象になってしまいますかね? 弾が2発のみという欠点もあるにはあるのですが。
後、フレイザードの暴れっぷリが凄いんで南下してきた時の抵抗勢力として徳島に置いたという思惑もあり、
もちろん使い方は次の方々にお任せします。

74 :偶然が生んだ力 修正:2005/07/16(土) 00:55:57 ID:d38Zl+UI
徳島の山中→福島の山中
【徳島県 山中/黎明】→【福島県 山中/黎明】

レールキャノン(呼称)については1発撃つと
ウルスラグナは壊れてしまうというコトでお願いいたします。

75 :影絵の街で1/3:2005/07/16(土) 20:48:17 ID:un0YNeLE
 少年、奈良シカマル。偉丈夫、雷電。二つの影が闇夜に踊る。
類稀な洞察力を持つシカマルと、古今無双の博覧強記を誇る雷電。二人は、今後の方針、そして予測されうるゲームの流れについて、
互いに自分の考えをを披露しあっていた。東京へ向かう足は止めずとも、だが。

「オレとしては、こんな馬鹿げたゲームに乗る人間はいねェって祈りたいけどな。例えゲームに乗ったところで、生き残れる確率は1/130。
 ほとんど絶望的だろ。それよりは、この舞台から脱出しようとする方が、まだ希望があるってもんだ」

 忍者として、冷厳な現実を知るシカマルは語る。それは、どれだけ窮地に立たされても、心を刃し、人を殺すことの難しさ、そして
悲しさをよく知るものだからこそ言葉に出来る、痛切な祈り。

「だからこその首輪だ。それに、明らかに乗り気になっている連中もいるだろう」
「……分かってる……。ったく、めんどくせぇ……。それに、どうみても人間じゃない奴も混じっていたしな。
 そいつらがどうでるか、平和主義なのか殺人上等なのか、今のところじゃさっぱり分からねェ」
「人間ではない、とは?」
「例えば、最初に殺されたあのスキンヘッド、尻から猿の尻尾が生えていやがったぜ。気付かなかったのか?」

 その言葉に、偉丈夫、雷電は目を剥くと、信じられないことを耳にしたかのように叫んだ。

「むぅ、それは!」
「なにぃーっ! 知っているのか雷電!?……さん」
「うむ、間違いない。奴は中国史の中にあって幻といわれた戦闘民族、サイヤ人!! 噂には聞いていたが、まさかその一族を
 この眼でみることになろうとは…………」
「さ、サイヤ人だとー!?て、なんだこのテンション!?」


 魏の時代、凶兆とも呼ばれる彗星と共に、臀部から猿のような尻尾を生やした人間が現れ、付近の住民に暴虐の限りを尽くした。
人びとは、それを最果ての国に住む、最も暴虐な野人として「最野人」と呼び、恐れおののいた。「最野人」は、比類なき腕力と敏捷性、
そして月を見ると大猿に変化するという特異性で、数多の集落を崩壊の瀬戸際まで追い詰めたという。

 強大な力は、得てして人を惹きつけるもの。

 その腕力に見せられた一派が、かの有名な武楽過渡(ぶらくかと)という模倣を得意とする武術集団である。
頭領である頑戯霊軸(がんざ・れいじく)は己の力の流れを増す、増流(まする)という極意を身に付け、数々の武術家を相手に、
一騎当千の力を見せ付けたという。しかし、残念なことに、頑戯の死と共にこの極意は歴史の闇へと葬られてしまったと思われている。
歴史学者にしてボディービルダーという異色の肩書きを持つ、羽母雄銀(うぼ・おぎん)氏によれば、この極意は、極秘裏に
Touglou・O・Toute(トグロー・O・トート)というフランス人に秘伝として伝えられたとも言われているが、それを裏付ける証拠は
未だ発見されていない。

                           民明書房刊「絶唱!マックシング!〜ボクでもできるドーピング論〜」より





76 :影絵の街で2/3:2005/07/16(土) 20:48:59 ID:un0YNeLE
「つまり、なんだ」
「うむ。明らかにこのゲームに集められた登場人物の中には戦闘向きの資質を持った者がいるということ」
「そういう連中のなかには、自分が130人の中の1人になれるって信じている奴もいるっつーことか」

 シカマルは理解する。そう。まずは、雷電との話の中で知った、違う世界から数人のグループ単位で召還されているらしいという事実。
自分とサクラ、ナルト。雷電と、江田島、剣、富樫、伊達。彼らは一体どうしているのだろうかと、益体も無い心配をしながらも。
きっと、自分の知り合いを守るためにゲームに乗る連中もいるだろう。そしてみせしめとして殺された禿頭の男。あれも、参加者の間の
空気を非日常なものへと急変させることによって、彼らの冷静さを奪うためのパフォーマンス。自分の支給品、仙豆もそうだ。
これは戦いを誘発するためのアイテム以外の何物でもない。それに首輪……このゲームとやらは、是非はともかく、よくできている。

 自分は、今のところ、他の参加者を殺すつもりは無い。それは雷電にしても同じであろう。だが、今、襲われたら――
――得物は木刀が一振りと、仙豆が一粒。そして、自分の得意忍術でもある、影真似の術のみ。心許ないことこのうえない。

 余談ではあるが、下記はシカマルが影真似の術を披露した時に雷電が語ってくれた薀蓄である。



 「影踏み」という遊びがあるが、これは古来、呪術的儀式の一つであったということはあまり知られていない。影を踏むということは
呪いをかけることと同義であり、古代中国の、世屠心という拳法の使い手、阿烈士という人物に至っては、相手の影を踏むだけで、
対峙者を幼児退行させることすら出来たという。このように影は持ち主の本質に関るものでも有り、警視庁特殊急襲部隊(SAT)の
訓練にも、近年は影踏みが積極的に採用されている。
匿名を条件にインタビューに答えてくれたSAT隊員、KID・A・SAT氏(仮名)は語る。

「人間、やっぱり影が怖いんですよ。訓練中でも、気付かれずに影を踏んだだけで、凍りついたかのように動けなくなる新人を
 たくさん見たことがあります。どんなに自分が有利でも動けなくなる、もうこれは一種の本能でしょうね」

 余禄になるがKID・A・SAT(仮名)氏は茶道も嗜んでおり、インタビュー時に出されたお茶は絶品であったことをここに
付記しておく。

                           民明書房刊「THE自己啓発〜明るいばかりが人生じゃない〜」より



 そう、影だ。――不安の影。疑心の影。恐怖の影。人が本能的に恐れる影。一度、諍いが起こってしまえば、それは燎原の火の如く
燃え広がり、猜疑心の影や復讐心の影を残して、他の全てを焼き尽くしてしまうだろう。ならば、それが起こる前に、自分たちが、
惨劇の影に負けないような「光」を照らさなければならない。そう結論付け、シカマルは歩みを速める。雷電もそれに習う。世闇の中、
二人の姿は見世物小屋の影絵の如く。

 影法師の如く、自分たちを尾行している少年、ゴン・フリークスについては、未だ気付くこともなく……






77 :影絵の街で3/3:2005/07/16(土) 20:49:26 ID:un0YNeLE

【神奈川県〜東京都/黎明〜早朝】

【奈良シカマル@NARUTO】
 [状態]:健康
 [装備]:無し
 [道具]:支給品一式・仙豆(一粒)@DragonBall
 [思考]:知り合いとの合流(男塾メンバー含む)現在は東京方面に移動中
 
【雷電@魁!!男塾】
 [状態]:健康
 [装備]:木刀(洞爺湖と刻んである)@銀魂
 [道具]:支給品一式
 [思考]:知り合いとの合流(うずまきナルト、春野サクラ含む)現在は東京方面に移動中


【ゴン・フリークス@Hunter×Hunter】
 [状態]:健康
 [装備]:不明(本人は確認済み)
 [道具]:支給品一式
 [思考]:不明


78 :竜と獅子の猛攻 1/5:2005/07/16(土) 21:33:13 ID:Y0mgbR8+
斎藤の青雲剣は強力な武器ではあったが体力の消耗が激しく、沖田は刀ほど槍を使いこなせない。
ただでさえ全力を出し切れない状況下であり、大蛇丸の人間離れした動きに翻弄され、二匹の狼は窮地に立たされていた。
大蛇丸はまず斎藤の消耗を狙い、持久戦に持ち込もうと回避行動に重点を置いている。捕らえるのは至難の業だった。

斎藤は生命力の消費を辞さず青雲剣による牙突を放つも、大蛇丸は刃の届かぬ後方へと飛ぶ。
そこを狙って沖田は槍を払うも、大蛇丸は蛇のように槍の間合いの内側へと潜り込みチャクラを込めた拳を腹部へ叩き込む。
機動性重視の鎧の魔槍は一部装甲が薄くなっており、沖田は内臓を揺さぶる衝撃に動きが止まる。
その隙をついて大蛇丸は槍の柄を握り、続けざまに強烈な蹴りを鼻っぱしらに放った。
沖田は苦悶の声を漏らしながら、鼻を押さえて後ずさった。手の内にドロリとした液体がしたたっているのが分かる。
鼻血が出ると呼吸がさえぎられ、より体力の消耗が激しくなってしまう。
最悪の展開を心の片隅で覚悟しつつ、鼻から手を離し、右の鉄甲に左手をかぶせる。
次なる一手を打つための動作を取りながら、沖田は眉をしかめた。何かがおかしい、ダメージのせいか視界が暗い。

大蛇丸は奪った槍を横薙ぎに払い、再び青雲剣で攻撃しようとしていた斎藤は咄嗟に避けるも浅く腹の皮を切られた。
戦闘に支障は無いものの、青雲剣のもたらす疲労はすでに全力の牙突を放てぬほどだ。

大蛇丸は蛙を喰らう蛇のような双眸で二頭の狼を見、魔槍を振り上げ斎藤に追撃を加えようとする。
槍の切っ先を見上げた斎藤は、空が暗い事に気づいた。星が無い、さっきまであったはずなのに。
二頭の狼と一匹の蛇の頭上に暗雲が立ち込めていた。

大蛇丸も小さな異変に気づいた。空気がピリピリと肌を刺激すると感じた刹那、空が光る。
沖田も斎藤も本能的に危険を察知し、大蛇丸から離れるように後ろへ飛んだ。
大蛇丸もそれを察知して咄嗟にその場を飛びのこうとするも、振り上げたままの魔槍目掛けて暗雲から一筋の閃光が降り注いだ。

「ライデイン!!!!」

それは稲妻。人為的に大蛇丸目掛けて放たれた正義の一撃。
肉と神経を焼く痛みに大蛇丸は鋭い悲鳴を上げる。
思わず魔槍を取り落とし、大蛇丸は先ほどの声がした方向を見た。斎藤と沖田も同様に稲妻の主を見た。
内陸側にある低い崖の端に、小振りな刃物を持ち大きな箱を背負った黒髪の少年が立っている。
二頭の狼も一匹の蛇も、その幼い外見に内にある不釣合いな凄まじい力を感じ取った。

――竜。

地を這う狼や蛇など歯牙にもかけぬ絶対の強者。
その力のほんの一端ですら、自分たちを凌駕しかねない。

79 :竜と獅子の猛攻 2/5:2005/07/16(土) 21:33:54 ID:Y0mgbR8+
大蛇丸は少年に興味を惹かれると同時に、絶対の不利を悟る。
この2人の戦士だけなら、多少消耗しても勝利を収める事自体はさほど難しく無い。
だがあの少年は単騎で己を倒すだけの力を秘めている。
少年の正体は気にかかるが今はこの場から離脱すべきだと判断した大蛇丸は、落としてしまった魔槍を拾おうとする。
刹那、少年は刃物を振るった。刃は当然届くはずもない、しかし真空の刃が大蛇丸の手と魔槍の間に割って入る。
手を伸ばせば指を切断されると悟った大蛇丸は慌てて手を引いたところへ、沖田が剣で斬りかかってきた。
(いったいどこから剣を!?)
切っ先に左肩の肉を削ぎ落とされながらも、大蛇丸は地を蹴って小山の中に逃げ込もうとした。
しかしその逃げ込もうとした場所から、パンツ一丁の男が飛び出した。

(獅子!?)

一瞬大蛇丸はそう思った。この男からは獅子のような力強さを感じる。
「ターちゃんパーンチ!」
獅子のような男は鋭く重い拳を放ち、大蛇丸は鞄でそれを受け止めるも衝撃を吸収し切れず後方へ吹き飛ばされる。
それでも何とか地面に着地した大蛇丸だが、そこを狙って沖田は再び剣を振るう。
鼻血のせいで呼吸が上手く出来ず踏み込みが甘くなっていたため、大蛇丸はその刃を何とか避ける事が出来た。
竜のような少年、獅子のような男、そしてこの狼のような男。
三人の強者に囲まれた大蛇丸は、逃亡も困難と考え、もう一匹の狼を狙って飛び掛った。
あの生命力を力に変える剣を使い続けているあの男なら、何とか押さえ込んで人質に出来る。
無傷で捕らえるのは無理だろうが、他の連中に殺されるよりはいい。
だが、斎藤のかたわらにいつの間にか美しい美女が立っていた。
稲妻、謎の少年、真空の刃、ありえぬはずの剣、小山から飛び出した男の拳、剣の追撃。
大蛇丸が数々の出来事に気を取られている間に、彼女は呼吸を乱しながらも斎藤に歩み寄っていた。
それに気づいた斎藤も、美女が何か企んでいる事に気づき、
青雲剣に体力を吸われた身体を引きずって彼女の方へと歩を進めていたのだ。

大蛇丸は長い黒髪の美女から、何ら脅威を感じなかった。
確かに力を秘めている感じはするが、すでに呼吸は苦しみに乱れている。
その身体で何が出来るのだと大蛇丸は残忍な笑みを浮かべていた。
「おい、どうする気――」
「それを貸してくれ」
生命力を吸う武器を、自分以上に体力を消耗していそうな女に渡していいものかと斎藤は一瞬悩む。
しかし彼女から奇妙な自信を感じ取り、青雲剣を手渡した。
美女は小さく微笑むと、青雲剣を大蛇丸目掛けて無造作に振るった。
刹那、無数の刃が斎藤の生み出したそれの倍近く現れ刃の壁を生み出した。
ギリギリ横っ飛びに避けたものの、光刃の先端は大蛇丸の身体の前面の肉を浅く切り刻んでいた。
致命傷ではないものの出血が激しく、迅速な治療が必要な傷。大蛇丸は自身の敗北を悟った。しかし――。

80 :竜と獅子の猛攻 3/5:2005/07/16(土) 21:34:30 ID:Y0mgbR8+
「去れ、お主からは邪悪な気を感じる」
美女は毅然とした態度で大蛇丸に言い放った。しかしすぐその横で、
「見逃す気か? 奴を逃せばまた人を襲うぞ」
「仙道に殺生は禁じられておる」
「ならば俺が悪・即・斬の信念の元に奴を斬る。その武器を返せ」
どうやら美女は人を殺すつもりは無いらしい。二人が言い合う隙に、大蛇丸は印を結んだ。
「影分身の術!」
大蛇丸が叫んだ刹那、その場に煙が現れた。
咄嗟に美女から青雲剣を奪い取った斎藤が牙突を放つが、煙の中から三人の大蛇丸が飛び出した。
一人は美女に向かって飛び、一人は小山に向かって飛び、一人は橋に向かって飛ぶ。
「糞ッ!」
斎藤の悪態を気持ちよさそうに聞きながら、大蛇丸が美女の首を掴もうと手を伸ばす。
美女は身をすくませるだけで回避行動を取れずにいた。大蛇丸の毒牙にかかろうとした刹那、閃光が走る。
「紋章閃!」
少年の拳から放たれた光が大蛇丸の頭部を貫いたかと思うと、その大蛇丸は煙となって消えた。
そして小山へと飛び込もうとした大蛇丸は、パンツ一丁の男に道をさえぎられ、
背後から沖田の剣に心臓を貫かれ――煙となって消えた。
橋へと逃げた大蛇丸は人間離れした速度で瀬戸大橋を駆け抜けていく。
「逃がすな、追え!」
叫びながら走る斎藤だが、青雲剣に体力を奪われたためその場によろけてしまった。
沖田も鼻血のせいで追う余裕は無い。
そして少年は崖から飛び降りている最中で、パンツ一丁の男が瀬戸大橋に足をかけようとするも、
瀬戸大橋を駆ける大蛇丸が振り向いたかと思うと、凄まじい突風がパンツ一丁の男を襲った。
風遁・大突破の術と呼ばれるものだ。
ダメージを受けるような攻撃ではないが動きを止められてしまったせいで、もう大蛇丸に追いつくのは不可能。
こうして、大蛇丸はまんまと逃亡を果たしたのだった。


瀬戸大橋周辺を見張れる小山の森の中で、五人の男女は木の根や岩に腰を下ろしていた。
斎藤と沖田は自身の服の袖を破って包帯代わりとし、斎藤は腹部の傷に、沖田は自身の鼻に巻いた。
そして彼らは互いに自己紹介をする。
少年の名はダイ。竜の騎士と呼ばれる超戦士であり、大魔王バーンと敵対する異世界の勇者。
パンツの男の名はターちゃん。アフリカのサバンナで動物達を守る正義感の強い男だ。
美女の名は竜吉公主。古代中国にある崑崙山に住まう純血の仙女だ。
竜吉公主にとって人間界の空気は毒も同然で、さっきの戦いで埃を吸ったためダイの水でうがいをしている。
おかげでダイの水はまだ夜明けさえ迎えていないのに、ペットボトル一本分使い果たしてしまった。

81 :竜と獅子の猛攻 4/5:2005/07/16(土) 21:35:23 ID:Y0mgbR8+

「なるほど……こいつはダイ君のお友達の武器なんですかィ」
「色々武器が仕込まれてるとは知ってたけど、まさか鉄甲が剣になるとは思わなかったよ」
話をしながら、沖田がいずこかから取り出した剣の正体が明らかになった。
鎧の魔槍には数多くの武器が仕込まれており、鉄甲は簡単な操作で剣となるのだ。
今までそれを使わずにいたのは、大蛇丸の隙を狙うためだったらしい。
隠し武器としての剣なので仕掛けがほどこされている分強度は落ちるが、
それでも特殊な金属で造られているため通常の鉄の剣よりははるかに丈夫だ。
「沖田。悪いがその剣、俺に譲ってくれ」
「旦那にですかィ?」
「こんな物を使っていては長期戦は無理だからな」
斎藤は青雲剣を竜吉公主の足元に放る。
すでに宝貝の説明は受けており、竜吉公主ならほとんど消耗せず青雲剣を使えるからだ。
「……気持ちはありがたいが、私に剣を使いこなす腕はない。本来使っておった宝貝も水を操るものじゃからな」
「それでも生命力をほとんど消耗せず使えるのならお前が持っていた方がいいだろう。
 もっとも――その剣を使うより、ただ呼吸をするだけの方がつらいようだがな」
痛いところを突かれ、公主はうつむいた。
宝貝を手にし、足手まといではなくダイの力になりたいと思っていた公主の願いを叶えるように宝貝が手に入ったが、
青雲剣という近距離用の宝貝では必然的に格闘を行う必要がある。
そんな真似をすれば公主は激しい運動に呼吸を乱し、毒の空気をますます吸い込んでしまう。
遠距離用の宝貝が手に入れば……と思わずにはいられなかったが、宝貝が手に入っただけでも僥倖だと気を取り直す。

「フッ。どうやらそちら側は武器不足のようだな」
斎藤はダイの出刃包丁を見て言った。
すでにダイからは竜闘気について説明を受けている。
竜闘気を使った攻撃に耐えられるのはオリハルコン製の武器だけだと。
ダイの強さを知った斎藤と沖田は、もしオリハルコン製の武器を手に入れたらダイに渡すと約束した。
ダイが全力で戦えば大蛇丸など敵ではないが、武器の無い今では勝利するのは少々手こずりそうらしい。
ちなみに大蛇丸はダイの全力の力を嗅ぎ取っていたため、武器無しのダイの強さを測り違えていたのだ。

「さて、治療も済んだ。これからどうする?」
「とりあえず……公主さんが落ち着くまでもうしばらくここで休みます。
 もしかしたらおれ達の仲間があの橋を誰かが通るかもしれないし……」
ダイの答えに斎藤は眉をしかめる。
「さっきの稲妻でここに人がいる事はバレている。もしかしたらゲームに乗った奴が来るかもしれんぞ」
「ここでじっとしていれば多分大丈夫だと思うし、さっきの奴程度なら何とか倒せるよ」
「フンッ。付き合ってられん、俺はあの蛇のような男を追う」
「そいつァ無理ですぜ、旦那」
くぐもった声で沖田は言った。鼻が痛むらしく、微妙に表情が歪んでいる。
「見たところ旦那はあの青雲剣ってのに力を吸われすぎちまってる。しばらくここでダイ君と一緒に休みましょうぜィ」
「……チッ、仕方ないな」
沖田のもっともな言葉に斎藤は従った。事実、こんなに消耗していては大蛇丸を討てまい。

82 :竜と獅子の猛攻 5/6:2005/07/16(土) 21:36:39 ID:Y0mgbR8+
ここに身を潜めて休息し、人が来たら仲間に加えるか倒すかしようと意見がまとまったと思いきや、突然ターちゃんは言った。
「私は……向こうの島に渡ってみようと思うのだ」
これだけ仲間がいれば竜吉公主も安全だろうと判断したための言葉だった。
ならばしばらく一人で本州へ渡り、自分の仲間を探したいとターちゃんは説明する。
「俺達は傷が癒えたら大蛇丸を追う、こいつらの面倒を見る気は無いぞ」
「だから6時までには戻ってくるのだ。私がいなくなっては公主さんを背負う人がいなくなってしまう」
「なるほど……ならば俺達もお前が帰ってくるか6時を回るまでここで待っていてやる。
 出来る限り向こう側の情報を集めて戻ってこい。ただし、6時を過ぎたらお前は死んだものとして置いていくぞ」
「それでかまわないのだ」
ターちゃんは公主のデイバッグをダイに渡す。
「ターちゃん……」
「君は強い、公主さんをしっかり守るのだ」
ダイは約束するようにうなずき、公主は心配そうに、
「無事、戻ってきてくれ……」
「もちろん」
ターちゃんは自分に少し打ち解けてくれた公主に感謝し、ほっとするような柔らかい笑顔を浮かべた。
本州へ渡れば大蛇丸の攻撃を再び受けるかもしれない、もしくは他のマーダーと相対するかもしれない。
それでも――。
仲間を探すため、本州の偵察を行いダイ達の安全を図るため、ターちゃんは瀬戸大橋へと向かった。

83 :竜と獅子の猛攻 6/6:2005/07/16(土) 21:37:05 ID:Y0mgbR8+
 【黎明〜早朝】

 【岡山県、瀬戸大橋付近】
【大蛇丸@ナルト】
 [状態]:前半身に無数の裂傷。全身に落雷による火傷。チャクラを微消耗。迅速な治療が必要。
 [装備]:不明
 [所持品]:荷物一式
 [思考]:1.本土にて身を隠し傷を癒す。
     2.回復したら人の通りそうな場所に網を有り、より多くの参加者のデータを集める。
     3.生き残り、自分以外の最後まで残ったものを新しい依り代とする。候補としてダイを考えている。


【香川県、瀬戸大橋付近の小山の森】
 【チーム名=壬生狼】
【斎藤一@るろうに剣心】
 [状態]:腹部の皮一枚切れている。体力消耗、戦闘に支障有り。
 [装備]:魔槍の剣(鎧の魔槍の鉄甲が変形した物)@ダイの大冒険
 [所持品]:荷物一式
 [思考]:1.ターちゃんの帰還or6時まで休み、大蛇丸を追う。
     2.オリハルコン製の武器を手に入れたらダイに渡してやる。
     3.主催者達を悪・即・斬の信念に従い切り捨てる。
【沖田総悟@銀魂】
 [状態]:鼻を傷めているが骨に異常は無し。
 [装備]:鎧の魔槍(右の鉄甲無し)@ダイの大冒険
 [所持品]:荷物一式
 [思考]:1.ターちゃんの帰還or6時まで休み、大蛇丸を追う。
     2.オリハルコン製の武器を手に入れたらダイに渡す。
     3.真選組として主催者を打倒する。

 【チーム名=勇者一行】
【ダイ@ダイの大冒険】
 [状態]:健康
 [装備]:出刃包丁
 [道具]:荷物一式(水残り半分)、公主の荷物一式、ペガサスの聖衣@聖闘士星矢(ダイを仮初の主と認めつつある)
 [思考]:1.竜吉公主と共にターちゃんの帰りを待つ。
     2.竜闘気に耐えうる武器を手に入れる。
【竜吉公主@封神演義】
 [状態]:疲労。普通の空気を吸っている限り、数日後には死んでしまう。
 [装備]:青雲剣@封神演義
 [道具]:無し。
 [思考]:1.ダイと共に行動する。
     2.可能なら遠距離用宝貝を手に入れる。
【ターちゃん@ジャングルの王者ターちゃん】
 [状態]:健康
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式、恥ずかしい染みのついた本。
 [思考]:1.本土へ偵察に行き6時までにダイ達の所へ戻る。
[共通思考]:アバンの使途、太公望、アフリカの仲間を探す。他、仲間になってくれそうな人を集める。

 [備考]:近くの県からなら稲妻が落ちただいたいの場所を把握出来ます。

84 :史上最高に不幸な一行1/2 ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/17(日) 09:14:43 ID:die2H728
「ついてねぇーーーーーーーーーーー!!」
天を仰ぎ男は叫んだ。
彼、追手内洋一は世界一運の無い男だ。
もう何度目か分からないが、今も木の根に足を取られて転んだところだ。
それだけならまだ良いが、骨折した腕をもろに打ってしまった。
ちなみに、開始から1時間ほど経った今も富士の樹海をさまよい続けている。
この樹海は現実のそれよりもはるかに狭いのに、である。
もちろん、彼はまだそのことに気づいていない。
「……あー、もう疲れた。休憩!」
「そうね、少し休もうか」
洋一と香は木の根元に腰を下ろした。
腕に当てていた添え木の位置を直し始める洋一。
「ちょっと思ったんだけど…いい?」
なにやら考えていた香が話しかけてきた。
「なんか、同じ所をぐるぐる回ってるような気がするのよ」
「…富士の樹海だからじゃないですか、コンパスは効かないし」
半ば諦めかけた投げやりな口調で洋一が答えるが、香は食い下がる。
「でも、あの岩見てよ。さっき印を付けて置いたんだけど、もうあの岩を見るの3回目よ」
「じゃあ……やっぱり俺のせいかなぁ」
洋一は、自分がいかについてない人間であるかをとうとうと語った。
ついでに、らっきょさえあればラッキーマンと言う宇宙一ついてるヒーローに変身できることも。
「へぇ!すごいじゃない。普段ついてなくても、そのラッキーマンになればつきまくりなんでしょう?
 もしかしたら、このゲームからだって脱出できるんじゃない?」
「まぁね…でも、らっきょなんてないんじゃないかと」
「探してみもしないでないって決め付けてどーすんだよ」
不意に木の陰から男の声がした。
ハリボテのハンマーを構える香と、身構えようとして転ぶ洋一。
「おっと、悪い悪い。オレは三井寿。殺し合うつもりはないから安心してくれ」
両手を挙げて木の陰から出てきたのは、湘北高校のユニフォームを着た三井寿だった。

互いの立場をある程度説明したところで、三井は2人とともに行動することを決めた。
こんなゲームに放り込まれて、普通なら簡単に見知らぬ人間を信用できないかもしれないが、
洋一の放っているある種ギャグのような雰囲気が、香と三井を少しだけ安心させていた。
「オレの支給品はコレだ」
そう言って三井が二人に見せたのは、小さな丸薬の入った小瓶だった。
兵糧丸というその丸薬は、説明によるとある種のドーピング薬らしい。
興奮作用はあるが、副作用は少なく栄養剤代わりにもなるようだ。
「…武器が足りないわね」
「オレは素手の喧嘩もある程度はやれるつもりだが、どうやら人間離れした奴らもいるみたいだからな。
 あのハゲ頭みたいなバケモノ相手には、例えドーピングしたって勝てる自信はないな……」
「ど、どうしよう…」
しばらく黙る3人。

85 :史上最高に不幸な一行2/2 ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/17(日) 09:15:25 ID:die2H728
やがて、三井と香がほぼ同時に口を開いた。
『やっぱりラッキーマンに…』
「ちょ、そんなこと言っても、らっきょがあるかも分からないしそもそもこの樹海が」
「あぁ、それだけどな。少し歩けば樹海から出られるぜ」
三井の話によれば、富士の樹海に沿って歩いていたところ、洋一の叫び声が聞こえたので
少しだけ様子を見に樹海に足を踏み入れたのだそうだ。
「なーんだ、それを早く言ってくれれば。じゃあとりあえず樹海から出よう!」
気をとりなおした洋一は、三井の指し示した方角へ先頭を切って歩き始めた。

「ついてねぇーーーーーーーーーーー!!」
天を仰ぎ男は叫んだ。
彼、追手内洋一は世界一運の無い男だ。
あれからさらに1時間ほど時間たった今も富士の樹海をさまよい続けている。
この樹海は現実のそれよりもはるかに狭いのに、である。
しかも、樹海の外れにいたはずなのに、である
「……あー、もう疲れた。休憩!」
「そうね、少し休もうか」
「…あぁ」
洋一と香と三井は木の根元に腰を下ろした。
天を仰ぐ三井・木々の隙間から見える空は、ほんのり明るくなっている。
「おかしいな…確かに樹海の外に近かったはずなのに」
「ちょっと思ったんだけど…いい?」
なにやら考えていた香が話しかけてきた。
「さっきも言ったけど、同じ所をぐるぐる回ってるような気がするのよね」
「…………」
「や、やっぱり俺のせいなんだ。俺がついてないから、2人まで巻き添えにして…
 やっぱり俺ってついてねーーーーー!」
樹海の中に、再び洋一の声が響き渡った。
洋一の不運に巻き込まれる形となった二人は、小さくため息をついた。


【山梨県(富士樹海)/早朝】
【チーム「アンラッキー」】
【追手内洋一@とっても!ラッキーマン】
 [状態]:右腕骨折 やや疲労
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式 デスノート@DEATH NOTE
 [思考]:1.樹海を脱出 2.らっきょを探す

【槇村香@CITY HUNTER】
 [状態]:健康
 [装備]:ウソップパウンド@ONE PIECE
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.樹海を脱出 2.らっきょを探す

【三井寿@SLAM DUNK】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式 兵糧丸(10粒)@NARUTO
 [思考]:1.樹海を脱出 2.らっきょを探す

86 :多勢に無勢 ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/17(日) 14:57:23 ID:die2H728
>>69の最後と>>70を修正
「俺?俺は……」
冨樫だけがどうするか決めかねていると、キルアが突然興奮した様子で口を開いた。
「そうだ!なんで忘れてたんだ。コイツ、脱出できる方法があるとか言ってた。
 どんな方法かは知らないけど、そうとう自信があるようだったぜ」
それを聞いた太公望は、しかし冷静にキルアをなだめた。
「なんと、それは朗報じゃのぅ。例えそれがウソだとしても試す価値はある。
 殺すかどうかはひとまず置いて、まずはそれを聞き出すとしようかの。
 まぁ、その前におぬしらは少し休んだ方がよいがな」


【岡山県北西/黎明】
【藍染惣右介@BLEACH】
 [状態]:わき腹負傷。骨一本にひび。極度の疲労。打撲数ヶ所。気絶。
 [装備]:なし
 [道具]:なし
 [思考]:出会った者の支給品を手に入れる。断れば殺害
     特にキメラの翼を求めている。


【キルア@HUNTER×HUNTER】
 [状態]:回復中。戦闘不可能。
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式 爆砕符@NARUTO
 [思考]:1.休憩 2.藍染から脱出の方法を聞き出した後トドメを刺す
      3.仲間を探す。

【太公望@封神演技】
 [状態]:健康
 [装備]:鼻栓(薬草でできた、超悪臭にも耐える優れもの)
 [道具]:荷物一式 宝貝『五光石』@封神演技 支給品不明(本人確認済み)
 [思考]:1.見張り 2.藍染から脱出の方法を聞き、彼の処遇を決める
      3.場合によっては四国に渡る

【富樫源次@魁!!男塾】
 [状態]:健康
 [装備]:鼻栓(薬草でできた、超悪臭にも耐える優れもの)
 [道具]:荷物一式 
 [思考]:1.見張り 2.藍染から脱出の方法を聞き、彼の処遇を決める 
      3.場合によっては四国に渡る

【マシンガンチーム】
【星矢@聖闘士星矢】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.休憩 2.石崎の仇を討つ 3.麗子を守る 4.ハーデスを倒す

【秋本・カトリーヌ・麗子@こち亀】
 [状態]:健康
 [装備]:サブマシンガン
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.休憩 2.藍染の処遇を決める 3.星矢に協力する。

刀「雪走り」@ONE PIECE
アバンの書@ダイの大冒険
スーパー宝貝「盤古幡」@封神演技
荷物一式(食料2人分)
これらを誰が持つかは決めていません。荷物1人分だけは、星矢が取り戻した。

87 :マロン名無しさん:2005/07/17(日) 18:23:08 ID:???
あげ

88 :マロン名無しさん:2005/07/17(日) 19:58:45 ID:???
いつの間にここにきたんだ?
また荒らしてくれというサインか?

89 :マロン名無しさん:2005/07/17(日) 20:01:41 ID:???
8レス目
元気のいいルフィの声は、やはり彼にとってはクリリンのことを想起させた。
↓ ↓
元気のいいルフィの声は、やはり何度聞いても彼にクリリンのことを想起させた。


孫悟空の支給品
サイヤ人の硬質ラバー製戦闘ジャケット@ドラゴンボールは、
マミーの支給品
フリーザ軍戦闘スーツ@ドラゴンボール
と基本的には同じ性質のものです。

一応こちらのデザインは初期襲来時べジータのものを想定しています…があんまり気になさらずとも。
(ジャケット:白基調、ベージュのアクセント、両肩プロテクター有、腰プロテクター有

90 :マロン名無しさん:2005/07/17(日) 20:02:19 ID:???
影は薄く時刻は5:15を指す。
山陽自動車道。山口県下関市から兵庫県神戸市を結ぶ高速道路
通称、山陽道。越前と新八は10分ほどかかって次のサービスエリアに差し掛かる。

広い敷地内は公園となっており中心の小高い丘に
いくつかの商店が固まっている。
無人の静けさが物悲しい。

越前はウェイバーを徐々に失速させ後ろの新八に到着したことを告げる。
ウェイバーの牽引力は弱く時間がかかることを予想していたが目的地は思っていたよりずっと近く
にあった。

ロープでウェイバーと繋がれた自転車は新八を乗せたままパタンと倒れた。
芝生がクッションになったらしくたいした音はしなかったが新八は起き上がらない。
さては打ち所が悪かったなと越前が近づく。新八の顔はドドメ色に変わり口から泡を吹いていた。
あーあ。越前はゲームが始まってから何度ついたかわからないため息をもういちど大きくついて
しゃがみ、新八を背負った。自転車で車酔いか。無理させすぎた。

レストラン店内は閑散として薄暗く人の気配はない。開けっ放しの扉をくぐる。
越前は一番奥のイスに新八を座らせた。土気色の顔は表情がない。額に手を当ててみる。
ぬるり、と汗がつく。体温は高いくせに汗は水のように冷たい。新しい汗が出ていないのだ。
やばい――。
「脱水かな」
絶えず汗を流すスポーツ選手にその恐ろしさはよく知られている。体内の水分が極端に不足すると
血液の循環が悪くなり頭痛、めまい、吐き気、酷くなれば意識障害を引き起こし
放っておけば生命に関わる。夏場は特に注意しなければならない。
越前は慌ててデイパックの中のペットボトルを取り出すと新八の口にあてた。
意識があるのか、ないのか。新八は少しづつ水を吸い始める。

91 :マロン名無しさん:2005/07/17(日) 20:02:45 ID:???
【兵庫県(1日目) 山陽自動車道のサービスエリア/早朝】

【志村新八@銀球】
 [状態]:中度の疲労。全身所々に擦過傷。特に右腕が酷く、人差し指、中指、薬指が骨折。
    精神に多少の消耗、高揚あり。
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式 両さんの自転車@こち亀
 [思考]:1.休憩したいがとても休める心境ではない。
    2.かぶき町(東京)を目指す。
    3.一刻も早く仲間と合流する。

【越前リョ―マ@テニスの王子様】
 [状態]:心身ともに健康。
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式 (半日分の水を消費)サービスエリアで失敬した小物(手ぬぐい、マキ○ン、古いロープ
    爪きり、ペンケース、ペンライト、変なTシャツ)ウェイバー@ワンピース
 [思考]:1.なんとかして新八を休ませる。
    2.情報を集めながらとりあえず地元である東京へ向かう。
    3.仲間との合流。

92 :マロン名無しさん:2005/07/17(日) 20:04:23 ID:???
神ハーデス、ポセイドン、アテナ
SSS星矢、瞬、紫龍、氷河、一輝
SSヒュプノス、タナトス
Sムウ、シオン、サガ、カノン、シャカ、ドウコ、ラダマンティス、ソレント
AAAアイオリア、ミロ、アイオロス、シュラ、カミュ、クリシュナ、アイアコス、ミーノス
AAアルデバラン、デスマスク、アフロディーテ、オルフェ、アイザック、ミュー、ファラオ、ルネ、リュカオン
Aバイアン、イオ、カーサ、 バレンタイン




93 :青眼の白竜を求める者 1/5:2005/07/17(日) 23:19:37 ID:???
北海道の雪山をスタート地点にされた海馬が札幌までやって来た頃には、もう午前4時頃になっていた。
4時間も歩きっぱなしだった海馬はさすがに疲れていたが、街に入ると冷静に建物の陰に身を隠しながら移動する。
身を切る寒さについ札幌なら温泉があるはずだと考えたが、こんな状況で素っ裸になって風呂に入るなど考えられない。
もしそこを襲われたらと自嘲した瞬間、東の方角で小さな爆発音がした。
(――敵か!?)
海馬は手に持っていたコルトパイソン・357マグナムの撃鉄を上げ、ゆっくりと街の東を目指す。
街の外は平原になっており、まるでRPGでよくある平原にポツンと存在する街を思わせた。
しかし一応道路は街の外まで通っており、その道路の上を黒髪黒装束の少年か少女が走ってくる。
その背後に爆煙と、見覚えのある獣の姿があった。

朽木ルキアは素早い追跡者に破道を当てるのは無理と悟り、道路に向かって破道を放ち目くらましにしていた。
さらに火竜ヒョウで自分の背後に炎の壁を作り道を阻む。
しかし追跡者、幻獣王ガゼルは炎の壁を迂回しながらも、着実にルキアに迫っていた。
火竜ヒョウを連投していてはすぐ体力が尽きてしまうため、無闇に使う事は出来ない。
ルキアの体力は限界に近づいていた。
舗装された道路を走るルキアの足よりも、確実に雪面を走るガゼルの方が速い。
せっかく街が見えてきたのに、もう少しで街に入れるのに。
(これまでか――)
せめて火竜ヒョウが敵の手に渡らぬよう、どこか遠くへ投擲してやろうかと考える。
そして火竜ヒョウを振り上げたその瞬間、轟音が空気を裂いた。
ハッと街の方を見れば、建物の塀の陰から若い男が半身を出して銃口を向けている。
自分に? 否、追跡者にだ。

94 :青眼の白竜を求める者 2/5:2005/07/17(日) 23:20:32 ID:???

「幻獣王ガゼル……まさか遊戯のモンスターが人を襲っているとはな」
遊戯が無闇に人を襲うはずがないと分かっている海馬は、幻獣王ガゼルの主が何者なのかを考えた。
もしかしたらマジック&ウィザースのモンスターカードを、この世界では実体化させられるのか?
だとすれば必要な物は何だ? カードだ!
召喚にはデュエルディスクが必要なのか? カードは何枚ある? 40枚?
カードパックには5枚入っている、もしかしたら5枚だけかもしれない。
どういう風にカードが選ばれた? 自分や遊戯のデッキ? それともマジック&ウィザースの全カードからランダムで?
疑問はいくらでも湧く。
だが何より重要なのは遊戯のカードがこうして実体化し、獲物を襲っている事実。
「フフフ、もしかしたら俺のブルーアイズもこの世界に存在するのかもしれん……」
最強の下僕、青眼の白竜。
もしこの世界に青眼の白竜のカードがあるならば、それは自分が使うべきなのだ。
どこの馬の骨とも知れない奴らに触れさせる訳にはいかない。
「まずはあの黒い奴だ。あいつから情報を聞き出さねば……」
あくまでも情報のため、自分の望みのために、海馬は引き金を引いた。

ルキアが不慣れなせいかもしれないが、全力で投げた火竜ヒョウよりも幻獣王ガゼルの足の方がわずかに速かった。
ゆえに火竜ヒョウで幻獣王ガゼルを倒すのは至難。しかし、いかに幻獣王ガゼルといえど銃弾にはかなわない。
金に物を言わせて様々な悪事を働いてきた海馬には多少の銃の心得があった。
さらに名銃工・真柴憲一郎が冴羽リョウのために調整したコルトパイソン・357マグナムは、
正確無比な照準と優れた威力、射程を持つ。
海馬の放った弾丸は幻獣王ガゼルの身体をかすめ、幻獣王ガゼルは牙を剥いて威嚇し、
狙いをルキアから海馬へと変えて猛スピードで駆ける。
「いかん!」
火竜ヒョウを構えるルキアだが、自分の腕ではとても幻獣王ガゼル以上のスピードは出せない。
銃が三発目の弾丸を吐き出したところで、海馬は塀の陰に身体を引っ込めた。
札幌の街に駆け込んだ幻獣王ガゼルは、海馬の隠れた建物目掛けて疾走する。

95 :青眼の白竜を求める者 3/5:2005/07/17(日) 23:21:03 ID:???

幻獣王ガゼルは血走った目で獲物を探した。
海馬が隠れていたのは旅館で、玄関へと続く道の脇には綺麗な庭があり、塀の陰にはしゃがんで銃を構える海馬がいた。
視界の端で獲物の姿を捉えた幻獣王ガゼルは急ブレーキをかけて方向転換しようとし、
動きが止まった一瞬を狙った海馬に眉間を撃ち抜かれた。
衝撃に頭が跳ね上がり、あらわになったのどにもう一発。
計2発の弾丸を浴びたガゼルは、ドサリとその場に崩れ落ちた。
「フンッ……モンスターとは優れたデュエリストがいてこそその真価を発揮する。
 遊戯にめぐり合えなかった己の不運を呪うがいい」

遊戯!?
見覚えのあるような男の言葉に、幻獣王ガゼルは身を震わせた。
遊戯、遊戯、遊戯、遊戯、遊戯……。自分が真に仕えるべき少年、武藤遊戯。
今すぐ彼を探したい。今すぐ彼を守りたい。
しかし、召喚者の命令という絶対の強制力の前では、幻獣王ガゼルの意志など存在しないも同然だった。

あの小娘を殺せ。他の獲物でも構わない、殺せ。殺して武器を奪え。

頭の奥底から響く声に従い、幻獣王ガゼルは立ち上がろうとする。
しかし間近まで歩み寄った海馬は、ガゼルのこめかみに銃を突きつけ、引き金をしぼった。
眉間とこめかみの両方から銃弾を撃ち込まれたガゼルの頭は完全に破壊された。
すると幻獣王ガゼルの全身は唐突に砕け散る。デュエルの戦闘で破壊された時のように。

96 :青眼の白竜を求める者 4/5:2005/07/17(日) 23:21:31 ID:???

ルキアが街に入ると、旅館の塀から銃を構えた海馬が姿を現した。
「あの化け物は……」
「俺が始末した。貴様、なぜモンスターに追われていた?」
嘘をつけば撃つと言わんばかりの鋭い眼光。
しかし特に嘘をつく理由の無いルキアは正直に答える。
「分からぬ。恐ろしい敵から逃げ切れたと思ったら、突然現れ追ってきたのだ」
「恐ろしい敵? なるほど、そいつが召喚したのかもしれん。
 ではもうひとつ訊ねよう、貴様はこのゲームに乗っているのか?」
「こんな莫迦な殺し合いに乗る気は無い」
「……そうか。ならばついて来い、安全な場所で話をしよう」
海馬は銃から手を離さず、顎で街の奥を指した。
こんな街の入口にあるような旅館、とてもじゃないが危なくて使えない。
ルキアはこの男を信用していいのかと考えながらも、おとなしくついて行く事にした。
そして海馬は――。
(フンッ。優勝するにしても脱出するにしても、利用出来る者がいるに越した事はない)
ルキアを信用する気などなく、事を有利に進めるための道具としてしか見ていなかった。


「……何だ?」
雪山にあった洞窟の中、ふと異変を感じたフレイザードは、幻獣王ガゼルのカードを取り出した。
すると幻獣王ガゼルのカードの絵から煙が昇り、絵や名前が消えていく最中だった。
「さっきの轟音……まさかやられたのか?」
あの小娘の使った術とはずいぶん感じの音だった。ならば何者かと合流し、助力を得たのだろうか?
「チッ……やっかいな事になりやがったぜ」
まだ疲労の抜けきらないフレイザードだが、洞窟から出て西へと歩き出した。
自分にとって冬と雪の寒さなど何の障害にもならない。
核鉄のおかげで体力は少しずつではあるが回復している、歩いていても体力の消費より核鉄の治癒力の方が上だろう。
ならば体力の回復と獲物探し、両方一緒にやるほうが効率がいい。

97 :青眼の白竜を求める者 5/5:2005/07/17(日) 23:22:17 ID:???
【早朝】
【北海道札幌】
【海馬瀬人@遊戯王】
 [状態]:軽度の疲労
 [装備]:コルトパイソン・357マグナム残弾24発@シティーハンター
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.安全な場所でルキアから情報を出来る限り引き出す。
      2.青眼の白竜のカードを探す。ルキアを襲った敵が持っている可能性を考えている。
      3.優勝・脱出を問わず元の世界へ帰る。元の世界で遊戯と決着をつけたいため可能なら遊戯とともに脱出。

【朽木ルキア@ブリーチ】
 [状態]:かなりの疲労、右腕に軽度の火傷。
 [装備]:火竜ヒョウ@封神演義
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.とりあえず海馬について行く。
      2.仲間を集めてフレイザードを倒す。仲間は一護優先。



【北海道南西部】
【フレイザード@ダイの大冒険】
 [状態]:軽度の疲労。成長期・核鉄で常時ヒーリング
 [装備]:霧露乾坤網@封神演義 炎の剣@バスタード 核鉄LXI@武装錬金
 [道具]:荷物一式
      遊戯王カード@遊戯王(『青眼の白竜(次の0時まで使用不能)・サイコショッカー(罠破壊)他二枚』)
 [思考]:1.西へ向かって歩く。
      2.ルキアを殺して火竜ヒョウを得る。
      3.出会った参加者を出来る限り殺す。ダイ、ポップ、マァムを優先。
      4.優勝してバーン様から勝利の栄光を。

[備考]:幻獣王ガゼルのカードが消滅しました。

98 :少女の行く道 1/2:2005/07/18(月) 19:07:06 ID:???
ある住宅街に立ち並ぶ一軒の家、その家の一室で少女はまどろみから目を覚ました。
立ち上がり窓越しに外を見る。暗闇だった空は大分薄れ、周囲も明るさを取り戻しかけている。
(夜明け……みたい……)
少女、真崎杏子は、まだはっきりとしない意識でそう思った。
深夜に行動するのを避けようとした彼女は、住宅街にある適当な家に入り身を隠していた。
(遊戯…城之内…海馬君……皆どこに居るんだろう……)
今ここには居ない仲間達の事を思い浮かべる。彼らは無事なのだろうか……。
脳裏に浮かぶ三人の顔。それとは別に、雰囲気の違うもう一人の遊戯。
ある日突然彼に宿ったもう一つの人格。それは彼女にとっての思い人であり、最も大きな存在だった。
しかし彼は本来、自分達と共に生きる存在では無い。人にはそれぞれ帰る場所がある。
遠からず、彼は自分が帰るべき場所に行かざるを得ない。だからこそ逢いたい。
彼があるべき場所へ帰る時か…このゲームで自分が死んでしまう時か…それは定かではないが、
残された時間は少ない、そう直感していた。
それに彼ならば、この状況を打破してくれるのではないか。
根拠は無い。根拠はないが、少女にとってその少年はそこまで大きく、信用に値する人物だった。

(逢いに行こう…彼に)
デイパックを背負い玄関へと向かう。その途中、杏子は支給品を確認していない事に気付いた。
「何か役立つ物だといいんだけど…」
荷物を漁りカプセルを取り出す。どう開ければいいか少し戸惑ったが、先端部分のスイッチを押し再び離すと
ボンッ!という音と共に煙が立ち、支給品が床に落ちた。煙が晴れたそこにあったのは……。
「……嘘」
黄金色の鈍い輝きを放ち、それ自体も黄金で出来ている棒状の物体。先端には眼球を模したような球状の物体が付いている。
遊戯が持つ千年パズルと形こそ違うが似通った点が多々見られた。
そしてそれは、かつて杏子を始め、城之内を操った忌むべき物でもあった。
「千年……ロッド……!?」
今は遊戯が所持しているはずの杖が、何故か自分の手元にある。
一体どうして…!? そう思うが答えが出る筈も無い。このゲーム自体、既に常識を超越したものなのだから。


99 :少女の行く道 2/2:2005/07/18(月) 19:11:46 ID:???
恐る恐る床に落ちたそれを拾い上げる。柄の部分を引いてみるとそれが抜け、内部に収容されていた刃が姿を現す。
仕込杖になっているようなので護身用にはなるだろうか……。
抵抗はある。自分にとっては禍禍しい代物。こんな物を持ち歩いていたら、また意識を奪われてしまうのではないかという不安。
しかし杏子自身は、単に身体能力が優れている一般の学生である事に変わりは無い。
常軌を逸した者達相手に素手で対抗するのは難しいだろう。ならば武器があった方が都合が良いのは明らかだった。
表情を曇らせながらもロッドを手に取る。それなりに重さはあるが持ち歩くのに支障は無い。

玄関から外に出た杏子はこれからの動向について考える。遊戯を探す、そう言ってもどこに居るのか皆目見当がつかない。
ただ普通の人間ならば、おのずと街を目指す筈だ。山林などに身を隠しているかもしれないが、そこに留まるにしても
生きる為に必要な水などは必須。遅かれ早かれ街を探索する事になるだろう。

(ひとまずこの街を探そう。居なければ次の街、そこにも居なければまた次の街。遊戯自身も私達を捜そうとする筈だし、
捜し続けていればきっと逢える。必ず………)
少女は心の中でそう繰り返す。そうでもしなければ不安に押し潰されそうだった。
そして少女は歩き出す。誰も居ない街中を。不穏な光を宿す錫杖を握り。
少女の行く先にあるのは再会か、無情な現実か……それは少女も含め、誰にも知る由は無かった。


【栃木県 住宅街/黎明〜早朝】

【真崎杏子@遊戯王】
[状態]:健康
[装備]:千年ロッド@遊戯王
[道具]:荷物一式
[思考]:1.街の探索。遊戯を捜す
     2.城之内・海馬と合流。
     3.ゲームを脱出。

100 :誤解・展開・収束・休息 1/4:2005/07/18(月) 22:06:19 ID:???
 現れた闖入者を前に、少女、神谷薫は身構える。
闖入者、進清十郎は、鋭い眼光、筋骨隆々とした体躯を持つ男性であり、対して自分はあくまで非力な女性の身。体格だって
女性としても、決して大柄……とは言えない。剣術には多少の心得があるものの、剣心ほどの圧倒的な実力があるわけでもない。
「剣術小町」とは呼ばれていても、所詮、それは幾つかの街の中での名人といった称号にすぎない。
もし、相手が、広間で見たような超常的な能力の持ち主だったら―――

「こ……来ないで!」
 薫は叫ぶ。それは、襲われて、警戒しているのではないかという疑念を進に与えた。自然、足の進みが速くなる。
襲われていたのであれば、それによって怪我をしているのであれば、手当ては早ければ早いほどいい。確かに、自分はマネージャーほど
治療に長けているわけではないが、何もしないよりは遥かにマシであろう。

 そして、互いの距離は見る間に縮まっていき。

 近付くという行為は、互いに、今まで見えなかった事柄を認識させた。それは……

「ム……」
 進清十郎は考える。目の前の女性はどうやら自らの血で汚れているわけではないらしい。血液の持ち主は、彼女ではないようだ、と。
何故なら、女性の傍らに倒れ伏すのは、年端もいかないという形容が誂えたかのような少女。稲葉郷子の屍があったからだ。
頭蓋を叩き割られたのか、頭部から血を流す、人であった、そして、今では人としてはありえない肌の色をした少女の抜け殻。
そして、漆黒の刀身をしたサーベルを手に、こちらを睨みつける女性。彼女が弾かれたように動き――――

「……!」
 神谷薫は考える。男、進の両手に嵌められたモノを見て。それは、鈍く輝くメリケンサック。彼女の知識で、それに一番近いものは
寸鉄。それは、人を殴り殺すための武器。刹那、頭を割られて死んでいる少女の顔が脳内を走りぬけ――――



101 :誤解・展開・収束・休息 2/4:2005/07/18(月) 22:07:29 ID:???
 一度の交錯。ダイヤモンドよりも硬いと言われる、マグナムスチール製のメリケンサックと、世界最高の金属と名高いオリハルコンの
サーベルがぶつかりあい、薄暗い駅舎の中を火花が踊る。そして互いに距離を開け、睨みあいをはじめる。


 進の見解はこうだ。倒れ伏している少女はゲームに乗っていたのではないか。もしくは、恐怖で恐慌状態にあったのではないか。
それで、女性……神谷薫に襲い掛かり、返り討ちにあったのではないか。何故なら、目の前の女性は、明らかに戦闘体勢にあるのにも
関わらず、峰打ちを放ってきた。剣速が鈍るだけだというのに。これは、彼女が、いまだ殺人に抵抗を持っているため。
そして、峰打ちにもかかわらず、自分の拳が受けたこの衝撃。メリケンサック越しに受けたにもかかわらず、一瞬、拳が砕けるかと
思わされたほどの一撃。これだけの業物であれば、例え峰打ちであろうとも、亡骸となって倒れている少女の頭蓋を砕くことなど
造作も無かったに違いない。

 薫の見解はこうだ。先程から、まるで話し合いの意思が感じられないことといい、男性、進清十郎はゲームに乗っているのではないか。
彼が持っている、寸鉄を横に繋げた様な武器は、どう見ても鈍器の類。しかも、自分の本気の打ち込みを受けても、小揺るぎもしない
強度を誇っている凶器だ。あの一瞬、自分の手を襲った反動は、危うく、この剣を取り落としてしまいそうになったほどだった。
少女一人を殺害するには充分すぎる道具。それがもたらすのは撲殺という名の片道切符。ここで行動不能にしておかないと、
恐らく、更なる犠牲者がでる。


 睨みあいが続く。互いにとって、いつまでも終わらないのではないかと思わせる、長い、永い睨みあいが。


102 :誤解・展開・収束・休息 3/4:2005/07/18(月) 22:08:23 ID:???

 原因の一つ。それは、進の寡黙さ。過去を語るのは詮無いことではある。が、もし、彼が、このような状況に陥る前に、自分の
考えを、自分の行動を言葉にしていれば、今の一触即発の状態は回避されたはずであった。

 原因の一つ。それは、薫が冷静さを失っていたということ。平常な心を持っていれば、進が返り血を浴びていないということなど
一目でわかったはずなのに。なれば、彼女から語りかけることで、今の一触即発の状態は回避されたはずであった。

 原因の一つ。それは、郷子の死。絶対的な、死者の存在。圧倒的な、血の匂い。互いの冷静さを奪う、不可視の思念。それは無念。
 
 ――――互いの次の一手。進のスピア・タックル。薫の打ち下ろし。どちらも、相手を殺すことではなく、行動を封じることに
主眼を置いた一手。攻撃の軌道の違いから、両者はほぼ同時に相手の身体に吸い込まれていき……

 ……二人の意識を刈り取った。

              〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



103 :誤解・展開・収束・休息 4/4:2005/07/18(月) 22:09:02 ID:???
 二人にとって幸運だったのは、その後、駅に訪れる者が無かったということ。互いに気絶することで、戦闘の空気が霧散し、冷静さを
取り戻すことが出来たということ。そして、戦闘を再開するには、互いにダメージが深すぎたということである。
進清十郎と神谷薫は、各々、自分の怪我に応急処置を施すと、少女、稲葉郷子を、二人で、怪我の痛みを圧しながらも
四苦八苦しつつ埋葬し、自己紹介、そして今後の方針を話し合っていた。とは言えど、ほとんど、薫が話し役、進が聞き手という
塩梅ではあったが(余談ではあるが、薫は進のあまりの無口さに、内心怒っているのではと危惧したが、彼が言うにはそれが地だそうだ)
結論としては、彼等の次の行動は仲間を捜すということで一致した。

 薫は、何よりも信頼する剣心に会うため、東京の神谷道場を目指す。剣心ならきっとそこに向かってきてくれるから。
 進は、自分と決着をつけるはずの男、アイシールドこと小早川瀬那、そして彼の友人たちと会うために東京の泥門高校を目指す。
アイシールドとの決着は、このような場で摘み取られていいものではないから。

 二人の若者は、東京を目指す。
                  ――――辿り着けるのかは、誰も知らない。

【兵庫県、姫路駅構内/早朝】

【神谷薫@るろうに剣心】
 [状態]:軽度の疲労:肋骨にヒビ(戦闘に中〜重度の支障あり:行動に軽度の支障あり)
 [装備]:クライスト@BLACK CAT
 [道具]:荷物一式(一日分の水と食糧を消費)
 [思考]:1.明るくなるまで身体を癒す
     2.緋村剣心、斎藤一、小早川瀬那、蛭魔妖一、姉崎まもりとの合流
     3.東京(神谷道場)に向かう

【進清十郎@アイシールド21】
 [状態]:軽度の疲労:右鎖骨にヒビ(戦闘に中〜重度の支障あり:行動に軽度の支障あり)
 [装備]:マグナムスチール製のメリケンサック@魁!男塾
 [道具]:荷物一式(一日分の水と食糧を消費)
 [思考]:1.明るくなるまで身体を癒す
     2.緋村剣心、斎藤一、小早川瀬那、蛭魔妖一、姉崎まもりとの合流
     3.東京(泥門高校)に向かう

104 :殺意の向かう先(1):2005/07/18(月) 23:39:51 ID:???
徐々に空の黒い闇が薄くなり始めた早朝、姉崎まもりは一人黙々と滋賀県の琵琶湖沿いを歩いていた。
(セナ…無事でいてね。必ず私が守ってあげるから…!)
疲れや眠気も気にならない。感じない。姉としての使命感やこの殺人ゲームに自ら乗って殺人を犯してしまった事による奇妙な高揚感に頭を支配され、自分の体の事など省みる余裕は無いからだ。
だがしかし、頭は至って冷静だ。歩きながらでも脳の中では様々な考えを次々に巡らせている。
(さっきの人から聞いた話の限り、ソンゴクウって人は有力な優勝候補。あのヤムチャって人の話を信じるなら、今の私では到底かなわない…)
つい先ほど拷問まがいの方法でヤムチャから引き出した情報をしっかりと記憶しており、それらの事を歩きながらずっと思案していた。
(気?カメハメハ?さいや人?にわかには信じられないけど…確かに最初に殺されたハゲ頭のマッチョな人は、おかしな技を使ってたものね…。あれが『気』?)
ゲーム開始前にフリーザという者に殺された人物『ナッパ』の使った非現実的な技をすでに目の当たりにしているため、ヤムチャの語った話を信じざるを得なかった。

105 :殺意の向かう先(2):2005/07/18(月) 23:45:03 ID:???
(……!)
ふと2・30メートル先に一人の人影を見つける。向こうはまだこちらに気付いていないのか、道沿いに生える木の幹に背を預けて地面に腰を落としてじっとしている。
視線の先のその人物は、まるで先ほど思い出していたナッパの姿と被るような『ハゲ頭』の大男であり、すかさずその男に姿を見られまいと道の脇に身を屈めて息を潜めて考える。
(もしかしてあの人も『気』が使えるの?…いいえ、彼らのような変なコスプレ姿じゃないから、多分それは無いはず)
まもりはその大男の屈強な風貌や独特の雰囲気を見て無差別殺人者…マーダーの可能性が高いかもしれないと踏み、セナの情報を聞き出すのは断念してこのまま暗殺してしまう事を決意する。
デイパックから魔弾銃を取り出して弾を一つ込めてから気配を殺してじっくりと距離を詰めていく。
(…この距離なら大丈夫よね。万が一外れたら…逃げればいい。まだ薄暗いもの、逃げきれる確率は高いはず)
後方に顔を向けて退路の目星をつけるとターゲットの人物に視線を戻す。
そして魔弾銃を構えて直して照準を定め、引き金に指をかける。

106 :殺意の向かう先(3):2005/07/18(月) 23:49:55 ID:???
(ごめんなさい。セナの為に…死んで下さい)
心の内で謝罪をした後、魔弾銃を撃つ。一瞬で十数メートル先の大男に着弾し、弾からイオラが炸裂して光を放って小規模の爆発が起きる。それを目で確認すると立ち上がって男の死体を確かめようと目を凝らす。
「……あれ?」
爆風が収まったその場所に男の姿は無かった。吹き飛んだのか、それとも回避されたのか…
「ん?…な…に?」
なぜか腹部に違和感を感じてそこを見下ろすと、中心に木の棒のような物が生えていた。そこを中心にして赤い円が服に広がる。
「…戦場に放り込まれたただの被害者であったならこうするつもりは無かったが、『暗殺者』には男も女も関係無い。」
まもりの前方には男が無傷で立っており、何かを投げ終わった後のような構えをしている。
「あう……セ…ナ…」
そのまま膝を地面について前のめりに倒れる。
「…急所は外した。悪く思うな」
その男…伊集院隼人、人によってはファルコンや海坊主などと呼ばれる事もあるその男はまもりを黒いサングラス越しに見下ろしながら静かに語ると、まもりの荷物や武器を全て拾い集めてその場からゆっくり立ち去った。

107 :殺意の向かう先(4):2005/07/18(月) 23:53:00 ID:???
実は伊集院は人より優れた聴力の持ち主であったために、まもりの存在やその行動を初めから気付いていた。
まもりのただならぬ殺気を感じ取り、銃の発射音とほぼ同時に身を翻して弾道を見切った上で間合いを詰めながら手に持った武器をまもりの腹部めがけて投げたのだ。
まもりはそのまま気を失った。

しかし…その腹部に突き刺さったままの物が、まもりの運命を大きく変えるかもしれない物であった事は…まもり本人はもとより、目が見えない盲目のハンデがあったために説明の紙が読めず『ただの矢』としか認知していなかった伊集院さえも知るよしはなかった…。

108 :殺意の向かう先(5、最後):2005/07/18(月) 23:54:59 ID:???
【滋賀県、琵琶湖沿いの道/早朝】

【姉崎まもり@アイシールド21】
[状態]腹部に重傷(急所は外れている)、軽い気絶
[装備](腹部に)『弓と矢』の矢@ジョジョの奇妙な冒険(スタンド能力が発現する可能性有り。詳細は次の方にお任せします)
[道具]無し
[思考]セナ以外の全員を殺害し、最後に自害

【伊集院隼人(海坊主)@シティーハンター】
[状態]健康
[道具]:後期型ベンズナイフ@ハンター×ハンター
:魔弾銃@ダイの大冒険
空の魔弾×2 メラミ×1 ヒャダルコ×2 イオラ×1 キアリー×2 ベホイミ×2
:超神水@ドラゴンボール
:支給品一式×2、食料・水4人分
[思考]不明。マーダーではない。

109 :修正:2005/07/19(火) 02:24:38 ID:???
>>104-108(殺意の向かう先)を修正します。タイトルは(見えない価値)に変更。
>>104-105の1と2は本文に変更無し。続きの3から投下します。

110 :見えない価値(3):2005/07/19(火) 02:28:44 ID:???
(ごめんなさい。セナの為に…死んで下さい)
心の内で強く謝罪をした後、魔弾銃を撃つ。
一瞬で十数メートル先の大男に着弾し、弾からイオラが炸裂して光を放って小規模の爆発が起きる。
それを目で確認すると立ち上がって男の死体を確かめようと目を凝らす。
「……あれ?」
爆風が収まったその場所に男の姿は無かった。吹き飛んだのか、それとも回避されたのか…
「キャ…ッ!」
突如腹部に何かが強く当たり激しい痛みを感じて後ろに倒れ込む。
(何をされたの!?とにかくヤバい!逃げなきゃ!!)
まもりの前方には男が無傷で立っており左手にはいくつかの小石が握られているのだがまもりにその武器の正体を見る余裕はなく、何よりも奇襲自体が失敗に終わった事により発生した身の危険を優先して一目散にその場から走り去る。
「……逃げたか。」
その男…伊集院隼人。人によってはファルコンや海坊主などと呼ばれる事もあるその男は、遠ざかるまもりの後ろ姿を黒いサングラス越しに見送りながらその場で立ち尽くす。
もっとも…彼は目が見えないので正確には『走り去る音を見送った』のであるが。

111 :見えない価値(4):2005/07/19(火) 02:32:28 ID:???
まもりの去った後に残されたデイパックの元へ歩み寄りその中を手で探るが小さくため息を吐いた後にそれを担ぎ、自分の荷物も一緒に担いでまもりとは逆の方向へと体を向ける。
実は彼は人より優れた聴力の持ち主であったために、まもりの存在やその行動を初めから全て事細かに察知していた。
まもりのただならぬ殺気を感じ取り、銃の発射音とほぼ同時に身を翻して弾道を見切った上で間合いを詰めながら手に持った石をまもりの腹部めがけて投げたのだ。
(…若い女性…か。そんな奴までこのふざけたゲームに乗ってしまっているのか。…とにかく、エモノがなきゃ始まらん。銃火器の類を探すとするか…)
胸ポケットの中に入れてある『自分に支給された武器』を手で触りながら「ふざけるな」と言わんばかりに小さく舌打ちをし、そのまま道の先へと歩き始めた。

112 :見えない価値(5、最後):2005/07/19(火) 02:37:37 ID:???
【滋賀県、琵琶湖沿いの道/早朝】

【姉崎まもり@アイシールド21】
[状態]腹部に打撲、若干の疲労
[装備]:後期型ベンズナイフ@ハンター×ハンター
:魔弾銃@ダイの大冒険
空の魔弾×2 メラミ×1 ヒャダルコ×2 イオラ×1 キアリー×2 ベホイミ×2
[道具]無し(身につけていた武器以外は全て失った)
[思考]セナ以外の全員を殺害し、最後に自害

【伊集院隼人(海坊主)@シティーハンター】
[状態]健康
[装備]排撃貝(リジェクトダイアル)@ワンピース(海坊主は説明の紙が読めないため、ただの貝殻だと思っています)
[道具]
:超神水@ドラゴンボール
:支給品一式×2、食料・水4人分
[思考]1:自分に扱える銃火器類を探す。
2:行動指針を決めかねてはいるが、ゲームに乗る気はあまりない。

113 :Spearheads 1/2:2005/07/19(火) 04:27:52 ID:???
道から少しそれた公園のベンチに腰掛けて、キン肉マンとたけしは長々と話し合っていた。自分の世界のことやこのゲームのこと、そして、これからのこと…。

「それじゃあたけすぃはこのゲームには乗っていないんだな?」
「当たり前だ!!それよりもこんなゲーム巻き込まれてしまった力ない人達の先頭に立って導いてやりたい!」
「同感だ。きっとゲームに乗らずに逃げている人や抵抗しようとしている人達はたくさんいる。彼らと手を組めばきっとこのゲームから抜け出せる!」

キン肉マンはベンチから立ち上がり、手を強く握りしめながら続けた。

「そしてあの主催者達をも倒せるだろう。確かにあの三人は恐ろしかった。だがそれでも完璧ではないはずだ。完璧なものがあるとすればそれは私達の友情だ!!たけすぃ、一緒に来てくれるか?」

そこには駄目超人と蔑まれてきたいつかの彼の姿はない。

「もちろん!俺からもよろしくな!」

自分の目は正しかった。たけしはキン肉マンの話を聞いて心からうれしそうな顔を浮かべ、ある種の感動を感じていた。一方キン肉マンも、このたけしという少年の人柄と自称ではあったがリーダーの資質を感じとっていた。



114 :Spearheads 2/2:2005/07/19(火) 04:36:10 ID:???
「ところでこの支給品に入っていたものだが…。」

そういうとキン肉マンは袋からパチンコといくつかの玉を取り出した。

「私はこの肉体と素手での戦いを得意としている。よかったら使ってくれないか?」
「俺も素手で戦えるけど…これは便利そうだしもらおうかな。ありがとう!」
「たけすぃの支給品には何が入っていたのだ?」
「この羽なんだけど…。」
「グムー…。何なんだこの羽は?」
「説明書によると一度行ったことのある場所なら、行きたい場所を思い浮かべながら放るとその場所へ行けるらしいけど…。」
「!!じゃあもとの世界へは!?」
「それは無理だとも書いてある。どっちにしろ首輪があるうちは…。」
「そうか…。しかしいずれは使えそうな代物だのう。大事にとっておこう。」

「とりあえずこれからどうしようか?」
パチンコの玉をチェックしながらたけしが問う。
「ゲームに乗っていない者と私達の仲間を探そう。」
「とすると…う〜ん、頭を使うのは苦手だからなぁ…。」
「私もだ。町に行けば人はいるだろうが…。ここで少し体を休めながら考えて、明るくなったら動くとするか。」
「ああ。それより…」
「ん?」
「キン肉マンって俺の住む町にいるやつと似てるなぁ…。」

115 :Spearheads 2/2 :2005/07/19(火) 04:36:46 ID:???
【大分県西部、道路/黎明〜早朝】

【キン肉スグル@キン肉マン】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]支給品一式
[思考]1,どう動くか考える
2,仲間を探し友情をつくる
3,ゲームの脱出もしくは主催者の打倒

【たけし@世紀末リーダー伝たけし!】
[状態]健康
[装備]パチンコ(鉛星、タバスコ星、卵星)@ワンピース
キメラの翼@ダイの大冒険
[道具]支給品一式
[思考]1,どう動くか考える
2,仲間を探す
3,ゲームの脱出もしくは主催者の打倒

116 :見えない価値・修正:2005/07/19(火) 08:25:06 ID:???
何度もすみませんが、さらに少し修正します。

>>104×(ハゲ頭のマッチョな人は)→〇(あのスキンヘッドの人は)
>>105×(『ハゲ頭』の大男であり)→〇(『スキンヘッド』の大男であり)
>>110×(何をされたの!?とにかくヤバい!逃げなきゃ!!)→〇(えッ!?何をされたの!?いけない!逃げなきゃ!!)
以上です。重ね重ねすみません

117 :吸血姫AYA・1:2005/07/19(火) 22:54:45 ID:???
少女の美しい面を覆う醜怪な仮面のスリットから、野蛮な眼光が覗く。
思わず身構えたものの、バギーは未だ状況を把握出来てはいなかった。
雄叫びを上げるこの女……気でも触れたか?
しかし、この迫力はなんだ?この迫力、先程の羊の様な女の放てる類の気ではない。
事実、その瞳を見てバギーの脳裏に連想されたのは、忌まわしい麦藁であり、緑髪の刀狩であった。つまり、それは何か。
グランド・ラインの猛者達さえ霞む程の気を、眼前の少女は漂わせている。
つまり、それは――獣の気だ。

そこにまで考えが至って、バギーの脳裏から疑問は吹き飛んだ。
確かにどてっぱらに派手に風穴を開けてやった筈なのに、何故かこのガキは立ち上がっている。そんな事はもう、どうでもいい。
死んだはずの相手が生きていた? それがどうした関係あるか。もう一遍、派手にぶち殺す機会が回って来たっていうだけの話だ。
バギーの決断は早かった。こういう手合いは、即座にぶち殺してしまうのが最良。

俺は誰だ?俺は誰だ!?俺は誰だ!!そう、俺は!
「俺は道化のバギー様だッッ!バカやろうッッ」

言うが早いか、バギーのマシンガンが金切り声を上げる。雨あられと降り注ぐ弾丸が、石造りの奇怪な仮面を粉々に打ち砕く。そして少女の脳天からも、噴水の如く鮮血が吹き上がる……はずだった。
土煙が晴れても、バギーの眼前に少女はいない。もはや粉々の破片となった謎の石仮面と、先刻バギーが引き裂いたボロボロの上着だけを残して、少女は跡形もなく消えてしまった。
「ど、どこ行きゃあがった、ガキィッ!」
荒い息を吐きながら、バギーは四方に向けて、やたらめったら銃口を振りかざす。
「おい! ビビッてんのかぁッ! 出て来いよ、派手にぶち殺してやっからよぉお!」
バギー自身気付いてはいないが。この気勢は、ある一つの感情を紛わす為の防衛手段だ。
二度だ。殺したはずの女を、二度殺し損ねた。意味が分からない。訳が分からない。
「逃がすと思ってんのかぁ!? 今度はしっかり狙うから!派手死刑だッッ」

118 :吸血姫AYA・2:2005/07/19(火) 22:57:03 ID:???
そこまで、わめき散らした時だった。

不意に横合いから、白い何かが視界にすべり込んできた。
顔面のすぐ直近に、赤い斑に冒された白い何かが割り込んできた。
それが、姿を消した少女の、血にまみれた左手だと気付くより先に。
鍛えたはずの感覚が、危険から身をそらす前に。

ぶちぃッッ

まるで、果実をもぎ取る様な音が、響いた。

「みッぎゃあああぁぁああああぁああぁぁあぁぁあぁぁああああッッ!!」
海賊船長『道化のバギー』の『念願』は、思いもよらぬ形で叶う事となった。
血の吹き出す顔面を押さえてのた打ち回るバギーを、静かに見下ろす少女
――東城綾の左手には、リンゴの様な、真っ赤で丸い、道化のバギーの鼻が、握られていた。

東城は、静かにバギーの横にしゃがみ込む。
肌を剥き出した艶かしい上半身を、自身の血とそしてバギーの血に染めて、怖気が振るう程の色気を放つ。
痛みさえ、恐怖さえ忘れてバギーが思わず見惚れる程の妖艶さ。
透ける様に白い肌にコントラストを刻む返り血の赤を浴びた様は、太古の部族の、戦に臨んだ『血化粧』を彷彿とさせる。

119 :吸血姫AYA・3:2005/07/19(火) 22:57:52 ID:???
東城が、穏やかに口を開く。背骨を直に握られるが如き錯覚すら呼ぶ、鈴の音色だ。

「……『猿』が、『人間』には、勝てませんよね?」
「ひぃい……!」
「あなたはね、『バギーさん』。あなたは、もう……」
首筋を掴む手の平から伝わる冷たさは、もはや人間のそれでは、ない。
「……もう、私にとっての、『お猿さん』なんですよ」

バギーは聞いた。自分の首筋から聞える、コリコリという奇妙な音を。
バギーは見た。自分の首筋から覗く、真っ赤に染まった太い管を。
バギーは悟った――ああ、あれは……!
――あれは、俺の……静脈だ……!!

ズギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンッッ!!

唐突に恍惚が押し寄せた。射精の快感に、少し似ている。
しかし、逆だ。
何かを吐き出す悦びではない。これは、この快感は、全く真逆の、被虐の悦び。
口を限界まで開き、身を震わせて、バギーは声にならない雄叫びを上げる。
悦びの故なのか、恐怖の故だったのか。
それはバギー本人にしか、いや、ひょっとしたら彼自身にだって分かっていないのかも知れない。
それほど凄まじい奔流が、バギーの神経を駆け巡り、蹂躙する。
……そして。バギーが、その生涯における最大にして最後の法悦を味わい切ると同時に、
東城の指先が、バギーの精気を吸い切った。

120 :吸血姫AYA・4:2005/07/19(火) 22:59:09 ID:???
干からびてボロボロのミイラになったバギーの亡骸を打ち捨てて、東城綾は考える。
正確に言うなら、それはもう、正常な人間の思考と呼べるような代物ではなかったけれど。
忘れられないのだ、荒波の様に指先から押し寄せた、快感の余韻が。
こんな、見も知らぬ恐ろしい化け物の様な男の『精』でさえ、これほどの快感をもたらしたのだ。
それが、それがあの人の『精』であったなら、
自分にどれ程の事が起こるのか、どれ程の悦びが手に入るのか。とても想像出来ない。
混然と入り混じった複数の感情が、彼女の唇を歪める。
少しの恐怖心と、それを覆い隠そうとする自制心と、そして……。
その全てを覆い隠す血への渇きが、彼女の瞳を赤く染めた。

――行こう、真中君の所へ。そして、私は彼と……一つになるんだ。

数刻前まで『バギー』と呼ばれていた破片が、風に舞って、舞い上がって。
その小さな風の渦巻きの中を、東城綾は歩き始めた。


【福井県(一日目):黎明〜早朝】

【東城綾@いちご100%】
 〔状態〕吸血鬼化。健康。
 〔装備〕特になし
 〔道具〕荷物一式
 〔思考〕1.真中に会う。
     2.空腹を満たす
【道化のバギー 死亡確認】
【残り115人】

121 :勝利への執念:2005/07/20(水) 00:41:02 ID:???
「そこの者、隠れずに出てくるがいい」
月夜の闇に、否定を許さぬ威圧感を含んだ声が響く。
問いかけた先の木々の陰から、夜の闇が良く似合うスラリとした女性が姿を現した。
「争う気は無いわ」
女は現れて早々にそう言い、両腕を高く上げ降伏を示す。
拳王は天下輝く北斗七星を指差しながら、現れた女―ニコ・ロビンに問いかける。
「女、ウヌには北斗七星の脇に輝く星が見えるか?」
「さあ? どうかしら」
ロビンははぐらかすように肩をすくめる。

「ぬ!」
唐突に背後に気配を感じ拳王は背後を振り返る。
そこにあったのは、木から腕が生えている奇妙な光景。
その腕が持つ剣が拳王に向け振り下ろされる。
だが、拳王は素早くその刃を素手で掴み、逃がすまいを力強く握り締める。
握り締められた刃は、拳王の皮膚すら斬ることはかなわない。

「フン、この拳王に不意打ちなど通じぬわ! …ふんぬ!!」
拳王が刃を握る手に力を込める。
同時に降魔の剣が破滅の音を上げ粉々に砕け散った。

「なッ!」
その光景にロビンは驚愕する。
素手でむき出しの刃を握りつぶすなど、人の業とは思えない。
力の制限されたこの空間ならなおさらだ。
それよりも降魔の剣を破壊され、これ以上の配下を増やすことが出来なくなった。
つまり、これ以降現状の手駒で戦うしかないということだ。
「クッ…」
ロビンは歯噛みする。
だが、降魔の剣が破壊されようとも、あの二人は自分の忠実な配下であることは変わらないはずだ。

122 :勝利への執念:2005/07/20(水) 00:42:27 ID:???
「行きなさい、スヴェン、勝利マン!」
ロビンは念のため待機させておいた二人に指示をだす。
スヴェンは激しく疲労しているが仕方ない。
今は目の男への対処が優先だ。
指示を受けた二人は、物陰から駆け出し、ラオウに向かい襲い掛かった。



ロビンは悪魔の実の能力で援護しながら、離れた場所からその戦いを見つめていた。
そして改めて驚愕する。

激しい威圧感を纏うこの男。
その強さ、まさに圧倒的。

二対一。
否、ロビンの援護も含めれば事実上、三対一か。
だというのに、その男は圧倒的だ。

次々と生え、行動をさえぎる腕を、意に介さず引きちぎり。
二人の攻撃を全て捌き、反撃に転ずる。
この二人とて雑魚ではないはずだ。
特に勝利マンの体術はかなりのもののはず。
だというのに、この男の前では全てが児戯の如く払い落とされる。
このままでは全滅だろう。

「スヴェン、勝利マン、退くわよ!」
勝ち目が無いと悟り、ロビンは撤退を命令する。
その言葉にスヴェンは即座に反応し、ロビンのものとに舞い戻る。
しかし、勝利マンはその場を動かず、拳王の前を微動だにしない。


123 :勝利への執念:2005/07/20(水) 00:43:30 ID:???
「退く…負け……退く…」
「なにをしてるの勝利マン! 退きなさい!」
再度の命令に、勝利マンは僅かにロビンを振り返り、再度拳王を見つめなおした。

退く?
退く=逃走=敗走=負け。
負けるだと?
勝利マンに敗走などありえない。
勝利マンに敗北などありえない。
勝利マンには勝利しかありえないのだ。

「……退く…負け……ない……勝つ、勝つ…勝ぁあつっ!!」
異常ともいえる勝利マンの勝利への執念が、降魔の剣の支配を凌駕した。

「クッ! なんなの! もういいわ、好きにしなさい!」
そういい捨て、ロビンは勝利マンを捨て、スヴェンと共にその場から走り去った。

「勝つ、勝つ!」
好きにしろ、その命令で勝利マンは解き放たれた。
今の勝利マンは、まさに水を得た魚状態だ。
一歩、一歩、踏みしめるように勝利マンは拳王へと向かう。

「ウヌ一人か、よかろう来るがいい」
迎えるように拳王は構える。
その構えに勝利マンが駆けだし、拳王へと突撃する。

124 :勝利への執念:2005/07/20(水) 00:44:11 ID:???
「キャベツチカカツカム!!」
Vの字に構えた両腕を、叫びと共に撃ち放つ。
その一撃は拳王を捕らえ、胸元をVに切り裂き血を噴出させる。
「ぬう…この拳王の体に傷をつけるとは、だが…」
拳王が指差すと、勝利マンの両腕が爆ぜたように壊れた。
「鏡明という秘孔を突いた、ウヌの両腕はもはや崩れた」
勝ち誇るように拳王が言い放つ。

「ビクトリービーム!!」
だが、勝利マンは壊れた両腕をそのままに、攻撃に転じる。
勝利マンのV字の眉から光線が放たれラオウを襲う。
「りやぁ!!」
ラオウはその光線をかいくぐり、一瞬で勝利マンとの間合いを詰める。
そして、凄まじいまでの一撃を勝利マンの胸に放った。
その一撃は勝利マンの胸骨を粉々に砕き、胸に大きな窪みを作る。
勝利マンは噴水のように血を吐き、その場に崩れ落ちた。

「……負け、ねえ…このオレは…勝つ!!」
血反吐を吐き、地に伏せながらも、勝利マンはラオウを睨み咆える。
その目を見返し、拳王は拳を振り上げる。
「その心意気、見事なり!」
叫びと共に振り下された拳を、勝利マンの脳天に突き立てた。


「その勝利への執念、敵ながら見事であった」
拳王は拳を引き抜き、物言わぬ好敵に賛辞の言葉を送る。
「しかしこの拳王に傷をつけるものが何人もいようとは、なんと心揺さぶることよ」
そう言い拳王は高々と笑い、悠然とその場から立ち去った。


125 :勝利への執念:2005/07/20(水) 00:45:35 ID:???
【群馬県と茨城県の境目付近/早朝】

【ラオウ@北斗の拳】
 [状態]:健康
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式 不明
 [思考]:1.いずれ江田島平八と決着をつける
     2.主催者を含む、すべての存在を打倒する(ケンシロウ優先)

【ニコ・ロビン@ONE PIECE】
 [状態]:健康
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1ラオウから逃げる
     2仲間を増やす中でイヴを探す
     3死にたくない

【スヴェン・ボルフィード@BLACK CAT】
 [状態]:妖怪化、激しく疲労、予見眼使用不可
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式(不明)
 [思考]:妖怪化しロビン絶対

【勝利マン 死亡確認】
【残り116人】

※ミクロバンドはその場に放置。

126 :マロン名無しさん:2005/07/20(水) 00:46:37 ID:???
>>125
修正、増えてどうする。
【残り114人】

127 :マロン名無しさん:2005/07/20(水) 00:54:47 ID:???
>>125
たびたびすんません状態修正。

【群馬県と茨城県の境目付近/早朝】

【ラオウ@北斗の拳】
 [状態]:胸元を負傷
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式 不明
 [思考]:1.いずれ江田島平八と決着をつける
     2.主催者を含む、すべての存在を打倒する(ケンシロウ優先)

【ニコ・ロビン@ONE PIECE】
 [状態]:疲労
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1ラオウから逃げる
     2仲間を増やす中でイヴを探す
     3死にたくない

【スヴェン・ボルフィード@BLACK CAT】
 [状態]:妖怪化、激しく疲労、予見眼使用不可
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式(不明)
 [思考]:妖怪化しロビン絶対

【勝利マン 死亡確認】
【残り114人】

※ミクロバンドはその場に放置。

128 :罪人:2005/07/20(水) 01:33:00 ID:???
裁いてあげるわ――

そうよ。生きてちゃいけないのよ――

振り降ろす――振り降ろす――

私は見てしまった。
本当はただの好奇心。

自分に対して与えられた支給品を手に取り、どうしたものかと考える。
ここは電気は通じていない世界。
でも何かの突破口になるかも…との淡い期待と好奇心から、無人の百貨店の中で売場から大きなバッテリーを拝借して電化製品売場に規則正しく並んでいたビデオが見られるテレビに接続する。
電源が入った事を示す小さなランプが灯り、その支給品であるビデオテープが機械音を響かせて中へと飲み込まれたのを確認すると、再生ボタンへと手を伸ばす――。

振り降ろす――振り降ろす――

―ブラウン管には信じられない光景が映された。
それは、ニンゲンという生き物の――最も醜い姿の記録の数々――

人が人を笑いながら殺す映像。
殺された女性のすぐ横で、小さな少女が泣き叫ぶ。
殺されるために列を作る子供たち。
ゴミのように転がる、ウジ虫だらけの死体の数々。
生きたまま体をぶつ切りにされていく者たち。
それを、笑顔で眺める人間。

129 :罪人:2005/07/20(水) 01:35:39 ID:???
振り降ろす――振り降ろす――

気が付くと、私は住宅街を歩いていた。

本来ならたくさんの様々な家族たちが様々な団らんや幸せを営む場所。
しかし…全てのニンゲンが神隠しにあったかのように、ここには誰もいない。
静まり返る住宅街――。

そうよね。これが――本来あるべき、正しい姿なのよ。
ヒトなんて、存在してはいけないのよ。

振り降ろす―――

だって、そこに在ってはいけない存在を見つけてしまったから。

――手を止める。

目の前には、紅い水たまり。
それは――通りがかった私に対して何かを話しかけてきたその少女の……
いや、少女と呼ばれた物の――なれの果て。

両手で抱えていた真っ赤に染まったブロック石を、ゴトリとアスファルトの上に落とす。

見る。じっと見る。

グチャグチャにひしゃげた頭部。物言わぬ奇妙なオブジェへと姿を変えた、目の前のその元ニンゲンを。

……そうよ。私の職業は警察官。
だから、裁いたのよ。罪人を。
これは正しい事。正義の裁き。
ヒトなんて、生きてるだけで罪なのよ。

130 :罪人:2005/07/20(水) 01:41:09 ID:???
だから……消してしまおう。この世界から、全てのニンゲンを。

―私もニンゲン。
自ら命を絶つ。

でも――それは、この世界を在るべき正しい姿に変えてから。


さあ、行きましょう。
罪を償うために――。


【大阪府/早朝】

【野上冴子@CITY HUNTER】
[状態]人間に絶望。(難しいが説得は一応可能?)
[装備]毒牙の鎖@ダイの大冒険(一かすりしただけでも死に至る猛毒が回るアクセサリー型武器)
[持ち物]:黒の章@幽々白書
:荷物一式
:食料二人分
[思考]人間を全て殺す。

【リン@北斗の拳 死亡確認】(食料類と毒牙の鎖以外の荷物はその場に放置)
【残り113人】

131 :15少年1/3 ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/20(水) 10:47:25 ID:???
「あ〜あ、一体なんなんだってばよ」
いつの間にか妙なことに巻き込まれ、気がついたら山の中にいた。
菜っ葉だかほうれん草だかと呼ばれていたハゲの大男が一瞬で殺された時は、さすがにナルトも戦慄したが、会ったばかりの3人組にいきなり殺し合えと言われても、いまいちピンとこないのである。
とりあえず腹ごしらえをとデイパックをあさるが、入っていた食料は少なかった。
「ちぇっ、これっぽちかよ。それならせめてカップラーメンでも入れてくれればいいのに」
と、そこまで言ったところで、街に行けば食料があるかもしれないと思い立った。
食料二日分のうち半分をあっという間に平らげると、ナルトは街に向かい始めた。

街へと歩きながら、参加者名簿に目を通すナルト。
そこには「春野サクラ」「奈良シカマル」という見知った二人。
そして「大蛇丸」の名前があった。
「大蛇丸……あの野郎も来てやがんのか!…サスケは、サスケはいないのか?」
参加者名簿を何度も見直し、ひっくり返し、さかさまにしてみても「うちはサスケ」の名は無い。
「…そうか、サスケはいないのか。……本当にこれが殺し合いだって言うなら、喜んだ方が良いんだろうな」
とりあえず一息つくナルト。
「そうだ、サクラちゃん…とシカマル!とりあえず二人と合流しないとな。サクラちゃんはぜってー守らなきゃなんねーし、シカマルのヤツは頭が良いからあの3人組を倒す良い知恵があるかもしれねーし」
とは言ったものの二人がどこにいるのか分からない。
と、ここでナルトは支給武器を見てみることにした。
もしかしたら、なにか役に立つアイテムが入ってるかも知れない。
「なにかな〜…って、なんだこりゃ?金と銀の羽か?……こ、これだけ?」
説明書きによると、金の羽は呪文の威力を高めるもの。
銀の羽はMPを回復させるもの、とある。
「じゅもん?MP?わけがわからないってばよ!」
本当にこれだけなのかとデイパックを逆さまにして振ったりしてみるが、なにもない。
仕方がないので、諦めて再び街を目指す。

132 :15少年2/3 ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/20(水) 10:49:10 ID:???
「あ〜〜っ!!ハラへったってばよ〜!」
ナルトは町外れにあった家に忍び込んでみたが、食べ物はおろか水すら手に入らなかった。
判ったことは、家の外観こそ微妙に違うが家具などは木の葉の里と似たようなものだということのみ。
つまり収穫ゼロである。
よく探せば雑貨の類は手に入ったのだが、ナルトにそこまで求めるのは酷である。
「……誰だ?」
前方からした声に、ナルトは足を止めた。
目を凝らすと、自分と大して年の変わらない(と思われる)少年が二人、こっちを見ていた。
しばし、無言で対峙する3人。
案の定、最初に耐えられなくなったのはナルトだった。
「お前らそこで何してるんだってばよ!まさか、あの変な3人組の言うことを聞くつもりなのか!?」
「それはこっちが聞こうと思っていたことだ。お前は乗るつもりなのか?」
目の前にいた少年が逆に尋ねてきた。
堂々として落ち着いた雰囲気のその少年からは、殺気は感じられない。
「…俺は別にあんな奴らの言うことを聞くつもりはないってばよ」
「ではどうするつもりだ?」
畳み込むように質問してくる。
「ど、どうするって言われても…とりあえずは仲間を探して…シカマルって頭の良いヤツがいるから、そいつならあの3人を倒す良い方法が有るんじゃないかと」
「ハーデスを…あの3人を倒すつもりなんだな?」
少年はナルトの方へ近づく。
その迫力に押され、逆に一歩下がるナルト。
「あ、あぁ。サクラちゃんまで巻き込みやがって、許せねーってばよ」
「……そうか。ならば共に行こう」
「…へ? あ、あぁ。お前も、あいつらを倒すつもりなんだよな?」
「俺一人ではハーデスを相手にしてる間に他の二人にやられる可能性がある。仲間は多いほうが良い」
答えになってるのかなってないのか、少年はそんな答えを返した。
そして少年は、もう一人の少年の方を振り返った。
「お前はどうするつもりなんだ?」

133 :15少年2/3 ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/20(水) 10:49:43 ID:???


跡部は置いてけぼりを食らったような気がしていた。
一輝は突然現われた金髪の少年と短い会話を交わすと、同行を申し出たのだ。
(俺様を無視して後から現われたヤツと話し込むとはな…!)
多少ムカついたが、金髪少年の情報を得るためにも様子見が肝心だと判断し、口を出さなかった。
「お前はどうするつもりなんだ?」
ふいに一輝が振り返り、そう問いかけてきた。
予定では、とりあえず情報と武器を手に入れてから今後の行動を決めるつもりだったが…
「てめぇが勝手に話を進めたのは気にいらねぇ。気にいらねぇが、だからどうするってワケでもねぇしな…」
「ハーデスを倒すつもりがないならそれでも構わん。ただし、俺と敵対すると言うなら話は別だ」
「……敵になるなら容赦しねぇってか?」
正直言って勝てる気がしない。
この一輝という男は、明らかに殺し合いの経験がある…!
この男と比べたら、自分は所詮ちょっとテニスが上手いだけの学生にすぎない。
「…わかった。とりあえずてめぇらに同行しよう。いろいろ情報が欲しいんでな」
「別に良いってばよ、なぁ?」
「……まぁ、いいだろう」
こうして3人はそれぞれに名を名乗ると、街の中へと消えていった。
ただし彼らの目的はバラバラ。いつまで一緒にいることやら…

134 :15少年 ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/20(水) 10:50:44 ID:???
【福岡県(都心部外れ)/黎明〜早朝】

【跡部景吾@テニスの王子様】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】荷物一式(少量の水を消費済み)、アバンのしるし@ダイの大冒険
【思考】1.情報交換
     2.身を守る武器を手に入れる
     3.乾と越前を捜す

【一輝@聖闘士星矢】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式(支給品は不明だが、本人は確認済み)
【思考】1.情報交換
    2.ハーデスを倒す

【うずまきナルト@NARUTO】
【状態】健康 ただし空腹
【装備】無し
【道具】支給品一式(1日分の食料と水を消費済み)
     ゴールドフェザー&シルバーフェザー(各5本ずつ)@ダイの大冒険
【思考】1.情報交換。そして可能なら食欲を満たす
     2.サクラ、シカマルを探す
     3.主催者をやっつける

135 :吸血姫AYA補足:2005/07/20(水) 12:43:37 ID:???
>>120の状態表に、以下を補足します。

「なお、バギーの所持していたマシンガン、その他支給品一式は、その場に放置してあります」

136 :マロン名無しさん:2005/07/20(水) 17:32:45 ID:???
あの投票、マーダー(悪役)っつうより、「敵役」で投票したからなあ。
日向とか、進とか、むしろゴレンジャーよりな奴が敵役枠で一杯出てる。まあ、それはいいんだ。

それより、ちょいと修正要望が細かくなりすぎじゃないかなあ……もちっと広い目を持っても良いんじゃないかとは思う

137 :罪人(修正):2005/07/20(水) 22:33:02 ID:???
[自分に対して与えられた支給品を手に取り〜]から[ブラウン管には信じられない光景が映された。]までの文と、最終確認表示文を修正。


自分に対して与えられた二つの支給品…
一本のビデオテープと――自分の世界では全く見た事の無い謎の構造をしていて謎の動力で動く、折りたたみ式のテレビのような物を無人の民家の中で並べて細かくチェックしながらどうしたものかと考える。
これらは完全にセット扱いの物のようで、テレビを付けてチャンネルを変えてみても…一切何の番組も映らない。砂嵐が耳障りなだけ。
このビデオを見るためだけの用途にしか使えないようだ。
何かの突破口になるかも…との淡い期待と好奇心から、テープを入れる場所と見て取れる所にそれを差し入れる。

―機械音を響かせて中へとテープが飲み込まれたのを確認すると、再生ボタンらしき物へと手を伸ばす――。

振り降ろす――振り降ろす――

―画面には、信じられない光景が映された。

138 :罪人(修正):2005/07/20(水) 22:34:24 ID:???
(最終確認文修正版)
【大阪府/早朝】

【野上冴子@CITY HUNTER】
[状態]人間に絶望(難しいが説得は一応可能?)
[装備]毒牙の鎖@ダイの大冒険(一かすりしただけでも死に至る猛毒が回るアクセサリー型武器)
[持ち物]:支給品一式
:食料二人分
[思考]人間を全て殺す。
【リン@北斗の拳 死亡確認】(食料類と毒牙の鎖以外のリンの荷物はその場に放置)
[黒の章@幽遊白書]は住宅街の民家の中で[霊界TV@幽遊白書]からずっと放映中。音も垂れ流しです。
【残り113人】

139 :夜明け前:2005/07/21(木) 01:47:12 ID:???
「現在地はここ……です」
 月明かりの中、西野は地図の中心からこころもち北西寄りの地点を指差した。リサリサは外国人、マァムに至っては国どころか世界が違う。ミニ日本という舞台を把握できるのは西野だけだ。
「さっきの場所からして、道路や特徴のある建物はそのままになっているんだと思います」
「移動する人が通りそうな場所は?」
「ここから北上するか南下するか、です。中心部は山の中ですから」
「北と南ではどちらが?」
「多分南です。街道がこう通って……ここに大きな街があります」
 西野がここ、と指した地点は名古屋。リサリサはしばらく考える素振りを見せ、マァムの方を見て言った。
「会えるのが敵か味方かはわからないけれど、どうする?」
「危険は危険だけどあの三人の部下以外にやる気の人がそんなに多いとは思えないし、ダイやポップと合流できるなら早い方が」
「じゃあ、南ね。道路につかず離れず山の中を行った方が無難かしら」
 冷静にリサリサが言うとマァムは肯き、そして言った。
「西野さんはどうするの?」
「……え?」
「このゲームは多分、動かないでいる方が安全だと思うの。西野さんは普通の人みたいだから、どこかこの辺りで待っててもらってもいいと思うんだけど」
「はっきり言えば、あなたを護る余裕はないということよ。支給品が武器ならともかく、それではね」
 西野の前に置かれた支給品は三味線糸だ。リサリサのそれは微弱な護りの力を持つという首飾りで、彼女の首に掛かっている。三人の中で唯一武器と言える節棍はマァムの物だった。

140 :マロン名無しさん:2005/07/21(木) 01:47:58 ID:???
 それでも、と西野は言った。
「――それでも構いません。私、ただ待ってるよりなにかしたい。友達に――会いたい」
「それじゃこれは、西野さんが使って。それなら武器もあるんだからいいでしょう?」
 西野に節棍を差し出し、リサリサの方を向いてマァムは言った。
「私は素手格闘が専門だから、いざという時には結局使えないから」
 笑うマァムにリサリサもまた笑んだ。優雅な仕草で首飾りの留め金を外してマァムに差し出す。
「では、これはあなたに。元々あなた達のものの様だし」 そして西野の前の三味線糸を手に取った。「私にはこれを頂戴」
「え……、でも」
「人には向き不向きがあるの。私にはこれの方が使いやすい」
 糸を手にして淡々と、リサリサは言った。
「それより、早く出発しましょう」


 ――それが数時間前の事。
 西野は一本の棍にした天候棒(クリマ・タクト)を杖替わりにして道路から少し外れた山道を歩いていた。少し離れた前方にはマァム、後方にはリサリサ。空は白み始めている。
 護れない、護る気はないとリサリサは言ったが、西野が中央に配された理由は明らかだった。もっとも、前方・後方に配されたところで誰か他人の気配に気付く事が出来るかといえばそれも無理だと思われたが。
 もう一人いればバディを組めるのだけれど、と言ったリサリサの言葉の意味も西野にはわからなかった(マァムもわかっていないようだったが、そもそも世界が違うのだから仕方ないだろう)。
 けっして平坦とは言えない山道を歩き続けて、マァムもリサリサも特に疲れを見せてはいない。
 足手まといなのだ。
 マァムとリサリサで行動した方がはるかに効率が良いのは明らかで、二人ともそれを認識している事もまた明らかだった。しかし二人は西野の意思を尊重して行動をともにしてくれている。
 ならばせめて、努力するしかない。
 決意を新たに顔を上げた西野の前で、マァムが歩を止めた。厳しい表情で二人を促す。極力音を立てない様にして近づくと、マァムはその表情のまま一点を指差した。
 月でも星でもない光の中に浮かび上がる、こんもりと積み重なった木の葉。その間から覗くのは――人の足。

141 :夜明け前:2005/07/21(木) 01:48:53 ID:???
 きりり、と音がしてそちらを向くと、ずっと手にしていたのかリサリサが西野の支給品だった三味線糸を、古い時代劇そのままに口で引き出すところだった。その表情はやはり険しい。
「――血の臭いはしないけど……」
 マァムが小さく呟くと、リサリサも小さく、それに応えた。
「罠ということも考えるべきね」
 西野もざっと辺りを見渡す。特になにかがあった気配はない。強いていうなら、周囲の落ち葉をそこにかき集めた痕があるばかりだ。
 ――とその時、三人の視線の中で木の葉の山が、その中の人が動いた。少しだけ山が崩れて、足だけでなく肩から上も姿を現す。短い黒髪の、若い男性?……の頭の下にあるのは、デイパックだろうか。
 そして同時に聞こえた、寝言のような声は。
「「「…………」」」

「……まさか、ただ寝てるだけ、なんてことは、……ないですよね……?」
 三人は知らない。
 ――それが正解である事を。

142 :夜明け前:2005/07/21(木) 01:49:42 ID:???
【岐阜県・山中/黎明〜早朝】

【マァム@ダイの大冒険】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式、アバンのしるし@ダイの大冒険
 [思考]:1 目の前の誰かへの対応に迷ってます
     2 名古屋へ移動中
     3 協力者との合流(ダイ、ポップ優先)

【西野つかさ@いちご100%】
 [状態]:軽疲労(少し休めば回復する程度)
 [装備]:クリマ・タクト@ONE PIECE
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1 目の前の誰かへの対応に迷ってます
     2 名古屋へ移動中
     3 協力者との合流(真中、東城、北大路優先)

【リサリサ(エリザベス・ジョースター)@ジョジョの奇妙な冒険】
 [状態]:健康
 [装備]:三味線糸
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1 目の前の誰かへの対応に迷ってます
     2 名古屋へ移動中
     3 協力者との合流

【流川楓@SLAM DUNK】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式、支給品不明
 [思考]:寝てます

143 :決意 ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/21(木) 13:00:07 ID:???
星空の下、一人の少年が一心に拳を振るっていた。
北九州の市街地、ビルの屋上で拳を振るう少年の名は若島津健。
サッカーのユニフォームから覗く彼の肌は上気し、湯気が立っている。
小一時間ほど仮想の敵を相手に突きや蹴りの練習をしていた若島津は、大きく息を吐いて腰を下ろした。
空を仰ぐと、既に星が見えなくなり始めている。
「そろそろ夜明けか」
そう呟き、水を一口飲んだ。
「…キャプテンや翼たちはどうしてるだろう」

若島津が飛ばされたのは、今いるビルのロビーだった。
しばらくロビーを調べたが、めぼしい物は何もない。
1階から順番に調べていき屋上まで調べたが結果は同じ。
恐らくどの建物もそうなのだろうと判断して物資の調達を諦めた。
そこで空手の鍛錬を始めたというわけだ。
もちろん若島津はこんなゲームに乗るつもりはない。
ただ、鍛錬を怠りたくなかっただけである。
「(さて…これからどうするかな)」
武器はベアークローが一組。
空手を使う若島津にはそこそこ扱いやすい武器だろうが、火力不足でもある。
銃火器を持った相手に襲われた場合、真っ向から相手をするのは難しいだろう。
若島津は荷物をまとめながら、試しにベアークローをつけてみた。
そして、何度か正拳突きをしてみる。
「(…あまり違和感は無いな。これならなんとか戦えそうだ)」
その時、階下へと通じるドアが開いた。
そして一人の青年が、なにやら呟きながら入ってきた。
青年の手には、明らかに銃と思われるものが握られている。
「…そうとも、僕は絶対に優勝してみるさ…いつも迷惑をかけてくれる先輩だってこの手で…」
どうやら、まだこちらには気づいていないようだ。
若島津は相手を刺激しないように、相手は年上らしいので丁寧に声をかけた…のだが。

144 :決意 ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/21(木) 13:00:45 ID:???
「すいません、そこの人」
「…ッ! …なんだ、子供か。子供なら何の問題もなく倒せ……」
青年はまたしてもブツブツ呟いていたが、その視線が若島津の手で止まった。
正確には、ベアークローで。
若島津もそれに気づき、慌ててベアークローを外そうとするが上手くいかない。
「ま、待ってください。俺は別に…くそっ外れない…」
「そんな凶器をつけて…警官である僕を襲うつもりだったのか!まったく最近の子供は……親のしつけが……足り

ないんじゃないですかね…!」
青年はゆらりと銃を持ち上げると、銃を構える。実に見事な構えだ。
だが、そんなものに見惚れている余裕は無い。
危険を感じた若島津が横っ飛びにその場から離れると同時に、一瞬前まで若島津がいた場所を弾丸が突き抜け

ていった。
「ちょっと待ってください!俺は戦うつもりは…!」
「外しただって!?この僕が!…まぁ、こんなゲームは初めてだから手元が狂ったのさ。次はきっと…」
もはや青年は(初めからかもしれないが)若島津の話を聞いていない。
若島津は貯水タンク(ちなみに空だ)の陰に隠れ、ライフルの照準から逃れる。
「(クソ…どうする。あの男は完全にゲームに乗ってやがる!しかもあの堂に入った構え…銃の扱いに慣れてるのか

もしれない)」
荷物は青年のすぐ側にある。
取り返すには、青年があの場から動かなければならない。
「(これを使って誘い出すか…)」
若島津はさらに貯水タンクの後ろに回って左手のベアクローを外すと、元いた方へそれを投げた。
と同時に、反対側から飛び出す。
ベアクローの立てた音に注意が向いてくれれば、隙を突いて荷物を奪い、逃げられると読んでの行動だ。
しかし――
「残念でした!先輩だってそんな手には引っかかりませんよ!ましてこの僕はね…」
狙いを定められてしまう若島津。
「さぁ…僕が優勝するための礎になってもらいますよ……」

145 :決意 ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/21(木) 13:01:48 ID:???
「(こうなったら…!)」
青年の指が引き金にかかるのを見て、若島津は一か八かの賭けに出た。
「きええええええっ!!」
『出たっ!若島津くんの三角飛び〜〜〜!!』
若島津は貯水タンク目掛けてジャンプする。
意表を突かれた青年は急いで狙いを定めようとするが、狙撃用のライフルでは近距離の素早く動く相手を正確に

狙うのは難しかった。
さらに貯水タンクを蹴り、青年の方へ高く舞い上がる若島津。
青年の撃った弾丸は若島津の腕をかすめて闇の中へ消えて行く。
若島津はそのまま青年へ飛び掛り、顔面目掛けて右手で突きを繰り出した。しかし、
「(…っ!)」
手にはベアークローがついている。
若島津は、このまま殴れば殺してしまうと無意識に判断して突きをそらした。
結果、ベアークローは青年の左肩をえぐるにとどまった。
「うあぁぁぁぁああっ!!か、肩がぁっ!」
青年はその場に倒れこみ、左肩を押さえて呻いている。
「(何を外しているんだ…向こうは俺を殺そうとしてるんだぞ!)」
トドメを刺すべきか迷う若島津。
しかし、肩を押さえて転がっている(今は)無抵抗な青年を一方的に攻撃するのはためらわれた。
「…こ、この僕に怪我を負わせて……ぐぅっ…ただの子供が…」
青年は呻きながらもスナイパーライフルに手を伸ばす。
「(クソッ、もう起き上がるぞ。早くトドメを…いや、だが……)」
今まで『人を殺す』ことを想定していなかったため、急には決心ができない。
迷っている間に、青年はスナイパーライフルを掴み、身を起こしつつある。
若島津は仕方なく、荷物を拾うと階下へと通じるドアを開けて、階段を駆け下りて行った。

市街地の外の森まで一気に駆け抜け、ようやく足を止める。
「次は…誰かの命を奪おうとするヤツには躊躇せず拳を打ち込む!…打ち込んでみせる!」
決意と共に空を見上げると、空はだいぶ明るみを増していた。

146 :決意(終) ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/21(木) 13:02:22 ID:???
【福岡県(森)/早朝】
【若島津健@キャプテン翼】
 [状態]:健康
 [装備]:ベアークロー(片方)@キン肉マン
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.中国地方へ移動 2.日向や翼、石崎と合流
 [備考]:(自分や他人を守るためなら)人を殺す覚悟はできた

【福岡県(市街地・ビルの屋上)/早朝】
【中川圭一@こち亀】
 [状態]:左肩を負傷  精神不安定
 [装備]:スナイパーライフル(残弾18発)
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.怪我が痛い 2.優勝する

[ベアークロー(片方)はビルの屋上に放置。中川は、何かが落ちていることには気づいています。
 福岡の市街地に銃声が2発響きました]

147 :決意 ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/21(木) 13:10:47 ID:???
決意の2番目を修正

「すいません、そこの人」
「…ッ! …なんだ、子供か。子供なら何の問題もなく倒せ……」
青年はまたしてもブツブツ呟いていたが、その視線が若島津の手で止まった。
正確には、ベアークローで。
若島津もそれに気づき、慌ててベアークローを外そうとするが上手くいかない。
「ま、待ってください。俺は別に…くそっ外れない…」
「そんな凶器をつけて…警官である僕を襲うつもりだったのか!まったく最近の子供は……親のしつけが……足りないんじゃないですかね…!」
青年はゆらりと銃を持ち上げると、銃を構える。実に見事な構えだ。
だが、そんなものに見惚れている余裕は無い。
危険を感じた若島津が横っ飛びにその場から離れると同時に、一瞬前まで若島津がいた場所を弾丸が突き抜けていった。
「ちょっと待ってください!俺は戦うつもりは…!」
「外しただって!?この僕が!…まぁ、こんなゲームは初めてだから手元が狂ったのさ。次はきっと…」
もはや青年は(初めからかもしれないが)若島津の話を聞いていない。
若島津は貯水タンク(ちなみに空だ)の陰に隠れ、ライフルの照準から逃れる。
「(クソ…どうする。あの男は完全にゲームに乗ってやがる!しかもあの堂に入った構え…銃の扱いに慣れてるのかもしれない)」
荷物は青年のすぐ側にある。
取り返すには、青年があの場から動かなければならない。
「(これを使って誘い出すか…)」
若島津はさらに貯水タンクの後ろに回って左手のベアクローを外すと、元いた方へそれを投げた。
と同時に、反対側から飛び出す。
ベアクローの立てた音に注意が向いてくれれば、隙を突いて荷物を奪い、逃げられると読んでの行動だ。
しかし――
「残念でした!先輩だってそんな手には引っかかりませんよ!ましてこの僕はね…」
狙いを定められてしまう若島津。
「さぁ…僕が優勝するための礎になってもらいますよ……」

148 :決意 ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/21(木) 13:11:53 ID:???
決意の3番目、最初〜正確に狙うのは難しかった。までを修正

「(こうなったら…!)」
青年の指が引き金にかかるのを見て、若島津は一か八かの賭けに出た。
「きええええええっ!!」
『出たっ!若島津くんの三角飛び〜〜〜!!』
若島津は貯水タンク目掛けてジャンプする。
意表を突かれた青年は急いで狙いを定めようとするが、狙撃用のライフルでは近距離の素早く動く相手を正確に狙うのは難しかった。

149 :似た者同士の行進:2005/07/21(木) 22:16:28 ID:???
「そうかそうか、ポップ君。じゃあそのおしゃぶりは趣味で身につけてる訳じゃないんだな?」

「当たり前だ!趣味であってたまるか!…それに君なんていいよ、ポップって呼び捨ててくれ」

ウソップとポップ。
二人は出会った後に初対面ながらも妙に意気投合し、洞窟から出て道路の歩行者通路を並んで歩いている。
「長くくわえている時間だけ、その本人の不思議な力を蓄える事の出来るアイテム、魔封環…か。貝(ダイアル)みたいなもんかな?」
「ダイアル?何だそれ?」
「え〜と、説明すれば長くなるが…ま、貝だ。不思議貝。」
「貝?意味わかんねぇよ…」

様々な情報交換や雑談をしながら、二人はある場所を探して歩いていた。
「チックショー、俺様の秘密兵器が全部無くなっちまってるんだもんなぁ…」
「秘密兵器?そんなに凄い武器を持ってたのか?」
「おお、よくぞ聞いてくれた。どんな困難をも解決する『ウソップ輪ゴーム』を筆頭に、武器にもなる様々な大工道具、俺様を最強たらしめる武器『パチンコ』とその弾の数々…全部奪われちまったのさ」

150 :似た者同士の行進:2005/07/21(木) 22:18:04 ID:???
「……秘密兵器、ねぇ。チウといい勝負するかもな」
「チウ?誰だ?そんなに強い奴なのか。そうかそうか!ガッハッハ!」
「…皮肉なんだよ…気付けよ…」

こんな異常な殺しあいの場所であるにも関わらず、この二人はまるで場違いな漫才をしているかのような雰囲気だ。
普段は気弱で臆病な面もあるポップとウソップも、どこか似た者同士な香りを放つお互いに気を許しあい笑顔を見せ合う。
「…で、言ってた物の有りそうな場所って、目星はついてるのか?」
「ん?ああ。この見た事も無い不思議な世界でも、俺たちの世界にもある必要不可欠な場所は有る」
「必要不可欠な場所?」
「…『家』だ。そこなら資材として使われているはずの手頃な釘や木材が手に入るはずだ。それらがあれば、武器も作れる」
「ふーん、成る程な。…でも、釘抜きもノコギリも無いだろ?どうするんだ?」
「…こうするのさ」
そう言うと、ウソップは懐からカプセルを取り出して中から一枚のカードを出して掲げると、咳払いを一つしてある言葉を唱える。
「ゲイン!」
…すると、そのカードはボワンと不思議な煙を吐いて一本の小さなナイフへと姿を変える。

151 :似た者同士の行進:2005/07/21(木) 22:21:20 ID:???
「エエッ!?何だそりゃ!?」
それは、二人は知りもしないがゴンとキルアの師匠『ビスケ』が二人の指導に使っていた物と同じ、小さな投げナイフ。
「こいつがあればてこの要領で釘も抜けるし、頑張れば木も加工できる」
「頑張れば…って…ま、そりゃそうだけどよ。何作る気なんだよ?」
「ふふふ、それは秘密だ。このウソップ様に不可能は無ぁ〜いッ!」
「…本当にチウといい勝負だな…」
ため息混じりにウソップを見るポップだが、その目は大切な仲間を見るような優しい目をしていた。
当のウソップは、様々な事を考えながら前を向いて笑顔で歩き続ける。
(こんな小さなナイフじゃ武器としてはあまり頼りにならない。長い棒の先に付けて槍にしてもいいし、もしゴムみたいな物があればパチンコだって作れる。
ゴム…か。…ルフィ、あいつもこの世界にいるんだよな。ロビンも。何とか合流できれば、あいつらならこの逆境も何とかしてくれそうだ。
…道化のバギーって聞いた事あるが、確かルフィの敵で悪魔の実の能力者なんだよな。…おっかねぇ)

152 :似た者同士の行進:2005/07/21(木) 22:23:59 ID:???
「…どうした?ウソップ。考え事か?」
「ん?あ、いやいや、何でもねぇ。それより、さっき言ってたフレイザードって化け物…そんなにやばい奴なのか?」
「…一度は倒した敵なんだけどな。嫌な予感がする。やっかいな事になる前に、もう一度しっかりあの世に送った方がいい」
「あの世に…って、おいおい、物騒な話だな」

ポップは苦笑いを返す。
それは以前、師匠のマトリフが言ったある言葉を思い出したからだ。

『フレイザードって奴、ありゃあいい線行ってただろ?レベルが低くて助かったのさ』

…自分の使える極大消滅呪文とある意味同じ発想で作られた魔法生物。
もし万が一、奴がこの世界で様々な経験を積んでレベルアップしたとしたら…。

小さな不安を抱えつつ、ポップは先を行くウソップの元へと早足で追いかけた――。

153 :似た者同士の行進:2005/07/21(木) 22:26:14 ID:???
【鹿児島県/早朝】

【ウソップ@ONE PIECE】
[状態]普通
[装備]:賢者のアクアマリン@HUNTER×HUNTER
:投げナイフ@HUNTER×HUNTER
[道具]:荷物一式
:死者への往復葉書@HUNTER×HUNTER
[思考]:アイテムを信じて心強い仲間を探す
:家(出来れば木造)を探して、ウソップ工場フル回転

【ポップ@ダイの大冒険】
[状態]普通
[装備]:魔封環@幽遊白書
[道具]:荷物一式
[思考]:ウソップに付いていく
:フレイザードを早めに倒す

154 :マロン名無しさん:2005/07/22(金) 01:13:50 ID:???
>>まとめ氏
いつもありtがd!
まとめサイトあると読み返すときすっごく便利なので感謝してます。

>>夜明け前
西野がいい感じ。原作でもかなり好きなキャラなのでがんばって欲しい。
リサリサもマァムもいい人だし、西野は他のいちごキャラと比べるとかなり
運がいいな。東城なんて吸血鬼化しちゃったしw
リサリサの仕事人チックな三味線技に期待。

>>決意
自分も若島津よく知らなかった。どうもSGGKの代役なイメージが強くて…
でもこれ読むとなかなかかっこよくて応援したくなった。
南下してパピ・ヒソカ組や更木・志々雄組と出会わないことを祈る。
後、突然の実況笑った。

>>似た者同士の行進
話の流れのキーになる可能性を持つコンビだな。
ポップには是非、フレイザードと出会って欲しいけど北端と南端か…
難しいかな。ウソップの発明は楽しみ。
原作の状況がアレなウソップとロビンの出会いも見てみたい。


155 :マロン名無しさん:2005/07/22(金) 09:50:12 ID:???
感想はここじゃないよ。
探せばあるはずなのでそっちにGO。

156 :マロン名無しさん:2005/07/22(金) 12:49:59 ID:CgCSE/+v
さぁて、ageようかい!

157 :マロン名無しさん:2005/07/22(金) 13:01:49 ID:???
ageんな

158 :少年(15) ◆z.M0DbQt/Q :2005/07/23(土) 10:56:52 ID:???
東の空がうっすらと明るくなり始める。
じわりと上昇する気温に、跡部、一輝、ナルトの3人はそれぞれに元いた世界の夏を思い出していた。
福岡県の市街地。
食料品や水を期待して入り込んだスーパーマーケットには、予想通りと言うべきか、そういった類の物は
一切見当たらない。
冷蔵庫の中も食料品棚も全てカラ。
奥の事務所にあったパソコンも当然のように動かず、跡部の舌打ちが強くなっただけだった。
それぞれに――――主に跡部とナルトが――――数10分をかけ店内を探し回り、何となく役に立ちそうな
日用品を集める。
フォークが10本。
小さなソーイングセット。
ノートとペン。
ロープ2本。
半透明のゴミ袋10枚入りが2パック。
以上が彼らの収穫である。
一輝は「聖闘士に武器はいらない。これはもはや常識!」と言って受け取りを拒否したので、それらは跡部
とナルトで振り分けることになった。


とりあえずの行動を終えた三人が店内の片隅で情報を交換し始めてから、そろそろ1時間が経とうとしている。
互いの世界のこと。
自分の知っている現状況。
知り合い達のこと。
そんな会話の中で偶然にも同じ年であったことが発覚した3人には、奇妙な連帯感が生まれ始めていた。
険しい瞳で二人を見つめる跡部に、ナルトは力を求めて里を抜けた仲間を思い出し。
とても15歳には見えない風格の一輝に、跡部は自分と唯一無二の試合を繰り広げた青学の部長を思い出し。
騒がしいくせに真っ直ぐなナルトに、一輝は腹違いの弟でもあるペガサスの聖闘士を思い出し。
それぞれがそれぞれに――――自分の知っている人物の面影を見つけていた。



159 :少年(15) ◆z.M0DbQt/Q :2005/07/23(土) 10:58:11 ID:???
「主催者の1人……ハーデスとかいうヤツのこと、知ってんのか?」
跡部にそう尋ねられ、一輝は「うむ」と頷く。
「アイツは冥界の王、ハーデスだ。アテナの勝利の女神(ニケ)を受け消滅したものだと思っていたが……」
そこで言葉を切り、一輝は険しかった表情をさらに険しくする。
相当に激しかったであろうその戦いを思い出しているのか、一輝の眉間には濃い皺ができていた。
(チッ…想像の域を超えているな)
そんな一輝の様子を眺め、跡部は考える。
地上を護る女神アテナと冥王ハーデスの戦い。
アテナを護る為に存在する、聖闘士と呼ばれる戦士。
そのどれもこれも、跡部の想像できる範囲を飛び越えている。
まだナルトの言う「忍者」の方が想像しやすいくらいだ。
……これから先……これ以上に自分の想像を超えた出来事が起こるのだろうか。
その時、果たして自分は冷静さを保っていられるのだろうか。
不安を吹き飛ばすように舌打ちをし、跡部は再び口を開いた。
「……単刀直入に聞く。テメェはあいつを倒せるのか?」
――――あの、絶望的に強大な力を持った主催者の一人を本当に倒せるのか。
挑むような跡部の視線を、一輝は真っ向から受け止め頷き返す。
「倒す。俺はアテナの聖闘士だ。あいつを倒すのは俺たち聖闘士の使命なのだ」
はっきりと言い切った一輝の言葉に迷いは感じられず、跡部は一輝が本気でハーデスの打倒を考えているのだ
と確信した。
「使命か……」
一応、普通の中学生である自分にはあまり縁がない言葉である。
同じ年のこの男が何の迷いもなくそれを遂行しようとしている事実に、跡部も自分に言い聞かせる。
(俺様も腹括るしかねぇな。これからどうするにしろ……やられたらやり返す覚悟を決めるしかねぇ)
ゲームに乗っている人間がいるのかはわからない。
だがこの状況では、いると仮定すべきだろう。
もしゲームに乗ったヤツに出くわした場合……まだ死にたくない以上、襲われたらやり返すしかない。
軽く舌打ちをしたところで、跡部は自分の横でなにやらガザゴソ音がしていることに気が付いた。
隣を見ると、ナルトがなにやら背を向けている。

160 :少年(15) ◆z.M0DbQt/Q :2005/07/23(土) 10:59:22 ID:???
……てめぇ、ナルト!なに勝手に人の持ち物あさってやがる!」
「俺ってば、飯食おうと思ったときにここに連れてこられたからハラ減ってるんだってばよ……」
「知るか。勝手に餓えてろ」
ナルトの訴えをあっさり切り捨てて荷物を取り返し、跡部は一輝に視線を戻す。
憤慨したナルトが騒ぐが、当然無視だ。
「どうやって倒すつもりなんだよ?」
「聖闘士は武器は使わん。己のこの肉体が武器なのだ」
「跡部ってば性格悪いってばよ!」
「うるせぇ黙れ。……聖闘士か……」
ナルトをあしらいつつ、跡部は再び考える。
彼の話に出てきた他の聖闘士――――星矢、サガ、それに微妙だと注釈をつけられたが一応デスマスクという人物
も恐らくハーデス打倒に立ち上がると思われる。
聖闘士という人種がどれほどの力を持っているのかはわからないが、少なくとも自分のような一般人よりは戦いに
慣れていることはわかる。
この世界に招かれた聖闘士が全員集まれば、ハーデスをはじめとする主催者達を倒せるのだろうか。
「そういや、テメェら聖闘士はどうやってハーデス達の居場所を突き止めるつもりなんだ?」
「小宇宙を燃やして奇跡を起こす」
「……そうかよ」
(小宇宙ってのは何なんだ?人を探せるモノなのか?奇跡をそんな簡単に起こせるモノなのか?)
突っ込みたいところは沢山ある。
だが、きっぱりと断言した一輝にそれ以上質問する気をそがれた跡部は、聖闘士には自分には想像もできない何か
不思議な能力があるのだと無理矢理自分を納得させることにした。

「あ――――っ!!」

突然ナルトが大声を上げた。
一輝が素早く周囲を見回し異変がないことを確認する。
不覚にも体をビクリとさせてしまった跡部は、声の主をキッと睨み付けた。
「うるせぇんだよ、テメェは!一体なんだよ?!」
「一輝の武器、見せてもらってないってばよ!」
「…ああ…」
大声を出すほどのことではないが……確かに重要なことだ。

161 :少年(15) ◆z.M0DbQt/Q :2005/07/23(土) 11:00:14 ID:???
跡部の支給品は滴型のペンダント・アバンのしるし。
ナルトの支給品は金と銀の羽が5本ずつ。
どう考えても戦闘には不向きである。
行動を共にする以上、これで一輝の支給品が役立つモノでなかったら色々と考えなければならない。
二人から視線を向けられた一輝は、無言でカプセルを放り投げた。
「俺の支給品はこれだ」
現れたのは大きな手袋の様な物――――篭手とでも言うのだろうか。
(防具の一種か?)
形状から判断するとそう思えるが…。
「なんでも衝撃貝(インパクトダイアル)という物が仕込まれているらしい」
そう言いながら一輝は説明書を二人に示してみせる。
与えた衝撃を吸収し、自在に放出する貝殻を掌側に仕込まれた篭手。
その威力は、吸収した衝撃が強ければ人を死に至らしめるほどの物だと説明書には記載されている。
「……なるほどな。ようやく武器らしい物が出てきたってわけか」
一通り説明書を読み終えた跡部はニヤリと笑った。
この衝撃貝とやらが実際にどれ程の威力を持つのかは使用してみないとわからない。
だが少なくとも何もないよりはマシだろう。
後は自分の武器を手に入れることができれば……。
ひとまずの懸念材料がなくなり、跡部は支給された時計を確認した。
放送とやらの時間が迫ってきている。
「とりあえず、放送を聞いた後にここを移動するぞ」
跡部の言葉にナルトが応えようとした時――――。

――――――――ダァァ……ン…………

何かが破裂するような音が響き渡った。



162 :少年(15) ◆z.M0DbQt/Q :2005/07/23(土) 11:00:55 ID:???
「な、なんだってばよ?!」
「……近いな」
油断なく周囲を見回し、一輝が呟く。
程なくして二度目の音が響く。
「……銃か」
跡部の言葉に一輝は頷いてみせ、ナルトは不思議そうな顔をした。
「……行ってみるか?」
低く問いかけた跡部に、一輝とナルトは無言で了承する。
手早く荷物を片づけた3人は、慎重にスーパーマーケットを飛び出した。

時刻は間もなく、午前6時を迎えようとしている――――――――。



163 :少年(15) ◆z.M0DbQt/Q :2005/07/23(土) 11:04:42 ID:???

【福岡県(都心部外れ)/黎明〜早朝】

【跡部景吾@テニスの王子様】
【状態】健康、襲われたらやり返す覚悟を決めた
【装備】なし
【道具】荷物一式(少量の水を消費済み)、アバンのしるし@ダイの大冒険
    フォーク5本、ソーイングセット、ノートとペン、ロープ、半透明ゴミ袋10枚入り1パック
【思考】1.銃声のした方へ行ってみる
    2.身を守る武器を手に入れる
    3.乾と越前を捜す


【一輝@聖闘士星矢】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】荷物一式、衝撃貝(インパクトダイアル)の仕込まれた篭手@ワンピース
【思考】1.銃声のした方へ行ってみる
    2.ハーデスを倒す


【うずまきナルト@NARUTO】
【状態】健康 ただし空腹
【装備】無し
【道具】支給品一式(1日分の食料と水を消費済み)
    ゴールドフェザー&シルバーフェザー(各5本ずつ)@ダイの大冒険
    フォーク5本、ソーイングセット、ロープ、半透明ゴミ袋10枚入り1パック
【思考】1.銃声のした方へ行ってみる、可能なら空腹を満たす
    2.サクラ、シカマルを探す
    3.主催者をやっつける

164 :マロン名無しさん:2005/07/23(土) 15:17:57 ID:U9dgN0HV
さぁて、ageようかい!

165 :マロン名無しさん:2005/07/23(土) 20:50:21 ID:???
お い お ま い ら
CM流れまくってるが知らない奴は見ろ↓
http://www.nintendo.co.jp/ds/ajsj/index.html

ところで感想スレ消えてね?

166 :マロン名無しさん:2005/07/23(土) 22:03:04 ID:???
ジャンプ本誌で散々特集が組まれていたわけだが。

167 :マロン名無しさん:2005/07/23(土) 22:21:11 ID:???
俺が知らなかっただけだったのか・・・ orz

168 :虚無の夢:2005/07/24(日) 00:14:51 ID:???
忌み子、飛影。

氷河の国で生まれた呪われた凶児――


幼少時より魔界で敵となる相手をただひたすらに戦い、殺し、命を狩り続けて育った。

紆余曲折を経て人間界へと渡り――
そこでの様々な出会いによって、彼は少し変わった。
しかし――
本来、彼は生まれた時からすでに生きるか死ぬか、殺すか殺されるかのサバイバルに常に身を置いて生きてきたのだ。

言うなれば、このゲームの舞台はまるで自分の人生そのものを具現化したような物である。

『男の赤子…忌み子…!忌み子じゃ!』

以前はひたすらに血を…強さを、求めて生きてきた。
生きる目的があったから。

だが…今はもう無い。探し物も見つけた。故郷も見つけた。
だから――別にいつ死んでも構わない。
ただ――

『…今のお前はB級の中位妖怪にランクされている。…戸愚呂弟はB級の上位妖怪だ――』

『ただのケンカしようぜ。国なんかぬきでよ――』

浦飯幽助…。

『戸愚呂…幽助の本当の底力を見たいんだろ?てっとり早い方法を教えてやるよ…

――幽助の仲間を殺すことだな』

169 :虚無の夢:2005/07/24(日) 00:17:14 ID:???

…あいつと戦ってみたい。
心の底から本気で。

…本気のあいつと戦えるなら、この下らない生も…長らえる張り合いがある――


「……夢、か…」

桃との戦いの後、小さな森の中にある人けの無い小さな廃墟を見つけてそこで少しだけ睡眠を取っていた飛影は、もう何度目になるかわからない遠い昔の夢を見て目覚めた。
目を覚ますと、桃に付けられた顔の小さな傷にほんの少し痛みを覚える。

(…朝か…)
窓から朝日が射し込んできて、その光に目を細める。
まだ少し疲労が抜けてはいないが…飛影は立ち上がる。
下らない奴に邪魔をされる前に――目的を果たすため。
(幽助、簡単に死ぬなよ。…この俺と戦う前に死ぬなど、許さんぞ…!)

扉に手を掛ける。
扉を開けると、隙間から暗い内部と己の体が光に照らし出される。…が

(……!!?何だ!?)

突如、耳の奥から甲高い耳鳴りのような音が響く。

『…諸君、ご苦労。…爽やかな朝だ。よく眠れたかね?――』

――頭に直接響く言葉。
それは、忘れもしない…あの忌々しい主催者の男の一人、バーンの声であった――。

170 :虚無の夢:2005/07/24(日) 00:19:01 ID:???

【山形県/朝】

【飛影@幽遊白書】
[状態]少し疲労(眠気は収まった)
[装備]マルス@BLACK CAT
[道具]:荷物一式
:燐火円レキ刀@幽遊白書
[思考]幽助と決着を付ける、強いやつと戦う

171 :呪文:2005/07/24(日) 04:01:13 ID:???
“殺し合い”の場に放り込まれてから数時間。
緋村剣心は九州の山中を足早に歩き続けていた。
剣心の思考を占めるのは、自分の過去も現在も未来も受け入れてくれた、たった一人の少女のこと。
(薫殿……)
斎藤は強い。
彼はきっとこの状況でも迷い無く自分の信念を貫くだろう。
だが、彼女は。
「薫殿……」
早く見つけなければ。
彼女はしっかりしているし剣術の心得もある。
だが、この死合の場においてはそれもどこまで通用するかわからない。
なにより優しく勇敢な彼女のことだ。
力無き者が襲われているところに出くわすようなことがあれば、間違いなく自ら危険に飛び込むだろう。
そうなる前に早く、早く、見つけなければ。
いつもと違う刀の重心を意識の外に追いやり、剣心は足を早める。

――――先程から……何度と無く嫌な光景が脳裏を掠めている。

雪代縁との戦いで一度目の当たりにした――――薫の亡骸。
結局それは偽物だったのだが、あの時の衝撃は一生忘れないだろう。
ドクリと心臓が嫌な音を立て、汗が背中を伝う。
もし、もう一度あのようなことがあったら……自分で自分がどうなってしまうのか想像もできない。
――――否。
想像したくない、の間違いだ。
もし薫が誰かの手にかかるようなことがあれば、きっと自分は――――……。





172 :呪文:2005/07/24(日) 04:01:54 ID:???

「薫殿……」

無意識に名を呟く。
早く、早く。
自分の中の人斬りの血が動く前に、早く。

「薫殿……」

早く、早く。
自分が“人斬り抜刀斉”ではなく“緋村剣心”であることを確認するためにも、早く。

「薫殿……」

早く、早く。
自分が人を斬り……堕ちてしまう前に、早く。

「薫殿……」

要は、自分の為なのだとわかっている。
彼女の無事を祈る気持ちに偽りなどはないが、それと同時に自分の心の安定のためでもあるのだ。
彼女に会えさえすれば、きっと、この不安定な心の方向が定まるはずだ。

「薫殿……」

早く、早く――――会いたい。
揺れる心を誤魔化す呪文のように、剣心は呟き続ける。
愛しい、たった一人の少女の名を。




173 :呪文:2005/07/24(日) 04:02:50 ID:???
【鹿児島県と宮崎県の境/黎明】

【緋村剣心@るろうに剣心】
【状態】健康、精神はやや不安定
【装備】日本刀@るろうに剣心
【道具】荷物一式
【思考】1.薫、斉藤を探す
     2.人を切らない

174 :マロン名無しさん:2005/07/24(日) 07:24:42 ID:???
はいはいわろすわろす

175 : ◆GzTOgasiCM :2005/07/24(日) 12:03:35 ID:???
少し時間を遡って、星矢との戦闘前のことである。
「ホイミ」
男が小声で呟く。誰にも聞こえないように。
しかしその声は静寂な闇の中に溶け込み、何ももたらさずに消え去った。
「(…今一歩、というところか。呪文のイメージは既にある。後は繰り返すのみ)」
男は考える。戦闘後、魔法の儀式を行い、幾つかの契約を成功させた。
それでも魔法が成功しないとなると、それは本人自身の問題。
そしてその問題点も分かっている。呪文を発動させるイメージに問題があるのだ。
彼の元いた世界で魔法にあたる存在、鬼道。このイメージこそが最大の失敗の理由である。
例えばメラなどの火の呪文を唱えたとき、彼の脳裏に浮かぶのは破道の三十一 赤火砲や蒼火墜である。
「(私の中にある鬼道のイメージがどうにも邪魔だな…これでは集中力が高まらない)」
魔法は集中力が全て。アバンの書にはそう記されていた。しかし今の私はこの世界の呪文については余りにも無知。
無知ゆえに既存のイメージ、鬼道に結びつけてしまう。それ故に呪文本来のイメージを集中力で高めることが出来ない。
しかしそれでは未知の世界には踏み入れられないのは目に見えている。
「(鬼道ではなく、私が何も意識しないでも使用でき、尚且つ最も得意なものなら…)」

「(ここは…)」
藍染は意識を取り戻し、静かに面をあげるとそこには数人の男女が話し合っていた。
先程まで戦闘していた者たちと、見知らぬ者たち。
そうか、この者たちがキルア君たちの助太刀をしたのか。藍染は意識がはっきりしないながらも
冷静に推測をしていた。そして、自分が拘束されていることも。
「おい太公望よ、どうやら起きたみたいだぜ」
太公望たちは体を休めながら、情報交換をしていた。
自分の仲間でゲームに乗る者、乗らない者、太公望たちはゲームから脱出するために能力者を探していること、
ハーデスを倒すには自らの、アテナの血を浴びたペガサスの聖衣が必要なことを。両津勘吉は金にうるさい、等等。
そして…藍染が目覚めたのだった。
その場にいた全員がある一点に視線を集中させる。同時に流れる耐え難い緊張感。
誰もが沈黙し、その状況を享受していたが、一人の男によって沈黙は破られた。
「おぬしの名前は藍染惣右介。そうだな?」

176 : ◆GzTOgasiCM :2005/07/24(日) 12:04:24 ID:???
「そうだ。私は藍染惣右介。よかったら君の名前を教えてくれないか?」
太公望とは対照的に藍染の表情は自信と余裕で満ちている。曲りなりに戦闘で敗北を喫し、
その四肢を拘束され、場合によってはその命を奪われかねないこの状況下で。
「わしは太公望。おぬしに一つ聞きたい」
「何かな?」
太公望は厳しい顔つきのまま、藍染に質問を投げかける。藍染も余裕の表情を崩さない。
「何故石崎という男を殺した?」
「石崎…?あぁ、彼のことか」
ピクッ。石崎、その名を藍染が口にした瞬間、星矢は僅かながらに動揺した。
出来れば今すぐにもあの男を倒して石崎の仇を討ちたい。石崎の未来を奪ったあの男が許せない。
星矢の心の中で様々な葛藤が起こっていた。しかし星矢はそれを抑えると目の前のやりとりに視線を戻した。
「別に彼を殺すのが目的だった訳じゃない。私が彼に接触したのは彼の支給品に興味があっただけだからね」
藍染は淡々と語る。自らの行為にまるで非がないかのように。
「結局彼は私に支給品を譲る意思が無いようだったので鬼道、まぁつまりは軽く火を放って彼を脅したんだが
 思いの外、彼が脆弱でね。力を抜いた私の鬼道すら避け切れず、あんなことに」
藍染は話を続ける。
「残念なことをしたよ。彼を利用してそこの星矢君にも色々話を伺おうとしたのに。
 やはり蟻を殺さないように踏むのは無理だったようだ」
「………藍染!!!!」
その言葉を聞いて星矢の怒りが頂点に達した。人を人と思わないその口ぶりにどうしても我慢できなかったのだ。
激しい怒りを携え、静かに藍染に歩み寄るがその前を富樫が遮った。
「…許せねえのはお前だけじゃねえぜ。周りをみてみな」
星矢は言われた通り周りを見渡す。…皆険しい顔をしている。そしてその身から怒りの感情が迸っていた。
…特に太公望からは殺気とも思える怒りを感じ取れた。
「…ひとまずあいつに任せようぜ。なぁ」
「…分かったよ」
星矢は静かに頷くと元いた場所に戻った。
「…おぬしの目的はなんだ?」
「そうだな。平たく言えば、参加者の支給品とその能力だ。より高みを求めている私にとって
 このゲームはとても魅力的なのでね。」

177 : ◆GzTOgasiCM :2005/07/24(日) 12:06:13 ID:???
「……そんなことのために一人の命を奪ったのか」
太公望は藍染から妲己と同じ匂いを感じ取っていた。この男は妲己と同じだ
わしの一族、羌族を己が悦楽のために滅ぼした妲己と同じ。己以外の者は全て自分に利用される道具。
そういう考えの持つ男、太公望は藍染をそういう男だと悟った。
「…最後の質問だ。おぬしは脱出方法を知っているようだが、それを教えて欲しい」
「教えてもいいが、それには条件がある。君たちの支給品と能力を教えてくれないか?」
藍染は平然と言ってのける。まるで今の状況を異にしていないようだ。
「先程も言ったが、支給品とその能力の秘密を知りたいんだ。君たちのもね」
「断る」
太公望は即答する。藍染の目的は相手の情報、ならばそれを必要以上に与えるの危険だと判断したためである。
更に太公望はこの藍染の質問からある一つのことを導き出していた。
「どうやらおぬしが持つ脱出の術というのは、わしらには出来んことのようだのう」
「…失言だったようだ。太公望といったか?君を少々侮っていたようだ」
藍染はここにきて初めて表情を曇らせた。そして同時に一層場の緊張感が増した。
が、会話は続けられる。藍染は先程までの余裕のある話し方ではなくなっていた。
何より違うのは、その身から溢れ出る霊力と殺気。
「おい、太公望のやつ何言ってんだ?」
「私にもさっぱり分からないわ…」
後方で富樫と麗子はさっぱり訳が分からず呟く。
「つまり、藍染ってやつの脱出方法はあいつだけが行えて、他のやつじゃ使えないってことだよ」
見かねてキルアが答える。だが、富樫は更に問い詰める。
「なんであの質問だけでそんなことが分かるんだよ」
「あのなおっさん、この状況でさえあいつが俺たちより有利な立場にいられるのはなんでだと思う?
 脱出の方法を持ち合わせているからなんだよ。」
「いまいち分からねえぜ…」
「あー!!!もう!!!、つまりそれを俺たちに話したら、手放したのと同じ訳なんだよ。
 だから普通ならそれを話すわけ無いんだよ。だけど、それを餌にして情報を求めたってことは…」
「教えてもデメリットが無い。つまり私たちには無理で、彼にしか使えないってことね…」
「あぁ、そうなると俺たちは現状のままあいつに手出しできない。いや、現状より酷くなるね」

178 : ◆GzTOgasiCM :2005/07/24(日) 12:06:48 ID:???
あーなるほど、と富樫は手をポンッと打ち、納得した様子である。ちなみに麗子は富樫より先に理解していた。
…このような会話中にも関わらず星矢だけは今だ藍染を睨み付けていた。
「(さて…どうしたものか。この私を拘束しているロープは鬼道で焼き切れるが、それだけでは捕まってしまう。
  …ならばこの世界から脱出するのも一つの手だな。『大虚』どもを呼び寄せればいつでも脱出できる。
  この首輪も大虚が同族を助けるときに使う『反膜』の光に包まれれば何も問題ない)」
大虚。それは藍染達死神の天敵であり、恐るべし力を持つ化け物。彼らは一度、藍染一党を敵対する死神の世界、
尸魂界の空間ごと切り裂き侵入、藍染達を救った。
反膜。それは大虚が放つ藍染達に向けて放った光。あの光に包まれたが最後、光の内と外は干渉不可能な
完全に隔絶されたとなる。そう、反膜の光が降り注いだ瞬間からその者には最早触れることすら不可能になる。
「(しかし、この世界にはまだまだ魅力がある。それを考えると元の世界に帰るのは早計だな。
  …あの手を使ってみるか)」
藍染は意識を集中し、ある呪文のイメージを想像し出した。鬼道ではなく、最も己自身が得意とする
あれと似たような呪文を。
「藍染、おぬし何をはじめるつもりだ。この状況で逃げられると思ってか」
太公望は藍染から放たれる、今まで体験したことのないエネルギーを発しているのを感じ、問うた。
「逃げられるよ。この私と、これから唱える呪文さえあれば」
周辺一体が濃い霧に包まれだし、そして……呪文を唱えた。
「マヌーサ」

179 : ◆GzTOgasiCM :2005/07/24(日) 12:07:20 ID:???
「…逃げられてしまったのう」
太公望は一人呟く。あの呪文を唱えた直後、信じられないことに藍染が複数現われた。
気配も無く、突然現われた彼らに最初は動揺したものの、星矢が攻撃を加えたところ、それはフッと立ち消え、
それらがただの幻影だということが分かった。しかし時既に遅し。藍染はそのとき生じた僅かな隙を逃さず
逃亡したあとだった。……盤古幡と雪走りを持ち去って。
茫然自失といった表情である。太公望だけでなく、他の皆も。
ただ一人、星矢を除いて。
「…太公望さん、俺もう行くよ。あいつを追わなきゃ」
星矢は力強く言い切る。まるで藍染を追うことが己が使命かのように。
「そうね、今ならあの人も疲労しているだろうから、追うなら今のうちね」
「…麗子さん!?」
星矢は驚いた。はっきりいって、藍染は一人で追うつもりでいたのだ。
なぜと星矢が問うと
「言ったでしょ。私が手伝ってあげるって。それにあの人、なんだか怖そうだし
 星矢ちゃんだけじゃ危なっかしいしね。」
星矢は怖かった。また、あの男にこの女性が奪われてしまうのではないか、と。
だが…それ以上に星矢の心は温かくなった気がした。
「おぬしらあの男を追うのだな…ならばこの先に大阪という街がある。そうじゃな富樫?」
「あ、あぁ」
「ならば大阪の北東にある、この琵琶湖という湖にいくがよい。あやつはその身を休めながら
 街から水を求めてやってくる者たちを襲うつもりだろうからのう」
太公望は的確な助言を星矢たちに与える。星矢たちも素直に聞き入れる。
「ところで、キルアよ。おぬしはどうするつもりだ?」
「…おれはとりあえず琵琶湖まで星矢たちについて行こうと思ってるよ。
 もしかしたら俺の友達もそこに来るかもしれないしね」
キルアはひたすら自分の友達、ゴンの身を案じていた。
もしかしたら自分が戦ったような、藍染のような男と遭遇してはいないだろうか。
もしかしたらつけられてはいないだろうか。
もしかしたら……もう殺されているのではないだろうか。
そのような思いが脳裏を過ぎる。何も根拠は無いのだが、それだけに想像したくない状況ばかりが頭に浮かぶ。

180 : ◆GzTOgasiCM :2005/07/24(日) 12:15:09 ID:???
「そうか…わしらはこのまま四国へ渡るつもりだ。…おぬしらとはここでお別れだのう」
「「「「………」」」」
皆黙り込む。彼らは出会って間もないが、藍染という男を目の前に一緒に戦ったのだ。
少なからず仲間という認識をしていた。ゲームはまだはじまったばかりだが、
その短い間に様々なことがあった。その中で出会って間もないとはいえ仲間と別れるのはやはり不安なのだ。
「おぬしたちにひとつ頼みがある」
「分かってるよ。首輪を外せる人間と、この世界から脱出できる能力を持つ人間を探せばいいんだろ?」
太公望の頼みに、キルアは聞くまでも無く答える。
「そうなのだが、それともう一つ頼みたいことがあるのでな。」
「なんだよ?」
キルアは怪訝そうな顔で太公望を見る。
「出来れば、人間外の言語を理解できる者、喋れる者も探して欲しいのじゃ」
「…?」
言っている意味が分からない、といった表情を浮かべるキルア達。
ようするにあれか?猿でも捕まえてくればいいのか?と困惑気味のキルアを尻目に
「ぬわーっはっはっは、疑わずわしを信じて探すのじゃ。わしに間違いは無い〜〜〜〜」
…追求しても無駄だと悟り、とりあえず了承するキルア達。
そして…
「…では、行くか富樫よ」
「あぁ、さっさと能力者を探して、こんな糞ゲームからおさらばしようぜ」
こうして太公望と富樫はその場でキルア達と別れた。キルア達もすぐに琵琶湖へ向かうだろう。
行く場所は違えど、皆この世界から脱出を目的とする仲間。別々に行動していても
彼らが目的を同じとするならまた再会できる。そのような想いを携えて。

181 : ◆GzTOgasiCM :2005/07/24(日) 12:18:17 ID:???
「なぁ太公望よぉ」
「なんだ富樫」
星矢たちと別れてから数時間後、彼らは今、岡山港に停泊している四国行きのフェリーに乗船していた。
二人は席に腰掛け、今か今かと出発を待っているのである。
いざ仲間を求めて四国へ!と、意気揚々とこの船に乗り込んだのだ。が、
「いつになったらこの船は出発すんだ?もうとっくに始発便の時間は過ぎてるぜ」
「…グーグー」
「寝たふりしてんじゃねえよ」

            バ  キ  ッ  !!!

「嗚呼スープーよ…おぬしは今どこにいるのだ…おぬしの優しかったツッコミが懐かしいのう…」
「よく言うぜ。元はといえば、てめえのせいじゃねえか。俺は二人乗りのモーターボートで良いと言ったのに
 てめえが楽にゴージャスに行きたいっていうからフェリーにしたんじゃねえか」
…とりあえず一向に出航しそうにないフェリーを下船し、代わりにモーターボートなどを探したのだが、
見つからず。手漕ぎボートすら発見できなかった。

182 : ◆GzTOgasiCM :2005/07/24(日) 12:18:47 ID:???
「これじゃ海を渡るのは無理だぜ…どうする?あのでっけえ橋を渡るしかねえみたいだぜ」
だが、太公望はニヤニヤと、どこか意地悪そうな顔をして首を振った。
「ドアホめ、橋を渡るくらいならこの海を一直線に泳いだほうが早いわい!」
「マジかよ…確かにこの程度なら泳ぎきれるだろうがよ…どっかの誰かに狙撃でもされたらどうすんだ」
ごもっとも、と富樫の問いに太公望はうんうんと頷く。が、
「たーわーけー!!!それを言うなら一直線上で隠れ場が無く、見通しのいい橋の上のほうが危険だわい」
そういうと太公望はデイバックから地図を広げ、瀬戸内海を指した。
「見るがいい、この瀬戸内海という海域は、小島が多い。休憩しながら進めるし、何より攻撃を受けた場合、
 身を隠すことが出来る。分かったかこのあんぽんたんめ」
「…まぁそうだろうがよ、でも荷物はどうすんだ?どうしても濡れちまうぞ」
ごもっとも、と先程と同じ動作を繰り返す太公望。俺おちょくられているのか?とその動作を見て感じた富樫。
「そこらあたりから平べったい木材でも頂戴して、その上に荷物を載せ、後はその板をビート版の要領でやればいけるだろう
 まぁ、多少は濡れんように細工はするがのう。」
「…んじゃぁよ、敵じゃない奴が橋の上から俺たちを見つけて、声でも掛けてきたらどうするんだよ」
ごもっとも、という動作ではなく、今度は呆れた顔でフッとため息をつく太公望
「そんなもん、あちらに待ち合わせ場所でも決めてもらって、あとはその裏をかいて監視するなりなんなりできるわい。
 全くおぬしは馬鹿というか阿呆というか間抜けというk…っは!」
太公望が気づいた時には最早遅かった。富樫の表情には血管が数え切れないほど浮き出ていたのだ。
「待て、富樫。わしも少し言い過ぎたな。うん、おぬしもよく頑張って考えたほうだしな。だから…おちつけ」
馬の耳の念仏。怒り心頭の富樫に太公望の言葉は通じず。
「待て待て、話せば分かる…だから、い、命だけは……ギャーーーーー!!!」
合掌。


183 : ◆GzTOgasiCM :2005/07/24(日) 12:19:57 ID:???
「…フッ、なんとかなるものだな。初めて使用した割には上出来だった」
藍染は今、岡山の瀬戸大橋入り口付近を歩いている。太公望たちから逃れ、彼は琵琶湖に向かっているのだ。
体力は未だ低下したままだが、そんなことは藍染には関係なかった。
彼の目に映るのは、全ての頂点に立ち、天から全てを見下す自身の姿。
そのためにはこのゲームに支給されたアイテム、そして参加者の謎に満ちた能力が必要。
ならば奪えばいい。支給品も能力も。大丈夫、私なら出来るはずだ。
現に、この強力な武器、盤古幡と異世界の呪文を取得することが出来たのだ。
だが、実際には盤古幡は使い切れておらず、呪文のほうもようやくマヌーサが使えたに過ぎない。
盤古幡は未だ私に反逆の意を示し、マヌーサも自分の斬魄刀の能力、完全催眠と酷似したものだったので使えたのだ。
しかし、これは大いなる野望への第一歩。急ぐ必要は無い。いずれ全てを手に入れてみせる。
盤古幡に主と認めさせ、更なる上位呪文を会得する。これから出会う支給品と能力もこの手で。
そして藍染は目の前に一人の長髪の男がいることに気付く。ずいぶん妙な格好をしている。
だが、そんなことはどうでもいい。藍染は相手がどんな人間、例え殺意を持った人間であれ、同じ言葉を繰り返すのみ。
「君の支給品と能力を教えてくれないか?」

184 : ◆GzTOgasiCM :2005/07/24(日) 12:21:11 ID:???
【岡山県瀬戸大橋周辺/早朝】
【藍染惣右介@BLEACH】
 [状態]:わき腹負傷。骨一本にひび。多少の疲労。打撲数ヶ所。
 [装備]:刀「雪走り」@ONE PIECE
 [道具]:荷物一式(食料二人分)スーパー宝貝「盤古幡」@封神演技
 [思考]:出会った者の支給品を手に入れる。断れば殺害
     特にキメラの翼を求めている。
【岡山と兵庫の県境/早朝】
【キルア@HUNTER×HUNTER】
 [状態]:回復中。戦闘不可能。
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式 爆砕符×3@NARUTO
 [思考]:1 ゴンを探しに琵琶湖へ向かう 2 仲間を探す。
【星矢@聖闘士星矢】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1 琵琶湖へ向かう 2 麗子を守る 3 ハーデスを倒す
【秋本・カトリーヌ・麗子@こち亀】
 [状態]:健康
 [装備]:サブマシンガン
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1 琵琶湖へ向かう。

185 : ◆GzTOgasiCM :2005/07/24(日) 12:22:33 ID:???
【岡山県の港/早朝】
【太公望@封神演技】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式 宝貝『五光石』@封神演技 アバンの書@ダイの大冒険 支給品不明(本人確認済み
鼻栓(薬草でできた、超悪臭にも耐える優れもの)
 [思考]:四国に渡る
【富樫源次@魁!!男塾】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式 爆砕符×2(キルアから譲渡)鼻栓(薬草でできた、超悪臭にも耐える優れもの)
 [思考]:四国に渡る

藍染以外の共通思考:脱出に必要な人物を探す(首輪の除去とこの空間からの脱出が可能な人物)
              加えて人間外の言語を理解出来る者、喋れる者を探す。



186 :空条承太郎の見解:2005/07/25(月) 15:34:22 ID:???
「ジョジョくん、一体なにを捜しているんだい? 早く仲間を捜しに行こうよ!」
「ああ……悪いが少し待っていてくれ」
あくまで快活な口調で問いかける背後の大空翼に対し、空条承太郎は視線だけを向けて答えた。
新潟県南部の山中。二人が出会った場所からさほど離れていない場所にある、旅館の厨房に二人はいた。

収納棚をひとつひとつ物色しながら、承太郎は内心ひとりごちた。
(やれやれ……建物の内装に至るまで完璧に『日本のミニチュア』を作っておきながら、武器になりそうなもの
はさっぱり置いていやがらねえ。ちょっとは期待していたんだがな……まったくご丁寧なことだぜ)
清潔だが使い古された様子の食器類。「○○旅館」の文字がプリントされた手ぬぐい。目に付くのは妙に生活臭
を感じさせる、日用品の数々。棒や刃物の類は、この場からきれいに取り除かれているらしい。
スタンド使いである承太郎には、武器の有無はさして問題ではない。しかし翼に支給された『禁鞭』は明らかに
彼の手に余る代物だ。なにか代わりの武器を調達できればと考えてこの旅館に立ち寄ってみたのだが、この調子
ではどうやら空振りに終わりそうだ。
厨房を調べ終え、事務室に向かう。後ろから翼がついてくるのを確認しつつ、承太郎はこの『ゲーム』について
考えを巡らせた。

187 :空条承太郎の見解:2005/07/25(月) 15:35:02 ID:???
己の首に巻き付いている、鈍い光沢を放つ金属の環。
このくだらない茶番を企画した連中の鼻を明かしてやるためには、まずコイツをどうにかすることが必須条件だ。
承太郎のスタンド『スタープラチナ』の精密動作をもってすれば、首輪の中に仕込まれているという爆破装置を
解体することもそう難しいことではないだろう。
しかしそれは、爆破装置が『承太郎の知る世界の理』に沿って作られたモノならばの話だ。

承太郎はあの大広間で見た光景を思い出す。
わずかな運指のみで衝撃波を発し、口から光線を噴く禿頭の男―――確か『ナッパ』と呼ばれていたか。
『スタンド使い』とは異なる、承太郎の知る常識とは違った世界を生きる者が、このゲームにはたしかに存在している。
そしてナッパの攻撃を軽くいなしてみせた『フリーザ』という名の有角の怪人。百人からの人間(中には人間かどうか
怪しい輩もいたが)の首元に、瞬時にしてこの忌々しい金属の環を出現させてみせた『バーン』という老人。
首輪を介して『参加者』達の生殺与奪を握っているのも、得体の知れない力の持主達なのだ。
この首輪がいかなる法則のもとに成り立っているものか、それを見定めるまではヘタに手を出す訳にはいかない。
まずは『情報』を集めること。それが当面の目的となるだろう。

188 :空条承太郎の見解:2005/07/25(月) 15:36:42 ID:???
「待たせたな……じゃあ行くぜ」

承太郎が旅館内をあらかた調べ終えたのは一時間ほど後のことだった。収穫といえるのは何本かのボールペンのみ。
その半分を学ランのポケットに収めると、承太郎は残りを翼に差し出した。
「持っておけ。こんなものでも何かの役には立つ」
「ボールペン? なんだかよくわからないけどありがとう!」
屈託を感じさせない笑みを浮かべながら、翼はそれを受け取る。
「でも、行くってどこへ行くんだい?」
「東京だ。ちゃんとしたアテがあるわけじゃあないがな……おれ達が最初に集められたあの大広間にいた、
『竜の騎士』とか呼ばれていたガキを憶えているか?」

殺し合いを、してもらう―――あのバーンという老人にそう告げられたとき、誰よりも早くそれに反応し殴りかかった、
名も知らぬ黒髪の少年。
承太郎も翼も、自分達をこの異常なゲームに招き入れた者達のことを何一つ知らない。しかしあの『竜の騎士』という
少年は明らかにバーンと面識がある様子だった。彼からバーンに関する情報を得られれば、自分達を縛りつけている
この首輪を外すための突破口が開けるかもしれない。
それが承太郎の考えである。
「あのガキがどこにいるかは分からねえ。だが人が集まる可能性が高い場所といえば、都市だ。
あいつがおれ達と同じ世界の住人とは思えないが、人づてにでも『東京が日本で一番の都市だ』
と聞けば、東京を目指すかも知れねえ。あの状況、あのタイミングでバーンに殴りかかったって
ことは、あいつも『乗る気』は無いってことだからな……おそらく仲間を捜しているはずだ。」

189 :空条承太郎の見解:2005/07/25(月) 15:37:59 ID:???
そこでいったん話を止め、翼の反応を窺う承太郎。しかし返ってきた答は、どうにもズレたものだった。
「うん、あの男の子は凄い運動神経だったよね! 僕も彼が仲間になってくれたらと思っていたんだ!
彼ならきっと素晴らしい選手になれるよ!」
「……何だって?」
場違いなほど爽やかな笑みとともに発せられた、やはり場違いな翼の言葉に流石の承太郎も一瞬硬直してしまう。
「よし、これで目的地が決まったね! じゃあ一刻も早く東京に行こう!」
「いや、だから確証があるわけじゃあ……選手ってなんだ?」
承太郎の呆れた様子にも構わず、翼はすでに旅館の外へと駆け出していた。

「やれやれ……」
そう呟きながら承太郎は帽子を深く被り直す。
どうもこの青年の思考の中心には常にサッカーがあるらしい。この状況下で少々イカレてしまったのか、
それとも元からこういうヤツなのか。
どちらにしろ、彼が殺し合いに進んで加わるような人間でないことは確かだ。少々危なっかしいが、それでも
この状況で共に行動できる仲間がいるということは僥倖に違いない。
「どうしたんだいジョジョくん? さあ、早く行こう!」
承太郎を振り返り、翼が呼び掛ける。

「やれやれだぜ」
もう一度小さく呟くと、承太郎は翼の後を足早に歩きだした。

190 :空条承太郎の見解:2005/07/25(月) 15:39:17 ID:???
【新潟県南部/深夜】

【大空翼@キャプテン翼】
[状態]:健康(精神的にやや壊れ気味?)
[装備]:なし
[道具]:荷物一式、ボールペン数本、禁鞭@封神演義
[思考]:1 東京へ向かう 2 仲間を11人集める 3 主催者を倒す

【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:荷物一式、ボールペン数本、らっきょ@とっても!ラッキーマン
[思考]:1 バーンの情報を得るべくダイを捜す 2 東京へ向かう 3 主催者を倒す

191 :一時の別れと願う 1/3:2005/07/25(月) 22:07:56 ID:???
斗貴子は畳の上で剣を振り回していた。といってもその刀身は鞘に収められている。
小振りながらもそれなりの重量を持つこの剣なら、例え鞘から抜けなくとも鈍器として使用できる。
額に浮かんだ珠のような汗を服の袖で拭い、斗貴子は軽く息を吐く。
「剣の心得はあるようだが、得意という訳でもなさそうだな」
低く落ち着いた声が斗貴子にかけられた。
ケンシロウは目を閉じて瞑想していたと思いきや、しっかりと見ていたらしい。
「得意ではないが、素手よりはマシだからな。勘だけでも取り戻しておかないと」
「あれほど使えればたいていの者は太刀打ちできないさ」
「例え核鉄があったとしてもケンシロウには太刀打ちできそうにないと思う」
斗貴子の言葉にケンシロウは苦笑する。
核鉄の説明はすでに受けており、斗貴子の得意武器が非常に特殊な物だとは知っていた。
だがバルキリースカートの説明を受けた限り、自分でも対処できそうだとは思っていたのだ。
「叩いた拍子に鞘が壊れてくれればいいのに」
ぼやくように斗貴子は言った。
鞘越しに敵を叩くより、地上最強の切れ味の方が何倍も頼りになりそうだからだ。
「この鞘でその箱を叩いてみようか? 矛盾のように両方砕けるかもしれない」
「やめておいた方がいい、その剣からもこの箱からも不思議な力を感じる。
 無理矢理それを暴くのはよくないだろう」
言いながら、ケンシロウは脇に置いてある箱の表面を撫でた。
不死鳥らしき絵の彫られた大きな箱がケンシロウの支給品だった。
説明書には『フェニックスの聖衣』と書かれている。
この箱のどこが衣なのかと、ケンシロウも斗貴子も首を傾げていた。
普通に考えれば中にその衣が入っているのだろうが、明け口などどこにもない。
ダイの剣、フェニックスの聖衣、どちらも真の力を明かそうとしない困った支給品だった。

192 :一時の別れと願う 2/3:2005/07/25(月) 22:08:32 ID:???
「剣の勘はだいぶ取り戻せた。もう私を守る必要は無い、行きたい所へ行くといい」
斗貴子は水を一口だけ飲み、壁にもたれて座り込んだ。
情報交換を済ませた後、斗貴子はダイの剣を使いこなすため特訓を始めた。
しかしその間に生まれる隙、特訓にともなう疲労は致命的な問題だ。
そこでケンシロウは斗貴子を見守っていたのだ、リンを探しに行きたい心を抑えて。
時刻は3時を指していた、後3時間で放送が始まる。
放送を聞いてから動き出そうとも考えていたが、後3時間もじっとしているのはつらいものがあった。
「4時になったらここを出て行く。午後の6時になるか、君の友達や核鉄を見つけたらここに戻って来よう」
「私も名古屋に来る参加者の中から仲間になってくれそうな人を探し、リンという少女がいたら保護しておこう。
 それと――ゲームに乗っている奴に襲われた時、もしかしたら名古屋城にい続ける事はできないかもしれない。
 もし私がここにいなかったら東京に行ってくれ。東京タワーは知っているか? それを目印にしよう。
 東京タワーのすぐ南東の公園に寺があったはずだ。観光名所にもなっているが、
 すぐ側にもっと目立つタワーがあるから他の者が集まるとしたらそちらだろう」
テキパキと行動方針を決める少女に、ケンシロウは感心していた。
核の炎に世界が包まれる事の無かった、平和な世界で暮らす少女だというのに、
その平和を守るため錬金の戦士として戦っている。
数々の強敵(とも)に見た誇り高さ、力強さを感じられる。

そして4時を回り、東の空が白んできた。
ケンシロウは斗貴子に別れを告げ、名古屋城から下りる。
行き先も決めぬままケンシロウは歩き出した。手がかりなど何も無いのだから仕方ない。
その背にはフェニックスの聖衣が背負われている。ケンシロウの体力ならこの程度の荷物たいした邪魔にはならない。
(リン……)
あどけない笑顔を浮かべる少女を想い、ケンシロウは薄明るい空の下を歩く。

これが一時の別れと願う。名古屋城で無事再会できる事を願う、その時は探し人も共にいる事を願う。

193 :一時の別れと願う 3/3:2005/07/25(月) 22:09:36 ID:???
【早朝】
【愛知県、名古屋市内】
【ケンシロウ@北斗の拳】
 [状態]:健康
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式、フェニックスの聖衣@聖闘士星矢
 [思考]:1 リン、斗貴子の仲間、核鉄を探し出し、名古屋城へ戻る。
     2 1を達成できなくとも午後6時までにいったん名古屋城へ戻る。
     3 ダイという少年の情報を得る。
     4 名古屋城で合流不能の場合、東京タワー南東にある芝公園の寺へ行く。

【愛知県、名古屋城天守閣】
【津村斗貴子@武装錬金】
 [状態]:軽度の疲労(放送の頃にはほぼ全快する)
 [装備]:ダイの剣(鞘のまま)@ダイの大冒険
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1 名古屋城を拠点に名古屋へ来た信用できる者を仲間に誘う。
     2 午後6時まで名古屋城でケンシロウを待つ。
     3 ダイという少年の情報を得る。
     4 名古屋城で合流不能の場合、東京タワー南東にある芝公園の寺へ行く。

194 :遠い空の君へ:2005/07/27(水) 02:03:24 ID:???
「ボボンッ……!!」

「死ねえぃッ!!」

「チュラアァァアアッッ!!!!」

激しく拳の嵐が交錯する。
蟹座の黄金聖衣の加護を受けたボンチューは、今までの状況が嘘であったかのような勢いでピッコロと肉薄した速さの拳のラッシュを繰り出す。
――が。

「ふはははッ!雑魚のわりにはなかなか楽しませてくれたが、しょせんは雑魚!」
「クッ!!グアッッ!!」
やはり自力の差か、徐々に押され始めて拳は皮が剥けて血が飛び散り、ひるんだ瞬間に腹部にピッコロの重い蹴りを受けて後方に吹き飛ばされてしまう。


「…どうだ?世直しマン」
「……やはり緑肌の方はゲームに乗っているようだ。楽しんでいる所さえ有るな…」

二人の戦いの場から遠く距離を置いた茂みの裏から、気配を殺して戦いの様子を伺う世直しマンとバッファローマン。
世直しマンの手には読心マシーンが握られている。

「あっちの男は?金の鎧の…」
「…あいつは大丈夫だ。私たちと同じ、ゲームに抗う者だ」
「…なら、ほっとく訳にはいかないな。どうする?戦るのか?」
「……いや、私に考えがある。よく聞いてくれ、これから――」

195 :遠い空の君へ:2005/07/27(水) 02:04:52 ID:???


「…クックックッ。孫悟空と戦る前の準備運動程度にはなったぞ。さらばだ…!」
「クッ!!」

地に伏せるボンチューを見下ろしながら残酷な笑みを浮かべ、心臓を手刀で貫こうと手を振り上げる。
(ここまでか…くそ!!)
覚悟を決めて目を閉じる。脳裏には亡き妹の無垢な微笑みが浮かび…
(…今、そっちに行く。寂しい思いをさせちまって、悪かったな…)

「おい!貴様!!」

しかし、突然の乱入者の声によりピッコロの動きが止まり場の空気が変わる。
「ム?なんだ貴様は。雑魚がまた自ら殺されに来おったか…!」
声の主、バッファローマンの方へと体を向けて不敵な笑みを見せるピッコロ。
「お前みたいな奴に雑魚呼ばわりされるのは心外だぜ。お前なんかにはオレは死んでも負けねぇよ!」
「……ふん、ほざきおったな。先に貴様から血祭りに上げてやる!」
余裕の笑みを浮かべながらも心中穏やかではないピッコロが、身構えた後に一気にバッファローマンの元へと距離を詰める。
(…よし、今だ!世直しマン!)
ピッコロを見据えたまま、口元に小さく笑みを浮かべる。
「クハハハ!瞬きする間も与えぬわ!」

196 :遠い空の君へ:2005/07/27(水) 02:08:57 ID:???


「…バッファローマン!OKだ!」
ピッコロの背後から突然叫び声が響く。
「ぬ!!?」
「よし!!行くぜっ!!0パワーッ!!」
振り向いたピッコロの視線の先には、倒れているボンチューの横にいつの間にか現れていた新手の人物がいた。
「あっちからーっ!」
「新手かっ!?…何ッ!!?」
何やらふざけたようなポーズとかけ声を見せる人物に意識を奪われた瞬間、バッファローマンが自分のすぐ隣を一陣の突風のように一瞬で駆け抜けて二人の元へと向かう。
「クッッ!?」
「…こっちーーっ!!」
かけ声が終わった瞬間、ピッコロを除く三人が突然その場から姿を消す。
「何だと!?…チッ、逃げられたか…!」
辺りを見渡すがすでに人の気配は無く、小さく舌打ちをして忌々しげに立ち尽くす。
「…あのツノ男…許さん。このピッコロ大魔王を愚弄した罪、必ず思い知らせてくれるわ!」
しばらく立ち尽くした後、新たな獲物を探してその場から立ち去るピッコロ――。

197 :遠い空の君へ:2005/07/27(水) 02:10:49 ID:???



「…クソッ!何故だ!?」
先程の戦いの場から100メートルも離れていない場所の建物の影からピッコロの立ち去る様子を遠目で見ながら、世直しマンが小さく呟く。
(私は違う星まで移動するつもりであったのに…何故こんな目と鼻の先にいるんだ!?…これもあの主催者の仕業か!?)
自分の能力に不思議な制限を掛けられている事を改めて知り、悔しそうに地面を軽く殴る。
「どうした世直しマン?策はうまくいったんだ、何が悔しいんだ?『彼の身の安全が第一だから、今は戦わずに救出を優先する』って言ったのは自分だろう?本当は戦いたかったのか?」
俺もそうだ、と言わんばかりに微笑みながらバッファローマンが声を掛ける。
「…あんたら…ゲームに乗って…ない…みたいだな…」
その声を聞いたボンチューが苦しそうに二人に顔を向けて途切れ途切れに声を振り絞る。
「無理するな。もう大丈夫だから、安心しな」
「……」
その返事を聞き気を抜いたのか、意識を失うボンチュー。
「…とりあえず、こいつを中に運ぼうぜ。起きてからこれからを考えよう」

198 :遠い空の君へ:2005/07/27(水) 02:13:01 ID:???

「…ああ」
ボンチューをかつぎ上げるバッファローマンを見ながら小さく頷き、そこにあった小さな一軒家の中へと三人は姿を消す。

(…どうやら俺はまだ、そっちには行けないらしい。すまないな…)
遠ざかる意識の中、心の中でボンチューは遠い空の上に向けて小さくそう囁いた――。

199 :遠い空の君へ:2005/07/27(水) 02:14:01 ID:???

【青森県/早朝】

【ピッコロ@ドラゴンボール】
[状態]健康
[道具]荷物一式(支給品未確認)
[思考]:ゲームに乗る
:バッファローマンを探し出して殺す
:最終的に主催者を殺す
【ボンチュー@世紀末リーダー伝たけし】
[状態]ダメージ大、睡眠中
[装備]蟹座の黄金聖衣@聖闘士星矢
[道具]荷物一式
[思考]ゲームから脱出
【世直しマン@とってもラッキーマン】
[状態]健康
[装備]:世直しマンの鎧@ラッキーマン
:読心マシーン@ラッキーマン
[道具]荷物一式
[思考]:ラッキーマンを探す
:ボンチューの回復を待つ
:ゲームから脱出しハーデスを倒す
【バッファローマン@キン肉マン】
[状態]健康
[道具]荷物一式
[思考]:ラッキーマンを探す
:ボンチューの回復を待つ
:ゲームから脱出しハーデスを倒す

200 :京都観光しようかな 1/5:2005/07/27(水) 03:18:34 ID:???
とりあえず大阪へ行ってみよう、というのが海砂と城之内の考えだった。
人が集まる場所といえばやはり都市、そう思って琵琶湖を離れ歩き出した。
海砂に支給された仕込み傘は重く女性には扱いにくいため、城之内が預かっている。
京都府南部までたどり着いた城之内達はいったん休憩しようと茶屋へ入った。
さすがは京都、風情あふれる美しい景色と建物。茶屋も落ち着いた雰囲気が素敵だ。
あえて言えば、美味しいお茶や甘味が出てくればなお万々歳なのだが。
茶屋の厨房や近くのお土産屋を調べたが、食べ物の類はひとつも出てこなかった。
仕方なく二人はデイバッグから食料を取り出す。
全員に支給されているだろう食料は人それぞれ違うらしく、
海砂の鞄にはカロリーメイトと菓子パン、城之内の鞄にはコッペパンがギッシリ。
どちらも普通に食べれば2日分はある。
「畜生ッ、俺は味気ないコッペパンだけ食ってろってのか!?」
愚痴を言いながら城之内はコッペパンをかじる。
ちゃぶ台の向かい側では甘いメロンパンを頬張る海砂。
何やらやりきれないものを城之内は感じていた。
「なぁ、メロンパンとコッペパン、1個交換しようぜ」
「えー?」
「海砂さんの傘持って上げてるじゃないか」
「もうっ、仕方ないなあ。1個だけだからね!」

比較的平和な一時を過ごす城之内と海砂。
しかしその一時は笑い声に引き裂かれる。
「ハハハハハ! 素晴らしい、実にエレガントだ!!
 派手さは無いが風情にあふれるこの街並み、実に見事だよ!」

201 :京都観光しようかな 2/5:2005/07/27(水) 03:19:37 ID:???

城之内と海砂は慌てて荷物をまとめ、息を潜めた。
声は外から聞こえる。
殺し合いをしろ、だなんて言われているのにあんな大声を上げる男。よほど腕に自信があるに違いない。
「どっ、どうする? とっとと裏口から逃げるか?」
「み、見つかってないみたいだしこのままやりすごせるんじゃない?」
「でも、もし食べ物を探してこの茶屋に入ってきたら……」
「不吉なこと言わ――」

「おお、これはなかなかいい雰囲気の甘味所だ。どれ、ちょっと覗いてみよう」

ガラガラと戸口が開く音。
城之内と海砂の顔が青ざめる。
「あっ、あなたのせいよ! あんな不吉なこと言うから現実に……」
「俺のせいか!? いや、それどころじゃない。早く逃げよう」
「で、でも独り言を聞く限りとても殺し合いをしそうな人には思えないし、説得できるかもしれないよ?
 城之内君、ちょっと行ってきてよ」
「えぇっ!? お断りだ、もしこのゲームに乗ってたらどうすんだ!」
「僕も興味があるな、どうするんだい?」
と、部屋の隅に身を潜めていた2人にかけられる声。
「ヒッ」と悲鳴を上げながら茶室の襖を見る。襖が左右同時に勢いよく開かれる。
そこには奇妙な服を着た金髪の紳士が立っていた。手には赤い棒を持っている。
「だっ、だっ、誰だあんた!?」
「僕の名は趙公明。君達は何というんだい?」
趙公明の紳士的な態度に警戒心をわずかに緩めながら、城之内は海砂をかばうように前に出る。
「俺は城之内ってんだ。こっちは弥海砂……。あっ、あんた何者だ? ずいぶんおかしな服だけど……」
「おかしな? このエレガントなセンスを理解できないとは悲しいね。
 でもまあお互い違う世界から来ているようだし仕方ないかな? 君の服はカズキくんに似ている」
「カズキって誰だよ?」
「僕の身体に傷を負わせた前途有望な少年だよ。今度出会ったらゴージャスな戦いをしたいものだね」

202 :京都観光しようかな 3/5:2005/07/27(水) 03:20:08 ID:???
不良として何度も喧嘩した事のある城之内は本能的に察知した、
趙公明がカズキという少年を思い浮かべて闘争心が燃え上がっているのを。
こいつは殺る気だ。喧嘩が大好きな奴だ。力と力のぶつかり合いを欲している奴だ。
城之内は咄嗟に傘を突き出す。マシンガンの仕込まれている傘だ、これを食らえばお陀仏間違いなし。
傘の先端から弾丸が吐き出される。が、趙公明はその弾道を読んで事前に回避行動を取っていた。
「ほうっ、鉄の弾が飛び出す武器か。何かあるとは思ったがなかなか強力な物だね」
言いながら床を蹴って城之内に迫った趙公明は、如意棒で手首を叱咤し傘を叩き落とす。
「ぐあっ!」
痛みを堪えながら城之内は顎目掛けて思いっきり蹴り上げるが、
趙公明が軽く顎を引いただけで空振りに終わってしまった。
「うーむ、カズキくんと違って君には期待できそうにないな。もっとエレガントに戦えないのかい?」
「うるせぇっ! 海砂さん、俺が引きつけてる間に早く逃げ……」
「彼女ならもう逃げたよ」
「何ィッ!?」
趙公明が指差した窓は開け放たれており、海砂の背中がどんどん遠ざかっている真っ最中だった。
そして角を曲がって見えなくなる。そりゃ逃げろとは言ったが、言う前に逃げる事はないじゃないか。
「嘆いている暇は無いぞ城之内くん!」
趙公明は如意棒で城之内の胸を突いた。
アバラが折れ、尖った骨が肺に突き刺さる。
「ガハッ!」
城之内は胸を押さえてヨロヨロと後ずさり、倒れる。
のどから灼熱が込み上げ、口から赤黒い液体がゴポッとあふれ出す。
「このまま苦しませるのも可哀想だ、楽にして上げよう」
「……ゲホッ、ぐっ、遊……戯、しず……」
趙公明は如意棒を振り上げ、城之内の首に狙いをすまし、振り下ろした。

203 :京都観光しようかな 4/5:2005/07/27(水) 03:20:48 ID:???

趙公明は置きっぱなしになっていた仕込み傘とデイバッグを拾い、血の匂いの満ちる茶室を出て中を確認した。
「おお、これは美味しそうな食べ物だ。見慣れない物だが甘い匂いがする、点心かな?」
メロンパンを取り出した趙公明はそれを頬張る。
「ふむ、なかなかいける」
メロンパンを一個食べ終えた趙公明は水を少し飲んだ後、茶屋を出て周囲を見回す。
「夜明けか、美しい。だが観光するなら太陽の照る昼間の方がよさそうだな」
いつ誰に襲われるかも知れない状況下でありながら、趙公明が考えるのは京都観光。
殺し合いも楽しいが、エレガントな街並みを見て回るのも悪くない。
近くにある寺に入り、庭の美しさに瞳を輝かせる。
澄んだ空気の中、緑のコケに彩られた石や、枝の整えられた木々。
「美しい。しばらくこの庭を堪能してから動き出すとしよう」

海砂はハァハァと息を切らせながら、建物の陰にうずくまる。
城之内は無事だろうか? 自分を守ろうとしてくれた人を見殺しにするのはつらい。
しかし一番大事なのは月だ。生きて月と再会し、彼の考えに従う。そのためには死ぬ訳にはいかない。
もしかしたら趙公明が追ってくるかもしれないと考えた海砂は、疲れた足に鞭打って歩き出そうとする。
が、その前に水を少し飲んでおこうと鞄を開く。
するとコッペパンが入っていた。
自分の鞄にはメロンパンやカロリーメイトが入っていたはず。
なぜ?
答えは簡単、城之内の鞄と間違えて持ってきてしまったのだ。
自分の愚かさを呪いながらも海砂は考えを改める。
仕込み傘は城之内に預けてしまった、しかし城之内の支給品は彼が持ったままだ。
まだこの鞄の中に入っているのではと思い鞄を調べると、手のひらくらいの鉄の塊が出てきた。
XLIVと彫られているが、これはいったい何だろう?
説明書を探し、それが核鉄という治癒力を高める物だと知った海砂は、それを持って歩き出した。
なるほど、確かにさっきより歩くのが楽だ。あくまでも少しだが。
これを月に渡したらどう思うだろう? 彼の疲れや傷を癒して上げられるだろうか?
彼の笑顔を思い浮かべると、核鉄の癒し以上の力が身体の奥から湧いてくる海砂だった。
京都は危険、大阪も京都に近いから危ないかもしれない。漠然と京都から離れようと海砂は歩く。


204 :京都観光しようかな 5/5:2005/07/27(水) 03:21:25 ID:???
【早朝】
【京都府南部】
【弥海砂@DEATHNOTE】
 [状態]:健康
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式、核鉄XLIV(44)@武装錬金
 [思考]:1.とりあえず京都を離れる。
     2.夜神月との合流
     3.夜神月の望むように行動

【京都府南部のお寺】
【趙公明@封神演義】
 [状態]:左足に軽傷。
 [装備]:如意棒@ドラゴンボール、神楽の仕込み傘
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.太陽が昇ったらじっくり京都観光する。
     2.エレガントな戦いを楽しむ。太公望、カズキを優先。

 【城之内克也 死亡確認】
 【残り112人】


205 :マロン名無しさん:2005/07/27(水) 03:24:17 ID:???
修正
【京都府南部のお寺】
【趙公明@封神演義】
 [状態]:左足に軽傷。
 [装備]:如意棒@ドラゴンボール、神楽の仕込み傘@銀魂
 [道具]:荷物一式×2(一食分消費)
 [思考]:1.太陽が昇ったらじっくり京都観光する。
     2.エレガントな戦いを楽しむ。太公望、カズキを優先。

206 :第一放送[一日目6:00]:2005/07/28(木) 00:15:22 ID:???

参加者全員の、頭の中に直接響く…邪悪な支配者たちの声――


―――諸君、ご苦労。
…爽やかな朝だ。よく眠れたかね?

…午前六時になったので、これから『ゲーム脱落者』と『午前八時からの立ち入り禁止エリア』を発表したいと思う。

それでは…まずは脱落者の名を読み上げるとしよう。

――大原大二郎、道化のバギー、坂田銀時、神楽、竜崎桜乃、リン、石崎了、戸愚呂兄、城之内克也、冴羽リョウ、剣桃太郎、サガ、稲葉郷子、ヂェーン、アナベベ、ペドロ=カズマイヤー、勝利マン、ゴン蔵。

…以上、18名が脱落者だ。
なかなか良いペースだ。
この調子で、優勝目指して頑張るがよい…。
それではフリーザ王?禁止エリアを頼む。

――ええ、分かりました、バーンさん。

フフフ…皆さん?今から指定するエリアである『二つの県』は、今から二時間後の午前八時ちょうどからは立ち入り禁止になります。
しっかりメモしておく事をオススメしますよ?
時間を迎えてから、うっかり不注意で一歩でも中に入ってしまったりしたら――
ドカン!…ですからね?
フフフフ、お忘れなく。

207 :第一放送[一日目6:00]:2005/07/28(木) 00:16:46 ID:???


――八時からの禁止エリアは『北海道』と『宮崎県』です。
鹿児島にいらっしゃる皆さん?早めに移動しておかないと、熊本が禁止エリアになったりしたら閉じ込められてしまいますよ?フフ…。

ハーデスさん?貴方からは何かおっしゃっておきたい事はありませんか?

………フフ、相変わらず寡黙なお方だ。
では最後にバーンさん、皆さんに労いの言葉でもお願いします。

……うむ、一つ…余から忠告をしてやろう。
どうやら、大なり小なりパーティーを組んでいる者も多いようだが……脱落者の中には、その『仲間』に裏切られて命を落とした者もいるのだぞ?
寝首をかかれないように、せいぜい気を付ける事だな…。

では、次の報告は六時間後だ。それまで、誇り高き勇者たちに幸あらん事を…フフフ―――

【現在、一日目の6:10/朝/残り112人】

208 :修正:2005/07/28(木) 00:25:06 ID:???
「遠い空の君へ」の>>194
『世直しマンの手には読心マシーンが握られている。』
の文を削除願います

209 :マロン名無しさん:2005/07/28(木) 01:40:15 ID:???
すみませんが>>208の修正は無しで、最初のそのままでお願いしますorz

210 :引力・斥力1/4:2005/07/28(木) 02:04:45 ID:???
「…おはようございます、ムーンフェイスさん」
「むん、おはよう。清々しい朝だね」
「そうですね。これで、あの放送が無ければ言うことはなかったんですが」
「おや、聞いていたのかい?」
「…直接、頭の中に響いてきましたからね・・・」

 静寂につつまれた林の中、二つの声が響く。低く、静かに。だが、紛れも無い存在感をもって。

「もう、18人も亡くなられたようですね。あぁ、食糧を頂いてます」
「気にしないでくれ給え。む〜ん、それにしても予想以上のペースだね」

 人間型ホムンクルス、ムーンフェイスことルナール・ニコラエフ。人間界最高の頭脳、竜崎ことL。
息を潜め、気配を隠そうとしながらも、二人の存在は確かにそこにあった。まぁ、竜崎は体育座りをしつつ、ムーンフェイスに
支給された食料、チョコレートを齧っていたので、場が締まらないことこの上ないが。

「それで、キミの支給品はなんなんだい?それによって、こちらの出方も変わると思うけど」
「これです。説明書を読んでください」

 説明書に書かれていた、竜崎の支給品。それは、現代日本で使われている、護送車。ムーンフェイスは一瞬、呆気に取られたが
説明書を読み進めていくに従って、何ともいえない微苦笑をその月面状の顔に張り付かせていく。
護送車にはガソリンが一滴も入っていないうえに、バッテリーも使用不可能。ご丁寧なことに、ドアのロックまでが
念入りに壊されている…と書かれていたからだ。これでは単なる鉄の箱だ。アタリなのかハズレなのか、どうにも判別がつけ辛い。


211 :引力・斥力2/4:2005/07/28(木) 02:05:45 ID:???

「林の中で、こんな目立つ上に大きなものを出したら、襲ってくださいといっているようなものです」
「む〜ん、ガソリンが入ってないとは困ったものだね」
「バッテリーもあがっているみたいですよ。車としては、全く役に立たない状態ですね」
「それで、どうするんだい?外面はそこそこ頑丈なようだけど、篭城でもするのかな?」
「ロックが壊れた状態で、ですか?まさか。しかし、正直、持て余し気味です。先程も行ったように、ここで出すワケにも行きませんし」
「むん、でも、これで次の方針は決まったようなものだね」
「そうですね。これだけの死者が出ている以上、殺人者と相対した時のための人材が必要となります」
「で、何処に捜しに行くんだい?この場所は、富士山が見える位置から考えて、おそらく静岡だろうけど。東京にでも行ってみるかな?」
「えぇ、恐らく東京には多くのの参加者が集まるでしょう。ですから、東京には行きません」
「何故だい?人を集めるなら、人が集まるところへ行くべきなのでは?」
「だからこそです。ゲームに積極的に参加するつもりの存在も、きっと東京に集まるでしょう。今の貧弱な装備では…」
「ナルホド。もしもの時に、分が悪いというわけだね」
「はい、そうです。なので、東京へ行く人が通る確率が高いであろう…」
「…東海道で張る、というわけだね。確かに、ココは死角が多い。身を隠すにはうってつけだね」
「そうです。それに…」
「支給品として、コレがある、と」
 ムーンフェイスは、ヒラヒラと自分の支給品、双眼鏡を目の前で振ってみる。竜崎はその様子を軽く見やると、続けた。

212 :引力・斥力3/4:2005/07/28(木) 02:06:28 ID:???
「それで、接触する人間の判別方法ですが…まず、凶器の類、特に銃火器の類を携えている人間には接触しないでください」
「銃火器を持っていても、このホイポイカプセルに収納したままなら、とりあえず襲ってくる心配は無いということだしね」
「その通りです。ゲームに乗っているのなら、わざわざ標的を確認してから得物を取り出す、といった不合理はしないでしょうから」
「その場合、私は銃火器を所持している人物の特徴を覚えておくべきなのだね?」
「えぇ。情報は多いに越したことはありません」
「自分の意図を隠して、不意をついて襲ってくるような輩だった場合は?」
「私のところに連れてくるまで、支給品を出したり、荷物に手をいれないようにさせて下さい。もしも、守れないような場合は…」
「む〜ん、その場合は、私の朝食(ブレックファースト)になってもらおうかな」
「…そうですね。それも仕方ありません」
「しかし、私はご覧のとおりの外見。警戒するなというのも難しいのでは?」
「ですから、貴方の方から接触してください。相手よりも先に発見し、敢えて攻撃を加えなかったというように」
「それで敵意の薄さをアピールするのかい?少し確実性にかける気もするけど」
「状況が状況ですから、仕方がありません。容易にパニックになる人材は、仲間に加わってもらっても、危険を増すだけです」
「手厳しいね」
 非情ともいえる竜崎の言葉に、苦笑をもらしながらルナールは返す。
「まず、一刻も早くこのゲームを止めることが最優先課題です」
「む〜ん、儚き哉、人生」
 そこで見たものは。茫洋とした瞳の奥に秘められた、強い意思の力。改めて、ルナールはLのことを評価する。
「不測の事態があるか、次の放送があるまでここでスカウトを続けましょう」
「妥当だね」
「そして、主催者の方々に証明してあげましょう。『正義は必ず勝つ』ということを」

 静寂につつまれた林の中、二つの声が響く。三つ目の、四つ目の声を求めて。
                ――どのような出会いになるのかは、神ならぬ二人には分かるはずもない。


213 :引力・斥力4/4:2005/07/28(木) 02:07:17 ID:???

【静岡県/朝】
【ルナール・ニコラエフ(ムーンフェイス)@武装錬金】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式(食糧一食分消費)双眼鏡
 [思考]:1.有用な人材のスカウト。可能なら使える支給品の収集。
     2.Lを補佐する。最終的に生き残るなら後は割とどうでもいい。

【 L(竜崎)@DEATHNOTE】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式 護送車@DEATHNOTE(ガソリン、バッテリー使用不能。ドアロック故障・ホイポイカプセルの中にあります)
 [思考]:1.現状で必要な能力を持った人材のスカウト
     2.ゲームの出来るだけ早い中断



214 :悲しむ3人 1/5:2005/07/28(木) 03:17:54 ID:???
カズキは死の恐怖と、首を這う柔らかな指の感触に身をすくめていた。
仙人という言葉から連想するものは気や術や風水といった神秘的なものだが、
妲己の世界の仙道達は割りと科学的な知識を持っていた。
妲己も仙人として“色々”研究しており博識であり、首輪について調べてみる事になったのだ。
しかし下手をすれば首輪が爆発する。その危険な役目をカズキは買って出た。
妲己は険しい目で首輪を凝視し、首輪の内側に指を指し込み、指の腹で表面を撫でる。
自分の首についている感覚からも分かる通り、首輪の外側も内側も大差なく、
ツルツルとした表面が冷たく自分達の首についているだけ。
「……繋ぎ目が見当たらないわねん。もしくは触れただけ、見ただけでは気づかないような、
 ものすごく精密な作りをしているのかもしれないけれど」
妲己の吐息が首筋にかかり、カズキの身体はますます硬くなった。
妲己はというと、首輪は多少乱暴に扱っても爆発はしないだろうと考え積極的に指を動かし出す。
触れた程度で爆発する首輪なら、転んだ拍子に首輪が爆発したり、
敵が投げた小石が首輪に当たっただけで爆発しかねない。
最後の一人になるまで殺し合いをさせるゲームなんて素敵なセンスを持つ主催者達が、
その程度の事で爆発するような首輪を着けるとは思えない。興ざめしてしまうからだ。
そして首輪の表面を触れながら、妲己はある事に気づいていた。
ほんのわずかに、首輪を撫でる指に伝わる感触が違う。首輪の中身の感触が違う。
軽く突いてみれば、それは妲己の鋭敏な神経はしっかりと感じ取る事ができた。
同じ壁でも、普通の壁と、抜け道となっていて中が空洞になっている壁の感触が違うように。
「だっ、妲己さんっ。だい、大丈夫なの?」
「大丈夫よぉん、この程度の刺激じゃ爆発しそうにないわん。
 分解しようともっと色々やれば爆発するでしょうけど」
カズキの後ろに回って首輪を調べている妲己は、そっとカズキの背に寄り添った。
ボンッと突き出した妲己の豊かな乳房が、服越しにカズキの背に触れる。
見る見るカズキの顔は赤くなり、妲己が後ろにいるおかげでそれがバレない事を不幸中の幸いと思う。
が、カズキの耳が赤くなってるのを見て、妲己はクスリと微笑んだ。

215 :悲しむ3人 2/5:2005/07/28(木) 03:18:25 ID:???

床の上に座り込んで首輪を調べている2人を、遊戯はちょっぴり羨ましそうに見ていた。
遊戯だって男の子、背中に胸を当てられて赤面しているカズキを見て、ぜひ自分も……と思ってしまう。
(……相棒。今はそういう状況じゃないだろう、カズキ君だって下手すれば首が飛びかねないんだぞ)
(わ、分かってるよ、もう一人の僕。でも……あっ!)
遊戯の目が見開く。
カズキの全身が緊張により硬直する。
妲己の胸がさらに押しつけられ、カズキの背中の上でグニャリと潰れていた。
もちろん妲己はカズキを誘惑するつもりで胸をくっつけていたのだが、
ここまで積極的に押しつけるつもりは無かった。
ただ首輪のある機能に勘付き、彼女自身も緊張したがゆえの無意識の行為。
(やっぱり……首輪の中で何かの機能が作動しているわん。しかも現在進行形で。
 わらわならどんな機能をつける? 24時間機能し続けなきゃいけないものって何?
 恐らく……わらわ達の会話は全部向こうに筒抜けねぇん。どうしたものかしら?)

妲己は考える。盗聴されているのなら、どうすればいいかは明白。
主催者側は脱出しようとあがく事を笑いながら見ているだろう、
だが本当に脱出できるところまで至ったらどうする?
さすがの妲己にも判断はつかなかった。
容赦無く首輪を爆発させ脱出を妨害するか、もしくは自ら粛清にくるか。
フリーザ、バーン、ハーデス、その誰の事も妲己は知らない。だから予想をつけられない。
(今はこの事実を黙っておくのがよさそうねぇん。盗聴に気づいたと悟られるのはよくないわ)
筆談で武藤達に伝えようかとも考えたが、頭脳派・演技派ではない彼らに話しては、
どこかから漏れてしまう可能性もある。
話すなら話すで機を見て話すべきだ。と、妲己が思い至り首輪から指をはずした瞬間――。

216 :悲しむ3人 3/5:2005/07/28(木) 03:19:00 ID:???

―――諸君、ご苦労。
…爽やかな朝だ。よく眠れたかね?

大魔王バーンの声が3人の頭に響いた。
主催者がもたらすゲームの進行状況を聞き、妲己はすぐさま鞄からメモ用紙とペンを取る。
素早く脱落者の名を記していき、城之内克也の名を聞いた瞬間、
ショックを受けているという表情を作って遊戯に目を向けた。
遊戯は作り物ではないショックの表情を浮かべ、固まっている。
それから語り部はフリーザに変わり禁止区域を告げられる。
北海道と宮崎県。幸いどちらも大阪から遠く関係ない、だが地図に素早く『1日目午前8時禁止』と記した。
口調からバーン、フリーザの性格の一端を掴んだ妲己だが、まだまだ情報不足。確定的な事は何も言えない。
ハーデスは無口だったため何も言わず、妲己は残念がる。
そして最後にバーンから告げられた言葉に妲己は唇を噛んだ。

『脱落者の中には、その『仲間』に裏切られて命を落とした者もいるのだぞ?』

余計な事を。
妲己とて可能ならカズキや遊戯も連れて脱出してやってもいいと思っている。
だが自分の身が危機にさらされた場合、容赦無く2人を見殺しにするつもりでいた。
時によっては――脱出方法が優勝者になる事だけだとしたら、適切な時に2人を自らの手で殺すつもりでもあった。
(まあいいわん。2人ともわらわを信用してくれているみたいだし。
 ただ気になるのはわらわの事を知っている人達ねぇん。そこからわらわの本性がバレたらやっかいだわん)
太公望、竜吉公主、趙公明。妲己の残忍な本性を知る者達。
機会があれば殺しておきたい。しかし太公望には殷周革命という大役がある。
(まあ状況に応じて適切な対処をするとしましょう。ケース・バイ・ケースよぉん)
という訳で妲己は、適切な対処をすべくカズキから離れ遊戯に歩み寄った。

217 :悲しむ3人 4/5:2005/07/28(木) 03:19:41 ID:???
「遊戯ちゃん……」
憐れみたっぷりに言い、壁に背をかけて座り込んでいるカズキの両肩に手を置く。
「……ごめんなさい、何て言ったらいいかわらわには分からないわん」
呆然と宙を見つめていた遊戯の瞳に色が戻る。目の前で妲己が、顔をそむけて泣いていたからだ。
出会ったばかりの自分の友達の死に、彼女自身は一度も見た事のない城之内君の死に、
“心”から涙を流している……。
「妲っ……己、さん……」
城之内の死を悲しむ気持ちと、妲己の優しさへの感謝の気持ちが、涙となって遊戯の両目から流れ出す。
「遊戯ちゃんっ……おつらいでしょうに、わらわにできる事は何も無いわぁん……ごめんなさい……!」
妲己も泣きながら、遊戯の頭に手を回し、ぎゅっと胸に抱きしめる。
ふくよかな胸に顔をうずめながら、遊戯は泣き続けた。
先程持っていた情欲の気持ちなど無く、ただ母に抱かれた幼子のように妲己に安らぎを見出す。
カズキもどう慰めていいか分からず、嘆く遊戯を憐れみ、慰める妲己の優しさに感動する。
城之内克也の死を、この場にいる3人は心から悲しんでいた。
しかしその3人の中に妲己は入っていない、そしてその3人目の存在を知る者は1人しかいない。

(城之内君……)
もう1人の遊戯は、遊戯の心の中で涙を堪えながら拳を握り締めていた。
彼自身も城之内の死を知ったショックで我を忘れている。
主人格の遊戯を慰めなければという気持ちもあったが、それはすでに妲己がやっている。
妲己を警戒していた闇遊戯だが、妲己に頼りきっている遊戯に「やめろ」とは言えなかった。
それにもしかしたら、妲己から感じた嫌な感覚は、彼女の持つ仙人の力のせいかもしれない。
妲己は心から遊戯を憐れんでいる心優しい女性かもしれない。
(だが――本当にそうか?)
妲己を信用すべきかどうか、まだ確信は持てない。
表の遊戯に何と言われようと、大切な相棒を守るために自分は妲己を疑い続けなければならない。

218 :悲しむ3人 5/5:2005/07/28(木) 03:20:12 ID:???
【妲己ちゃんと愉快な武藤達】
【大阪郊外の民家/朝、放送直後】

【蘇妲己@封神演義】
 [状態]:健康
 [装備]:打神鞭@封神演義、魔甲拳@ダイの大冒険
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1 遊戯を慰め、自分を信用させる。
      2 太公望、竜吉公主、趙公明から自分の本性を明かされるのを防ぎたい。
      3 どんな事をしてもゲームを脱出し元の世界に帰る。
        可能なら太公望や仲間も脱出させるが不可能なら見捨てる。

【武藤カズキ@武装錬金】
 [状態]:健康
 [装備]:ドラゴンキラー@ダイの大冒険
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1 遊戯が泣き止むまで待つ。
      2 ゲームを脱出するため仲間を探す。斗貴子、ブラボー、城之内、杏子、海馬を優先。
      3 蝶野攻爵がこの状況でも決着をつける気なら相手になる。
      4 ゲームから脱出し元の世界へ帰る。

【武藤遊戯@遊戯王】
 [状態]:軽度の疲労、精神的ショック
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1 泣く。
      2 ゲームを脱出するため仲間を探す。斗貴子、ブラボー、城之内、杏子、海馬を優先。
      3 ゲームから脱出し元の世界へ帰る。
 [闇遊戯の思考]:妲己の警戒を続ける。

219 :大蛇と餓狼1/8:2005/07/28(木) 16:26:27 ID:???
竜のような雰囲気を持つ少年(ダイ)たちから逃れるために瀬戸大橋を渡った大蛇丸は、一人の男に声をかけられた。
「君の支給品と能力を教えてくれないか?」
相手を見ると、ところどころ怪我をしている。
状態が万全なら倒すのにそう苦労はしないはずだが…あいにく大蛇丸も怪我をしていた。
「…残念だけど、ちょっと相手をしている暇がないのよ」
「痛い目にあいたくなければ、と言いたいところだが…君と同じように私も少々疲れていてね」
「ふふ、そうでしょうね。じゃあ一つ教えてあげましょうか。かなりの力を持った連中がこの大きな橋の向こうにいるわ。…正義ぶった連中でね、ちょっとそいつらから距離を取りたくて」
「ほぅ、君のその怪我はそいつらにやられたモノか」
両者は会話をしながら互いを値踏みする。
互いが、相手から自分に近いものを感じていた。
全てを手に入れる、そのためには周囲を犠牲にしても気に止めないという非道な心。
「…今、ここで君と戦うのはあまり得策ではないようだな」
「わかってもらえたかしら? 互いに怪我をしていて、近くには敵もいる」
「私としても、ここでさらに体力を消耗するのは避けたい。…いま君と戦うのは疲れそうだしな」
争いを避けようという会話の裏では、隙の探り合いが続いている。
大きな隙を見せれば、即座に致命傷をもらいかねない状態だ。
そんな一触即発の状況がしばらく続き…
「ふふふ…やめましょう。さっきも言ったけど、今殺し合ってもあまりメリットはないわ」
藍染は「そうだな」と頷くと、気は抜かぬまま少し距離を置いた。
「そうそう、名前を聞いておきましょう。私は大蛇丸よ」
「藍染惣右介だ」
「ふ、次は万全の状態で出会いたいものね…」
大蛇丸はそう言い残すと、木の葉を舞わせながら風のように姿を消した。
「手ごわい相手が多いものだな…」
藍染もまた、そう呟いて東へと歩いていった。

藍染と別れた後、大蛇丸は岡山の山中で傷の手当てをした。
上体の裂傷は大した問題もなく処置できたが、雷を浴びた時の火傷が厄介だった。
「(これは少し休んだ程度では回復しそうもないわね…)」

220 :大蛇と餓狼2/8:2005/07/28(木) 16:26:59 ID:???
そう判断した大蛇丸は、静かに移動を開始した。
専門の医療忍者がいない以上、迅速な回復は望めない。
それならば、弱い獲物を狩りながらアイテムを集めるべきだと判断した。
もしかしたら体力を回復させるものが支給されているかもしれないからだ。
大蛇丸に支給された武器は岩鉄斬剣という、鎧ごと相手を切ることが可能な巨大な剣。
特別な力があるわけでもなさそうなので、使えないことはないが特に使う必要もない。
剛刀とは言えただの剣を使うくらいまで追い詰められたなら、素直に逃げた方がマシだ。
ちなみに休んでいる間に放送があった。
そこそこの人間が死んだが、知った名前は無かった。禁止エリアもここからは遠い。
チームの分裂を煽る主催者の言葉から、固まって行動しているものが多いということが分かる。
ダイのような強者が他にもいることだろう。用心しなければならない。

東へと移動を始めた大蛇丸だったが、ダイのような強敵に会うのを恐れて山中を、そして体力を温存するためにゆっくりと移動しているため、今のところ誰にも会わずにいる。
体力面から見れば好都合だが、これではアイテムは手に入らない。
「(これで二つ境を越えた……少し休もうかしらね)」
岡山から兵庫を抜け、京都府へと足を踏み入れていた大蛇丸は、市街地から少し離れた森に入って身を休めることにした。
「(それにしても、素晴らしい器だわ…サスケくん以上ね……)」
体を休めながらダイのことを思う大蛇丸。
あの身体を手に入れられれば…そう考えただけで身体が疼くのが分かる。
そしてまた、大蛇丸は藍染という男にも興味を示していた。
ただし転生の対象としてではないが…

30分ほどしたところで、大蛇丸は誰かが近づいてくるのに気づいた。
気配を消す様子はない。明らかにワザと気づかせるように近づいている。
「(こちらに気づいているのかしら…?まっすぐ向かってきているようだけど……)」
その気配の持ち主は森の前で足を止めると、じっと視線を向けてきた。
鋭いその視線は、大蛇丸の位置が判っているかのようだ。
「(……餓狼…)」
その男のまとう雰囲気を見て、大蛇丸はそう感じた。

221 :大蛇と餓狼3/8:2005/07/28(木) 16:27:34 ID:???
「俺の名はヤムチャだ!お前と勝負がしたい!」
ヤムチャと名乗った男は、自信たっぷりに声を張り上げた。
「(どうやら、ここにいるのはバレているみたいね…なら、これ以上騒がれる前に姿を見せるのが得策かしら)」
木の陰から姿を現す大蛇丸。手には何も持っていない。
「……なぜ私の居場所が分かったのか…は、今はいいとして、勝負しなければならない理由は?」
ヤムチャはどうやらあちこち怪我をしているようだ。
治療された痕はあるが、あの状態で自信満々というのがどうにも解せない。
「お前の気は邪悪だ。この馬鹿げたゲームに乗っているクチだろう。だから、俺の挑戦も断らないはずだと判断したまでだ」
「(邪悪な気…あの女もそんなことを言ってたわね……ふふふ)」
ダイと一緒にいた女の事を思い出していると、ヤムチャはさらに語りかける。
「どうした?俺は別に「お前がゲームに乗ってるから許せない!」なんて言うつもりはないぜ。俺だってついさっきまではコソコソ隠れていた卑怯者だからな」
「……ふふふ、まぁいいわ。どうしてそこまで自身があるのは知らないけど、少し遊んであげましょうか」
ニヤリと笑う大蛇丸に答えてヤムチャも満足げに笑うと、拳を握り締めて気を練り始めた。
「はぁぁぁぁぁぁ!」
ヤムチャの体の周りに、光るオーラのようなものが発生する。
「(……なにかしら…この距離でも威圧感を感じる力…ふふ、おもしろいわね!)」
「いくぞっ!」

――5分後――
「どうしたどうした!ははは、生まれ変わった俺の前に手も足も出ないか!?」
「…………くっ!」
戦いはヤムチャが優勢だった。
大蛇丸はヤムチャの素早い動きについていくのがやっとだ。
なんとか距離を取って火遁・鳳仙火の術を使うが、その多数の炎を全て避けられてしまう。。
「このままじゃ埒があかんな…いくぞ!狼牙風風拳、はぁぁぁっ!」
素早い突きの連打。
一人で小国を落とすとまで言われた大蛇丸が、たった一人のさえない男に追い詰められていく。
急所だけは避けているものの、大蛇丸は反撃に転ずる機会がなかった。
このままでは徐々に体力を削られて倒されてしまう。

222 :大蛇と餓狼4/8:2005/07/28(木) 16:28:16 ID:???
一旦退くことも考えたが、ここで退くようではどのみち勝ち残ることはできないだろう。
「(くっ……!ふざけたような男なのに、何故これほどまでに…)」
「ちっ、チョコマカと素早い奴だ!ならこれで…!」
ヤムチャは距離を取って妙な構えを取る。
やがてその手が淡く光り始めて…
「(…そうか! あの光るチャクラのようなもの!あれが力の源だとすれば、そしてそれをチャクラのように体内で練り上げているとすれば…!)」
『かめはめ波っ!』
ヤムチャの合わされた両手からエネルギーの塊が一直線に伸び、大蛇丸を直撃する。
「よし、やったぜ!」
…しかし、煙を上げて大蛇丸の姿が消え、後に残ったのはバラバラになった木片のみ。
「……後ろよ」
「なにっ!?」
変わり身の術でかめはめ波を避けた大蛇丸は、油断して隙だらけのヤムチャの背後に現われた。
ヤムチャは慌てて飛び退こうとするが、大蛇丸が一瞬早くその身体を押さえる。
そして、大蛇丸の5本の指にチャクラが集中して――
『五行封印!』
「がはぁっ!」
ヤムチャの腹部に大蛇丸の指が突き立てられる。
腹部を押さえて倒れるヤムチャ。しかし。
「…? 別にどこも怪我してないのか?」
ヤムチャはゆっくりと体を起こす。
繰気弾はどこかへと飛んで行ってしまったが、それ以外は特に変わった点はないように思える。
「…なんだそれは、俺を舐めてるのか?痛くも痒くも……おや?」
「さぁて……どうなのかしらねぇ。もう一度手合わせしましょうか」
「……むむ、や、やってやる!」

――さらに5分後――
「く、くそっ!どういうことだ!?…ぐっ」
「ふふふ…ほら、足元がお留守よ」

223 :大蛇と餓狼5/8:2005/07/28(木) 16:29:16 ID:???
強烈な足払いを喰らい、倒れてしまうヤムチャ。
その場に倒れ伏したまま、ヤムチャの頭は「?」で一杯だった。
「(なぜだ!?俺は超神水の試練に耐えた!毒も抜いてもらった!それなのに何故…調子がおかしい。上手く気を練れない!)」
「どうやら上手くいったようね…」
五行封印とは、相手のチャクラを封印する類の術である封印術の一つ。
かつてナルトは大蛇丸にこの術をかけられ、ナルトの中の九尾を封じていた術(四象封印)との相互作用で、膨大な力を持つ九尾のチャクラのコントロールができなくなった。
あの時は九尾のチャクラを乱すのが目的だったため、あえて四象封印に重ねて術をかけたが、単体で用いることも可能である。
そして、チャクラと同じ体内エネルギーである『気』もまた、この術の影響を受けるのではないか。
そう考えた大蛇丸の読みは的中した。
…気のコントロールによって爆発的な力を得るZ戦士とこの術との相性は最悪だった。
「な、何をした…?」
なんとか体を起こしたヤムチャの顔は、悔しさで一杯だった。
「(ようやく、ようやく今までの情けない俺から脱却できると思っていたのに…。まだあいつらに恩も返してないのに…)」
大蛇丸はそれを見ると、とても満足気な表情を浮かべ、そしてヤムチャに背を向けた。
あっけに取られるヤムチャをその場に残し、大蛇丸は森の中へと消えて行く。
「…どうもありがとう。ヤムチャくん、だったかしら?」
その言葉だけを残して。

「どうでした!?」
意気消沈して帰ってきたヤムチャを迎えたのは、サクラと乾だった。
――あの時、乾の長い自己紹介を効いたサクラは、やっぱりキモいと思った。
思ったが、同時に細部まで細かく語られる話に、知性的なものも感じた。
乾がゲームに乗ってるわけではないと判断したサクラは、行動を共にすることにする。
それぞれに知っていることを話しながら京都へと向かう途中で、最初の放送が入った。
その放送で乾の知り合いである竜崎桜乃が死んだことが分かる。
サクラは乾のために悲しみ、乾は悲しむと共にこれ以上の犠牲者を出さないと誓った。
そして京都についた二人は、ある民家から声がするのを聞いて調べに入り…
そこに転がっていたヤムチャを発見したのだ。

224 :大蛇と餓狼6/8:2005/07/28(木) 16:31:14 ID:???
倒れて動かない彼を助けようとヤムチャの様子を見たサクラは、すぐに毒に侵されていると気づいた。
医療忍術を使えるサクラは、即座に高等技術である毒抜きを行った。
……ヤムチャは、超神水の試練に打ち勝っていた。
そう、界王星での修行にも耐えたヤムチャは、十分に資格があったのである。
しかし、ベンズナイフによる麻痺毒からは逃れられなかった。
サクラが抜いた毒は、その麻痺毒のみである。
(ちなみにそのサクラの解毒術は、しっかりと乾のデータに加えられた)
そして、ヤムチャが沸きあがる力を試したくてウズウズしていると、ちょうど邪悪な気を感じ取った。
サクラたちを危険だからとその場に残し、一人で偵察にやってきて……
「それは…大蛇丸……?」
「? どうした」
「そ、その男はどっちに行ったの!?答えて!」
「落ち着いて。…大蛇丸っていうと君が自分で言ってた危険人物だ。ヤムチャさんだってこうして無事で帰ってくるの精一杯だったんだ。一人で行ったってどうにもならない…」
乾がなんとかサクラを押さえるが、サクラはなかなか鎮まらない。
それでもなんとかなだめる事に成功し、二人はさらにヤムチャの話を聞いた。
「俺は、超神水に試練に打ち勝ったはずだ。その試練を越えた人間は潜在能力を限界まで引き出せるようになるんだ。それなのに……くそっ、なんで力が出ないんだ!」
テーブルを叩いて悔しがるヤムチャ。
『サクラと乾に恩を返し、その後でこの糞ゲームをぶっ潰してやる!』そう決心した矢先の出来事だけに、ショックは大きかった。
「それは、チャクラのコントロールを乱す術だと思います。その「気」ですか?それもチャクラのような潜在エネルギーの一種なら、同じような効果があるのかも…」
火影の下で修行を積んでいる間に身につけた知識でなんとか説明をするサクラだが、術の正体が分かったところで解決にはならなかった。
「なんとか、なんとか術を解く方法はないのか!」
必死の形相でサクラに迫るヤムチャだったが、
「…すみません、私には無理です……」
サクラはそう答えるのが精一杯だった。

再び山中で身を休める大蛇丸。
実験的に五行封印を使ってみたが、予想よりチャクラの消耗が大きかった。
気を封じたとは言え、体力的にはさほど消耗してないヤムチャを倒すのは少々骨が折れる。

225 :大蛇と餓狼7/8:2005/07/28(木) 16:32:04 ID:???
それ故、トドメを刺さずにその場を去ったわけだが、それに見合う成果はあった。
「(別世界の人間にも五行封印が効いた…いかに強者と言えども、力さえ乱してしまえばいくらでも対処できるというもの……とは言っても、チャクラの消費が思ったより激しい。使いどころが難しいわね)」
大蛇丸の脳裏に浮かぶのはダイの姿。そして、これから出会うであろう顔も知らぬ強敵たち。
しかしダイたちとの戦いで感じたのは、どうやら正義ぶった奴らが多いらしいということ。
そいつらが大勢合流してしまうと非常に厄介だ。
さらに思った以上に力が制限されているのも問題だ。
「(これは、誰かと共闘することも考えなければいけないようね…)」
大蛇丸の脳裏には、ある種自分に近いと感じた男、藍染惣右介の姿が浮かんでいた。


【岡山県瀬戸大橋周辺/早朝】
【藍染惣右介@BLEACH】
 [状態]:わき腹負傷。骨一本にひび。多少の疲労。打撲数ヶ所。
 [装備]:刀「雪走り」@ONE PIECE
 [道具]:荷物一式(食料二人分)スーパー宝貝「盤古幡」@封神演技
 [思考]:1.琵琶湖へ向かう
     2.出会った者の支給品を手に入れる。断れば殺害。特にキメラの翼を求めている。


【京都府(山中)/朝】
【大蛇丸@NARUTO】
 [状態]:全身に火傷(ある程度は治療済み)。チャクラを中程度消耗。
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式 岩鉄斬剣@幽遊白書
 [思考]:1.昼まで身を隠してチャクラの回復に努める。
     2.多くの人間のデータを集め、場合によっては誰かと共闘する。(もちろん利用する形で)
     3.生き残り、自分以外の最後まで残ったものを新しい依り代とする。候補としてダイを考えている。

226 :大蛇と餓狼8/8:2005/07/28(木) 16:32:44 ID:???
【京都府(民家)/朝】
【春野サクラ@NARUTO】
 [状態]:やや疲労(ヤムチャの治療、毒抜きをしたため)
 [装備]:コルトローマンMKV@シティーハンター(ただし照準は滅茶苦茶)
 [道具]:荷物一式(水を少量消費)
 [思考]:1.ヤムチャの居た家で少し休憩し、ヤムチャと情報交換する
      2.(乾と共に東京へ向かいながら)ナルト、シカマルと合流して脱出を目指す
      3.大蛇丸を見つける

【乾貞治@テニスの王子様】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式(水を少量消費) 手帳 弾丸各種
 [思考]:1.ヤムチャの居た家で少し休憩し、ヤムチャと情報交換する
      2.東京に向かい、越前、跡部と合流して脱出を目指す

【ヤムチャ@ドラゴンボール】
 [状態]:右小指喪失 左耳喪失 左脇腹に創傷(全て治療済み)
      超神水克服(力が限界まで引き出される) 五行封印(気が上手く引き出せない)
 [装備]:無し
 [道具]:無し
 [思考]:茫然自失

227 : ◆Wv7hRKzBHM :2005/07/28(木) 16:42:24 ID:???
大蛇と餓狼4/8の以下の文を修正
>繰気弾はどこかへと飛んで行ってしまったが、それ以外は特に変わった点はないように思える。
  ↓
かめはめ波で思ったよりも気を消費したが、それ以外は特に変わった点はないように思える。

このように修正してください。よろしくお願いします。

228 :中国の超人1/6:2005/07/28(木) 20:49:41 ID:???
山林を長刀を背負った男が駆け抜ける。
道路と常に並行に移動する。見通しのよい道路に降りるなど自殺行為に他ならない。
――なあ、ラーメンマンの旦那よ。アンタ一体、どこに向かってんだ?
――正義超人っつー仲間のところか?

「飛刀よ。少し黙っていてくれ。私はお前のようにお喋りな刀は見たことがない」
男は背中の長刀に話し掛ける。黒く長い刀身に大きな目と口が並ぶ。
妖精・飛刀。長い年月を経て心を宿した妖刀である。
――うはは。俺も俺様以外で口がきける刀にゃ会った事がないな。
「そうかね。超人でもないくせに・・・おかしな奴だ」
額には「中」の印。弁髪を結い細長い髭を生やしチャイナ服に身を包んだ男・ラーメンマン。
キン肉マンと出会う前は残虐超人としてその名を轟かせていたが第2回超人オリンピックで彼と戦い
敗北をきっかけに残虐ファイトを改め自分自身の正義の心に目覚めた。

――お。ありゃ、川か。
道路を挟んだ山林から涼しげな清流が見える。
「うむ。あそこで水の補給をする。日本の川は真水でも飲めるからな」
――人間は不便だな〜。どーせ、時間が経てば下から出しちまうくせによ〜。
「黙らんと川に沈めたまま置いていくぞ。」
ラーメンマンの台詞に飛刀は口を「へ」の字に閉じる。

ラーメンマンは驚異的な脚力で道路を一足飛びに横切る。発見される危険を考慮し全速で河へと降りた。
河川は木々が生い茂り小規模な密林を構成していた。道路側から発見される確率は低く
隠れるにはうってつけの場所である。無用な戦闘は回避するにこした事はない。

229 :中国の超人2/6:2005/07/28(木) 20:55:31 ID:???
ラーメンマンは川岸に座り水をすくう。
「飛刀。飲んでみるか?」
――刀が水を飲むか〜!って、俺に毒見させる気かよ!やだよ、錆びちまう!
ピチピチと刀身が揺れる。鞘当もないのに動かれてはたまらんとラーメンマンは背中から飛刀を下ろした。
すくった水を鼻に近づける。異臭はしない。山育ちであるラーメンマンはそれがすぐに安全な真水である事がわかった。
空のペットボトルが清水で満たされた。
この清流は加古川という。京都府に近い兵庫の山々より湧いた水が瀬戸内海、播磨灘に流れている。
「飛刀よ。妙な川だな」
――なんだよ。飲んでから言うなよ。毒でも流れているのか?
「違う。清浄な水だ。だが奇妙な事に魚の死体がどこにも見当たらん。
私とお前以外の生物の気配もな。人為的に作られた世界だ。放されている獣の数が少ないのかもしれん」
俺も生物かよ。飛刀が言うもラーメンマンは「心があるのだから生物だ」と答える。
ふうん。飛刀にすれば生物だろうが武器だろうが呼び方の違いでしかないので適当に相槌をうった。
食料の調達を兼ねての調査だったが水が手に入っただけでも良しとするほかない。
「飛刀よ。川沿いに歩けばいずれ人と出会うだろう。死者の出てしまった今となっては難しいかもしれんが
私は仲間を作ろうと思う。あのバーンと呼ばれた者に勇敢に立ち向かった少年のように
悪を討とうとする人間がいる。そして殺されたものの中には弱き者、善良な者、戦う意思のない者も
いたはずだ。私は正義超人として弱者を助けこの悪辣なゲームを破壊する義務がある。
キン肉マンやウォ―ズマン。バッファローマンも同じ考えだろう。
彼らの居場所はわからんが合流する前にできるだけ味方を集めよう。
戦う意思のある者とは私が戦う。戦う力のないものは安全な場所に避難させる。
そうすればフリーザ、バーン、ハーデスと名乗った者共の箱庭から必ず脱出できよう」




230 :中国の超人3/6:2005/07/28(木) 20:58:26 ID:???
キン肉マンよ――。ラーメンマンはキン肉星王位争奪戦でズタボロになりながらも
栄光を勝ち取った友の顔を思い浮かべる。死闘の連続だったお前にようやく訪れた平和も
卑劣なゲームによって崩れ去ろうとしている。
負ける気はすまい――キン肉マンよ。ともに幾多の友情を育んできたバッファローマンも
ウォーズマンも――そして、この私もお前と同じ地にいるぞ。



231 :中国の超人4/6:2005/07/28(木) 20:59:31 ID:???
――脱出ってどうすりゃ脱出できるんだよ?
「うむ。私たち超人は異次元から巨大ジャングルジムまであらゆるリングで戦い
その都度、死線をくぐり抜けてきた。どんな困難な状況でもあきらめなければ
戦いの血路は開かれるものだ。そして勝利へのヒントは必ず見つけられる」
――結局、策らしい策はねーんだなー。がっかりだぜ。
「お前も何か考えろ。主催者の意図通りに事が運べばお前とて無事では済まんのだぞ」
――うう、わかったよ。
自分自身が誰の手に渡ろうと多くの主人の下を転々としてきた飛刀は構わなかったが
もしもゲームが終了し無人の世界に取り残させる事を考えると身震いしないではいられなかった。
所有者が妖怪仙人の余化から周の武成王・黄飛虎に代わった頃から飛刀の身辺は騒がしくなり
仙界大戦の終わり頃には封神された黄飛虎から息子の黄天祥の手に移った。
所有者が代わるのは武器である彼にとって苦ではない。
だが、飛刀は天祥が死ぬまでのあいだ彼の武器でい続けることを全く疑っていなかったため
戸惑っているのだ。父親譲りの少年の明るい顔がもう見られないかと思うと少々の寂しさがあった。
――そーだなー・・・とりあえずー・・・
――会うんなら太公望だな。ちょっと貧相だが来るものは拒まないフトコロのデカイ仙人だ。
「古代中国の仙人か・・・恐れ多いな」  
ラーメンマンは絵巻物にある髭の長い風格漂う老人を想像している。
「他の仙人はどのような人物なのだ?」
――竜吉公主は太公望と同じ崑崙出身の仙女だ。病弱でいつも浄室にいたから
  俺はあまり見たことがない。崑崙の仙道は殺生は好まねえからアンタがつくとしたら
  コッチだろう。反対にダッキや趙公明様は妖怪仙人だから人間を殺す事に躊躇はしねー。
「妖怪仙人・・・とは?」
――鉱物や虫でも千年以上月日の光を浴び続けると魔性を帯び心を宿す。それが俺だ!
――で、人型に変化できるようになりゃあワンランクアップで「妖ゲツ」と呼ばれるようになる!
――んで、常に人型に変化していられる奴が「仙人」よ!



232 :中国の超人5/6:2005/07/28(木) 21:01:15 ID:???
「人間ではないものもいるのか。・・・やはり様々な仙術を使うのか」
――仙術っつーか実際術を起こすのは宝貝だな。仙人が何千年もかけて造った戦闘兵器でな
  火や虫を操ったりと色々なことができるぜ。強い仙人ほど強力な宝貝を扱えるぞ。
「厄介だな。そのダッキと趙公明とはどんな妖怪なのだ?」
――趙公明様には会わないほうがいいぞ。妖怪仙人の住む金ゴウ島じゃ通天教主やダッキと並ぶ
  実力の持ち主でな。強い奴を見つけてトレビア―ンな決闘をするのが趣味っつー困った仙人だ。
  見たところアンタは強そーだから会えば決闘を申し込まれるぜ。
  厄介だろ?厄介さ。俺も疲れるから会いたくねーんだ。
「おかしな奴だな・・・。そいつも人を襲うのか」
――強い奴と戦うのが生きがいだからなー。弱い奴は眼中に入らねーと思うぜ。
  まぁ、挑まれれば答えるんじゃねーか。好戦的だからな。
――用心するならダッキだ。あいつは誘惑の術で人間を操り殷王朝を破滅に追い込んだ女仙だ。
  美貌と知略を使って人間を弄ぶ。太公望がめちゃくちゃ苦戦してた相手だぜ。    
「良く知っているな」  
――ふん!俺は元々趙公明様の配下の武器マニア・余化っちゅー奴のトコで長年コレクションやってたからな。
  妖怪仙人には詳しいのさ!
「しかし・・・元配下が元上司の情報をそんなに公開していいものか」
――俺は持ち主の味方だ!
胸をそらして答える飛刀にラーメンマンは呆れて何も言えなくなった。

――味方集めるって話だけど・・・
――旦那よぉ。見つけ次第、先手必勝でやっちまったほうがいいと思うぜ。
――ダッキや趙公明ほどの大仙人が選ばれたんだ。他にどんな化物が潜んでるか考えただけで
  震えが来らぁ。きっと想像もつかねェような術を使うんだぜ。やだやだ。
刀身がぐにゃぐにゃと揺れる。幼子が駄々をこねるような動作だ。
「武器のくせに怯えるな。飛刀。」
ブツブツ呟く飛刀を片手で軽々持ちあげて諭す。
「でかい図体して情けない奴だ」


233 :中国の超人6/6:2005/07/28(木) 21:02:50 ID:???
――だってよォ〜、この世界にきてからよ、なんか俺の身体がおかしいんだ。
  幻惑であんたをだまくらかすのだって失敗するし
  自信無くしちまうよぉぉん。ど〜なっちゃうの俺!?
「お前・・・私を嵌める気だったのか!」
ラーメンマンの手に力が篭もる。握られた飛刀はたまらず悲鳴を上げた。
――だって怖ぇ〜んだもんよ〜!身体動かね〜し〜!アンタがどんな奴なのかわからなかったし
  気味悪がられて折られんの嫌だったんだよぉ〜〜ん!!
ラーメンマンの額に汗。こんな阿呆に誑かされたのでは末代までの恥だ。

――どうした、旦那。
「静かに・・・。人の気配がする」
――げーーーーー!逃げようぜ旦那。俺はまだ折られたくねぇよ。
「黙ってろ飛刀。それとも1人でここにいるか?」
――冗談やめろって。俺は1人じゃ動けねーんだよ!ついてくしかねーんだよ。
「置いていかれたくなかったら口は閉じていろ。唾が飛ぶ。敵か味方か確かめるだけだ」
ラーメンマンは飛刀を片手に気配のする方へ向かった。


【兵庫県/加古川付近/朝】

【ラーメンマン@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】飛刀@封神演義
【道具】荷物一式
【思考】1:気配の確認。
    2:弱き者を助ける。
    3:正義超人を探す。 

234 :川を越えて:2005/07/28(木) 21:51:40 ID:???
「お…重いっ…!」
「頑張って!イヴちゃん!」

今、自分たち三人は山形県に流れる有名な川『最上川』を渡っている。
朝日が昇り始めた早朝から当初の目的通りに秋田の山小屋を出て南へと徒歩で南下を始め、今の所他の誰とも遭遇する事も無く今へと至る訳だ。

「…大丈夫かい?やはり僕が背負った方が良かったんじゃあ?」
「へ、平気…あと少しだから…!」
「ああっ!?落ちる!落ちちゃうッ!!」
「クウッ…!!」

ゆきめという名の雪女(?)だと名乗った少女を両手でぶら下げながらふらふらと今にも墜落しそうな頼りない様子で僕の頭上を飛んでいるイヴ。
最初にこの小さな川
(本来なら大きな川なのだが、立て札には『最上川』と書いてあったため、そうなのだろう)
に着いた時、大きめの橋が結構遠い距離の先に見えてはいたが…
遠回りをしてまで人目に付きやすい橋を渡るくらいなら…と、多少濡れてしまったとしても直に渡ってしまおうとの提案をしたは良いものの…
「私、『雪女』だから水は嫌なの!」
と、だだっ子のように嫌がるゆきめ。

235 :川を越えて:2005/07/28(木) 21:54:39 ID:???
その様子を見たイヴが
「なら、私が運んであげる」
との言葉を言った時はその意味が理解できなかった。
しかし…背中からまるで何かのアニメや神話上・空想上の生物…
一般的に思い描かれている清らかな天使のような立派な羽を生やしたイヴの姿を見せられて、驚きはしたものの…
すでにナッパやフリーザと呼ばれていた者たちの不思議で非現実的な力を目の当たりにしていた為、原理には理解に苦しむものの今更この程度の事は納得出来ない事も無い。
この姿で空を飛んで彼女を運ぶつもりなのだろう。

それはそうと…むしろ、最初はただの足手まといにならないかどうかと心配していたため
『利用できる仲間を集めるための餌』
としての意味以外にも利用価値があったこのイヴという少女の不思議な能力は、これから大いに僕の為に役立ててもらう事としよう。

「後少し!もうすぐ渡りきれるよ!お願い、頑張って!」
「も…もうダメ…!」
イヴの羽の不思議な光が弱まっていく様が見て取れる。
「お、おい?」
「ゆきめさん、ごめんなさい…!」
「えっ!?キャアッ!!?」



236 :川を越えて:2005/07/28(木) 21:59:01 ID:???



「……クシュン!!」
「大丈夫?ごめんね、私のせいで…」
「ううん、ゆきめさんが濡れなくてよかった…」
「とっさに私だけ投げて助けてくれて…イヴちゃん、ビショビショだもの…」

川を渡った先の小さな釣り具店の中で、椅子に座って話している二人。
「…今、あの人が服乾かしてくれてるから、もう少しその格好で我慢してね」
「…うん」

イヴは今上半身は月の上着、下半身には『いちご柄のパンツ』だけ…という格好である。
「ゆきめさんの支給品…役に立ったね」
「うん。最初はこんな物騒で私には使えそうにない物、いらないと思ったけど…」

一方月は建物の外、隣の建物との間の周りからはなるべく見つかりにくい死角の場所で一人、絞ったイヴの黒い上下の服を木の枝に通してぶら下げながらため息をついていた。
「全く…まるで子守りだ。…えっと…『唸れ、真空の…斧?』」
服から少し距離を置いて、手に持った大きな斧を掲げながら半信半疑の不安げな表情でその言葉を呟く。
すると斧に付いている小さな丸い石が光を放って、突然その場に魔法の風が起きる。

237 :川を越えて:2005/07/28(木) 22:01:41 ID:???
「ウワッ!?本当に使えたのか!?」
イヴの服がその風で大きくバタバタとなびく。

『合い言葉によりバギという小さな魔法の風を起動させる事が出来る斧』
との説明書きの通り、斧から広く渦巻く突風が発生する。
本来ならばある程度の殺傷能力も持つ風であるが、この世界の不思議な制限によりその風は人がよろめく程度の突風で済んでいるため、服が切り刻まれる事は無い。
…まあ、月は本来の威力など知るはずも無いが。
(この武器、まあ使えない事も無いな。
こんな武器を扱うような武術の心得は無いが、運動神経には自信がある。
危険な相手から逃げる時に目くらまし程度になるかもしれない。
万が一の場合はあの二人を囮にすれば自分の助かる可能性も上がる。
クク、運が向いてきたぞ…!)
邪悪な笑みを浮かべながら一人考えを巡らせる月だが、端から見れば斧を構えながら洗濯物を乾かす半裸の変質者である。

「…!?」
しかしその時突然、耳の奥に聞き覚えのある忘れる事など無い…あの憎きバーンの声が響く。
「………」
彼らから告げられる、脱落者の名と禁止エリア。

238 :川を越えて:2005/07/28(木) 22:03:03 ID:???

(…竜崎は無事か。まあ、あいつは簡単には死なないかもな。
…なんといっても、このキラの好敵手なのだからな。フフ)
自嘲気味に小さく笑みをもらしながら声に耳を傾け続ける。
(…奴らはどうあっても殺し合いをさせて楽しみたいようだな。仲間割れを誘発させたいらしいが、僕にはその程度の小細工は無駄だ)
自分の頭脳、演技力には自信がある。
バーンの口から『世界最高の頭脳』と言わしめたあの竜崎をも欺き続けているのだから。
あんな小娘二人、騙し続けるのは造作も無い。


「……稲葉…郷子?」
「…?ゆきめさん?」
その名を耳にしたゆきめは目を見開いた。
「そんな……!」
ゆきめにはその名に聞き覚えがあった。
探している一番大切な人物鵺野鳴介の、大切な生徒の名。
「そんな……」
自然と涙がこぼれる。
鵺野の名は無かったが、それでも涙は止まらなかった。
「………」
その姿に胸を痛めるイヴ。
トレインとスヴェンの無事を知って安堵の気持ちはあったが、目の前の人物の知り合いが死んだのであろうと察すると、複雑な気持ちだった。
「…ゆきめさん…」
「……大丈夫、大丈夫…よ…」

239 :川を越えて:2005/07/28(木) 22:06:31 ID:???
「………」
涙を流しながらも懸命に笑顔を作るゆきめ。
そんな彼女の姿に、改めてこのゲームに対する深い憤りとやるせなさ、自分の無力さを感じて言葉を無くすイヴだった…。


【山形県/朝】

【夜神 月(ライト)@DEATH NOTE】
[状態]健康
[装備]真空の斧@ダイの大冒険
[道具]荷物一式
[思考]:使えそうな人物との接触
:竜崎(L)を始末し、ゲームから生き残る

【ゆきめ@地獄先生ぬ〜べ〜】
[状態]健康
[道具]荷物一式
[思考]:鵺野鳴介との合流
:ゲームから脱出する

【イヴ@BLACK CAT】
[状態]やや疲労、風邪気味
[装備]いちご柄のパンツ@いちご100%
[道具]:荷物一式
:無限刃@るろうに剣心
[思考]:トレイン・スヴェンとの合流
:ゲームの破壊

240 :マロン名無しさん:2005/07/29(金) 21:01:42 ID:???
感想スレが見当たらない件

241 :マロン名無しさん:2005/07/29(金) 21:04:10 ID:???
ジャンプキャラ・バトルロワイアル感想議論スレ Part.6
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1121860044/

誘導するのは今回だけだ。

242 :暴走列島〜呆然〜:2005/07/29(金) 21:11:19 ID:???
“放送”が終了してもしばらくの間、越前と新八は無言のままだった。

『神楽』
『坂田銀時』

脱落者として読み上げられた中にあった、近しい人の名。
「……嘘だろ」
新八の呟きが差し込む朝日に溶けるように消える。
――――”脱落”?銀さんと神楽ちゃんが?――――死んだ?
先程潤したばかりの喉がすでに渇き、ひりひりとした痛みを訴えている。
瞬きを忘れたように見開かれたままの新八の目は、赤く充血し始めていた。
「嘘だろ……」
もう一度無意識に新八は呟く。
だって、昨日……いや、数時間前まではまったくの日常だったのだ。
神楽ちゃんはいつも通りすこんぶを食べてたし、銀さんはいつも通りジャンプを読んでいた。
そりゃあ時々大きな騒ぎに巻き込まれたりするけど――――死ぬなんて。あの二人が。

――――本当に死んだ?
――――なぜ?
――――どうして?

いくつもの疑問と二人の顔がぐるぐると頭の中を回る。
……頭だけじゃない。
目の前の景色もぐるぐると渦巻き……視界がぼやける。

「ちょっと、アンタ……」
少し焦ったような越前の声を微かに認識し、新八の意識は急激に閉じていった。


243 :暴走列島〜呆然〜:2005/07/29(金) 21:13:22 ID:???
「ちょっと……!」
急激に顔を青くしたと思ったら白目をむいてひっくり返ってしまった新八に、流石の越前も少しばかり焦る。
……呼吸は、してる。脈もある。
これが正常なのかどうかはわからないけど、生きてることは確かだ。
恐らく高揚していた精神がオーバーヒートしてしまったのだろう。
まぁ、これで強制的に寝かせられたから結果的にはOKかな。
新八の体勢を少し直し、越前は眉根を寄せた。
彼がこうなってしまった原因は恐らく、先程バーンだとかいうジイさんが言っていた脱落者とやらの中に、
新八の仲間である坂田銀時と神楽の名前があったからだろう。
ここに着いて新八が目覚めてから絶え間なく続けられていた話の中に何度も出てきた彼らの名前は、越前
も覚えてしまっている。

――――竜崎。

坂田銀時と神楽と同じように読み上げられた『竜崎桜乃』の名。
死んだの?アンタ。……本当に?
確かにさ、アンタってばトロイし方向音痴だし運動神経も誉められたモノじゃないけど。
こんな、異常なゲームで……本当に?
越前の脳裏で、長い三つ編みが揺れる。
「ウソだろ……」
先程新八が呟いていた言葉を、今度は越前が口にする。
いつも自分を応援してくれた彼女。
なんでだかヘンなヤツラに絡まれることが多くて、助けると「ありがとう。リョーマくん」とはにかむように笑った彼女。
ああ、そういえば、いつかの試合で「がんばってね」ってメモと一緒にポンタを差し入れてくれたの、アンタでしょ?
名前書いてなかったけどアンタっぽいと思ったもん。
脳裏で長い三つ編みが振り返り、困ったように笑う。

「……信じない」


244 :暴走列島〜呆然〜:2005/07/29(金) 21:14:04 ID:???
かぶりっぱなしだった帽子のつばをさげ、深くかぶり直す。
――――アイツが死んだなんて証拠はどこにもない。死ぬところや死体を見た訳じゃない。
だから信じない。彼女が死んだなんて。
あんなジイさんの言葉だけで信じられるはずないじゃんか。
だから……自分は当初も目的通りに東京を目指す。
唇を小さく噛み、越前は静かに立ち上がった。
新八に視線を向け彼が眠っていることを確認すると、越前はレストランの外へと出て行った。
信じない、と決めても心底で澱む不安は消えず……外の空気を吸って少しでも気分転換がしたかった。
外に出たところで大きくのびをする。
頭上に広がる青空は元いた世界のモノと変わらず――――越前は再び帽子を深くかぶり直した。



空が白み始めると同時にボロ小屋を出発した火口卿介は、昨夜と同じように己の幸運に打ち震えた。
しばらく歩くうちに大きな道路に行き当たり、そこに立てられていた標識によって自分の現在地を把握
することに成功した。
斬魂刀を握りしめ、大きな道路……山陽自動車道を北上する。
程なくして見えたサービスエリアを覗き込むと……なんと中から子供が出てきたのだ。
昨夜、姫路駅の構内で少女を殺したときのことを思い出す。
たった数度石で殴っただけであっさりと動かなくなったあの少女は、この刀を持っていた。
あの小柄な少年は一体、自分にどんな武器をもたらしてくれるのだろう。
自分の幸運に、口元が緩む。
刀の柄を握り直し、気取られないように回り込む。
レストランから数歩離れた少年は大きくのびをしていた。
レストランの側の植え込みに潜む自分にはまだ気付いていない。
刀を鞘から抜く。
一瞬だ。一瞬で終わる。
満面の笑みを浮かべながら、火口は立ち上がり刀を大きく振りかぶった。
そして――――振り下ろす。



245 :暴走列島〜呆然〜:2005/07/29(金) 21:15:08 ID:???

「なんだと?!」

振り下ろした刀は空気のみを切り裂き、火口の目の前にいる少年はキツイ目で自分を睨んでいる。
「なんなの、アンタ?」
淡々とした口調にわずかに苛立ちを含ませた少年は真っ直ぐに立ったままだ。
「どうやってかわしたのかは知らんが……所詮は子供!!」
そうだ。相手はたかが子供だ。
かわされたと思ったのは何かの間違いだ。きっと、目測が狂ってしまったんだ。
「アンタ、馬鹿?」
「なっ?!」
「どうやってかわせたか知らんが、って、影が見えたんだよ」
昇り始めた朝日は、アスファルトに二人分の影作る手助けをしている。
小馬鹿にしたように小さく笑った少年に、火口はギリギリと唇を噛みしめた。
「生意気なガキめ!!」
再び刃先を上げ、少年の脳天目掛けて振り下ろす。
少年の白い帽子を捉えた、と思った瞬間、その小さな体は火口の視界から消えていた。
「……なにっ?!」
「なんなの、アンタ?」
先程と変わらない口調で少年は立っている。生きている。
「小癪な……っ!」
横凪に刀を振るも、少年は跳ねるように後ろに下がり三度刀身をかわす。
火口は知らない。
少年がテニスの天才であることを。
少年に時速200`近い速さのサーブを打つ先輩がいて、それを毎日のように見ていることを。
だから、少年が常人である火口が刀を振り下ろす速さをどうにか見切れることを、火口は知らない。
「……うおおおおおおおおおおおおお――――――――っっ!!」
咆吼をあげ、火口は少年に斬りかかる。
――――このガキは死ななければならない。俺に武器を与え、死ななければならない。
血走った目で刀を振り下ろし、再び振り上げる。
少年がかわす。刀を振る。
少年がかわす。刀を払う。

246 :暴走列島〜呆然〜:2005/07/29(金) 21:16:31 ID:???
一方の越前は、少々焦っていた。
自分を襲っているこの男は、間違いなく殺意を持っている。
ついいつもの調子で煽ってしまったが、武器も何も持っていないこちらが圧倒的に不利だ。
逃げようにも荷物もウェイバーもレストランの中だし、なにより店内には気絶したままの新八
がいる。
今のところどうにか刀はかわせるが、それだってギリギリなのである。
このままかわし逃げ続けて体力を消耗させるって手もあるが……。
「まったく……」
ここにラケットとボールがあれば話は早いのに。
頭がおかしいとしか思えないこのオッサンにボールを打ち込んで、気絶させることだってできる
のに。
心の中で舌打ちをし、越前は左肩目掛けて振り下ろされた刃を右に上体をひらいてかわす。
そのまま突っ込んでくる男を右足を出して待ちかまえる。
「ぐおっ?!」
お約束のように越前の足に引っかかった男は、よろめきながらも倒れはしなかった。
だが男のズボンのポケットから小さなカプセルが転がり出る。
ボンッと音を立て、カプセルが開く。
カランとその場に落ちたのは一本のテニスラケットだった。
自分の使うソレよりも少し小振りなソレは――――。

「竜崎の……」

越前の脳裏でまた、長い三つ編みが揺れる。
いつまでたっても膝は伸びすぎだし肘は曲がりすぎだし髪は長すぎだし……でも、最近ちょっと
マシになってきた彼女が振っていたラケット。
3ヶ月ほど前に買ったばかりだったそれはすでに新品ではなくなっていて、彼女が毎日一生懸命に
素振りをしてきたことがわかる。
そのラケットを、なぜこの男が……。
――――――――まさか。

247 :暴走列島〜呆然〜:2005/07/29(金) 21:17:54 ID:???
「アンタ、どこかで俺と同じ年くらいの女の子に会わなかった?髪の毛を二つに縛ったヤツ」
足を引っかけられた事を怒っているのか、男の表情は鬼気迫るモノがある。
「女の子だと?」
男の口元が、歪む。
なんだかやけに楽しそうだけど……頭イッちゃってるんのかな。
「そういえば、昨夜俺が殺した女の子も二つにしばってたっけな」
くぐもった笑い声とともに吐き出された言葉は、越前を金縛りにかけるには十分な力を持っていた。
「……!!……嘘だ」
絞り出した声が少し震えたのを自覚し、越前は唇を噛む。
竜崎を……殺した?このオッサンが?
「嘘だ」
はっきりと、自分に言い聞かせるように口にする。
信じない。俺は信じない。
こんな馬鹿げたゲームでアイツが死んだなんて、俺は信じない――――!!
震える拳を握りしめ、越前は鋭い目で刀を構える男を見据えた。



対する火口は、少年が呟いた名を聞き逃さなかった。
『竜崎』
その名には聞き覚えがある。
確かあの目覚めた大広間で主催者に質問をしていたLを、側にいた青年がそう呼んでいなかったか?
竜崎というのは、もしかしてLの本名なのではないか?
だとすると、このガキはLの本名を知っている?!
火口の口元が再び幸運に緩む。
通常時の火口なら、先刻流れた放送の中にあった『竜崎桜乃』の名を記憶に留めていただろう。
だが今の火口は目の前の幸運に我を忘れていた。
「簡単だ。このガキからLの本名を聞き出しデスノートを手に入れる。Lの顔はすでに知っているんだ。
殺すのは簡単だ。そしてこの俺が……」
「なんだか楽しそうなトコ悪いんだけど、ソレ、返してくれない?」
幸運を噛みしめる時を邪魔され、火口は口元を引きつらせる。
少年の視線の先にあるのは、自分に支給されたテニスラケット。

248 :暴走列島〜呆然〜:2005/07/29(金) 21:18:45 ID:???
「ふんっ!」
ガット面を足で踏みつぶし、火口は笑う。
「ガキ、Lの本名を教えろ」
「言ってる意味がわかんないんだけど。それよりもソレを踏まないでくれない?」
はっきりと怒りの滲む少年の声に、火口は笑う。
「Lの本名を教えろ。そうすれば命だけは助けてやってもいい」
嘘だけどな。聞き出したら速攻で殺してやる。
心中で少年を嘲笑い、火口は少年を見下ろす。
目の前の生意気なガキは、燃えるような目で自分を睨み付けている。
――――ああ、やっぱり自分は運がいい。
こうやって子供という楽な獲物に巡り会えただけではなく、Lの本名まで知ることができるとは。
己の幸運に、火口は一瞬だけ空を仰ぐ。

――――それが、文字通りの命取りであった。




249 :暴走列島〜呆然〜:2005/07/29(金) 21:19:54 ID:???

「うわあああああ――――!!」
悲鳴ともつかない大声を聞くと同時に、火口の後頭部に鈍痛が走った。
視界が揺らぎ、火口はその場に膝をつく。
「何だ……?」
振り返った火口の目に映ったのは、メガネをかけた少年と彼が振り上げる椅子。
真っ直ぐに振り下ろされた椅子が火口の額を割り、流れ出た血が視界を赤く染めていく。
なんだこのガキは?もう一人いたのか?どこにいたんだ?
混乱した思考のまま刀を振り上げようとし、再び感じた鈍痛にその柄を取り落とす。
……こんな所で倒れるわけにはいかない。
せっかくLを殺す手がかりを手に入れたのに。
せっかく想像も付かないような栄光を手に入れるチャンスなのに。
こんな……ガキのせいで……。
「俺にはまだ……やることが……」
「うわあああああ――――!!」
火口の声をかき消すように、メガネの少年は叫び続ける。
飛び散る血を物ともせず、メガネの少年は振り下ろし続ける。
鈍痛はやがて遠のいていき、火口の視界が赤味を増していく。

そして――――――――。

火口卿介は、地面に突っ伏したまま動かなくなった。





250 :暴走列島〜呆然〜:2005/07/29(金) 21:20:34 ID:???
【兵庫県/山陽自動車道のサービスエリア/朝】

【志村新八@銀魂】
【状態】中度の疲労。全身所々に擦過傷。特に右腕が酷く、人差し指、中指、薬指が骨折。
【装備】血まみれの椅子
【道具】荷物一式、両さんの自転車@こち亀
【思考】1:越前を助ける。精神錯乱中。

【越前リョーマ@テニスの王子様】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】荷物一式(半日分の水を消費)、サービスエリアで失敬した小物(手ぬぐい、マキ○ン、古いロープ
    爪きり、ペンケース、ペンライト、変なTシャツ)、ウェイバー@ワンピース
【思考】1:目前の光景に半茫然自失
    2:情報を集めながらとりあえず地元である東京へ向かう。
    3:仲間との合流。竜崎桜乃の死は信じない。


【火口卿介 死亡確認】
【残り111人】

【備考】火口の荷物一式は植え込みに隠してあります。   

251 :死を乗り越えて1:2005/07/29(金) 23:49:09 ID:???
初めての朝…岡山、兵庫の県境で両津もまた、あの忌まわしい放送を聞いていた…
「ぶっ、部長が死んだ?」信じられないというような顔をして両津は叫ぶ。
その眼には一筋の涙がこぼれ落ちていた…
15年以上付き合ってきた仲だ。普段は喧嘩ばかりしているがやはり両津は大原を尊敬していた。
しかし…深い悲しみに暮れているのは彼一人だけではなかった。
鵺野冥介。彼もまた、大切な生徒を失って悲しんでいるのだった。
両津達は数時間前に既に兵庫県に到着していた。
しかし、あと一歩と言う所で悲劇は訪れた。
火口による殺人。
鵺野はその一部始終を、スカウター越しに目のあたりにした…
そして、死亡が確認されると、彼はスカウターを外し、うずくまって泣き叫んだ。
それから現在に至る迄の間、鵺野は全くの無防備だった。
しかし、両津が警戒を続けていたので危機らしい危機は無かった。(やけに戦闘力の高い男が近くを通ったのには驚いたが)


252 :死を乗り越えて2:2005/07/29(金) 23:50:41 ID:???
泣き叫ぶ鵺野を両津は止められない。自分も辛いが愛する生徒を失った彼に比べればなんてことはない。
そのうち立ち直ってくれる。
そう信じて両津は待ち続けた。そして、郷子を殺した殺人者にも裁きの時が訪れる。
因果応報とはこのことか。彼もまた、少女と同じように撲殺された。
「鵺野先生!貴方の生徒を殺した男は殺されたぞ」
「本当か?」
鼻声で、苦しそうにしながらも鵺野は答えた。
「ああ、再び殺人を犯そうとしたが、返り討ちにあった。これで天国の穣ちゃんも少しは報われただろうか?」
両津には分からなかった。火口を殺した男も必要以上に攻撃を繰り返していた。彼はこのゲームに乗ってしまったのではないか?
「そうか。死んだのか。なら俺の出る幕は無いな。
両津さん。その銃で俺を殺してくれ。郷子の元へ行きたい」
刹那、両津は鵺野のほおに平手打ちを食らわせていた。


253 :死を乗り越えて3:2005/07/29(金) 23:52:05 ID:???
「ふざけるな!!あれだけ泣き叫んでおいて、間接的にでも復讐が終わったから殺してくれ?
わらわすんじゃねぇ。このガキ。
まだ貴方には守るべき人がいるだろう?」
大切な人を失った悲しみは両津にも分かっている。単純だが純粋な思いは鵺野に届いた。
「そ、そうだ。俺には妻が、ゆきめがいる。彼女を守らないと」
水を飲み、気を落ち着かせながら彼は言った。
「分かってくれたようだな。
さて、わしらもゆきめさんを助けに行きたいところだが、関東には凶悪な殺人者がうようよしている。
そこで仲間を増やす必要があるのだが…」
「アテがあるのか?」
疑問を問う鵺野に両津はスカウターを手渡した。
「琵琶湖付近を見てくれ。女と子供が二人いるだろう?
女の方はわしの同僚だ。決して殺しあいをするわけはない。
ましてや子供に銃など向けはしないよ」
鵺野は納得しながらも、とにかくゆきめが気になって仕方がなかった。
そして、無事が確認されると、
「分かったよ。両津さん。先ず琵琶湖へ行き、両津さんの仲間と合流する。
そして、その後ゆきめを助けに行く」
方針が決まった二人は急いで東へと向かった。
二度と悲劇を繰り返さないために。



254 :死を乗り越えて4:2005/07/29(金) 23:52:47 ID:???
【初日兵庫県西部@朝】
【両津勘吉@こち亀】
【状態】健康
【装備】マグナムリボルバー残弾30
【道具】支給品一式
【思考】1麗子達と合流する。2沢山の人を助ける。【鵺野冥介@地獄先生ぬーべー】
【状態】泣き疲れて少し体力を消耗
【装備】スカウター@ドラゴンボール
【道具】水を7分の1消費した支給品一式
【思考】1琵琶湖へ行く。2ゆきめを助けに行く。

255 :生き残るために:2005/07/30(土) 01:26:54 ID:???
あれから少しばかり走った後、ロビンは休憩していた。
唯でさえ疲労しきっていたスヴェンをあのラオウと言う男と戦うとき無理矢理戦わせたのだ。
幾ら操っていたとしても素が人間であり疲労すれば、動きは鈍くなる。
ならこれからの為にも此処で休憩していざという時に備えて置いた方が賢明であると判断したからだ。
「――さて、これからどうしようかしら」
頭の中で必死に生き残る方法を模索する。
そうして考えている内に時間は刻々と過ぎていった。

『―――諸君、ご苦労……』
ふと頭の中に別の思考が混ざってきた。
勿論それは自分の思考ではなく他人の声である。
バーン、フリーザとノイズが頭の中を流れていく。
その声にて解った事はこの島に来て6時間の内に18名も死んだと言う事だ。
しかし別にこれには驚きはない。
色々な戦いを目にしてきたがその時の死者はその数の比ではない。
つまりはこの18名と言う数字が何を表しているのかと言うと、思ったより殺し合いをしている人数の方が少なかったと言うことだ。
思えば3人出会った内のラオウ以外は別段乗っている訳でも無かった。
しかし、彼女の中でそれ以上にショックだったのは……
「――勝利マン」
勿論無事あの化け物相手に無事でいられるとは考えてもなかった。
が、最後に命令に背いたにしろ彼はロビンの中で仲間であったのだ。
無事でなくても逃げてくれさえしていれば、とほんの少しだが希望を抱いていた。
それに結果的に見たら彼があの絶望的状況を逃がしてくれたとも考えられる。
「ごめんなさいね、そしてありがとう。貴方のことは忘れないわ」
何処に言うともなくそう呟いた。


256 :生き残るために:2005/07/30(土) 01:27:49 ID:???
仲間と言う存在に人一倍恐れていた彼女だからこそ、その契約が絶対な物として存在した場合それに盲目的になってしまうのであった。
孤独に耐えきれず自分自身で絶対服従と言う名のを仲間を作った彼女。
裏切らないからこそ安心して信じられる――そんな甘美な誘惑に彼女は負けていた。
結局は彼女の方こそが剣に魅了された道化だったのであった。


それから少しした後ロビンは前の方から人の気配を感じた。
逃げてきた方角とその気配からラオウではないことをまず確認して、ロビンは胸をなで下ろす。
眠っているスヴェンから荷物だけを拝借してそのまま起こさず相手の様子を窺った。
キョロキョロ周りを見渡しながら歩いてくる少女。
向こうは警戒しているつもりでもてんでなっちゃいない。
明らかな素人だろうと言うことは一瞬で察しがついた。



257 :生き残るために2:2005/07/30(土) 01:30:06 ID:???
「此方には戦う気はないわ」
いつも通り両手を挙げながら物陰から姿を現した。
目の前の女性は一瞬吃驚するが、此方が丸腰なのと戦う気がないのを確認したからか警戒を解いた。
「あのっ!遊戯って子を知りませんか?」
ロビンが次の声をかけようとする前に彼女の方から喋りかけてきた。
「この位の背で髪の毛はツンツンに逆立ってて……」
「残念だけど知らないわ」
一生懸命ジェスチャーをする彼女に両手を挙げたまま知らないというジェスチャーを使って答える。
それを聞くと目の前の女性――杏子はがっくりと項垂れた。
「落ち込んでいるところ悪いんだけどイヴって子知らない?」
人を訪ねられたので思い出した。
自分には特に探し人はいないのだが、仲間――スヴェンが最後まで気にかけていた子がいたと言うことを。
「イヴ……?私も残念ですが知りません。何しろ此処に来て初めて出会ったのが貴方でしたので……」
先程の念話で18人も死んだと言う事を知って怯えているのだろうか身体が小刻みに震え、ロビンを見つめる瞳は潤んでいる。
「――そう、ならもう用はないわ」
別にゲームに乗ったわけでなく他人の生死に関わりたくないロビンはくるりと回れ右をした。
「待って下さい!一緒に人捜しをしませんか?」
最初に出会った人を信用して心細い状況から逃れようとする杏子。
「――口だけの仲間ってのが信用できないの、この島じゃ特にね」
振り返りもせずそうロビンは突っぱねる。
「だけど……」
そう呟きロビンがちらっと後ろを振り返ると其処には体中から生える手に動きを封じられた杏子がいた。
ご丁寧にも叫ばれないように口も生えている手で抑えている。
驚きと恐怖で叫ぼうとする杏子だったがそれすら叶わなかった。
「これは貰っていくわ」
手に持っていたロッドとバックをロビンは杏子から奪い取った。


258 :生き残るために3:2005/07/30(土) 01:31:28 ID:???
この島で生き残るには何が必要か?
それは長い日数生き残るための食料と自分を裏切らない仲間。
そしてあのラオウという男みたいなのを倒す圧倒的な火力を持った武器。
結局あの時自分たちは何故勝てなかったのか?
それは絶対的な火力が不足していたからである。
結局自分の能力は奇襲で一番活きてくる。
だけどその奇襲すらダメージを与えられない相手にはただ死を待つしか無いのだ。
あの時も攻撃は何度も当たっていたし、チャンスは幾らでも見つけられた。
だけどそのチャンスを活かせる武器が無かったのだ。
攻撃は最大の防御。
つまりは、生き残るためには相手を殺せる位の力を所持していないといけないと言う結論に行き着いた。
降魔の剣が無い現在、火力は無いに等しい。
勿論火力のある武器でなくてもかまわない。
一見アクセサリや唯の剣のようで小さくなれたり、相手を絶対服従させることの出来るアイテムだって存在したのだ。
一見無用なアイテムでも実はとんでも無いアイテムかもしれない。
ロビンは走って逃げながら手に入れたばかりのロッドを調べてみる。
案の定、儀式用に見えて実は仕込み杖だったらしい。
柄の部分から覗く鈍い光を確認してからバックにしまう。
「逃げるわよ、スヴェン!」
眠っていた仲間を起こし、借りていた荷物を返しながらロビンは走り去る。
後方でやっと手から解放された杏子が「どろぼーーーっ!!」っと叫んでいるのを聞いて思わず頬が緩む。
「――海賊だったんけどね」
まぁ陸に上がった海賊は唯の賊、つまりは泥棒なのかもしれない。
そんな些細なことであったがロビンは久し振りに笑ったような気がした。


259 :生き残るために4:2005/07/30(土) 01:33:23 ID:???
【茨城県/朝〜午前】

【ニコ・ロビン@ONE PIECE】
 [状態]:健康(休憩してある程度は疲労回復)
 [装備]:千年ロッド@遊戯王
 [道具]:荷物二人分 千年ロッド@遊戯王
 [思考]:1隙あらばアイテムと食料を盗む
     2イヴを探す
     3死にたくない

【スヴェン・ボルフィード@BLACK CAT】
 [状態]:妖怪化、疲労(ある程度は回復)、予見眼使用不可
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式(不明)
 [思考]:妖怪化しロビン絶対

【真崎杏子@遊戯王】
 [状態]:健康
 [装備]:無し
 [道具]:無し
 [思考]:1.街の探索。遊戯を捜す
    2.疑心暗鬼
    2.城之内・海馬と合流。
    3.ゲームを脱出。

260 :風に溶ける願い:2005/07/30(土) 02:33:41 ID:???
走る、走る――


背中に『魔』の一文字を携え、クリリンは朝日をその頭部に煌めかせながら走り続ける――


(さっきのフリーザたちはピッコロの名前を言わなかった!
悟空たちも無事みたいだな、順調だ!
ドラゴンボールの件はもしかしたら…いや、多分悟空たちも気付いてるだろうからあいつらにも頼めればピッコロ優勝に絶対協力してくれるはずだ!)

報われず、悲しく、そして恐ろしい、その勘違い解釈を自分の中で信じ込んだまま…クリリンは走り続ける。
ピッコロ以外の参加者を全てゲームから退場させるため――



クリリンの進む方角の遠い先…
岩肌に背もたれて座りつつ辺りに警戒を続けている一人の男性と、草むらに横たわって眠っている女性の姿があった。
その女性、北大路さつきは男性の方へ寝返りを打つように体を向け、そっと目を開けて男性を見る。

「…眠れたか?」
「……全然…」
「そうか、まあ仕方ない。…こんな状況だからな…」
「……防人さんの知り合いの人たち…カズキさんたちは、呼ばれなかったみたいね」

261 :風に溶ける願い:2005/07/30(土) 02:35:16 ID:???

「ああ、彼らは無事だ。オレの自慢のブラボーな部下だから、簡単に死んだりしない。
…君の友人たちも全員無事みたいだな」
「…はい」

穏やかな朝日の中、静かな声の会話が空気に溶ける。

つい今しがたバーンたちの放送が二人の頭に響き死者達の名がたくさん綴られたが、その中に二人の知る名は一つも無かった。
数時間前…恐ろしい襲撃者であった戸愚呂兄に脅えて何も出来ずに殺される寸前だったさつき。
その自分の為に駆けつけて傷を負いながらも助けてくれたブラボーに深い感謝と安心の念を持ち礼を言い、いろいろな情報交換をした後にブラボーに
「オレが見張っているから、少し寝た方がいい」と言われ、信頼していた為に見張りを任せて横になっていた。
しかし、大切な友達たちや真中の身を案じて…一睡も出来なかったが。

「防人さんは大丈夫?寝てないですし…」
「全然平気だ、十分体は休ませられたからな。
…ちなみに防人ではなくキャプテン・ブラb「防人さん、お腹空いてない?もうそろそろみんなを探すために…東京に向けて移動するんでしょ?朝にしましょうよ」
「……そうしようか…」

262 :風に溶ける願い:2005/07/30(土) 02:38:41 ID:???


先程の放送で告げられた死者の数の余りの多さに深く心を痛めてはいたものの、さつきは極めて明るく振る舞っていた。

(…これ以上防人さんの負担になる訳にはいかないもの。必ず真中を助けに行く!助ける!私がしっかりしなきゃ!)

さつきは昨夜の自分を守ってくれたブラボーの戦いぶりを見て、そして朝を迎えるまで様々な事を一人考え続け…少し心を強くした。
(…きっと、真中たちも私と同じようにこの不可解な状況の中、震えているに違いない。逃げ回っているに違いない。
…真中が死ぬくらいなら私も死ぬわ。だから…どうせ死ぬのなら、真中たちを探そう。
そして、真中を守ろう!)

か弱い弱者でしかない自分であるが、昨夜の震えていた自分の姿を真中淳平に重ね…
そして真中を守る自分の姿をブラボーに重ねた。
真中を守って死ぬ。そんな人生なら、悪くない。
数時間横になったままグルグルと考えを巡らせた結論が、これだった。

「朝日が眩しい…。この世界も、ちゃんと朝が来るのね…」
「…そうだな」

二人共同じあんパンとコーヒー牛乳を食しながら、さつきは目を細めて空を見上げてぽつりと呟いた。

263 :風に溶ける願い:2005/07/30(土) 02:40:25 ID:???

するとフサ…と頭に何かが乗り、目元に影が出来る。
「…これ…」
「日除けにはなるだろう?女性の肌に紫外線は禁物だからな。気休めにしかならないが」
「…ありがとう」
それは、ブラボーの被っていた変な形の帽子。
デザインに難はあったが、さつきは素直に礼を言って深く被り直した。


そんな穏やかな朝食の時間は、突然に終わりを告げた。
「…!?避けろッッ!!」
「え?キャ…!」
突然立ち上がりブラボーがさつきを突き飛ばす。
するとさつきがいた場所に突然何かが現れ、さつきの寄りかかっていた小さな木が真っ二つに折れて轟音を立てて地面に倒れる。
「…ちぇ、油断してたから先手必勝だと思ったのにな」
「貴様ァッ!」
「…悪いけど、一度だけ死んでもらうよ。みんなが助かるためだからさ…」
その襲撃者、クリリンは…折れた木の裂け目から右足を地面に下げつつ二人に申し訳なさそうに笑みを向けた。
「あ……あ…」
「女の子を殺すのはやっぱり気が引けるけど…」
「!?…クッ!!」
「…ごめんよ!!」
ブラボーがとっさに立ち塞がり、さつきに向けられたクリリンの拳を両手で受け止める。

264 :風に溶ける願い:2005/07/30(土) 02:42:07 ID:???

「キャアッ!?」
「ぐあッ!!!」
かろうじてブラボーがそれを受け止めたものの、昨夜の戦いの傷が開いて強い痛みが襲い顔を歪める。
先程は「十分体は休めた」と言ったものの、実際にはまだ完全に回復した訳では無かった。

「ここはオレに任せて、行け!さつき!」
「……え?」
「そうはいかないよ!二人とも逃がす訳には…いかないッ!!」
拳をブラボーから引いてから再びさつきめがけ、一般人には見えない程の風のように速い回し蹴りを放つ。
しかしブラボーが再びそれに立ちはだかり、自分もその蹴りに同じような蹴りを合わせて大きな激突音を響かせる。
「キャアアッッ!!!」
「オレの部下を探せ!!練金の戦士なら、必ず正しき力になるッ!!」
「でも……でも…!」
「オレは死なん!必ず追いかけるから、早く行けっ!!」
クリリンを強く見据えたままディオスクロイを懐から取り出し、さつきに向けて大きく叫ぶ。
「………クッ!!」
少し躊躇して泣きそうなつらい顔でブラボーを見上げるが、決心したかのようにデイパックを拾い上げて駆け出すさつき。

265 :風に溶ける願い:2005/07/30(土) 02:48:55 ID:???

「…あ〜あ。あんたに時間は掛けられないみたいだね。
さっさとケリを付けさせてもらうよ!」

クリリンが遠ざかるさつきの背を困ったような笑顔で見送りながら、少しブラボーから間合いを離して構える。
「…ブラボーだッ!!行くぞッッ!!」
さつきの姿がどんどん遠ざかる中、拳とディオスクロイが激しく幾度と無く交錯する――




「……まさか、こんな武器で気円斬が何度も何度も防がれるなんて信じられないなぁ…。ふう、疲れたぁ…」
「………」

クリリンは倒れるブラボーに声を掛けながら、ディオスクロイを拾い上げる。
「………」
クリリンは周りを見回す。
真っ二つになった木々、真っ二つになった建物の屋根の角、真っ二つになった電柱、そして…
「…あの女の子は追いかけるのは難しいかな。だいぶ時間使っちゃったからなぁ…」

そして…真っ二つになった、ブラボー。

「このブラボーとか名乗った人、気も扱えないみたいなのにあんな体でも肉弾戦で俺と互角だったし…気円斬、電柱を切るのが精一杯か…これもフリーザのやつの仕業かな、クソッ!!」

266 :風に溶ける願い:2005/07/30(土) 02:50:28 ID:???


空に輝く太陽を見上げながら悔しげに舌打ちをする。
「…気円斬あんなに何回も打ったら、へとへとだ。少し休むか…」

ブラボーの荷物を集めてその場から立ち去るクリリン。


「防人さん……東京で、待ってるからね…!」

遙か遠くまで一心不乱に走り続けてきたさつきは、息を切らせながら立ち止まり……初めて後ろを振り返って呟く。

そのか細い願いの言葉は――
自分の頭のブラボーの帽子をわずかに揺らした暖かいそよ風に乗って、ただ穏やかな朝の空気に溶けて消えるだけだった…。

267 :風に溶ける願い:2005/07/30(土) 02:51:06 ID:???


【福井県/朝】
【クリリン@ドラゴンボール】
[状態]:体力・気、共に大きく消耗
:精神不安定
[装備]悟飯の道着@ドラゴンボール
[道具]:荷物一式(食料2人半分)
:ディオスクロイ@BLACK CAT
[思考]:知り合いとの合流
:出来る限り参加者を脱落させてピッコロを優勝させる
:休める場所を探す

【岐阜/朝】
【北大路さつき@いちご100%】
[状態]体力消耗
[装備]ブラボーの帽子
[道具]荷物一式(支給品未確認、食料少し減少)
[思考]:東京へ向かい、カズキ・斗貴子・いちごキャラを探す&ブラボーを待つ
:真中淳平を守る

【防人衛@武装練金 死亡確認】
【残り110人】

268 :友の魂:2005/07/30(土) 09:21:00 ID:???
舞台、大分。
あたり一面に朝日が射し始めたころ、あの放送が頭の中に鳴り響く。
そして主催者バーンによってある「事実」を告げられた。あっけなく。ありのままに。ただ一言、「ゴン蔵」という名を。

「……なんだって?」

その瞬間、たけしの思考は過熱し始めていた。
ゴン蔵?ゴン蔵が、死んだ?まだ始まったばかりの、このゲームの犠牲者となって?


たけしはキン肉マンと出会ったとき、彼はキン肉マンが友情を誓ったという超人たちの話を聞かせてもらった。
そして自分にもたくさんの友情「超人」がいるとたけしが豪語するのを、キン肉マンはいぶかしげなはらに聞いてくれていた。

その友の名に最初にあがったのはゴン蔵、意外にも彼の名前だった。

普段は仲間内からもずさんな扱いを受けることもしばしばな男、それがゴン蔵である。
リーダーという肩書きに近い、「ボス」という称号を目指すアフロでチョビヒゲの男。
たけし自身、体から滲み出てくるほどの友好的な性格が幸いして、誰とでもすぐに仲良くなる性質であった。
だがゴン蔵はたけしに対してライバル心剥き出しで、いつ、どんな場所でも戦いを挑んでくるようなことがよくあった。

つまりゴン蔵とは、たけしが拳を最も交わすことの多い男にあたるのだ。にもかかわらず、たけしの中では、
彼はかけがえのない者の一人となっていたのだ。

時には愛犬「小次郎」の取り合いをし、時には生死をかけて共に冒険に行き、時には一緒にタッグを組むこともあった。
そんな中で、ゴン蔵が敵視する男は、ゴン蔵を一人の友として、たけしのとても大きなの抱擁のなかにうずまっていくのであった。
彼と出会ったならばタッグをくみ、共にこの悪の企みに戦いを挑みに行こう、そんなことも考えていた。


始まってすぐに、自分は誓いを立てた。リーダーとして、必ずみんなを守ると。
人を助けるのがリーダーの役目。誰も殺させはしないと、強く心に刻んだはずだ。
それがこのザマだ。親しい友人だった男は、既にこの世を去ってしまっていたのだ。
助けてやれなかった。おれはなんて無力だ。この拳で、自分の友さえ救えなかったのだ。

269 :友の魂:2005/07/30(土) 09:21:35 ID:???
「鹿児島、と。たけすぃ、禁止エリアというのが近くにできるみたい……たけすぃ?」

ずっと放送を聞いていたキン肉マンことキン肉・スグルはたけしの返事が聞こえなかったことに気づいた。
スグルには死亡者リストに知る者の名は無く、たけしが憔悴している間も放送を聞きつづけていたのだった。
そして直接頭に響くこの放送に気をとられ、たけしの変化に気づいていなかったのだ。

「どうしたんだ、たけすぃ……」

たけしの顔を見たスグルは、ようやくたけしの様子がおかしいことに気づいた。

「たけし、まさかいたのか!さっきの…中に!?」

たけしは答えなかった。顔をうつむかせ、固く結んだ二つのまぶたの目尻から涙の筋を流していた。
スグルは様子をうかがうばかりで、どうすればよいかわからずにうろたえていた。

「……そうか、『ゴン蔵』!!」

スグルはたけしの話していた人物をようやく思い出した。
彼が一番の友と話していた名だ。自分の知り合いばっかりに気がいったせいでたけしの仲間のことは考えていなかった。
しかし、もう犠牲者となってしまっていたとは………

と、なにか、妙に深い嗚咽のようなものが聞こえてきた。
たけしが何かしゃべっているのかとキン肉マンはたけしの口元を見た。しかしそれはたけしの言葉ではなかった。


胸の奥から聞こえる強い鼓動、体全体の小刻みな震え、逆立つ体毛、そして砕けんばかりに食いしばったアゴ。
スグルが聞いていたのは嗚咽でなく、たけしの奥からあふれてくるエネルギーの衝動。
しだいにたけしの目つきも鋭く、異様なオーラを纏いはじめた。

スグルはなんとなく状況がわかり始めた。
そう、自分にも火事場のクソ力というものがあるように、たけしも秘めたパワーを持っていた。
いま、友の死によってたけしのクソ力が発動したのだと。

270 :友の魂:2005/07/30(土) 09:22:23 ID:???
「………」
「たけし…」

数々の強敵に出会ってきたスグルにはわかる。
今のたけしは超人である今の私の戦闘力を上回りはじめている。
この島の力で自分の制限されているせいでもある。だが相手は地球人の子供なのだ。
そんな力を引き出すほど何が追い詰めたのか、それは当然このゲームだ。
スグルはいまさらながらこのゲームを忌んだ。

「ゴン蔵…仇は討つぞ……必ずな」

たけしが低い声で唸るようにつぶやくと、ついにそのときが来た。
そう、今のたけしを知る人は彼をこう呼ぶ。


『スーパーたけし』と。

271 :友の魂:2005/07/30(土) 09:23:12 ID:???
たけしはどこともなく足を進め始めた。

なにかに憑かれたかのように、ずり、ずりと歩を動かしている。
それはただひとつ、自身を諌める方法なのかも知れないということも悟っていた。

「た、たけし…わかっておるのか!どうみても今オマエは半端じゃなく体力を使っておるのだぞ?
 そんな状態で移動していると、すぐに力尽きてしまう!いまは体力はおくんだ!」

スグルは知っている。そんなパワー全開の状態でいつづけたらどうなるか。
フェニックスと戦ったとき、火事場のクソ力がなかったせいで、あの時自分の心臓は悲鳴をあげていた。
超人でない彼ならばなおさら。自分より高い戦闘力がそう持続できるはずが無い。
すぐに落ち着かせないと取り戻しがつかなくなってしまう。

スグルの説得にかまわず、たけしは歩きつづけた。少しづつ歩みが速くなり始めた。
スグルも同じ速さで必死に説得を試みる。今の彼たけしを力づくでとめることは、今のスグルにはできないからだ。
慣れぬ説得の言葉選びに、度々言葉が詰まりそうになる。それでも止めなければならない。
この少年をこのまま放っておけば確実に途中で倒れる。

たけしの目から流れ続ける涙が少しにじみ始めていた。
それは眼筋に固く力を込めていたせいで、眼球付近の血管がちぎれはじめているのだ。

「い、いかん!そんなに気張ると、目の中だけでなく、頭中の血管が破裂するぞたけし!落ち着くんだ!」

もはや仇どころではない。今すぐにでも休ませないと命にかかわる。
だが、自分の力でもとめられない…

272 :友の魂:2005/07/30(土) 09:24:06 ID:???
「くっ、こうなったら仕方が無い…」

するとスグルは離れた場所に置き去りにされていた、たけしのバッグを取りにいった。
その中から、小さな弾を取り出す。そしてたけしの後ろからすばやく手を回し、それを顔にぶつけた。

「?………ぐおおおおぉぉぉおおお!!!!!!!」

たけしはその場にうずくまり、あまりの目の痛さにその場にしゃがみこんだ。
スグルがたけしにぶつけたもの。そう、凶星・必殺タバスコ星。

しばらく目の自由は利かないが、そのあまりの痛さに、体も自由に動かせなくなるはず。(失明とまではいかないが)

「すまん、たけし!せりゃ!」

そういってスグルはたけしの腕を持ち上げると、強引に一本背負いで投げ飛ばし、一時的に気絶させた。

あまりに荒っぽいやり方だが、これ以上によい方法が浮かばなかったのだ。
ありえないかもしれないが、今のたけしはこのゲームに参加している一般人でさえ襲いかねなかった。

たけしの顔つきが戻り始めた。
スーパーたけしから力が抜けたからだろう、スグルは一安心した。

273 :友の魂:2005/07/30(土) 09:29:13 ID:???


「…そうか、たけしの大切な友達だったんだよな。友情はかけがえのない大切なものだしな。」

友情、それがキン肉マンの力となり、彼を強くしてきた。
その失ったものの大きさはよくわかる。たけしが倒れる寸前まで行きそうになったのも仕方が無いだろう。

スグルは支給された水でたけしの顔を洗った。タバスコで強い刺激をうけた目を癒しているのだ。
しかし気絶して目を閉じているせいで、あまり要領よく洗うことができない。
あまりタバスコが長く染み付いていると、視力が落ちてしまうかもしれない。
自分がした行為だが、一刻を争うことを考え、スグルは水で洗うのをやめると、自分のマスクに手をかけた。

彼の故郷、キン肉星では生まれてすぐにマスクをつけるしきたりとなっている。。
今でこそスグルは豚のような形相をしているが、そのマスクの中にある容姿は誰も知らないのだ。
そしてそのマスクの下には、キン肉王家のものにだけ授けられる、『奇跡』がある。

「フェイスフラッシュ…!」

スグルの顔から降り注がれる光は、たけしをやさしく包んだ。
血涙がひき、タバスコの酸性も薄れ始めた。
原理はわからないが、とにかくたけしの状態を回復させたのだった。
スグルはたけしの回復を確認すると、マスクを戻した。

「…たけし、敵は討つぞ。この先の…魂に呼ばれたのだろう?私には、わかる…。」

かつて自分も、仲間たちの魂に幾度となく助けられてきた。
たけしが向かおうとした先にその仇がいる、とスグルは踏んだのだった。
仲間に出会うか敵に出会うかわからないが、たけしの心を晴らすにはこれしかない。

スグルは気絶しているたけしを背負い、移動をはじめた。

274 :友の魂:2005/07/30(土) 09:29:45 ID:???
【大分県西部/朝】

【キン肉スグル@キン肉マン】
[状態]フェイスフラッシュ使用により、軽い疲労
[装備]なし
[道具]支給品一式
[思考]1,とりあえずたけしが向かおうとした本州へ移動、たけしが起きたら仇の場所を聞き出す
    2,たけしと共に行動。たけしを守る。
    3,ゲームの脱出もしくは主催者の打倒

【たけし@世紀末リーダー伝たけし!】
[状態]フェイスフラッシュで体力回復、気絶
[装備]パチンコ(鉛星、卵星)@ワンピース、キメラの翼@ダイの大冒険
[道具]支給品一式
[思考]1,ゴン蔵の仇を討つため、ゴン蔵を感じた場所へ向かう
    2,落ち着く

※たけしはゴン蔵が殺された現場に向かい始めています。
しかし桃白白の居場所はわかっていません。

275 :北へ南へ1/5:2005/07/30(土) 21:34:53 ID:???

―――諸君、ご苦労。
…爽やかな朝だ。よく眠れたかね?

 道を進むは頬に十字傷を持つ青年、緋村剣心。彼の頭に、主催者と名乗る化け物たちの声が響いてきたのは、丁度、彼が
福岡県の中ほどまで歩みを進めていた頃合であった。歩みを止めず、しかし、放送に対する注意は逸らさず。
剣心は九州自動車道を北上していく。

「もう18人も犠牲者がでたのでござるか……」

 放送に薫の名前は無かった。そのことに、微かな安堵を覚え、そして、数多の死者がでているのにも拘らず、安堵を覚えた
自分を嫌悪する。下らない、こんな下らない遊戯とやらは、どれだけの命を奪い、どれほどの涙を流し、幾つの消えない傷跡を遺せば、
その忌々しい欲望を満足させるのか。

(宮崎ということは……地図によれば、高鍋県、延岡県、佐土原県、飫肥県の辺りでござるか……。
 今、居る場所は、恐らく、久留米県の辺り……のやや北か。あのままノンビリとしていたら不味かったでござるな)

 自分独りが巻き込まれるのなら、納得こそできないが、理解することは出来る。そう、自分は人斬り。いままでに、数え切れないほどの
命を奪ってきた。やがてくる新時代のため、力無き人々のため、という大義のもとで刀を振るってはきたものの、そのようなことは
言い訳にもならない。自分でも分かっている。例え、どのような理由があろうとも、自分が、大勢の人々の命と幸せを奪ってきたことには
変わりが無いということは。どのような理由を挙げても、自分によって幸せを奪われた人を納得させることなどできないということ。
それは、自分独りですら騙せないような陳腐な理屈。そう、自分は咎人。自分が罰を受けるというのであれば理解は出来る。

 だが……

「薫殿…ッ!!」

 彼女は違う。彼女は。神谷薫は違う……ッ!彼女は、自分のような、志々雄のような、斎藤のような人斬りとは違う!!
心優しく、真っ直ぐで、少し子供じみたところもある彼女は違う。神谷活心流、人を殺すことに主眼を置いているのではない、
刀を凶器としてのみ扱うのではない、あの流派は違う。自分達とは違う。違う。違う。違う。違う。自分のような人斬りとは違う。



276 :北へ南へ2/5:2005/07/30(土) 21:35:31 ID:???


 ……?


 …自分のような『人斬り』……?

 …今の自分は人斬りなのか……?

「違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う」

 緋村剣心は歩みを速める。違う。今の自分は人斬りとは違う。今の自分は流浪人。人を斬らずに、人を救おうとする者。
現に、自分の刀も―――自分の――刀―

「違うッッッ!!」

―――弾かれたように、剣心は駆け出す。自分の帯びている刀。これは逆刃刀ではなく、正真正銘の日本刀。幾度となく慣れ親しんだ
人を斬るための凶器。脳裏に、刃衛に薫を殺されかけた光景、心臓に刀が突き立った薫の死体人形、そして……自らの手で……
妻であった女性、巴、雪代巴を殺したときの感触が駆け抜け、駆け巡り、駆け回る。

「薫殿……薫殿…ッ!!」

 早く、早く薫を捜さなくては。護らなくては。東京へ。神谷道場へ。飛ぶが如く。飛ぶが如く。
剣心は駆け出す。彼女に会えさえすれば、きっと、この不安定な心の方向が定まるはずだ。

 剣心は駆ける。北へ、北へ。飛ぶが如く、九州自動車道を北上していく。


             ――――――――――――――――――――――――――――――――

277 :北へ南へ3/5:2005/07/30(土) 21:36:41 ID:???

 福岡県、浜辺から大分離れた九州自動車道沿い。小早川瀬那と蛭魔妖一は、早めの朝食をとりつつ、歩いていた。

 少年、小早川瀬那に支給されたのは、テント、飯盒、ランタン、そして、小さな十徳ナイフと僅かな乾燥食糧。
いわゆるサバイバルセットである。とはいえ、ナイフはほとんど玩具みたいなものだし、食糧も、どう節約しても一日しか持たない
少量のものではあったが。現に、蛭魔と瀬那でとった朝食だけで、すでに支給品に附属していた食糧の三分の二は消費してしまっている。

「よかった……まもり姉ちゃんも進さんも無事か……」

 瀬那も、人知れず安堵の溜息をつく。不謹慎なのは分かる。何人も、このゲームで命を落としていることも分かる。
それでも、自分の知っている名前が流れるのと、見ず知らずの他人の名前が流れるのでは、自分に与える衝撃は明確に異なっている。

「な〜に言ってやがる糞チビ。18人もぶっ殺されたってことは、それだけ沢山の殺人者がいるってことだぞ」
「……!!」

 進は強い。日本最高峰のラインバッカ―とも呼ばれ、超人的な身体能力を誇る、彼は。だが。
(まもり姉ちゃんは……)
 自分の姉のような存在、守るべき存在、姉崎まもりはそうではない。いくら精神が強くても、彼女はか弱い少女に過ぎない。
いや、心優しい彼女のことだ。きっと、襲われている人に出会ったら、助けに入ってしまうんじゃないか。いままで、自分のことを
ずっと守ってきてくれたように。心無い参加者に騙されて、酷い目にあっているんじゃないか。一人で震えているんじゃないか。
(まもり姉ちゃんは僕が護らないと……)

「…オイ、聞いてやがるのか、糞チビ!」
「…………はいっ?!」
「ったく、オレたちは今、移動している。糞マネや進と合流するんなら、東京の泥門高校に行くのが一番可能性は高い」
「じ、じゃあ、早速……」
「しかし、だ。まだオレはコレの訓練で疲れているし、おまけに完璧には扱えねぇ」


278 :北へ南へ4/5:2005/07/30(土) 21:39:30 ID:???

 蛭魔の手に、何時でも出せるようにと握られているカプセル。その中に入っているのは、さる機工造形士の技術美の結晶、参號夷腕坊。
操作するのには、指の一本一本にとてつもない負荷をもたらすが(何らかの力で、負荷はある程度軽減されているとはいえど)
その分、恐るべき戦闘力を誇る支給品。

「なら、どうするんですか?」

 瀬那は問う。本当は、一刻も早くまもりを捜しに行きたい。だが、蛭魔は、こんな状況で意味もないコトをするような人ではない。
故に、問う。それは一体何故か、と。その問いに対し、蛭魔は僅かに唇を歪めると、言葉を発した。

「熊本に向かう」
「どうしてですか?」
「今は、少し休む必要がある。ミイラ取りがミイラになっちまったらしょうがねぇしな。で、だ。
 この状況下でゲームに乗った奴ってのはどこで待ち伏せるよ?」
「それは……人が集まる場所……都市?」
「それと、交通の要所だ。福岡はどっちの条件も満たしてやがる。最初は様子を見るために見に回ったが、これだけ死人が出たなら
 しょうがねぇ。身体を休めるにしろ、もう少し訓練するにしろ、これ以上福岡に留まるのは利巧じゃねぇだろうよ。」
「なら、なんで熊本に?」
「宮崎が禁止エリアになっただろ?なら、この後、好き好んで南九州にくる奴なんざ、余程のバカか自殺志願者しかいねぇ。
 特訓や、身体を休めるにはうってつけって奴だ。まぁ、南九州から逃げてくる途中の奴に会うかどうかは運次第だがな」

 二人の青年は歩く。南へ、南へ。大地を踏みしめながら、九州自動車道を南下していく。

               ――――――――――――――――――――――――――――――――


279 :北へ南へ5/5:2005/07/30(土) 21:40:46 ID:???

【福岡県/朝】

【緋村剣心@るろうに剣心】
【状態】やや疲労、精神不安定
【装備】日本刀@るろうに剣心
【道具】荷物一式
【思考】1.薫、斉藤を探す
    2.人を切らない




【小早川瀬那@アイシールド21】
 [状態]:健康
 [装備]:特になし
 [道具]:支給品一式 野営用具一式(支給品に含まれる食糧、2/3消費)
 [思考]:1.姉崎まもりと合流し、守る。
     2.蛭魔と行動を共にする。
 
【蛭魔妖一@アイシールド21】
 [状態]:夷腕坊操作の訓練のため疲労
 [装備]:参號夷腕坊@るろうに剣心(習熟中)
 [道具]:支給品一式
 [思考]:1.姉崎、進との合流。
     2.ゲームを脱出する。




280 :風に溶ける願い(修正):2005/07/30(土) 22:12:20 ID:???
走る、走る――


背中に『魔』の一文字を携え、クリリンは朝日をその頭部に煌めかせながら走り続ける――


(さっきのフリーザたちはピッコロの名前を言わなかった!
悟空たちも無事みたいだな、順調だ!
ドラゴンボールの件はもしかしたら…いや、多分悟空たちも気付いてるだろうからあいつらにも頼めればピッコロ優勝に絶対協力してくれるはずだ!)

報われず、悲しく、そして恐ろしい、その勘違い解釈を自分の中で信じ込んだまま…クリリンは走り続ける。
ピッコロ以外の参加者を全てゲームから退場させるため――



クリリンの進む方角の遠い先…
岩肌に背もたれて座りつつ辺りに警戒を続けている一人の男性と、草むらに横たわって眠っている女性の姿があった。
その女性、北大路さつきは男性の方へ寝返りを打つように体を向け、そっと目を開けて男性を見る。

「…眠れたか?」
「……全然…」
「そうか、まあ仕方ない。…こんな状況だからな…」
「……防人さんの知り合いの人たち…カズキさんたちは、呼ばれなかったみたいね」

281 :風に溶ける願い(修正):2005/07/30(土) 22:13:45 ID:???

「ああ、彼らは無事だ。オレの自慢のブラボーな部下だから、簡単に死んだりしない。
…君の友人たちも全員無事みたいだな」
「…はい」

穏やかな朝日の中、静かな声の会話が空気に溶ける。

つい今しがたバーンたちの放送が二人の頭に響き死者達の名がたくさん綴られたが、その中に二人の知る名は一つも無かった。
数時間前…恐ろしい襲撃者であった戸愚呂兄に脅えて何も出来ずに殺される寸前だったさつき。
その自分の為に駆けつけて傷を負いながらも助けてくれたブラボーに深い感謝と安心の念を持ち礼を言い、いろいろな情報交換をした後にブラボーに
「オレが見張っているから、少し寝た方がいい」と言われ、信頼していた為に見張りを任せて横になっていた。
しかし、大切な友達たちや真中の身を案じて…一睡も出来なかったが。

「防人さんは大丈夫?寝てないですし…」
「全然平気だ、十分体は休ませられたからな。
…ちなみに防人ではなくキャプテン・ブラb「防人さん、お腹空いてない?もうそろそろみんなを探すために…東京に向けて移動するんでしょ?朝にしましょうよ」
「……そうしようか…」

282 :風に溶ける願い(修正):2005/07/30(土) 22:16:27 ID:???


先程の放送で告げられた死者の数の余りの多さに深く心を痛めてはいたものの、さつきは極めて明るく振る舞っていた。
(…これ以上防人さんの負担になる訳にはいかないもの。必ず真中を助けに行く!助ける!私がしっかりしなきゃ!)

さつきは昨夜の自分を守ってくれたブラボーの戦いぶりを見て、そして朝を迎えるまで様々な事を一人考え続け…少し心を強くした。
(…きっと、真中たちも私と同じようにこの不可解な状況の中、震えているに違いない。逃げ回っているに違いない。
…真中が死ぬくらいなら私も死ぬわ。だから…どうせ死ぬのなら、真中たちを探そう。
そして、真中を守ろう!)

か弱い弱者でしかない自分であるが、昨夜の震えていた自分の姿を真中淳平に重ね…
そして真中を守る自分の姿をブラボーに重ねた。
真中を守って死ぬ。そんな人生なら、悪くない。
数時間横になったままグルグルと考えを巡らせた結論が、これだった。

「朝日が眩しい…。この世界も、ちゃんと朝が来るのね…」
「…そうだな」

二人共同じあんパンとコーヒー牛乳を食しながら、さつきは目を細めて空を見上げてぽつりと呟いた。

283 :風に溶ける願い(修正):2005/07/30(土) 22:18:17 ID:???

するとフサ…と頭の上から何かが眩しい朝日を遮るように乗り、顔に影が出来る。
「…これ…」
「日除けにはなるだろう?女性の肌に紫外線は禁物だからな。気休めにしかならないが」
「…ありがとう」
それは、ブラボーが重ねて羽織っていた上着。
突然の事に目をパチクリとさせてブラボーを見やるが…さつきは笑みを返して素直に礼を言い、その上着で頭を軽くそっと覆った。


そんな穏やかな朝食の時間は、突然に終わりを告げる。
「…!?避けろッッ!!」
「え?キャ…!」
突然立ち上がりブラボーがさつきを突き飛ばす。
するとさつきがいた場所に突然何かが現れ、さつきの寄りかかっていた小さな木が真っ二つに折れて轟音を立てて地面に倒れる。
「…ちぇ、油断してたから先手必勝だと思ったのにな」
「貴様ァッ!」
「…悪いけど、一度だけ死んでもらうよ。みんなが助かるためだからさ…」
その襲撃者、クリリンは…折れた木の裂け目から右足を地面に下げつつ二人に申し訳なさそうに笑みを向けた。
「あ……あ…」
「女の子を殺すのはやっぱり気が引けるけど…」
「!?…クッ!!」
「…ごめんよ!!」

284 :風に溶ける願い(修正):2005/07/30(土) 22:19:46 ID:???

ブラボーがとっさにさつきの前に立ち塞がり、さつきに向けられたクリリンの拳を両手で受け止める。
「キャアッ!?」
「ぐあッ!!!」
かろうじてブラボーがそれを受け止めたものの、昨夜の戦いの傷が開いて強い痛みが襲い顔を歪める。
先程は「十分体は休めた」と言ったものの、実際にはまだ完全に回復した訳では無かった。

「ここはオレに任せて、行け!さつき!」
「……え?」
「そうはいかないよ!二人とも逃がす訳には…いかないッ!!」
拳をブラボーから引いてから再びさつきめがけ、一般人には見えない程の風のように速い回し蹴りを放つ。
しかしブラボーが再びそれに立ちはだかり、自分もその蹴りに同じような蹴りを合わせて大きな激突音を響かせる。
「キャアアッッ!!!」
「オレの部下を探せ!!練金の戦士なら、必ず正しき力になるッ!!」
「でも……でも…!」
「オレは死なん!必ず追いかけるから、早く行けっ!!」
クリリンを強く見据えたままディオスクロイを懐から取り出し、さつきに向けて大きく叫ぶ。
「………クッ!!」
少し躊躇して泣きそうなつらい顔でブラボーを見上げるが、決心したかのようにデイパックを拾い上げて駆け出すさつき。

285 :風に溶ける願い(修正):2005/07/30(土) 22:23:50 ID:???


「…あ〜あ、早く追いかけないとな。さっさとケリを付けさせてもらうよ!」
クリリンが遠ざかるさつきの背を困ったような笑顔で見送りながら、少しブラボーから間合いを離して構える。
「…ブラボーだッ!!行くぞッッ!!」
さつきの姿がどんどん遠ざかる中、拳とトンファーが激しく幾度と無く交錯する。

「ブラボー技(アーツ)13の内の一つッ!!」
「?…させないよっ!!」
攻撃を相殺しあって一瞬間合いが離れた瞬間、両手を左右に広げたブラボーが何かの技のかけ声らしき物を放ったのを見たクリリンが、先手必勝とばかりに地を蹴り間合いを詰める。
「粉砕!」
迫り来る相手に狙いを定め――
「ブラボラッシュ!!!」
「何ッ!?クッ!オオオォッッ!!!」
まるで幾多にも拳のみが分裂したように錯覚が起こるほどの圧倒的な拳の嵐。
クリリンが予想だにしなかった程のその超人的なラッシュが目前に迫り、焦りながらもとっさに自らもそのラッシュに拳の段幕を合わせる。
(何だよ!?体からまるで気も感じない一般人のはずなのに!!何でこんな速い動きが出来るんだ!!?)

286 :風に溶ける願い(修正):2005/07/30(土) 22:25:00 ID:???

大きく響きわたる連続激突音。
ギリギリでほとんどのブラボーの拳を何とか相殺するが、防ぎもらした一発を右肩にモロに受けて体を少し傾けながら空中に舞うクリリンの体。
脳裏によぎる焦りと驚き。
「ハアッ!!両断!!ブラボチョップ!!!」
そのクリリンめがけて空に飛び上がり、トドメとばかりに追撃の手刀を振り降ろす。
「っ!?何ッ!!?」
しかしクリリンの体が空中で突然素早く上昇し、腕が弧を描き空を切る。
「…空も飛べるのか…!!」
「……やっぱりさすがのあんたでも、舞空術は使えないみたいだな…!」
家の屋根ほどの高さから、ブラボーを見下ろし笑みを浮かべる。
「気円斬…!」
「…!」
ブラボーの技による意外に重いダメージで痺れて動かない右腕をダランとぶら下げたまま、左手を天に掲げて光る光輪を作り出す。
「行けっ!!」
「…ク!」
振り降ろす腕により放たれた気円斬が恐ろしい速さで迫る中、一瞬避けようかとも躊躇したもののディオスクロイを構え直して身構える。

287 :風に溶ける願い(修正):2005/07/30(土) 22:26:43 ID:???

「…ごめんよ…!」
大きな山をも両断する程斬れ味の鋭い技なのだ。
その気円斬を避けようとしなかった相手の姿を見て勝ちを確信し、瞳を伏せてそう呟いた。
――耳に入る、削るような金属音と、大きな切断音。

「………あんた、なかなか強かった。苦戦したよ…」


「――両断!!ブラボチョップ!!!」
「なっ!!?」
突然真横に現れた切断されたはずのブラボー。
「うわっ!!」
何とか紙一重で回避すると、急降下していくブラボーは軽やかに着地する。
「何で!?…くそっ!もう一度ッ!!」
再び襲いかかる光輪。
しかし…
「効かんっっ!!」
「へ!?嘘だろっ!!?」
前に構えたトンファーで受け止められた気円斬が火花を散らしながら停滞した後に斜めの角度に弾き返されて飛び去り、たった一本の電柱をギリギリ切り倒しただけで消滅する。
「え!?俺、手を抜いてなんて…!?」
「ハアッ!!」
近くの大きな木の幹めがけジャンプし、強く木を足蹴にしてクリリンの高度まで再度飛び上がる。

288 :風に溶ける願い(修正):2005/07/30(土) 22:30:09 ID:???

「クソオォッ!!」
信じ難い現実と悔しさを叫び声に変え頭に血が昇り、宙を舞うブラボーに向けて今度こそ!と、三度気円斬。
それを三度弾き返し、ついにクリリンに届こうとするブラボーの一撃。
――しかし…
「ク……!!」
度重なる体の酷使によって昨夜の戦いの傷口から大きく血が吹き出し体勢が崩れ、ディオスクロイが手から離れて落ちていく。
「…!気円斬ッッ!!」
もはや意地。
自分の自信の技の真価を今度こそ見せてやる!との思いから、四度放たれる…死を与える光輪――





「……まさか、こんなしょぼい武器さえ斬れないなんて、信じられないなぁ…。ふう、疲れたぁ…」
「………」

クリリンは倒れるブラボーに声を掛けながら、ディオスクロイを拾い上げる。
「………」
クリリンは周りを見回す。
真っ二つになった木々、真っ二つになった建物の屋根の角、真っ二つになった電柱、そして…
「…あの女の子は追いかけるのは難しいかな。だいぶ時間使っちゃったからなぁ…」

そして…真っ二つになった、ブラボー。

289 :風に溶ける願い(修正):2005/07/30(土) 22:31:18 ID:???


「いくら強いとはいえ、こんな気もまともに扱えないような人にここまで苦戦するなんてなぁ。…気円斬も電柱を切るのが精一杯、か…これもフリーザのやつの仕業かな、クソッ!!」

空に輝く太陽を見上げながら悔しげに舌打ちをする。
「…へとへとだ。少し休むか…」

痺れがまだ少し残る右腕をかばいながらブラボーの荷物を集め、その場から立ち去るクリリン。



「防人さん……東京で、待ってるからね…!」

遙か遠くまで一心不乱に走り続けてきたさつきは、息を切らせながら立ち止まり……初めて後ろを振り返って呟く。

そのか細い願いの言葉は――
自分の肩に掛かるブラボーの上着をわずかに揺らした暖かいそよ風に乗って、ただ穏やかな朝の空気に溶けて消えるだけだった…。



290 :風に溶ける願い(修正):2005/07/30(土) 22:32:09 ID:???


【福井県/朝】
【クリリン@ドラゴンボール】
[状態]:体力・気、共に大きく消耗
:精神不安定
[装備]悟飯の道着@ドラゴンボール
[道具]:荷物一式(食料五日分)
:ディオスクロイ@BLACK CAT
[思考]:知り合いとの合流
:出来る限り参加者を脱落させてピッコロを優勝させる
:休める場所を探す

【岐阜県/朝】
【北大路さつき@いちご100%】
[状態]体力消耗
[装備]ブラボーの上着
[道具]荷物一式(支給品未確認、食料少し減少)
[思考]:東京へ向かい、カズキ・斗貴子・いちごキャラを探す&ブラボーを待つ
:真中淳平を守る

【防人衛@武装練金 死亡確認】
【残り110人】

291 :マロン名無しさん:2005/07/30(土) 23:44:59 ID:???
>>251->>254の、死を乗り越えて、は無効です。

292 :死を乗り越えて改1:2005/07/31(日) 08:51:34 ID:???
初めての朝…兵庫県西部の森で両津もまた、あの忌まわしい放送を聞いていた…
「ぶっ、部長が死んだ?」信じられないというような顔をして両津は叫ぶ。
その眼には一筋の涙がこぼれ落ちていた…
15年以上付き合ってきた仲だ。普段は喧嘩ばかりしているがやはり両津は大原を尊敬していた。
しかし…深い悲しみに暮れているのは彼一人だけではなかった。
鵺野冥介。彼もまた、大切な生徒を失って悲しんでいるのだった。
話は数時間前に遡る。
BR参加者の中でも1、2を争うほど戦闘力が低い少女達。郷子とリン。
彼女達の反応が消えた。
スカウターも万能ではない。戦闘力と位置は分かるが顔までは確認できない。
故に鵺野には生徒の死が信じられなかった。


293 :死を乗り越えて改2:2005/07/31(日) 08:53:45 ID:???
最初に両津に言った言葉も二分の一の確立に賭け、広島から近い兵庫県と言ったのだ。
もう一つの反応も大阪と、比較的近い場所にあったが(何かの間違いだ。郷子が死ぬはずが無い。)
そう信じていた。あの放送が流れるまでは。
放送時、駆け足で移動していた両津達は既に兵庫県に到達していた。
そして、死亡者の中に稲葉郷子の名が読み上げられると、彼は血の気が引き、両手を地面につき、しばらくの沈黙の後、大きな声で泣き始めた。
大事な生徒の死。これまでの人生のなかでも最大の受難。今、彼の心を支配しているのは、憎しみではなく悲しみ。
両津の場合、仕事柄同僚の死というものは何度か経験したことがある。
故に今回の大原部長の死も彼の精神に少なからず影響を与えたが致命傷ではない。
しかし、鵺野の場合は違う。自分の命より大切な生徒を失ったのだ。


294 :死を乗り越えて改3:2005/07/31(日) 08:55:29 ID:???
彼自身の精神力は高いが、教え子の死に直面したのは初めてだ。
泣き叫ぶ鵺野を両津は止められない。自分も辛いが愛する生徒を失った彼に比べればなんてことはない。
そのうち立ち直ってくれる。
そう信じて両津は待ち続けた。しかし、彼は泣き止まない。既に放送から一時間が経過していた。
鵺野に代わり、警戒をしていた両津だが、東からこちらにむかってくる巨大な戦闘力をキャッチした。
その力は強力でおそらく二人がかりでもかなわないだろう。
「なぁ鵺野先生。そんなに泣いていても何の解決にもならないぞ。さぁ、水でも飲んで落ち着いて」
(このままではマズい。いくらスカウターがあるとはいえ、こんな大声で叫んでいては目立ちすぎる。
それに、泣いてるといざ戦闘になったとき体力を消耗して弱体化してしまう)
そう考えた両津はなんとか落ち着いてもらおうと水を差し出した。
「グスッ。すまない」
しゃっくりをしながらも鵺野は水を一杯飲み干した
「少しは落ち着いたか?
実はここから逃げないとまずいことになった。
この近くにワシ達より大きな戦闘力を持った奴が近づいてきている。ここは危険だ。早く避難しないと」


295 :死を乗り越えて改4:2005/07/31(日) 08:57:28 ID:???
「なら貴方だけ逃げてくれ。そいつは郷子を殺した奴かもしれない」
鵺野の頭には生徒のことしかない。もう自分の命も、どうでもよくなってきている。
「馬鹿な!そいつがゲームに乗っていたらあんたは殺されるぞ。あんたの強さを10としたら、奴は50はあるんだ。」
誰も死なせたくない。両津も必死に説得した。
ショックが大きすぎたせいか、既に鵺野の精神は崩壊を始めていた。
「五倍の強さがあるからどうしたっていうんだ!
俺には生きる資格なんかないんだ。生徒の後を追って死ぬなら本望だ」
刹那、両津は鵺野のほおに平手打ちを食らわせていた。
「馬鹿野郎!そんなことで死ぬのは殉職じゃねぇ。犬死にだ。
生徒が死んだから教師も死ぬ?そんな馬鹿なことばかりしていたら日本には教師なんかいなくなっちまうだろうが!
まだあんたには守るべき人がいるだろうが?よく考えてみろ。」
大切な人を失った悲しみは両津にも分かっている。単純だが純粋な思いは鵺野に届いた。


296 :死を乗り越えて改5:2005/07/31(日) 08:58:51 ID:???
「そ、そうだ。郷子のことばかりでゆきめのことを忘れていた。俺には妻が、ゆきめがいる。彼女を守らないと。
郷子を殺した奴は許せないが、あの子が仇討ちを願っているとは思えない。」
ゆっくりと立ち上がりながら彼は言った。
「分かってくれたようだな」
満足気な表情をして両津は言う。
「しかし、郷子と違いゆきめの戦闘力は大きい。何か彼女を見つけるためのいい方法はあるか?」
「今のワシ達では強力な敵と遭遇したらアウトだ。
あんたのライバルが手も足も出なかった奴以上の人がうろうろしている。
だからゆきめさんを探す前に仲間を探す必要がある」両津は自分達の力を考慮した上で結論を出した。
「アテがあるのか?」
疑問を問う鵺野に両津はスカウターを手渡した。
「琵琶湖北部を見てくれ。でかい反応が一つ、もっとでかい反応が一つ、小さい反応が一つあるだろ?」
「ああ、確かにあるが彼らが仲間になるという判断はどこから?」
意味がよく分からない鵺野は再度両津に尋ねる。


297 :死を乗り越えて改6:2005/07/31(日) 09:05:56 ID:???
「自分一人が生き残りたい場合、他人は信用できんだろうが?
それに、ワシは一時間前から見ているが動く気配は無いみたいだ。(南部では一つの反応が遠ざかったがな)
一般人も交じってることから、待ち伏せをしているとも思えない。
これがワシの意見だ」
この意見に鵺野は賛成し、さらに質問を投げ掛けた。「移動ルートはどうする?近畿は結構人が多そうだが?」
「今、ワシ達は兵庫県西部にいる。ここから北上し、日本海添いに滋賀県に向かう。
このルートなら目的地まで誰にも見つからずに行けるだろう」
「そうか。ゆきめのことも気になるが、俺が死んだら彼女も悲しむな。
できるだけ安全な道をとりたい。早く出発しよう。両津さん」
(鵺野の奴。立ち直ったな。)
仲間の復帰を喜びながらも二人は急ぎその場を後にした。
二度と悲劇を繰り返さないために。
しかし、二人は大切な人の死によって玉藻に約束した「兵庫にいる」と、言ったことをことを忘れていた。


298 :死を乗り越えて改7:2005/07/31(日) 09:06:51 ID:???
【初日兵庫県西部@朝】
【両津勘吉@こち亀】
【状態】健康
【装備】マグナムリボルバー残弾30
【道具】支給品一式
【思考】1琵琶湖へ行き、仲間を集める。2沢山の人を助ける。
【鵺野冥介@地獄先生ぬーべー】
【状態】泣き疲れて少し体力を消耗
【装備】スカウター@ドラゴンボール
【道具】水を7分の1消費した支給品一式
【思考】1琵琶湖へ行く。2ゆきめを助けに行く。 3郷子を殺した人を探す

299 :暴走列島〜覚悟〜:2005/08/01(月) 19:09:50 ID:???
新八は自分の手を見ている。
 赤黒く返り血で染まった自分の手を。
 火口を殺した後も、半狂乱だった彼を越前は取り押さえた。
 極度の興奮と緊張状態だったのだろう。新八はずっと黙り込んでしまっている。
 取り合えず水を使うわけにはいかなかったので、サービスエリアにあった布巾で新八に返り血を拭くように言うと、自分も地面に腰掛けた。
 地面に背中を預けてしまいたかった。
 だが、そのまま二度と起き上がれなくなる気がした。
 新八はまだ呆然としている。
 怖かった……。そうだ、怖かった。自分は新八に助けられたのだ。視線を落とす。
「なぁ、助かったよ……」
 自分の声だけが響く。
 竜崎を探すと誓った自分はどこに行ったのだろう。
 死を目の当たりにして気分は沈み込み上がってこない。
 主催者が殺した時は、爆発して何も残ら無かったからか……。
 急に新八が自分の頬を思い切り叩き、越前は驚いてそちらを見る。
「行こう。ここにじっとしてるわけにはいかない」
「え……、アンタ……」
「僕は、これでも修羅場を何度もくぐってるんだ。それに、みんながまだ死んだって決まったわけじゃないよ。みんなと会うためにも今は動かないと」
 そう言って新八は食料を取り出す。
「さあ、食べて、また進もう」
 新八の急な変化に戸惑いつつも、越前はそれを頼もしく思う。そういえば、新八が頼もしく見えたのは初めてだ。自分より年上なのに。そう考えると少しだけおかしくて少しだけ気持ちが戻ってきた。
 新八が取り出した食料を越前も食べる。幸い火口が結構な量の食料を持っていた。
 会話もせずに、新八はひたすら食料を平らげる。越前がふと視線を食料から上げる。そこで知った。新八は自分が思っていた通りの人間だったと。新八は泣きながら食料を押し込んでいた。
 無理してたんだ。
 越前は一度だけ拳を握り締めて、ただひたすら食料を平らげる。
 それが覚悟だったかのように。

300 :暴走列島〜覚悟〜:2005/08/01(月) 19:10:33 ID:???
 食事を終え、少し休むと火口の荷物などを纏めて準備をした。
 準備が終わって外に出た時、男がこちらに歩いてくるのが見えた。
 新八は刀を構え、越前は逃げられるようにウェイバーを取り出す。
 男はそれを見ると両手を上げ、笑いながら近付く。
「君達の支給品と能力を教えてくれないか?」


【兵庫県/山陽自動車道のサービスエリア/朝】

【志村新八@銀魂】
【状態】中度の疲労。全身所々に擦過傷。特に右腕が酷く、人差し指、中指、薬指が骨折。
【装備】血まみれの椅子
【道具】荷物一式、両さんの自転車@こち亀
【思考】1:越前を助ける。精神錯乱中。

【越前リョーマ@テニスの王子様】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】荷物一式(半日分の水を消費)、サービスエリアで失敬した小物(手ぬぐい、マキ○ン、古いロープ
    爪きり、ペンケース、ペンライト、変なTシャツ)、ウェイバー@ワンピース
【思考】1:目前の光景に半茫然自失
    2:情報を集めながらとりあえず地元である東京へ向かう。
    3:仲間との合流。竜崎桜乃の死は信じない。

【藍染惣右介@BLEACH】
 [状態]:わき腹負傷。骨一本にひび。多少の疲労。打撲数ヶ所。
 [装備]:刀「雪走り」@ONE PIECE
 [道具]:荷物一式(食料二人分)スーパー宝貝「盤古幡」@封神演技
 [思考]:1.琵琶湖へ向かう
     2.出会った者の支給品を手に入れる。断れば殺害。特にキメラの翼を求めている。


301 :マロン名無しさん:2005/08/01(月) 19:19:04 ID:???
>>300
修正です。

【志村新八@銀魂】
【状態】中度の疲労。全身所々に擦過傷。特に右腕が酷く、人差し指、中指、薬指が骨折。
【装備】斬ぱく刀
【道具】荷物一式、両さんの自転車@こち亀 、火口の荷物
【思考】1:目の前の男への警戒

【越前リョーマ@テニスの王子様】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】荷物一式(半日分の水を消費)、サービスエリアで失敬した小物(手ぬぐい、マキ○ン、古いロープ
    爪きり、ペンケース、ペンライト、変なTシャツ)、ウェイバー@ワンピース
【思考】1:目の前の男への対処
    2:情報を集めながらとりあえず地元である東京へ向かう。
    3:仲間との合流。竜崎桜乃の死は信じない。


302 :少女の道標 1:2005/08/01(月) 20:27:07 ID:???
―――城之内が死んだ。


「そんな…嘘…。」
杏子はショックのあまりその場に座り込んだ。
(死んだ?城之内が?そんな、そんなの、嘘に決まってる!
 だって城之内の悪運ときたら人一倍で、殺しても死なないような奴だもん。
 だから…だからあんな放送、嘘に決まってる…!)
それは嘘だった。杏子自身すら騙せない嘘だった。
脳裏にこびりついて剥がれないでいる、最初の大男が殺される映像。
このゲームは人が死ぬ。
死んだのだ。彼は、確かに。
(…城之内……。)
杏子は俯く。きつく閉じた瞳から、静かに涙が零れ落ちた。

しばらく泣き、少し落ち着いてから、一番に思い浮かんだのは遊戯のことだった。
(…行かなくちゃ。泣いてる場合じゃない。)
力の入らない足を無理矢理動かし立ち上がる。手の甲で涙を強く拭った。
遊戯たちにとって城之内は親友だ。どんなに辛い時も、彼らはいつも支えあっていた。
そして強くなった。仲間と共に、仲間のために。
そんな仲間を失ったのだ。遊戯たちの悲しみは計り知れない。
(逢いたい。逢わなくちゃ。)
逢って遊戯を支えたい。いや、逢えたところで何もできないかもしれない。それでも逢いたい。
自分にとって仲間で、幼馴染みで、大切な人だから…。

ますます強くなった想いを胸に、杏子は歩き出した。

303 :少女の道標 2:2005/08/01(月) 20:28:06 ID:???




―――しばらくの後。
杏子は再び座り込んでいた。わなわなと体を震わせ、思わず叫ぶ。

「どろぼーーーっ!!」

その泥棒――ニコ・ロビンはあっという間に走り去ってしまっていた。
(何よ、何なのあの人!?)
今の叫び声で人が来てしまうかもしれないことに気付き、杏子は慌てて影に隠れる。
ただし、腰が抜けたような状態だったため、移動する姿はかなりみっともないものだったが。

ロビンは信用できる人間に見えた。
見た目普通の女性で、丸腰だったし、会話だって普通にできて、杏子と同じく仲間を探していたからだ。
(仲間になれるかもしれないと思ったのに…。)
最初に出会えた人は泥棒で、しかも荷物を全部取られてしまった。
杏子はがっくりと項垂れる。
恐怖、驚き、落胆、怒り、悲しみ。幾つもの感情が胸で渦を巻く。

結局のところ、このゲームでは誰も――遊戯以外を信じてはいけないのでは?
海馬はどうだろう?確かに同じ世界からの仲間だし、遊戯を助けてくれたことも何度かあった。
けれど遊戯たちを殺そうとしたこともあったし、いつも人を見下したような態度を取っている。
果たして海馬のことは信じてもいいのだろうか?
『脱落者の中には、その『仲間』に裏切られて命を落とした者もいるのだぞ?』
(海馬君は絶対に裏切らないって、言い切れる?)
自問自答する。
今の杏子には言い切れなかった。
いつもの、数時間前までの杏子なら、海馬のことを疑うことすらしなかったかもしれない。
色々なことがありすぎたせいで、杏子は疑心暗鬼に陥っていたのだった。

304 :少女の道標 3:2005/08/01(月) 20:29:54 ID:???

しかし、少し落ち着いてくると、一つの疑問が湧いてきた。
(…どうしてあの人は、私を殺さなかったんだろう?)
考えてみれば不思議なことだ。
あの無数に生えた手で首を圧し折ることもできた。千年ロッドの仕込み刃で刺すことだってできた。
自分がどれだけ死に近かったかを認識し、改めて杏子の背筋は凍りついた。
そう。杏子はいとも容易く、確実に殺される状況だった。なのに殺されなかったのだ。
(もしかしたらあの人は、このゲームに乗ってない…?)
そういえば彼女は言っていた。
『口だけの仲間ってのが信用できないの、この島じゃ特にね』
けれど逃げる時、彼女は誰かに呼びかけていた。
仲間がいたのだ。『口だけ』じゃない仲間が。信頼に値する、自分にとっての遊戯や城之内のような仲間が。
(…城之内……。)
『人を、信じてぇじゃねぇか!!』
会ったばかりの獏良のことや、見ず知らずの少年のことを直ぐに信用して。
結局騙されて酷い目にあったって、後悔なんて少しもしないで、また誰かを信用して。
馬鹿だ。城之内は、そんな馬鹿だった。

305 :少女の道標 4:2005/08/01(月) 20:30:46 ID:???
(……もう一度、彼女に会ってみたい。)

自分と同じような仲間を持つ人。あの人も放送のせいで、疑心暗鬼に陥っていただけかもしれない。
だったらもう一度会ってみたい。落ち着いて話し合えば、きっとわかりあえるはずだ。
もう一度信じてみたい。
あの人のことも、そして海馬のことも。
海馬が本当は弟思いな人だと、優しいところもある人だと、自分は知っているはずだ。きっと大丈夫。
(本当に信じられる?)
再び自問自答する。
答えは出なかった。けれど信じたかった。
仲間を信じ続けてきたからこそ、杏子はここまでこれたのだから。

『脱落者の中には、その『仲間』に裏切られて命を落とした者もいるのだぞ?』
『人を信じられなくなったらよ…自分の未来だって、信じられねぇじゃねぇか!』
主催者バーンの言葉と、城之内の言葉。
(あんな奴らより、私は城之内を信じる!仲間は、裏切らない!)


杏子は少しよろめきながらも立ち上がると、ロビンが去っていった方へ向かって歩き出した。
遊戯がどこにいるかはわからない。街を探そうにもどのあたりにあるかわからない。
そんな杏子にとって、ロビンは初めて出来た道標でもあった。
その道標の先に遊戯がいることを信じるしかない。自分の未来を信じて。
この決断がどんな結末を招くのか……それは誰にもわからない。

306 :少女の道標 5:2005/08/01(月) 20:31:51 ID:???
【真崎杏子@遊戯王】
 [状態]:健康、精神的ショックで少し不安定
 [装備]:無し
 [道具]:無し
 [思考]:1.ロビンを追いながら遊戯を捜す。
    2.海馬と合流。
    3.ゲームを脱出。

307 :死を乗り越えて改6修正:2005/08/01(月) 21:50:18 ID:???
「自分一人が生き残りたい場合、他人は信用できんだろうが?
それに、ワシは一時間前から見ているが動く気配は無いみたいだ。(南部では一つの反応が遠ざかったがな)
一般人も交じってることから、待ち伏せをしているとも思えない。
これがワシの意見だ」
この意見に鵺野は賛成し、さらに質問を投げ掛けた。「移動ルートはどうする?近畿は結構人が多そうだが?」
「今、ワシ達は兵庫県西部にいる。ここから北上し、日本海添いに滋賀県に向かう。
このルートなら目的地まで誰にも見つからずに行けるだろう」
「兵…庫…県?」
不意に鵺野の脳裏に玉藻に言った言葉が甦ってきた。
「合流する気なら兵庫にこい」と言ったことを。
このまま滋賀県に行っていいのだろうか?
約束を破ったら玉藻の奴はなんと思うだろう?
俺を侮蔑するだろうか?
人間に絶望するだろうか?このゲームに乗ってしまうだろうか?
そうだとしたら、やはりここに残るべきか?


308 :死を乗り越えて改7修正:2005/08/01(月) 21:52:21 ID:???
「どうした?鵺野先生?何かワシの意見に問題があったか?」
いきなり沈黙した鵺野に両津は尋ねた。
「あ、いや、玉藻と約束したことを思い出したんだ。兵庫にいるということをな」
「あの男のことか?
なあに、心配することはない。
ワシ達は仲間を集めに行くだけだ。
あいつだって分かってくれると思うぞ」
「それはそうだが……
いや、駄目だ。俺は友を裏切ることなどできない。
両津さん。あなたにこのスカウターを渡しておく。
すまないが一人で琵琶湖へ行ってくれ。
俺は神戸で玉藻を待つ」
約束したことを破れはしない。
(あいつを改心させたのは俺と広だ。
だから、俺のせいで再び邪悪へと戻すことなどできはしない。)
「何を言ってるんだ!
もう、例の反応はすぐそこまで来ているんだ。
早く北へ避難しないと殺されかねないぞ」
嘘ではない。
現にその反応は二人のすぐ傍まで来ていた。


309 :死を乗り越えて改8:2005/08/01(月) 21:54:02 ID:???
普段、考えるより先に行動をするドン・キ・ホーテ型の彼だが、生き死がかかっている現在は慎重に物事にあたっていた。
「戦力差は五倍。か。
両津さん。玉藻から貰った御鬼輪は俺の力を増幅させてくれる。
そうすれば勝機は生まれてくるだろう。」
興奮していた時よりかは説得力があった。
が、しかし、両津を納得させる迄には至らなかった。
「いいだろう。なら、百歩譲って〔パワー〕が互角になったとしよう。
だが、そのパワーをどのようにして相手に当てるんだ?」
「あっ…」
その一言で鵺野は気付いた。
パワーがいくら高くても当てられなければ只の大型扇風機だ。と、いうことを。
「ようやく分かったか。
戦闘力が高い相手はパワーとスピードを兼ね備えている。」
「どちらか一つだけでは何の意味もない。か。
しかし、それでも、当たりさえすればダウンさせられるかもしれない。
切手シートすら当たったことの無い運の悪い俺だが、こればかりは当たるまで何万発でも撃ってやるさ」


310 :死を乗り越えて改9:2005/08/01(月) 21:55:25 ID:???
あくまでも強気な鵺野に、両津は半ば諦めたような表情をして言った。
「もう何を言っても無駄。か。
分かった。もう来いとは言わんよ。
ワシは一人で琵琶湖へ行く。
だがな。これだけは約束しろ!

絶対に死ぬんじゃねぇぞ!!!」

両津、鵺野の両者の目からは再び涙がこぼれ落ちていた。
勿論、これは、死者に捧げる涙ではない。
友とのしばしの別れを悲しむ涙だ。
「いつか、いつか必ずワシはここに帰ってくる。
だから、だからそれまで……クッ」
なぜか涙が止まらない。
部長の時より悲しい。
だが、ワシは行かなければ。
麗子を、中川を、そして残された多くの市民を救うために―。

別れゆく二人は熱い抱擁を交わし、両津は北へ、北へと走っていった。
その目に鵺野から譲り受けたスカウターを装着して。一方、鵺野は木の影に身を潜め、間もなくやってくるだろう例の反応の正体を確かめようとしている。

時刻は既に午前八時を迎えようとしていた…


311 :死を乗り越えて改10:2005/08/01(月) 21:56:11 ID:???
【初日兵庫県西部@朝】
【両津勘吉@こち亀】
【状態】健康
【装備】マグナムリボルバー残弾30、スカウター@ドラゴンボール
【道具】支給品一式
【思考】1、琵琶湖へ行き、仲間を集める。
(三人に会うまでは、スカウターを駆使して、極端な隠密行動を取っているため、まず人と会うことは無い)
2、三人を仲間にしたのち、神戸に行き、鵺野と合流する。
【鵺野鳴介@地獄先生ぬーべー】
【状態】泣き疲れて少し体力を消耗
【装備】御鬼輪@地獄先生ぬーべー
【道具】水を7分の1消費した支給品一式
【思考】1、反応の正体が誰なのかを確かめる。
( 相手の態度によって、同盟、交戦、逃亡を決める。)
2、両津、及びゆきめとの合流

312 :朝の公園にて:2005/08/01(月) 22:55:31 ID:???
朝日が明るく照らし出す公園の一角。
この平和の象徴たる公園という場所の…
本来ならば無邪気な子供たちや井戸端会議に精を出す主婦、
夜には若いカップルたちが愛を囁き合うような大きな木製のベンチ。
そこに、まるでその場に似つかわしくない三人が並んで座っていた。
まあ『似つかわしくない』のは…一人だけかもしれないが。


「ふむ。我々の知り得る人物たちは皆無事のようですね」

「え、ええ……」
「………」

「禁止エリアは北海道に宮崎県…成る程、端から順に埋めていく合理的かつもっとも計算に基づいた理論的な指定だ」

「…そうね…」
「…(ブルマ!!もっとそっちに寄って!!)」
「…(無理よ!!椅子から落ちるわよ!!)」

「…仲間に裏切られて、ですか。嘆かわしい。信じる事こそ人の最も大切な、必要不可欠な大事な宝と言える救いの道であるというのに!!そうは思いませんかお美しいお嬢さん方!!!」

313 :朝の公園にて:2005/08/01(月) 22:57:27 ID:???

「は!はいっ!!おっしゃる通りですね!!(イヤ!!寄ってきたッ!!無理!!生理的に無理!!)」
「(痛い!痛いわよリンス!!)…私たちも急いで出発しなきゃ!この調子で人が亡くなっていくようなら…」
「…まあ落ち着いて下さい。
ブルマさん、とおっしゃいましたか?急いても得策とは言えません。私の力が奇妙な制限を受けまともに呪文を連発出来ない現状、万が一実力の高い襲撃者に襲われでもしたら一大事です。
情けないですが今の私では貴女方を完全に守りきれる自信がありません」

「…でも…!(というか、何でこの人いちいちこんなに話長いの!?)」
「アビゲイルさんの知り合いにも戦う力の無い人もいるのだし…(知らないわよ!あ!ちょっとブルマ!!押し返さないで!!やめて!!)」
「確かにそうですが…ふむ、とりあえず現状を把握して冷静かつ理論的に我々の生存率を高めつつも仲間と合流するために一番より良い方法を模索するとしましょうか。
貴女方の支給品を見せていただけますか?」
「え?えっと……(どうするの!?本当にこの人、信用できるの!?ブルマ!?)」

314 :朝の公園にて:2005/08/01(月) 23:01:00 ID:???

「………分かったわ…(悪い人じゃあ無さそうだし…『守る』って言ってくれてるんだから、大丈夫だと思うわ。……多分)」
「多分!?多分って何っ!?」
「…ん?何が『多分』なのですか?…ああ、私の支給品ですか?信用していただくためにも先にお見せしましょう。私のはこれです」

同じ椅子に座りながらも寄り添う二人に微妙に距離を置かれているアビゲイルがポケットから何かを取り出す。

「えっ!?そ、それ…!!?ドラゴンレーダーじゃない!?」
「え?ブルマ…知ってる物?」
「おや、貴女ご存じの物でしたか。いやあ、私にはこれが何かサッバリ分からなくて難儀していましてね。どこを触っても何の反応も示さないようなのでハズレを引いてしまったのかと…」
「ちょ、ちょっと貸して!!」

アビゲイルの手から半ば無理矢理奪い取り、何度かスイッチを押す。

「…壊れてはいないようだけど…確かに何にも映らないわね。…ドラゴンボールが無い世界だからかも…」
「ドラゴンボール?」
「…興味深いですね。詳しく教えていただけますか?」

315 :朝の公園にて:2005/08/01(月) 23:01:50 ID:???

「……ちょっと待って、………。うーん、分解さえ出来れば何かに使えるかも…」
「何か…とは?」
「…『この』首輪を何とか手に入れて詳しく調べられれば、もしかしたら…」
「……『レーダー』としての機能が使えるかも、って訳ね」
「成る程!参加者の首輪の探知機に改造するわけですか。『首輪の調査』それイコール我々の首輪を外すための方法の糸口を掴めるかもしれない!いやいや、頼もしい限りですね!神はまさに運命の出会いを与えて下さった!!感謝しま……!?お!お嬢さん!?それは…!!!」
アビゲイルがブルマのデイパックから覗く何か剣の柄のような物を視界に捉えて驚きの表情を見せる。
「え?あ、それは私の…」
「??」
立ち上がりそれを取り出すアビ。
訳も分からないまま、二人がそれを止める事も無く眺める。

「…やはり…雷神剣…!あの「炎の剣」と並び称される程の、使う者の能力次第では山をも断つと伝えられるあのアーシェス・ネイの振るう雷獣ヌエの宿る剣…!こんな物までが支給されているとは思いもしませんでした!」
「や、山を!?本当なの!?」

316 :朝の公園にて:2005/08/01(月) 23:03:19 ID:???

「私には剣を使う心得はありませんが…ふぅむ、どうやらこの剣も力がかなり押さえられているようですね。これならば、ある程度なら私にも使えるかもしれません」

軽く横に素振りをするアビ。

「……よし、大体方針は決まったわね!」
「ええ。孫くんたちにも早く会いたいし、早速出発しましょう!」
立ち上がり、お互いに荷物をまとめ始めるブルマとリンスの二人。

「フッフッフ!まるで運命であるかのようなこの素晴らしき出会い!この殺伐とした舞台に差し込む僅かな希望の光!!イイ!!正に神が救いの手を差し伸べて下さったとしか思えないような偶然という名の必然!!旧世界の遺児…破壊神アンスラサクスよ!!感謝します!!」


「「……えっ?」」


…やっぱりこの人は信用していいのか悪いのか、激しい不安にかられるブルマとリンスであった…。

317 :朝の公園にて:2005/08/01(月) 23:04:05 ID:???


【富山県東部、街の公園/朝】

【リンスレット・ウォーカー@BLACK CAT】
[状態]健康
[装備]ベレッタM92(残弾数、予備含め32発)
[道具]荷物一式
[思考]:トレイン達、協力者を探す
:首輪を入手する
:ゲームを脱出

【ブルマ@DRAGON BALL】
[状態]健康
[道具]:荷物一式
:ドラゴンレーダー@DRAGON BALL(アビゲイルから入手)
[思考]:孫悟空達、協力者を探す
:首輪とドライバーのような物を入手し、ドラゴンレーダーを改造したい
:ゲームを脱出

【アビゲイル@BASTAD!!】
[状態]健康
[装備]雷神剣@BASTAD!!(ブルマから入手)
[道具]荷物一式
[思考]:D・S達、協力者を探す
:首輪を入手する
:ゲームを脱出

318 :吹き荒ぶ戦場の嵐:2005/08/01(月) 23:50:54 ID:???
「無理だ!あんな化け物に勝てる訳無い!!」
ルキアは目の前の男、海馬瀬人に向かって叫んだ。
あれから街の一角に戻り今までの話を一通り話したのだが、それでも目の前の男は行くと言う。
「其奴が何であろうと、オレの誇り高き龍の僕を汚されてしまってはかなわん!」
コートを翻しながら瀬人はいきり立った。
「奴が青眼の白龍を持っている可能性があるなら奪い返すまで!無くてもあのカードはオレにとって最高の武器になる」
「だが、彼奴は刀も効かない化け物だ!それに時間もないし、私の代わりに犠牲になった男の遺言通りにも……」
名前は知らないが自分の代わりに死んでいった男――坂田銀時の遺言を思い出す。
『その武器をこいつに渡すんじゃねぇ!』
『火竜ヒョウ! 頼む!』
あの化け物にこの武器を渡すわけにはいかない。
銀時の遺言だからだけではなく直感がそう告げている。

319 :吹き荒ぶ戦場の嵐:2005/08/01(月) 23:52:18 ID:???
「――死んだ奴は所詮この舞台に相応しくなかった雑魚と言う事だ」
「なっ!!」
自分しか知らないがあの男の行動は決して間違った行動ではなかった。
確かに不真面目で無鉄砲だったかもしれないが彼女ルキアの中ではあの瞬間、そして今でもヒーローなのだ。
それをあの現場を見てもいない男に侮辱されてはたまらない。
「巫山戯るな!この武器を彼奴に渡したらどうなるか位説明しただろ!」
「このオレを誰だと思ってる?既にオレの中では時間内に其奴に勝つ公式なんぞとっくに出来ているわ!」
彼はもう此方を見てはいなかった。
彼の視線の先は街の向こう、フレイザードがいると説明された方向である。
冷たい風が吹きコートがばさばさと翻る。
だが彼は少したりとも震えもせず唯々睨んで立っていた。
思わずルキアはそんな彼から眼を反らしてしまう。
奇しくも彼女の視線の先は北海道から本州へと繋がるトンネルのある方向。
「貴様如きが逃げようが逃げまいが結果は変わらん。だがその火竜ヒョウとやらは置いていって貰う」
ルキアは手に持った火竜ヒョウをぎゅっと握りしめた。
「――本当にこれがあれば勝てるのだな?」
「その賭のチップがこの命であることくらい理解はしている」
ルキアはもう一度火竜ヒョウを握りしめると心の中で銀時に向かって謝った。
「――なら交換条件だ、私の命もチップとして賭させて貰おう」
最後に心の中でこの世界にいる全ての人に謝った。
仇を討ちたいと言うエゴの為に最強のマーダーを仕上げてしまう可能性を作ってしまったのだから。


320 :吹き荒ぶ戦場の嵐:2005/08/01(月) 23:53:13 ID:???
「クカカカカカ、此方から出向こうと思っていたが手間が省けたわ」
「五月蠅い!貴様なんぞの気迫に負ける私ではない!」
そう言って強がっては見たものの体中が恐れをなして震えている。
あの後瀬人の作戦とやらを聞いて自分なりに出来ることを提案してきた。
敢えて一人で堂々と出ていったのはその為だ。
その震えを抑えるためにも海馬から受け取ったコルトパイソンの照準を相手に向けた。
「なんだか知らんがそんな物でオレを倒そうって言うのか?へっ、震えてまともに狙いも付けられない癖にな」
「黙れっ!」
1発、2発、3発。
狙うは相手の目。
見た感じ岩で出来ていない様に見える唯一の箇所だ。
天が味方したのだろうか、ぶれる照準の中で1発相手の顔面に命中した。
「効かねぇなぁ。それよりあの炎のアイテムはどうしたんだ?」
核鉄の力によって唯でさえ高い再生力を増幅され、撃たれた傷が再生する。
フレイザードがルキアに左手を伸ばした瞬間……
「其処のデカ物、オレが直々に相手をしてやる光栄に思え!」
手にあの火竜ヒョウを持った男が少し離れた場所に立って叫んでいた。
「そうか貴様が合流した奴か。愚かにも自分からのこのこと殺されにきやがって……」
そう言いつつ右手を右半身に伸ばす。
「愚かなのは貴様の方だ!」
フレイザードに向かって海馬瀬人が火竜ヒョウを投げつける。
「虫螻如きがっ!」
咄嗟に右腕の宝貝『霧露乾坤網』を発動させ、大気中の水分を掻き集め自分の前に小さな水の盾を作り出す。
が、それを予測したかの様に火竜ヒョウはふわりと浮き上がり盾の上空に通り過ぎると、いきなり急降下を始め体の中からカードを取り出していた左手に当たった。
「グォ!!」
炎属性の属性の火竜ヒョウは氷の右腕にとっては天敵であった。
極寒地と言う地形で強化された右腕であり、しかも相手は一般人であるので切断だけは免れたが、鋭い痛みと共にカードを地面に落としてしまう。
「海馬コーポレーション社長のこのオレがこの程度の稚具を扱えぬとでも思ったか!」
予め予測不能の起動を描くブーメランと聞いていたので、形から動きを予想するのは玩具メーカーの社長にはいと容易い事であった。

321 :吹き荒ぶ戦場の嵐:2005/08/01(月) 23:53:57 ID:???
その隙にすかさずルキアはカードを拾い苦しんでいるフレイザードの脇を駆け抜ける。
「これで良いんだな、海馬瀬人?」
「――あぁ十分だ。もうお前の用は済んだ足手まといにならない内に下がってろ」
自分に手渡された数枚のカード、そしてその中の青眼の白龍を見つめそう答える。
「糞っ!人間如きにオレがまんまと!」
右腕のダメージを回復させながらフレイザードは二人の人間を睨み付けた。
「記念に貴様に一つ教えてやろう。決闘は絶対的な相手をねじ伏せる力も確かに必要だ。だが、それを有効利用するための戦術という物もまた必要なのだ」
予め離れて二手に別れて出てきたのは今までの情報から二人一遍に相手をするにはカードを使用してくる可能性が高いと踏んだから。
そしてカードを使用する際には燃えないように右半身に収納、そして取り出すのも右腕と姿さえ聞いていれば容易に予想できた。
下手に避けたら胴体にダメージを与えられる必殺コンボ。
その為の火竜ヒョウである。
ルキアが見た今の彼の表情はフレイザードのそれと同じ、勝利への拘りとそれを見据えた笑みであった。

322 :吹き荒ぶ戦場の嵐:2005/08/01(月) 23:55:09 ID:???
「貴様に再度決闘――デュエルを申し込む!このオレ、海馬瀬戸が真のデュエルとやらを見せてやろう!」
手に持つ四枚のカードを一別して瀬人は叫んだ。
「貴様に再度決闘――デュエルを申し込む!このオレ、海馬瀬戸が真のデュエルとやらを見せてやろう!」
手に持つ四枚のカードを一別して瀬人は叫んだ。
「いでよ!忠実なる我が僕、ミノタウロス!」
命令と共に牛頭の化け物が姿を現した。
「ククク……やはりこの方法でよかったのか」
闇遊戯とのゲームの時もそう、それから自社で作ったシステムもそう。
自分たち、海馬と遊戯がこのゲームに選ばれたのならモンスターの召喚方法はそれしか思い浮かばなかった。
「奴を切り裂け!ミノタウロス!!」
巨大な剣を構えながら雪原を駆ける獣人。
「くっ!メラゾーマ!!」
ミノタウロスを撃破するつもりで放ったメラゾーマであったがミノタウロスの剣によって真っ二つに切り裂かれる。
「ミノタウロスの剣に炎の攻撃が通用すると思ったか!」
再度駆け出す化け物、ミノタウロス。
だが、一方の化け物、フレイザードの笑みは消えてはいなかった。
剣には剣を。
左腕に隠された炎の剣を具現化するため力を集中させる。
「カードオープン!人造人間サイコショッカー!!」
中指と人差し指でカードを挟みカードを反転させ相手に見えるようにする。
瞬間現れたサイコショッカーから光が放たれ、フレイザードの左腕に隠されていた炎の剣が爆発する。

323 :吹き荒ぶ戦場の嵐:2005/08/01(月) 23:55:49 ID:???
勿論その隙を逃がすはずもなく爆発によって無数にひびの入った左腕にミノタウロスの大剣が下ろされ砕かれる。
「ハハハハ、どうだ真のデュエルの駆け引きとやらの味は?!」
ミノタウロスとサイコショッカーの二体のモンスターを従え余裕の表情で苦しむフレイザードを見下ろす瀬人。
「奴を押さえつけろミノタウロス!」
左腕を失ったフレイザードをミノタウロスが羽交い締めにし、動けなくなったフレイザードに対し火竜ヒョウを投げ付け右半身に突き刺す。
「これで、その水を操るアイテム使うにも集中できまい!!」
海馬瀬人は勝利を確信し、高笑いを上げる。
「まぁ早くも探していた物に再開できた礼として、貴様にはこれ以上の痛みを感じぬままこの世から消し去ってやろう。出よ我が最強にして誇り高き龍の僕『青眼の白龍』!!」高らかにカードを挙げモンスター名を宣言する。
しかし、唯一彼の愛したモンスター、青眼の白龍のカードからは何の反応も起きず、唯々吹きすさぶ北国の風にコートを翻しているだけであった。

324 :吹き荒ぶ戦場の嵐:2005/08/01(月) 23:56:25 ID:???
その瞬間をフレイザードの眼は逃さなかった。
「たかが一人の人間如きにこの技を使うときが来ようとはな!弾岩爆花散!!」
その呪文と一緒にフレイザードの身体が爆発し、辺り一面に飛び散る。
その細かく砕かれた破片は近くにいたミノタウロスとサイコッショッカーにまともに浴びせかけられ、一定以上のダメージを与えられた二体のモンスターは消滅する。
「わぁぁぁぁぁ!!」
「くっ!」
爆風に煽られ飛んでいき気絶するルキア。
瀬人は爆発時に壁となって直撃ダメージをサイコショッカーに防いでもらっていた。
「……自爆したのか?」
爆風が収まって眼を開いてみると其処には無数の岩の破片が散らばっていた。
「ふはははははは、勝った!勝ったぞオレは!!」
湧き出る勝利の実感を噛みしめる瀬人、だが……

325 :吹き荒ぶ戦場の嵐:2005/08/01(月) 23:57:21 ID:???
「ぐはっ!!」
突然後ろの岩が自分の身体を貫いて空中へと飛んでいった。
「馬鹿め!勝ったのはオレ、氷炎将軍フレイザードだ!!」
空中にフレイザードの声が木霊する。
「馬鹿な……」
「あん、卑怯?んなもん勝つことに比べれば小さいことだ」
がくりと膝を付く瀬人。
「デュエルの駆け引きと言ったなぁ、これがオレなりの駆け引きだ。クハハハハハ」
「――遊戯……貴様なら、貴様ならこの手のタイプの奴でも……がはっ」
身体を貫かれつつ喋り、内蔵への負担によって吐血する。
「まぁ貴様からは駆け引きの重要さという物を教えて貰った、遠慮なく死ぬがいい!但しオレ以上に苦しんでな!!」
周りの砕かれた破片が瀬人の身体に襲いかかる。
下から上に。
海馬瀬戸の身体はその衝撃で浮き上がらされ、血しぶきを撒き散らしながら空中で踊らされ続けた。

326 :吹き荒ぶ戦場の嵐:2005/08/01(月) 23:57:54 ID:???
「脆い、脆すぎる。苦しませ楽しむ前にいっちまいやがったぜ」
後には再び再結合したフレイザードと最早その原型をとどめていない海馬の身体だけ残されていた。
「この技をこんな序盤から使う羽目になるとはな!」
再生は核鉄の力が手伝ってくれるが、弾岩爆花散後の再結合は体力と寿命を消費するだけで再生は全く関係ない。
ダメージは消せても、疲労は核鉄によって回復出来ないのだ。
その為多大に疲労したフレイザードは落ちていた霧露乾坤網と核鉄、そして火竜ヒョウを拾い上げると憎らしげに元瀬人の身体であった物体を蹴りつける。
ごろんと転がる海馬の死体。
その血の海の中で傷一つ付いていない青眼の白龍のカードが眠っていた。
「遊戯……遊戯と言ったな。そいつもお前から教わった駆け引きとやらで倒してやるぜ。クハハハハハ」

残虐の北の大地。
その地に立つ者は既にフレイザード一人になっていた。

327 :吹き荒ぶ戦場の嵐:2005/08/01(月) 23:59:09 ID:???
【早朝】
【北海道西部】

【フレイザード@ダイの大冒険】
 [状態]:重度の疲労。成長期・核鉄で常時ヒーリング
 [装備]:霧露乾坤網@封神演義 火竜ヒョウ@封神演義 核鉄LXI@武装錬金
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.禁止エリアに指定されたので一刻も早く脱出する
     2.出会った参加者を出来る限り殺す。ダイ、ポップ、マァム、遊戯を優先
     3.優勝してバーン様から勝利の栄光を。

【朽木ルキア@ブリーチ】
 [状態]:かなりの疲労、右腕に軽度の火傷。気絶中
 [装備]:コルトパイソン・357マグナム残弾21発@シティーハンター
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.気絶中

328 :吹き荒ぶ戦場の嵐:2005/08/01(月) 23:59:46 ID:???
 [備考]:青眼の白竜《次の0時まで使用不能》ともう一枚のカードは海馬の死体に抱かれています。
     遊戯王カードサイコショッカー、ミノタウロスのカードは消滅しました。



【海馬瀬人 死亡確認】
【残り109人】

329 :吹き荒ぶ戦場の嵐(修正):2005/08/02(火) 00:42:19 ID:???
>>322から修正します

「貴様に再度決闘――デュエルを申し込む!このオレ、海馬瀬戸が真のデュエルとやらを見せてやろう!」
手に持つ四枚のカードを一別して瀬人は叫んだ。
「いでよ!忠実なる我が僕、ミノタウルス!」
命令と共に牛頭の化け物が姿を現した。
「ククク……やはりこの方法でよかったのか」
闇遊戯とのゲームの時もそう、それから自社で作ったシステムもそう。
自分たち、海馬と遊戯がこのゲームに選ばれたのならモンスターの召喚方法はそれしか思い浮かばなかった。
「奴を切り裂け!ミノタウルス!!」
巨大な剣を構えながら雪原を駆ける獣人。
「くっ!メラゾーマ!!」
ミノタウロスを撃破するつもりで放ったメラゾーマであったがミノタウルスの剣によって真っ二つに切り裂かれる。
「ミノタウルスの剣に炎の攻撃が通用すると思ったか!」
再度駆け出す化け物、ミノタウルス。
だが、一方の化け物、フレイザードの笑みは消えてはいなかった。
剣には剣を。
左腕に隠された炎の剣を身体から出す為に力を集中させる。
「カードオープン!人造人間サイコショッカー!!」
中指と人差し指でカードを挟みカードを反転させ相手に見えるようにする。
瞬間現れたサイコショッカーから光が放たれ、フレイザードの左腕に隠されていた炎の剣が爆発する。

330 :吹き荒ぶ戦場の嵐(修正):2005/08/02(火) 00:42:57 ID:???
勿論その隙を逃がすはずもなく爆発によって無数にひびの入った左腕にミノタウロスの大剣が下ろされ砕かれる。
「ハハハハ、どうだ真のデュエルの駆け引きとやらの味は?!」
ミノタウルスとサイコショッカーの二体のモンスターを従え余裕の表情で苦しむフレイザードを見下ろす瀬人。
「奴を押さえつけろミノタウルス!」
左腕を失ったフレイザードをミノタウルスが羽交い締めにし、動けなくなったフレイザードに対し火竜ヒョウを投げ付け右半身に突き刺す。
「これで、その水を操るアイテム使うにも集中できまい!!」
海馬瀬人は勝利を確信し、高笑いを上げる。
「まぁ早くも探していた物に再開できた礼として、貴様にはこれ以上の痛みを感じぬままこの世から消し去ってやろう。出よ我が最強にして誇り高き龍の僕『青眼の白龍』!!」高らかにカードを挙げモンスター名を宣言する。
しかし、唯一彼の愛したモンスター、青眼の白龍のカードからは何の反応も起きず、唯々吹きすさぶ北国の風にコートを翻しているだけであった。

331 :吹き荒ぶ戦場の嵐(修正):2005/08/02(火) 00:43:29 ID:???
その瞬間をフレイザードの眼は逃さなかった。
「たかが一人の人間如きにこの技を使うときが来ようとはな!弾岩爆花散!!」
その呪文と一緒にフレイザードの身体が爆発し、辺り一面に飛び散る。
その細かく砕かれた破片は近くにいたミノタウルスとサイコッショッカーにまともに浴びせかけられ、一定以上のダメージを与えられた二体のモンスターは消滅する。
「わぁぁぁぁぁ!!」
「くっ!」
爆風に煽られ飛んでいき気絶するルキア。
瀬人は爆発時に壁となって直撃ダメージをサイコショッカーに防いでもらっていた。
「……自爆したのか?」
爆風が収まって眼を開いてみると其処には無数の岩の破片が散らばっていた。
「ふはははははは、勝った!勝ったぞオレは!!」
湧き出る勝利の実感を噛みしめる瀬人、だが……

332 :吹き荒ぶ戦場の嵐(修正):2005/08/02(火) 00:44:46 ID:???
「ぐはっ!!」
突然後ろの岩が自分の身体を貫いて空中へと飛んでいった。
「馬鹿め!勝ったのはオレ、氷炎将軍フレイザードだ!!」
空中にフレイザードの声が木霊する。
「馬鹿な……」
「あん、卑怯?んなもん勝つことに比べれば小さいことだ」
がくりと膝を付く瀬人。
「デュエルの駆け引きと言ったなぁ、これがオレなりの駆け引きだ。クハハハハハ」
「――遊戯……貴様なら、貴様ならこの手のタイプの奴でも……がはっ」
身体を貫かれつつ喋り、内蔵への負担によって吐血する。
「まぁ貴様からは駆け引きの重要さという物を教えて貰った、遠慮なく死ぬがいい!但しオレ以上に苦しんでな!!」
周りの砕かれた破片が瀬人の身体に襲いかかる。
下から上に。
海馬瀬戸の身体はその衝撃で浮き上がらされ、血しぶきを撒き散らしながら空中で踊らされ続けた。


333 :吹き荒ぶ戦場の嵐(修正):2005/08/02(火) 00:46:05 ID:???
「脆い、脆すぎる。苦しませ楽しむ前にいっちまいやがったぜ」
後には再び再結合したフレイザードと最早その原型をとどめていない海馬の身体だけ残されていた。
「この技をこんな序盤から使う羽目になるとはな!」
再生は核鉄の力が手伝ってくれるが、弾岩爆花散後の再結合は体力と寿命を消費するだけで再生は全く関係ない。
ダメージは消せても、疲労は核鉄によって回復出来ないのだ。
その為多大に疲労したフレイザードは落ちていた霧露乾坤網と核鉄、そして火竜ヒョウを拾い上げると憎らしげに元瀬人の身体であった物体を蹴りつける。
ごろんと転がる海馬の死体。
その血の海の中で傷一つ付いていない青眼の白龍のカードが眠っていた。
「遊戯……遊戯と言ったな。そいつもお前から教わった駆け引きとやらで倒してやるぜ。クハハハハハ」

334 :吹き荒ぶ戦場の嵐(修正):2005/08/02(火) 00:47:03 ID:???
残虐の北の大地。
その地に立つ者は既にフレイザード一人になっていた。


【早朝】
【北海道西部】

【フレイザード@ダイの大冒険】
 [状態]:重度の疲労。成長期・核鉄で常時ヒーリング
 [装備]:霧露乾坤網@封神演義 火竜ヒョウ@封神演義 核鉄LXI@武装錬金
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.禁止エリアに指定されたので一刻も早く脱出する
     2.出会った参加者を出来る限り殺す。ダイ、ポップ、マァム、遊戯を優先
     3.優勝してバーン様から勝利の栄光を。

【朽木ルキア@ブリーチ】
 [状態]:かなりの疲労、右腕に軽度の火傷。気絶中
 [装備]:コルトパイソン・357マグナム残弾21発@シティーハンター
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.気絶中


335 :吹き荒ぶ戦場の嵐(修正):2005/08/02(火) 00:47:56 ID:???
 [備考]:青眼の白竜《次の0時まで使用不能》ともう一枚のカードは海馬の死体に抱かれています。
     遊戯王カードサイコショッカー、ミノタウルスのカードは消滅しました。



【海馬瀬人 死亡確認】
【残り109人】



336 :papillon / magicien:2005/08/02(火) 02:12:30 ID:???
……うむ、一つ…余から忠告をしてやろう。
どうやら、大なり小なりパーティーを組んでいる者も多いようだが……脱落者の中には、その『仲間』に裏切られて命を落とした者も
いるのだぞ?
寝首をかかれないように、せいぜい気を付ける事だな…。


(仲間に裏切られて……だと?主催者どもは何故こんなことを知っている?)

 朝靄の中、一人沈思黙考するは蝶々仮面(パピヨンマスク)の男、蝶野攻爵。ここは福岡の市街地の外周部分。更木との戦闘後、
とりあえずヒソカの負った傷に応急処置を施すという名目でここに身を隠してから、数時間の時がたっていた。

(今、手持ちの情報で推測できる可能性としては…以下の三つか。

  1.何らかの映像装置によって、舞台全域が監視されている。
  2.首輪に盗聴装置がついていて、参加者の行動を把握できる。
  3.1と2の複合作用。首輪に位置を特定する機能が仕組まれていて、その位置のみ監視機能が働く。

 まず、この舞台の広さから考えて、映像管理に手間がかかる上に、死角が出来てしまう1の映像装置は無いだろう。
 同様に、3も映像の送信機が見当たらないことから、除外しても良いかもしれないな。監視衛星という手もあるが…これは保留だな。
 ……現実的に考えるなら、2が一番妥当か……)

 と、そこまで考えてから頭を振る。どうにも、今は不確定な情報が多すぎる。それに。不安要素はもう一つある。


337 :papillon / magicien:2005/08/02(火) 02:13:14 ID:???

(残る問題はこいつだな)
 自分の能力、黒色火薬の武装錬金『ニアデスハピネス』
(一度、火薬を使い切ってしまうと補充に三日はかかる・・・。威力の減衰はあまり感じないが、補充、総量がかなり制限されているな。
 ずべて使い切って、全方位爆破一回分ぐらいか……これでは、とても飛行などで無駄使いするわけにもいかない。
 できるだけ温存したいが、状況がどうでるか)

 パピヨンは思索に耽る。朝靄の中、一人思索に耽る。
 パピヨンは思索に耽る。天才と謳われた、その広大な頭脳を駆使して。
 パピヨンは思索に耽る。パピヨンは思索に耽る。パピヨンは思索に耽る。

 「おはよう、パピヨン」
 ―――そして。思索は、一つの声によって遮られた。
 

                  ――――――――――――――――――――――――――


338 :papillon / magicien:2005/08/02(火) 02:13:54 ID:???

……うむ、一つ…余から忠告をしてやろう。
どうやら、大なり小なりパーティーを組んでいる者も多いようだが……脱落者の中には、その『仲間』に裏切られて命を落とした者も
いるのだぞ?
寝首をかかれないように、せいぜい気を付ける事だな…。


(ゴン、キルア、クロロ、更木……全員まだ生きているみたいだね。悪くない)

 仄暗い建物の中、一人そこに在るは奇術師、ヒソカ。ここは福岡の市街地の外周部分。更木との戦闘後、とりあえず
自分が負った傷に応急処置を施すという名目でここに身を隠してから、数時間の時がたっていた。

(仲間の裏切りか……それも悪くない。パピヨンとの闘い。状況が許せば、是非やってみたいね。
 う〜ん、悪くない。悪くないね。昨日のバトルも楽しかったし。このゲーム、気には喰わないけど、退屈はしない。
 身体が疼くよ。早く、鎮めたいな――)

 と、そこまで考えてから頭を振る。どうにも、自分の興奮を御し難い。思考はさらに進んでいく。


339 :papillon / magicien:2005/08/02(火) 02:14:46 ID:???

(更木は、念が使えるとしたら強化系かな?)
 昨日の戦闘は、素晴らしかった。一晩明けた今でも、昂ぶる自分を抑えきれない。
(自在に操作できる火薬を創りだす能力か。パピヨンは、具現化系か操作系だろうね。性格柄、特質系かもしれないけど。
 他にどんな能力者がいるのか、楽しみだ。想像しただけで欲情してきちゃうよ)

 ヒソカは昂ぶる。仄暗い建物の中、一人昂ぶる。
 ヒソカは昂ぶる。顔も知らない強者との血沸き肉踊る血闘を想像して。
 ヒソカは昂ぶる。ヒソカは昂ぶる。ヒソカは昂ぶる。

 「おはよう、パピヨン」
 ―――そして。昂ぶりのまま、自分の同行者に声を投げかける。


                  ――――――――――――――――――――――――――

340 :papillon / magicien:2005/08/02(火) 02:16:52 ID:???

 ――共に朝食をとった後、しばらくして――

「それで、これからどうするんだい?」
「俺に考えがある」
(声を出さずに返答しろ)

 パピヨンの火薬が宙を舞い、虚空に文字を織り出していく。ヒソカは薄く笑うと、薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)によって
投影した文字で返答する。静かな空間の中、二つの意思と二つの言葉が混ざり合う。しめやかに、高らかに。

「このままじゃ埒があきそうに無い」
(どうやら、俺たちは首輪によって監視、もしくは盗聴されている)

「へぇ……じゃ、どうするんだい?」
(放送を聞く限り、そうみたいだね)

「これだけ参加者が居るんだ、今度はこちらから積極的に狩りに出る」
(盗聴か、監視かによってこちらの出方も変わる。だから、どいつかから首輪の現物を入手して調べてみたい)

「狩り……か。支給品や食料でも狙うのかい?」
(首輪を奪う……か。その場合、標的の生死は勿論…)

 空気が変わる。それは、生粋の狩猟者のみが持ちうる、殺気。一瞬、禍々しいオーラがヒソカの体から放たれ、狭い空間を荒れ狂う。
その様子を一瞥すると、パピヨンは片頬を歪め、空に踊る火薬は新たな文字列を造りだす。

「それもある。それに、こちらが消耗している隙に、生き残っていたヤツに後ろから殴りかかられたら堪らないからな」
(問わない。必要なら、首輪を傷つけることもアリだ。断片的な情報やジャンクから、原型を再現するのは俺の得意分野だ。まかせろ)

「いいね、それ。丁度、身体の火照りも鎮めたいと思っていたところだし」
(それは頼もしい。じゃぁ、早速―――)


341 :papillon / magicien:2005/08/02(火) 02:17:43 ID:???


「――話は纏まったな」
「そうだね」


 奇術師ヒソカ。人造人間(ホムンクルス)パピヨン。二人の怪人は、朝日と共に、歩みだす。彼らが何をもたらすのかは―――


                          誰も知らない。

【福岡県 福岡市北部外周/朝】

【パピヨン@武装錬金】
 [状態]:健康
 [装備]:核鉄LXX@武装錬金(ニアデスハピネス少量消費)
 [道具]:荷物一式(食糧二食分消費)
 [思考]:1.首輪を手に入れる。手段は問わない
     2.知り合いとの合流、ヒソカと行動

【ヒソカ@ハンターハンター】
 [状態]:健康 全身に軽い打撲、裂傷(処置済み)
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式(食糧一食分消費)
 [思考]:1.武器を手に入れ、万全の状態となったあとで更木と再戦
     2.知り合いとの合流、パピヨンと行動



342 :ん?間違ったかな1/4:2005/08/02(火) 21:16:40 ID:???
―――諸君、ご苦労。
…爽やかな朝だ。よく眠れたかね?

「……はっ!?」
気がつくと、アミバは逆さ吊りにされていた。
気を失う前の最後の記憶は目の前に迫る足。
「あ、あの凡人どもが…!よくも天才であるオレにあんなことを!」
クソガキどもをぶちのめしてやろうと周囲を見回すが、誰もいない。
というか既に日が昇っているし、なにやら声が聞こえている。
「(そうか、これが例の放送だな?禁止エリアとやらが伝えられるはずだ)」
アミバはロープを千切って地面に降り、荷物を探した。
が、持ち去られたらしく何もなかった。
「…せめて食料と武器だけにしとけ!これでは禁止エリアがどこかも分からん!」
歯噛みして悔しがるが、どうにもならない。
しかたないので、せめてエリアの名前だけは覚えておく。
「ぬぅ、あのガキどもに仕返しをする前に、せめて荷物だけでも手に入れたいものだな」
食料は最悪その辺の自然物で代用する手もあるが、地図だけは必要だった。
アミバは人を探すべく、東京(方向をかろうじて覚えていた)へ向けて歩きはじめた。

しばらく歩いて、アミバは川を見つけるとそこで一休みした。
水を飲み、そして魚を釣ろうとする。
木の枝などで即席の竿を作ろうとしていると、誰かが近づいてくる気配がした。
「(…ひとまず隠れて様子を見るか。隠れてるのがバレたら、襲われて荷物を奪われて命からがら逃げ出した哀れな男を装えば良い…オレは別人のフリをするのも天才だからな)」
茂みに隠れて様子を覗っていると、一人の少年がやってきた。
見るからに弱そうな子供だ。もし一人なら格好の獲物といえる。
少年は周囲をキョロキョロ見回してから、川で顔を洗い始めた。
「(よし…油断させて荷物を奪うとするか。まぁ正面から戦っても負けるはずもないがな)」
アミバはなるべく優しそうな声で、茂みの中から声をかけた。
「もし、そこの少年…」

343 :ん?間違ったかな2/4:2005/08/02(火) 21:17:28 ID:???
真中は東京へ向かう途中のこの森で放送を聞き、そこで仲間と共に休憩していた。
幸いにも、真中の知り合いは死んでいなかった。
ただし、江田島平八と名乗った威厳のあるオジサンの知り合い(教え子らしい)が死んだそうだ。
あまり多くを語らないが、かなり強い人だったということは真中にも分かった。
そんな人があっさりと死んでしまうということは、自分や東城たちはいつ死んでもおかしくない。
「死…」
自分たちが死んで倒れているイメージが脳裏に浮かぶ。
頭を振ってそれをかき消すと、気分転換のためにすぐ側に流れている川で顔を洗うことにした。
仲間の一護がついて行こうかと言ったが、すぐ側だからと断って。
そして、顔を洗ったところで突然声がした。
「もし、そこの少年…」

アミバは疲れた様子を装って茂みから歩み出た。
不意に声をかけられた真中は銃を向けかけるが、アミバの様子を見てすぐに降ろしてしまう。
体格はがっしりしているが表情は優しげで、しかもかなり苦しそうにしている。
「ど、どうしたんですか?」
「あぁ…実はゲームに乗っている奴に襲われてね…荷物を奪われてしまったんだ。私は何とか逃げてきたが…」
「ど、どこか怪我とかは…」
完全に信じきっている様子の真中に、アミバは内心ほくそえむ。
それでも表には出さず、疲れた男を演じ続ける。
「大丈夫だ。ただずっと走り通しだったのでね…すまないが食料を少し分けてもらえないだろうか」
「……えぇ、いいですよ。そうだ、良かったら無効に仲間がいるから、一緒に来ませんか?」
…「仲間がいる」。その言葉に一瞬焦るアミバ。
だが、すぐに平静を取り戻して演義を続ける。
「いや、私は追われているからな。すぐにここを去るつもりだ。他の人に迷惑をかけるつもりはない」
「そうですか…俺たちは東京に行きますから。何かあったら来てください。……どうぞ、パンです」
パンを受け取り一口かじって、ようやく落ち着いたという素振りを見せるアミバ。

344 :ん?間違ったかな3/4:2005/08/02(火) 21:18:20 ID:???
「…ありがとう。君は優しいな。何かお礼がしたいが…あいにく何も持っていない」
「そんな、いいですよお礼なんて」
「そうはいかない……そうだ、君は強くなりたいかね?」
そういって微笑みかけるアミバ。
その笑みにはかすかに邪悪なものが混じっていたが、真中は気づかない。
「そ、そりゃあ強くなれるなら、東城たちも守れるし……」
「私は筋力と敏捷性を上げる秘孔を知っている。それを突いてあげよう」
「え?なんですって?飛行機?」
優しげな笑みを浮かべたまま歩み寄ってくるアミバ。
真中は感じていた。この男は只者ではない、と。そして、その感覚に圧倒されて動けないでいた。
「秘孔とはツボのようなものだ。それをを突くと、人を強くすることができるんだよ」
「……で、でも俺…」
「友達を守りたいのだろう?仲間がいると言っても、君と君の友達を同時に守るのは難しいだろう」
「う……」
「君が強くなれば…『君が』友達を守れるようになる」
「……わ、わかりました」
真中はついに決心して目を閉じる。
アミバはゆっくりと指を近づけて……
「さぁ、君を強くする秘孔はここだ!」
「うぐっ、ぐああああ!」
秘孔を疲れた途端、苦しみ始める真中。
だがアミバは悪びれる様子もない。
「こ、これはぁ、あぐぐ、一体…?」
「ん?間違ったかな」
「がはっ、ぐぎぎ」
ガクガクと痙攣しながら倒れる真中を尻目に、アミバは真中の荷物を拾う。
「ふふ、じゃあ秘孔を突いてあげた代償として荷物は頂いていくぞ」
「…ぐあぁぁぁ…」
「今回は命は取らん。その症状は1時間ほどすれば収まるから安心しろ」
真中から受け取ったパンをかじりながら、アミバは森の中へ姿を消した。
…かに見えたが、何者かがその前に立ちふさがった。
「ちっ、仲間か。だがオレは天才だ!キサマのような凡人がオレに勝てるかーっ!!」

345 :ん?間違ったかな4/4:2005/08/02(火) 21:19:02 ID:???
【埼玉県(森)/朝】
【アミバ@北斗の拳】
 [状態]:やや疲労
 [装備]:ニューナンブ@こちら葛飾区亀有公園前派出所
 [道具]:支給品一式(食料1日分消費)
 [思考]:1.目の前の敵と戦う 
     2.皆殺し


【いちご100%@真中淳平】
【状態】手首捻挫 痙攣中(1時間ほどで治まる)
【装備】無し
【道具】無し
【思考】1.知り合いとの合流
    2.東京を目指す

【江田島平八、または黒崎一護がアミバの前に立ちふさがっています。
 どちらか一人。もう片方は真中の様子を見に行っています】

346 :暴走列島〜藍染〜:2005/08/03(水) 00:04:00 ID:???
「君達の支給品と能力を教えてくれないか?」
 長身の眼鏡をかけた優男はいきなりそう言った。見れば日本刀を帯びている。
 越前は少しだけ緊張したが、相手が両手を上げている事、少し怪我を負っている事で少しだけ緊張を緩めた。
 火口とは違い、いきなり襲い掛かることも無く、話も通じるようだ。
「アンタはゲームに乗ってないみたいだね」
 越前はそう言うと、ウェイバーに乗せた片足を下ろす。
 新八が刀を向けているにも関わらず、男に攻撃の意思が無かったからだ。
「ああ、僕はゲームには乗っていないよ。それよりも、支給品と各自が持っている能力の方が興味がある。良かったら、君達の支給品と能力を教えてくれないか?」
「へぇ、変わってるね、アンタ」
 越前は興味なさそうに答える。
「これでも、科学者でね。未知の物には興味があるんだ」
「それより、怪我は大丈夫なんですか?」
 新八が刀を下ろして聞く。藍染は笑って、処置はしてあるから大丈夫だと答えた。
「僕は藍染惣介。君達は何と言うのかな?」
 新八と越前はそれぞれ答える。
 新八も越前も既に藍染に気を許しつつあった。


347 :暴走列島〜藍染〜:2005/08/03(水) 00:06:07 ID:???
 藍染は考える。
 見たところこの二人には能力は無いようだ。
 自分がそんな能力を持っていれば、相手も持っているかも知れないと警戒するだろう。
 そして、先程の放送。
 主催者は何らかの監視装置を持っているようだ。
 最も簡単なのはこの首輪に盗聴装置でも組み込んでおく事だろうが、藍染はそれだけの筈は無いと確信していた。
 あれほどの力と技術を持つ人間だ。全員の動きを把握するのは難しくは無いだろう。そして、映像でこのゲームの全てを見たいと考えているはずだ。
 ゲームの参加者を嘲笑うには映像は不可欠だし、何より、自分ならそうするからだ。
 まぁ、目的は違うだろうが……。
 支給品は奪い取って説明を見れば良いのだが、考えが変わった。眼鏡の男が斬ぱく刀を持っていたからだ。
 この状況。
 そして自分の斬ぱく刀。
 この二人にも役に立って貰うとしよう。
「面白い事が出来そうだ」
「え?何がですか?」


348 :暴走列島〜藍染〜:2005/08/03(水) 00:07:57 ID:???
 新八が急に意味が分からない事を言い出した藍染に怪訝な顔をする。
「いや、君達の支給品はそれだけなのかな?」
「ああ、これだけだよ。あんたの興味を惹きそうな物は無かったみたいだね」
「いや、この二つは貰っておこう」
 言葉と同時の瞬歩。これも制限されているが、彼らから見れば消えたように見えただろう。
 藍染は斬ぱく刀を一瞬で奪い、ウェイバーの前に現れる。
「何をするんだ!!!」
 新八が叫ぶ。 
 藍染は全く調子を変えずに笑って言う。
「言った筈だよ。僕は支給品に興味があるんだ。それに、この刀は元々僕達の物でね。返してもらった」
 越前は飛び掛ろうとする新八を片手を上げて制する。
「あの動き見ただろ?只者じゃないよ」
「ふむ、君は冷静だね。一つ頼みがあるんだが……」
「ふざけるな!!!」
「聞くと思ってんの?」
 怒る新八と越前に藍染は呆れて言う。
「人の話は聞きたまえ。僕はこのゲームからの脱出手段を持っている。僕は琵琶湖で待っているから、出来るだけ多くの人を連れて来るんだ、良いね?」
 藍染はそう言うと、ウェイバーに乗って去っていく。
 あの二人は真偽の程は別として誰かに伝えるだろう。そして、太公望達は僕を追ってくるだろう。
 そして、それを見ている主催者共。
 全ての失敗は僕を招いた事だと知るが良い。
 藍染は笑い続ける。


349 :暴走列島〜藍染〜:2005/08/03(水) 00:09:35 ID:???
【兵庫県/山陽自動車道のサービスエリア/朝】

【藍染惣右介@BLEACH】
 [状態]:わき腹負傷。骨一本にひび。多少の疲労。打撲数ヶ所。
 [装備]:刀「雪走り」@ONE PIECE  斬ぱく刀 @BLEACH
 [道具]:荷物一式(食料二人分)スーパー宝貝「盤古幡」@封神演技 ウェイバー @ワンピース
 [思考]:1.琵琶湖へ向かう
     2.出会った者の支給品を手に入れる。断れば殺害。特にキメラの翼を求めている。
     3.計画の実行

【志村新八@銀魂】
【状態】中度の疲労。全身所々に擦過傷。特に右腕が酷く、人差し指、中指、薬指が骨折。
【装備】なし
【道具】荷物一式、両さんの自転車@こち亀 、火口の荷物
【思考】1:目の前の男への警戒

【越前リョーマ@テニスの王子様】
【状態】健康
【装備】テニスラケット
【道具】荷物一式(半日分の水を消費)、サービスエリアで失敬した小物(手ぬぐい、マキ○ン、古いロープ
    爪きり、ペンケース、ペンライト、変なTシャツ)、ウェイバー@ワンピース
【思考】1:藍染の事を考える
    2:情報を集めながらとりあえず地元である東京へ向かう。
    3:仲間との合流。竜崎桜乃の死は信じない。

350 :マロン名無しさん:2005/08/03(水) 01:32:45 ID:???
>>346修正です。

「君達の支給品と能力を教えてくれないか?」
 長身の優男はいきなりそう言った。見れば日本刀を帯びている。
 越前は少しだけ緊張したが、相手が両手を上げている事、少し怪我を負っている事で少しだけ緊張を緩めた。
 火口とは違い、いきなり襲い掛かることも無く、話も通じるようだ。
「アンタはゲームに乗ってないみたいだね」
 越前はそう言うと、ウェイバーに乗せた片足を下ろす。
 新八が刀を向けているにも関わらず、男に攻撃の意思が無かったからだ。
「ああ、僕はゲームには乗っていないよ。それよりも、支給品と各自が持っている能力の方が興味がある。良かったら、君達の支給品と能力を教えてくれないか?」
「へぇ、変わってるね、アンタ」
 越前は興味なさそうに答える。
「これでも、科学者でね。未知の物には興味があるんだ」
「それより、怪我は大丈夫なんですか?」
 新八が刀を下ろして聞く。藍染は笑って、処置はしてあるから大丈夫だと答えた。
「僕は藍染惣介。君達は何と言うのかな?」
 新八と越前はそれぞれ答える。
 新八も越前も既に藍染に気を許しつつあった。


351 :shadow:2005/08/03(水) 21:22:34 ID:???
名簿と地図を確認してからまず思ったのは、キルアに会いたいということだった。
大切な友達であり、暗殺のプロでもあるキルア。
このゲームの中では信頼できる唯一の人である。
しかしこの状況では、キルアが何かの影響で、戦う気のない人を殺してしまうのではないかという心配もあった。
そんなことが起きる前に、何よりも自分たちがまだ無事な内に、会いたい。

問題は、この舞台となっている世界のことを自分が全く知らないこと。
どこを探せばよいか検討が全く付かない。
そして自分の支給品。
それは人捜しにおいては役に立ちそうになく、同時に武器としてもあまり期待できないものだった。
手の中には黄色いボールが三つ。

(思いっきり投げれば、ある程度ダメージ受けるよね)

そう考え、ゴンは一つをズボンのポケットに入れる。
そして何も手がかりのないままに移動し始めた。
しばらくして人並みはずれた聴力を持つゴンの耳に聞こえてきたのは、話し声。
気配を断ちながら近づいてみれば、二人の男が話し合っている。
殺気は感じられず、ゲームに乗っているということはなさそうな二人。
様子を窺っていると、一人の男の口からある言葉が出た。

『では人が集まるであろう東京にいってみよう』

(トーキョー?)

352 :shadow:2005/08/03(水) 21:23:37 ID:???
自分には初めての世界。しかし、雷電という男はこの世界を知っているらしい。
トーキョーという場所が、本当に人が集まる場所ならば、

(もしかしたら、キルアも同じような情報を聞きつけて、トーキョーに来るかもしれない)

闇雲に探すよりはきっと、その場所へ行ってみる方がいい。
どうせなら、この人達と一緒に行動するのもいいかもしれない。
そう思い腰を浮かしかけて、迷う。
殺気は感じられないけれど、初対面な上にこの状況。
もしも、もしもキルアがこの場にいたなら、きっと声を掛けようとした自分を止めるだろう。
様子を見ながら慎重にいこうぜ、と。
キルアに会うまでは、無事でいなければならない。
話しかけることは、二人を追っていればいつでもできる。

ゴンは、二人を尾行しながら東京を目指すことに決めた。
他にも何か情報が得られるのではないかという期待と共に。

353 :shadow:2005/08/03(水) 21:24:36 ID:???
―それから約三時間後。
三人は、すでに東京に入っていた。
明るくなってきた空の下、 奈良シカマルと雷電は建物の陰で早めの朝食を摂っている。
気付かれることはなく、しかし会話は聞こえるだけの距離をあけて、ゴンもパンを囓っていた。
どうやら雷電は非常に物知りらしく、ここに来るまでにゴンは、理解できたかどうかは別として様々なことを聴いた。
その中で特に心に留めている情報が一つある。

『東京の次に人が集まる所といえば、大阪だろうな』

東京でキルアが見つけられそうになければ大阪に行ってみるべきなのだろうか、とパンを片手に考える。

(でも、ちょっと遠いかなぁ・・・。来た方向と逆だし・・・)

うーん、と眉根を寄せながら水を手にしたその時、どこからともなく声が聞こえ始める。

―――諸君、ご苦労。
…爽やかな朝だ。よく眠れたかね?

自分の頭に直接響くその声。

(そうか、これが放送なんだ!)

知っている者の名前はなかった。
キルアの名がないことに安堵してほっと息をつき、あわてて頭を振る。
18人も亡くなっている。大切な人を失った人もいるだろう。喜んでいい場合ではない。

禁止エリアが自分たちに直接関係のない場所だということを確認すると、ゴンは一口だけ水を飲み荷物をまとめる。
今の放送で、二人が何らかの行動に出るかもしれない。

ゴンは、耳と目に意識を集中させた。


354 :shadow:2005/08/03(水) 21:26:37 ID:???
【東京都/朝】

【ゴン・フリークス@HUNTER×HUNTER】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:荷物一式(食料一食分消費)、テニスボール×3@テニスの王子様
[思考] 1:キルアを捜す
     2:奈良シカマル・雷電を尾行し、情報を集める

【奈良シカマル@NARUTO】
 [状態]:健康
 [装備]:無し
 [道具]:荷物一式(食料一食分消費)・仙豆(一粒)@DragonBall
 [思考]:知り合いとの合流(男塾メンバー含む)
 
【雷電@魁!!男塾】
 [状態]:健康
 [装備]:木刀(洞爺湖と刻んである)@銀魂
 [道具]:荷物一式(食料一食分消費)
 [思考]:知り合いとの合流(うずまきナルト、春野サクラ含む)

【備考】ゴンのテニスボールですが、あとの二つはデイパックの中に入っています。

355 :捨てる破壊神あれば拾う死神あり:2005/08/04(木) 22:11:09 ID:???
「ハァ、ハァ、………クソッ、思った以上に消耗してやがる」
海馬を屠った後、フレイザードは忌々しげにごちた。
右半身から突き出る氷も、左半身から噴き上がる炎も今は消えている。
先刻までこの化け物が発していた、見るものに圧倒的な畏怖を与えるであろう
禍々しい威圧感は影を潜めていた。
海馬の荷物を焼き払おうとメラミを唱えるが、消耗の激しさからか
指先からはメラにも劣る矮小な火の玉しか飛んでいかない。
「クソッ、虫ケラが…なめたマネしやがって!
………だが…」
海馬に対して怒りをつのらせる一方、フレイザードは考える。
炎の如き凶暴性をもってすでに5人の参加者をその手にかけたこの化け物は、同時に氷の如き
冷静さをも兼ね備えていた。
「今の戦い…こいつが青眼の白龍を呼び出してやがったら、勝てなかったかもしれねえな」
言いながら、海馬の亡骸とその血に染まった二枚のカードに視線を落とす。
「クックック…こいつは知らなかったみてえだがな。一度使ったカードは24時間経たねえと
また使えねえってコトをな! まったくついてやがるぜオレ様は! クヒャハハハハハッ!!」
嬉しくてたまらないといった様子で、フレイザードは二枚のカードを拾って右半身に隠した。

356 :捨てる破壊神あれば拾う死神あり:2005/08/04(木) 22:13:47 ID:???
「…あの小娘がいねえな。どこに消えやがった」
辺りを見回すが、黒服黒髪の少女の姿は無い。
さっきの弾丸爆花散を食らって吹っ飛びやがったのは確かだ。
だが、こいつと戦っている最中にはオレの注意は小娘にまでは行ってなかった。
この辺りに隠れてやがるのか? それともオレが戦ってる間に逃げやがったか……?
捜しに行くことはできる。しかし、今は体力をかなり消耗していやがる。
今の状態でもあの小娘程度のザコを殺すぐらいワケはねえだろうが……万一、
途中で格上の敵にでも会ったらまずい。
第一、時間がねえ…!

「…ケッ、まあいい。小娘が持ってた火竜ヒョウは手に入ったし、
いつまでもここでグズグズしてたら首輪がドカンだ。とっとと移動しねえとな……」
緩慢な動作で、本州へ向けてフレイザードは歩を進め始めた。

化け物の冷徹なはずの頭脳が導き出した答えは、しかし――皮肉なことに、
彼(?)の言う小娘にとってしかプラスにならないものだった。
そして、化け物はさらに自分にとって皮肉な事態が起きていたことに気付いていなかった。
数多の礫でできた体。その右半身、体力の消耗のせいかわずかに結束力の緩んでいた脇腹の隙間から、
青眼の白龍のカードが――――抜け落ちていたことに。

357 :捨てる破壊神あれば拾う死神あり:2005/08/04(木) 22:15:06 ID:???

「…う………」

深く埋もれた雪の中から、黒髪に黒い着物の少女がのそりと起き上がった。
まだ少しぼんやりする頭が、次第に先ほどまでの出来事を思い起こしていく。

勝つ公式はできている、と絶対的な自信をもって言い放った海馬という男。
その言葉を信じ、あえて目立つよう遮蔽物のない街の外で化け物を迎撃し。
あの男が二匹の怪物を呼び出し、化け物が押さえ込まれ。
止めを刺そうとあの男が何か言ったとき、勝ったと思った。
その刹那―――

「……そうか、私は爆風に吹き飛ばされて…
…化け物は…あの男はどうなったのだ!?」

せわしなく周囲を見回すルキアの視界に、少し離れた場所に何か横たわっているものが入った。
慌ててその場に駆け寄るルキア。
そして、その“何か”が何であるかを知ったとき――――――ルキアは驚愕に目を見開いた。

「…海馬……」

何ということだ…白髪頭の男に続き、此奴まで…
全身の力が抜け、思わずその場にへたりこんでしまった。
……この男、態度は傲岸不遜だったが…白髪の男と同様、悪人ではなかったのに……
海馬の無残な亡骸を前に、
「…せめて…墓ぐらいは作ってやらねばな……」
半ば気の抜けたような声で――しかし哀悼の念をこめて、ルキアは弱々しくつぶやいた。
この男に…私がしてやれることなど、最早それぐらいしかあるまい…
そう思い、亡骸の右半身を抱え起こすルキア。凍りついた海馬の血が、パラパラとひび割れて落ちる。
血と一緒に、亡骸の右手にされていた時計が落ちた。時計に目が行き、何気なくそれを拾い上げる。
時刻は7時30分前を示していた。

358 :捨てる破壊神あれば拾う死神あり:2005/08/04(木) 22:15:49 ID:???
!!
それを見た刹那、それまで頭から抜け落ちていた極めて重大な事実に気がつく。
8時からの禁止エリアに今自分がいる北海道が含まれている、ということを。
一刻も早くここから移動しなければ!
火竜ヒョウが見当たらないが…探している時間はない!
「…っ……済まぬ………!」
物言わぬ海馬に絞り出すような声で詫びると、ルキアは荷物と武器を手にその場を駆け出した。

結果的に私を救い、その為に死んでいった二人。奴等の行為を無駄にしない為にも。
そして、この世界のどこかにいる彼奴…
生意気で単純だが、間違いなく私にとって最も心強い存在…一護と合流する為にも。
「こんな所で…死ぬわけにはいかぬ…!」
体力はあまり回復していなかったが、先程まで彼女を支配していた悲痛な気持ちの中から奔流となって湧き出た生への渇望が、ルキアに先へ進む力を与えていた。

「ん…?」
そのすぐ後。南西に向かって進むルキアの目に、少し前方に落ちている
血に染まった一枚のカードが留まった。
「これは…」
拾い上げて見ると、血で汚れてはいるが青眼の白龍という文字と怪物の絵が見て取れる。
「海馬が怪物を呼び出そうとした札…なぜ、このような場所に…」
あのとき…海馬が呼び出そうとした怪物は現れなかった。他にも二匹怪物を呼び出していたが、
そのときもこの怪物を呼び出そうとしたときも名前を呼んでいた。
なぜこの怪物は現れなかったのだ…?
「……考えたところで分かるまい…な」
この札は、使うためには名前を呼ぶ以外に何か特別な方法が必要なのかもしれぬが…
『俺にとって最高の武器になる』と海馬は言っていた。
…持っていたほうがよいであろうな。
そう結論づけたところで思考を中断し、再びルキアは駆け出した。

359 :捨てる破壊神あれば拾う死神あり:2005/08/04(木) 22:16:34 ID:???
息を切らしひたすら駆け続けながら、なおもルキアは考える。

あの化け物は…自爆した。 …しかし、死んだのだろうか…
整が虚になるときは一度爆散したあと新しく体が形成されるが…
あの化け物にも、似たようなことが出来るのかもしれぬ。
………あの化け物は、簡単にくたばるとは思えぬ…
火竜ヒョウが見当たらなかったのは、奴が生きていて持っていってしまったからなのではないか?
もし…再び奴に遭遇してしまったとき、どうすればよい…?
この札を使うことができれば、あるいは…何とかなるだろうか…

……そういえば、海馬が言っておったな。
私を追ってきたのは遊戯の幻獣王ガゼルというモンスターだった・とか……
遊戯という者は、海馬の仲間だろうか?
そうであれば…この怪物を呼び出す方法を何か知っているかも…
…いや、例え遊戯という者でなくとも…誰か、この札の使い方を知っている者を仲間にできれば…

考えながらも懸命に駆けるルキア。
やがて、本州と北海道を結ぶ青函トンネルが、視界の奥から徐々に現れてきていた。

360 :捨てる破壊神あれば拾う死神あり:2005/08/04(木) 22:17:12 ID:???
【朝:7時50分前後】
【青森県】
【フレイザード@ダイの大冒険】
 [状態]:中〜重度の疲労。成長期。核鉄で常時ヒーリング。南方へ移動中
 [装備]:霧露乾坤網@封神演義 火竜ヒョウ@封神演義 核鉄LXI@武装錬金
 [道具]:支給品一式 ・遊戯王カード1枚(詳細は不明)@遊戯王 
 [思考]:1.核鉄で体力を回復させつつ南へ進む。 強い敵との戦闘は避ける。
     2.出会った参加者が現状でも殺せそうなら殺す。ダイ、ポップ、マァム、武藤遊戯を優先。
     3.優勝してバーン様から勝利の栄光を。

【北海道・青函トンネル前】
【朽木ルキア@BLEACH】
 [状態]:かなりの疲労、右腕に軽度の火傷(雪に埋もれていたことで若干良くなっている)。移動中
 [装備]:コルトパイソン357マグナム 残弾21発@City Hunter
 [道具]:支給品一式 ・遊戯王カード(青眼の白龍・次の0時まで使用不可)@遊戯王
※ルキアは青眼の白龍は名前を呼ぶだけでは使えないと思っています。
 [思考]:1.禁止エリアに指定されたので一刻も早く本州へ移動する。
     2.青眼の白龍を使うことのできる仲間を探す。黒崎一護、武藤遊戯を優先。

361 :孤島にて:2005/08/05(金) 09:12:20 ID:???
「この桃缶中々美味いのう」
「…その桃缶、俺の他の食料と一緒に海に落としたんじゃなかったのかよ?」
「悪いがこの桃の缶詰だけは死守させてもらったぞ」
「てんめぇ…」
太公望と富樫、二人は瀬戸内海を三分の一ほど進んだところで、近くにあった小島で休憩し、朝食を取っていた。
これからの時間は日光がより明るく照らし、人々が行動を開始する時間帯であることから
このような中途半端な場所で少し早めの朝食を取ることにしたのだった。
二人はこの過酷な状況の中、それでもお互い楽しい食事をしていた。あの放送があるまでは。

「剣桃太郎」

ある男の名前が読み上げられる。その男とは、男塾一号生筆頭にして、男塾総代、剣桃太郎。
その名前を耳にした途端、富樫は食事の動作を忘れたかのように動かなくなった。
男塾の仲間と共に、多くの死闘を繰り広げ、その度に男塾に勝利をもたらしてきた男。
何処か謎めいたところがあり、いつも澄ました顔をしているが、誰よりも友情を重んじていた男。
一号生の誰もが信頼し、いつまでも自分たちの先頭にいてどんな困難な道でもを突き進んでくれると思っていた男。
その男の名前が何故読み上げられる?名前が読み上げられるってどういうことだ?
わからねえ、何もかもわからねえ。そうだ、太公望ならわかっているはずだ、あいつに訊こう。
富樫は水を得た魚のように目を見開き、太公望に訊ねる。
「…なぁ、名前がよばれるってことはどういうことだよ?なぁ?」
「…」
太公望は何も答えない。しかし、視線は富樫の瞳から逸らさず力強く、そして何処か哀しさを感じさせる眼差しを向けていた。
富樫は理解する。その沈黙と眼差しが何を意味するかを。否、富樫は気付いていた。
だが、決して認めたくない、認めてはならない事実。それが富樫の思考を停止させていたのだった。
その事実こそ目を背けてはならない、受け止めなければならない現実だと気付いていながら。

362 :孤島にて:2005/08/05(金) 09:13:04 ID:???
「ちくしょう、ちくしょう、桃の馬鹿野郎…」
彼の口から剣桃太郎を非難する言葉が漏れ出る。しかし、当の非難される人間はもういない。
その言葉は虚しく響き、やがて消えていった。
そのうち、太公望は富樫から視線を外した。俯き、傷だらけの学帽を深く被り直した富樫の頬に
一筋の涙が流れたからだ。本人が悟られまいと隠す男の悔し涙を見てはならない。
そう感じた太公望は席を外し、富樫の見えないところで腰を下ろした。
そして持参した地図と参加者名簿を開き、禁止エリアチェックと死亡者の名を二重線を引いて消した。
「……重いのう。たった線を引くという簡単な作業なのにな」
死亡者の名前を消すこの行為、これはまるで自らの手でその者達を殺したのと同じではないか、という錯覚に思わず陥ってしまう。
太公望はそんな錯覚を振り払うと目の前に広がる海を見渡す。
「静かな朝だのう。鳥のさえずりや、波のさざなみも聴こえない。耳が痛むほどに…」
太公望は呟く。その言葉がかつて、武成王が口にした台詞と酷似していたことも知らずに。
静寂を保つ海を輝かしく照らす朝日。そんな朝の光景を見渡しながら、太公望はまた呟く。
「この景色を見ながら、一体何人が涙を流すのだろうな…」
「お前はそんな涙を止めようとしてんじゃねえのか?」
太公望は突然聴こえたその声の主を確かめようと後ろを振り向く。そこにはいつもの笑顔を浮かべる富樫が。
「もういいのか富樫?」
「あぁ、みっともないとこを見せちまってすまなかったな」
実をいうと、富樫はまだ吹っ切れていない。未だ桃の死から解き放れてはいない。
大切な仲間の死を悼んでいたい。声の続く限り彼の名を叫んでいたい。
だが、そんなことは許されない。必要以上にここに留まっては太公望に身の危険が及ぶかもしれないし
本当なら助けられる命も見捨ててしまいかねない。
そして何より、このまま女々しく泣いていては桃に笑われてしまうだろう。あいつなら。
あいつは例え仲間が死んだって前に進むことをやめなかった。だからこそ俺はあいつを心の底から信頼していたんだ。
そんな俺があいつの死で立ち止まっていい訳が無い。俺が前に進むのをやめちまったら
それこそあいつの死を侮辱することになる。だから、俺は這ってでも前に進むぜ…桃よ。

363 :孤島にて:2005/08/05(金) 09:14:58 ID:???
「構わんよ。わしも泣くときは一人になってから泣くからのう」
「へえ、いつもニョホホホとふざけてるお前でも泣くのか」
二人はそんな軽口のやりとりをし、やがて二人の顔に笑みが戻る。
そんな口を利けるならもう大丈夫じゃの、と太公望は言う。富樫も、当たり前だ馬鹿野郎といつもの調子で返す。
そして富樫は学帽を被り直し、涙の跡をを拭い去ると
「さぁ、早く出発しようぜ。桃のためにも、死んだ野郎達のためにもこの糞ゲームをぶっ壊せる奴を見つけにな」
そうだのう、と太公望が頷く。
「四国には確実に誰かおる。それも強力な力を持つ者がな」
富樫は気付いていなかったが、藍染が逃亡したあと、四国の天気が急変していた。
先程まで満点の星空を眺めることが出来たのに、四国の上空だけ見事に見えなくなっていたのだ。
そして、その直後に放たれた闇夜を切り裂く一筋の雷鳴。太公望達のいるところからでは
ほとんど気がつかないほどの小規模な稲妻であったが、それはあることを示していた。
四国には人がいて、天候(雷だけかもしれないが)を操る能力者がおりその者が戦闘を行っていたという事実。
もしかしたら天候を操るものが人を襲ったのかもしれない。ゲームに乗ったのかもしれない。
もしそうだったとすれば、その者と戦闘となった場合の生存率は低いだろう。
しかし今更引くことは出来ない。そう、太公望は仲間、富樫のあの姿を見てしまったから。
苦しみもがきながらも、死んだ友のために前に進むその姿を見てしまったのだから。
また、戦闘になってしまったとしてもなんとか切り抜けられるだろう。
決して諦めない、決して後ろを振り返らないこの男が相棒である限り。
そんな想いを胸に秘め、二人は四国へ向け泳ぎ始めた。まだ見ぬ仲間を求めて。




364 :孤島にて:2005/08/05(金) 09:17:45 ID:???
【岡山―香川間の瀬戸内海の小島/朝】

【太公望@封神演技】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式(食料1/8消費) 宝貝『五光石』@封神演技 アバンの書@ダイの大冒険
      支給品不明(本人確認済み 鼻栓(薬草でできた、超悪臭にも耐える優れもの)
 [思考]:四国に渡る

【富樫源次@魁!!男塾】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:荷物一式(食料1/8消費)爆砕符×2(キルアから譲渡)
      鼻栓(薬草でできた、超悪臭にも耐える優れもの)
 [思考]:四国に渡る



365 :殺し屋から悪魔へ:2005/08/08(月) 08:03:14 ID:???
放送前、既に茨城県に到達していた桃白白は体力の異変に気付いていた。
「ハァハァ。チッ。この桃白白様がこれしきの運動でこれほど体力を消耗するとはな。
予想以上に体力を奪われたようだ。
これでは孫悟空に勝つことなど夢のまた夢」
休息の為に足を止め、色々と考えているうちに例の放送が聞こえてきた。

―――諸君、ご苦労。
…爽やかな朝だ。よく眠れたかね?

桃白白は放送が終わり、禁止エリアを確認すると、ほくそ笑んだ。
「私が殺した二人を含めて十八人が死んだか。
悪くないペースだ。
この名簿を見る限りでは私を含めて五人以外は大したことはないだろう」
1、孫悟空
2、ピッコロ大魔王
3、クリリン
4、ヤムチャ


366 :殺し屋から悪魔へ:2005/08/08(月) 08:04:53 ID:???
「この中で普通に戦って勝てそうなのは3と4か。
しかし、ピッコロ大魔王の強さは桁外れだ。
ヤツの強さは兄者の師匠が己の命を捨ててようやく封印したくらいだからな。
いかに孫悟空が強くてもヤツと戦えば無傷では済むまい。
心配なのはピッコロ大魔王が孫悟空と出会う前に亀仙流の弟子と戦って消耗することだ。
ならば私の手であの二人を探して葬ろう。
そして弱った孫悟空を私が殺す。
完璧な筋書きだ。
優勝すれば主催者からご褒美が出るといっていた。
今回は一人一億では安すぎる。
十億は貰わないとな。
三十人殺せば三百億か。フフフ。悪くない。
ようし。狩りを楽しむとするか
私は悪魔だ。人殺しを楽しんでいる。
ピッコロ大魔王はこんな心境だったのだろうな。
しかし、その大魔王すら私は利用してやる。
私を止められるものなら止めてみろ」
僅かな休息の後、悪魔は再び蘇った。
金の為に。快楽の為に。生存する為に。
欲望の塊となった桃白白は走りだす。
生き残りの参加者を皆殺しにする為に。
しかし、桃白白は気付いていなかった。
この時のクリリン、ヤムチャは既に桃白白の戦闘力を超えていたことを。
この参加者の中で桃白白を上回る実力者はごまんといることを。
フリーザ達が約束を守る人物ではない。ということを。


367 :殺し屋から悪魔へ:2005/08/08(月) 08:05:37 ID:???
【初日茨城県/朝】
【桃白白@DRAGONBALL】
【状態】健康
【装備】脇差し
【道具】ジャギのショットガン@北斗の拳残弾20
二人分の食料、支給品一式【思考】1.孫悟空、ピッコロ以外の参加者をできる限り殺す。
2.孫悟空を殺して優勝し、主催者からご褒美を貰う

368 :プリンと宝石1/3:2005/08/08(月) 14:14:58 ID:???
「……プリン…ですか?」
明るくなるまでに互いの支給品を確認しようということになった。
ブチャラティがカプセルから取り出したそれを見て、晴子は問いかける。
どう見てもただのプリンだ。
とってもおいしそうで、思わず食べたくなるプリンが5つも。
添えられていたメモには、以下のように書かれていた。
『名シェフ、トニオ・トラサルディの作ったプリン。
 水虫を治す効果もさることながら、味の方も素晴らしい』
「…お、おいしそうですね」
「毒かもしれないぞ」
「…っ!」
プリンに無意識のうちに手を伸ばしかけた晴子は、ブチャラティの言葉を聞いてビクッとして手を止める。
「ど、毒って…」
「冗談だ。可能性はゼロとは言えないが、おそらく奴らは参加者の『殺し合い』を楽しんでいるはずだ。だから、毒なら毒と書いておくだろう。支給された者が『毒殺』に使えるように」
淡々と語るブチャラティ。
その平然とした語り口にかえって恐ろしいものを感じた晴子は、手を伸ばしかけた体制のまま固まってしまう。
「…あぁ、食べたいなら食べても構わない。今言ったように毒の可能性は低い。水虫も治るそうだ」
「べ、別に水虫じゃありません!」
晴子は手を引っ込めると、ちょっと怒ったように頬を膨らませる。
そして、自分のバッグからカプセルを取り出した。
「私はまだ中を見てないんです。出してみてもらえますか」
ブチャラティは頷くと、プリンをカプセルに戻して晴子に渡し、引き換えに晴子のカプセルを受け取った。

369 :プリンと宝石2/3:2005/08/08(月) 14:15:33 ID:???
中から出てきたのは、赤い宝石が一つ。
『エイジャの赤石の中でも最高の結晶、スーパー・エイジャ。
 波紋エネルギー増幅装置であり、また太陽光をこの宝石に通すと、レーザーのような光線となる』
「…よく分からんが、武器として使えないこともないようだな」
ブチャラティの故郷であるイタリアには、『波紋』と関連のある施設が存在するのだが、彼はそれを知らない。
当然、何十年も前のイタリアに波紋の達人(リサリサ)がいて、それがこのゲームに参加してることも知らない。
「綺麗な宝石ですね」
と、ちょっともの欲しそうに宝石を見る晴子だが、
「欲しければ君が持っていても構わない。ただし、いざという時はレーザーを撃ってもらうことになるかもしれないが」
「え、いえいえ、ブチャラティさんが持ってて結構です!」
…あっさり引き下がった。
ブチャラティはエイジャをポケットにしまうと、次に地図を広げた。
「人が集まる場所…大都市には、ゲームに乗ってない奴も乗った奴も集まるはずだ。この近くではどこだか分かるか?」
「え? えーと…一番大きな都市はここ、東京ですけど…この近くだと仙台…かな?」
「よし、明るくなったらまずは仙台へ、そして東京を目指す。ゲームに乗った奴と会う危険はあるが、君の仲間や、ゲームに乗っていないグループと会えるかもしれないからな」

370 :プリンと宝石3/3:2005/08/08(月) 14:16:20 ID:???
しばらくして…ブチャラティは明るくなった外を見た。
そろそろ時間かと時計を見たところで――

―――諸君、ご苦労。
…爽やかな朝だ。よく眠れたかね?

「これが放送か。直接脳に響くような感覚だな…」
次々と読み上げられる死亡者。
ブチャラティには元々知った名前は無い。晴子の様子を覗うが、こちらも知り合いの名前は呼ばれなかったようだ。
禁止エリアもチェックするが、こちらも特に問題ある地域でもない。
そして…

……脱落者の中には、その『仲間』に裏切られて命を落とした者もいるのだぞ?

「(なるほど…こちらの動きは筒抜けらしいな)」
「もう18人も、し、死んじゃったんですね…」
「そうだ。次に呼ばれるのが君の知り合いでないという保障は無い」
ブチャラティはそう言いながら立ち上がり、窓の外を覗う。
そして、ドアには寄らずに反対側の壁に手をつけた。
「だから…俺たちもそろそろ動く必要がある。とりあえずは、君の仲間を探すために。そして…」
いつの間にか壁にジッパーがついており、ブチャラティはそれを引いて壁を開く。
「最終的にはゲームから脱出するために」
いきなり壁が開いて、ワケが分からないという顔の晴子。
ブチャラティは指を口の前に立てて静かにするよう促すと、晴子の手を引いて壁の穴から外に出た。
「誰かがドアを見張ってるかもしれないから、こうして裏から出る。俺の『スタンド』を使って」
小声で晴子に説明する。スタンドとは一種の超能力だと簡単に説明しておいた。
こうして二人は、なるべく人目につかないように仙台へと向かい始めた。

371 :プリンと宝石(終わり):2005/08/08(月) 14:16:57 ID:???

【岩手県(森)/朝】

【チームおかっぱ】
【赤木晴子@SLAM DUNK】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:支給品一式 トニオのプリン(水虫回復、超美味しい)×5@ジョジョの奇妙な冒険
 [思考]:1.ブチャラティと行動を共にする。
     2.現在地→仙台→東京と向かいながら、流川、桜木、三井を探す。 
【ブローノ・ブチャラティ@ジョジョの奇妙な冒険】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:支給品一式 スーパー・エイジャ@ジョジョの奇妙な冒険
 [思考]:1.現在地→仙台→東京と向かいながら、晴子の仲間を探す。
     2.生き残り、故郷に帰る。

372 :花と形見:2005/08/09(火) 00:06:23 ID:???
―――おうおうおうおうッ!!やめとけッやめとけって、なあ!
「うるさいぞ飛刀。舌を噛んでも知らんぞ」
加古川の浅瀬を渡り気配の感じる方角へと向かう。


気配――?

胸が圧迫される奇妙な感覚。
(なんなのだ?この胸騒ぎは・・・・)
進んでいくと薙ぎ倒された川沿いの草木がある。
誰かがいたのは間違いない。ラーメンマンがこの世界に来て初めて出会う人の痕跡だった。

(何者かが川を横断したのか・・・)ヤメトケヨー
誰かが踏み荒らしたような足跡はラーメンマンの辿ってきた川沿いの道を横切り山へと向かっていた。
えぐれた土、木の腹や幹についた跡から当人は相当な脚力と猿のような身のこなしができる者だとわかる。
(獣にしては乱暴な足取りだ。辿ってみるか)ヤメトッケッテーウゴクトハラヘルゾー
(さて・・・鬼が出るか、蛇が出るか。人恋しいとまでは行かぬが
虎穴に入らずんば虎子を得ることはできんからな)マイゴニナルゾー

陽光が重なり合う樹の葉の合間を縫って森の内部を照らしている。
虫と鳥の声が響くなかをラーメンマンは1人歩き続ける。

373 :花と形見:2005/08/09(火) 00:07:53 ID:???
(足型が2つ・・・。さて、何をそんなに急いでいたのか)オイ、ナンカシャベレヨー
(禁止エリアを危惧しての行動か?しかし、兵庫はまだ指定はされてないはずだが・・・)
正体不明の足跡を追い草木を掻き分けながら兵庫と京都府の県境を越えた。
草木を掻き分けて獣道をゆっくりと歩いていく。山林に慣れているとはいえ
何か得体の知れないものの気配が漂っているのだ。無闇に走るほど愚かではない。
ラーメンマンの表情が次第に険しいものになる。
(2人か・・・常人とは思えぬ足どりよ。ウォーズマンやバッファローマンにこの真似はできぬ。
この地にいる超人の仕業ではあるまい。もっと目方の軽い者の技だ。
うまく味方にできればよいが、最悪の場合は2対1で戦うことになるかもしれん。
山林での戦いは慣れているが・・・厄介な戦いになりそうだ)
――なんだよッ!なんかしゃべれよッ。俺様を無視すんなようッ
ついに沈黙に耐え切れなくなった飛刀が叫ぶ。黙ってれば名刀なのに。
「・・・大声を出すな飛刀。聞かれたら怪しまれる」
――人間の気配なんかしねえよぅ!鳥の声しか聞こえねーじゃんかよぉ!
  武器ビビらせて何が面白れーんだ。脅かすなィ!
「・・・黙ってくれ。顔に唾がかかる・・・」
その時、ラーメンマンは1人分の足跡が途切れたことに気づいた。



374 :花と形見:2005/08/09(火) 00:11:03 ID:???
――もう、だれもいね―みてーだぜ。鉢合わせにならなくてよかったじゃねえか、旦那。
「ううむ・・・残念だな。・・・?」
ふいに嗅ぎ覚えのある異臭が鼻をついた。リングに染み付いた独特の。戦う者が流す生臭い臭気。
ラーメンマンは足跡の終点に踏み入っていた。


足元の木の根に赤茶けた染みが視界の隅に入る。

山の清浄な空気に入り混じる錆びた鉄に似た異臭。
新緑の緑。木漏れ陽。割れた髪飾り。

相当の衝撃で木に叩きつけられたのだろう。
木の横腹はバケツで水をぶちまけたかのように濡れ
べっとりと付着した血には何百匹もの蝿が音をたてて集っていた。
その近くには不自然に盛られた土がある。
「これは・・・」
 (足跡の正体は――)
無造作に投げられたデイパック。
食料だけが奪われていた。
 (襲撃者と・・・)
血の臭いを嗅ぎつけたカラスの鳴き声は。
人間の断末魔によく似ていた。


375 :花と形見:2005/08/09(火) 00:12:03 ID:???
――うえッ!なん、なんだこりゃあ!ひっでぇな。
暴力的な羽音は先ほどまでラーメンマンの耳に響いていた蝉の声をも消し去った。
盛られた土を掘り起こそうと何匹ものカラスのクチバシが動いている。
――こいつら死体を漁ってやがんのか・・・?
飛刀は昔見た戦場での光景を思い出した。死体に真っ先に群がるのは虫、獣。
棺桶の中だろうが土の中だろうが貪欲な嗅覚で獲物を探り当ててしまう狩人の群れ。
奪いに来るのは彼らだけではない。生きている兵士が去ると次は死体からみぐるみを剥がしに貧しい人間がやってくる。
死んだ者は何もかも略奪され野ざらしのままに放置されて、やがて白骨へと変わるのだ。
――気持ち悪ぃッ!旦那、早くずらかろうぜ。
「遅かった・・・私達は遅かったのだ、飛刀・・・」
ラーメンマンは足元の壊れた髪飾りを拾い上げると
飛刀を振り回してカラスを追い払う。そして土を掘り起こした。
――おい、おい。そんなことしてどーうすんだよぅ。

「哀れな・・・」
土の下から現れたのは透けるような髪の色の小さな少女だった。
青みがかった目は虚空を見つめ苦痛の表情で死んでいる。
――・・・まだガキじゃんかよ〜・・・
飛刀は元・持ち主の黄天祥を思い出す。彼と同じくらいの年齢か、少し上だろうか。
抱き起こすと少女の腹部には散弾銃ででも撃たれたかのような惨く大きな傷痕があった。
最後まで生きようと必死に走ったのだろう。
そして追い詰められ、彼女は正面から戦おうとした。
「何故このような惨い真似ができるのだ」
ラーメンマンの握り締めた拳が震える。
――旦那よぅ・・・。もうここは戦場だぜ・・・ガキだって女だって弱けりゃやられっちまうんだよぅ・・・
「馬鹿な!なにが戦場だ!こんな子供が殺されてもいい道理などあるものか!」



376 :花と形見:2005/08/09(火) 00:19:24 ID:???
壊れ物を扱うように大事に少女の身体を抱き起こした。
少女の纏う衣服はラーメンマンの祖国のものに似ている。
鮮やかな山葡萄色の小さな少女の服は黒く変色した血と泥に汚れ腐敗し異臭を放っている。
ラーメンマンは己の上着を少女にかぶせ、けして少女の身体を見ないように汚れた衣服を脱がせた。
無残な姿のまま眠らせてはいけない。飛び散った血を拭い水で清める。
目蓋を閉じさせるとただ寝苦しそうに眠っているようだ。
もう、大丈夫だ。もう、そんなに苦しい顔をしなくていい。
割れた髪飾りの欠片を少女の手に握らせる。
「飛刀よ。ちょっと手を貸してくれ」
――おう。おー・・・
埋葬か、それとも隠蔽か――。追いかけてまで殺したのだから後者であろうな。
ラーメンマンは飛刀を振り下ろし穴を掘る。深く掘る。誰にも傷つけられないように。
飛刀の刀身に涙が振った。飛刀は黙ったままスコップ役に徹した。

「許せ・・・」
君を助けてやれなかった。
作り終えた墓の側で小さな野の花が揺れる。


377 :花と形見:2005/08/09(火) 00:20:35 ID:???
【京都府/山中/朝】

【ラーメンマン@キン肉マン】
【状態】健康 、深い悲しみ、強い怒り
【装備】飛刀@封神演義
【道具】荷物一式
    *髪飾りの欠片を持っています。所持の理由は以下の通り。
     ・形見として少女の仲間、家族に届けるため
     ・殺人犯を見つける手がかりにするため 
    
 【思考】1:弱き者を助ける。(危害を加える者、殺人者に対しては容赦しない)
    2:正義超人を探す。
    3:ゲームの破壊。 


378 :殺しの決意:2005/08/09(火) 20:20:16 ID:W+rMkDib
「くそ・・あの子供め・・・この僕に傷を・・」
中川は自分の傷が信じられなかった
相手は子供、しかも銃火器は持ってないほぼ素手の状態
そんなやつに攻撃されダメージを受けたのだ、中川は肩の傷よりもプライドが傷つけられたのだ
「クックック・・・あのクソガキめ、殺してやる・・・追い詰めて絶対に殺してやる」
中川に殺意が沸いてくる、そしてふと同僚の二人の顔が浮かんできた
「あ・・・先輩と麗子さんがいたんだ・・・そうだ、あの二人から殺しちゃおう。思い出とかは全部捨てないとね」
かつての同僚もすでに中川にとっては敵になっていたのだ
「そして僕に傷をつけたあのクソガキを殺して全員殺せば僕の優勝だ、大丈夫僕が死ぬはず無いさ、だって僕は中川グループの御曹司だからね」
自信に満ちた中川は笑った、徐々に声を大きくして笑った
「僕が優勝するんだアッハハハハハハハハッハハハハハハ」
空高く中川の笑い声が響いた


379 :殺しの決意:2005/08/09(火) 20:23:03 ID:W+rMkDib
【福岡県(市街地・ビルの屋上)/朝】
【中川圭一@こち亀】
 [状態]:左肩を負傷  精神不安定
 [装備]:スナイパーライフル(残弾18発)
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.傷を治療する 2.同僚を探し出して殺す 3.自分を傷つけた若島を殺す 4.全員殺して優勝する
      


380 :殺しの決意:2005/08/09(火) 20:32:10 ID:W+rMkDib
>>379を訂正します

【福岡県(市街地・ビルの屋上)/朝】
【中川圭一@こち亀】
 [状態]:左肩を負傷  殺しを決意 マーダー化
 [装備]:スナイパーライフル(残弾18発)
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.傷を治療する 2.同僚を探し出して殺す 3.自分を傷つけた若島を殺す 4.全員殺して優勝する

381 :殺しの決意:2005/08/09(火) 23:41:06 ID:W+rMkDib
訂正
そんなやつに攻撃されダメージを受けたのだ、中川は肩の傷よりもプライドが傷つけられたのだ

そんなやつに攻撃されダメージを受けた中川は肩の傷よりもプライドが傷つけられた

382 :武装中:2005/08/10(水) 00:16:08 ID:???
「さて肩の傷も治療したし、そろそろ行くか」
ビルの救急箱で応急処置をした中川は荷物を持ち市街地に出た。
「うーん、なんかスナイパーライフルだけじゃ不安だなぁ」
スナイパーライフルは狙撃の銃だ、もし相手が突然襲い掛かってきたら
スナイパーラーフルですぐに対処することは難しい、中川はある場所を思い出す
「そうだ、あそこなら何でも揃っているはずだ」
中川が向かう場所、そこは中川グループの研究ビルである
日夜色んな研究が行われているあそこには武器研究や薬研究などがある
当然武器も置いてあるのだ。

中川はビルに着くと武器研究室へ向った
「クックックッここになら武器はあると思っていたんだ」
マグナムのBOXから「44マグナム(弾90発分)」を取り出した
さらに「サブマシンガン(マガジン12個)」を取り出す
「これで武器は揃ったぞ・・・しかし・・なぜか不安だな。」




383 :武装中:2005/08/10(水) 00:25:16 ID:???
そこで気づいた。
「そうだ! これが無かったんだ」
思い出したかのように中川は走る。
そして研究施設の一室に走りこんだ。
「フフ…これだ」
中川は一つのフラスコを手にした。
しかし、慌てすぎてそのフラスコを落としてしまった。

砕けたフラスコから七色の光が飛び出した。
「あぶたあらwdfrふじこlp;@」
光を浴びた中川の体が解けてゆく解けてゆく…。
研究所には何も残らず。
静けさと寂しさが残った。

【中川 死亡確認】

384 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 00:28:16 ID:???
>>382-383の「武装中」はNGです

385 :武装中:2005/08/10(水) 00:29:59 ID:???
中川の不安とは、自分よりも上を行く相手のことである
確かに今の装備で普通の装備の警官と戦ったら中川が断然有利
しかし今回は両津みたいなわけのわからないやつらばかりの戦い
当然自分よりも上がいてもおかしくないのだ
「ク・・どんなことをしても僕は優勝するんだ、そうだ!」
中川が向おうとしている場所、それは中川でもめったに入れない場所
「薬剤研究所」だ、ここでは普通の風邪薬などが基本的に開発されているが
スポーツ選手などに売る体力増加剤なども開発しているのである

中川は究極剤と書かれたBOXのパスワードを解き、中の薬を取り出すと自分に打ち込んだ
「クックッ、わかるぞ自分のパワー、体力、スピード、全てにおいて僕は完璧になっている。
これなら絶対に死なないだろうアッハハハハハハハハハ」
高笑いをしながら駐車場へ中川は向う、愛車フェラーリに乗り込みキーを回した
「さぁまずは人の集まりそうな東京へ行くぞアッハハハハハハハッハハハハハ」
ドーピングした中川は東京へとフェラーリを走らせた。

386 :武装中:2005/08/10(水) 00:32:35 ID:???
【福岡県(市街地)朝】
【中川圭一@こち亀】
 [状態]: マーダー化 ドーピングによりパワーアップ中
 [装備]:スナイパーライフル(残弾18発) 44マグナム(残弾90発)サブマシンガン(マガジン12個)
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.東京へ向う 2.同僚を探し出して殺す 3.自分を傷つけた若島を殺す 4.全員殺して優勝する

387 :武装中:2005/08/10(水) 00:35:49 ID:???
>>386訂正

【福岡県(市街地・ビルの屋上)/朝】
【中川圭一@こち亀】
 [状態]:マーダー ドーピングによりパワーアップ中 フェラーリで移動
 [装備]:スナイパーライフル(残弾18発)
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.傷を治療する 2.同僚を探し出して殺す 3.自分を傷つけた若島を殺す 4.全員殺して優勝する

388 :武装中:2005/08/10(水) 00:36:44 ID:???
>>387またミスった すいません


【福岡県(市街地)朝】
【中川圭一@こち亀】
 [状態]: マーダー化 ドーピングによりパワーアップ中  フェラーリで移動
 [装備]:スナイパーライフル(残弾18発) 44マグナム(残弾90発)サブマシンガン(マガジン12個)
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.東京へ向う 2.同僚を探し出して殺す 3.自分を傷つけた若島を殺す 4.全員殺して優勝する
 

389 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 00:37:51 ID:???
>>385-388 ついでにこれもNGです

390 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 00:38:44 ID:???
>>389なんで?

391 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 00:40:45 ID:???
詳細、講義等々は感想議論スレ参考のこと。

392 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 00:43:33 ID:???
>>391どこ?

393 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 00:45:34 ID:???
>>241

394 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 00:46:34 ID:???
そんな大事なもんだったら初めからテンプレに入れとけよ

395 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 00:49:24 ID:???
中川ドーピング・・ワロタ

396 :すれ違う思い其の1:2005/08/10(水) 01:01:11 ID:???
一輝達は銃声のした方へと足を運んだ。
その間に忌まわしい放送も聞こえてきた。
「なぁ、一輝。俺たち武器らしい武器なんか持ってないってばよ。
もし戦うことになったらどうするの?」
「貴様達が心配する必要はない。
俺一人いればすべて事足りる」
「チッ。生意気な奴だぜ」ナルトはいつものように質問をしている。
一輝はいつものように一人別世界にいる。
跡部はいつものように舌打ちをしている。
と、相性の合わない三人だったが、その旅も終わりを迎えることになる。
天空から三人を見下ろす一人の男の姿があった。
「まーた、こ・ど・もですか?
今度は外しませんよ?」
男は不敵な笑みを浮かべ、ゆっくりと、スナイパーライフルを構え、一人に狙いを定めた。
「さてと…銃声がしたのはこの辺りだったか?」
跡部は自分に照準がセットされていることなど知らず話し始めた。
「じゃあ、ナルトは東側を、俺は真ん中を、一輝は…」


397 :すれ違う思い其の2:2005/08/10(水) 01:02:51 ID:???
中川の人差し指がトリガーを引いた。

ーーーーーーーーーズドォォォォォン……

刹那、跡部の眉間にスナイパーライフルの弾が突き刺さった。
ここをやられては助からない。即死だ。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!
跡部がやられたってばよ」「ナルト!なにをやっている!第二波がくるぞ。
物陰へ隠れろッ」
一輝の助言は正しかった。ナルトがビルの影へ隠れた瞬間、ナルトがいた位置にライフルが飛来した。
「あ、あっぶねぇ。サンキュー。一輝。助かったってばよ」
「まだだ。奴を倒さねば、他の人たちの命が危ない」ナルトは命の恩人の一輝に礼を言った。
一輝は無視し、あくまでも万人の人たちの為に働こうとしている。
「倒すったって、どうするんだってばよ。
屋上に上がるには奴の斜線上にある入り口から入らなきゃならないんだってばよ」
「むう。俺のスピードも制限されている。
だがっ。小宇宙を燃やせば勝機はあるっ」


398 :すれ違う思い其の3:2005/08/10(水) 01:04:17 ID:???
「なにをわけのわかんないこと言ってるんだってばよ。
ん?あれは…」
なにやら光るものが落ちている。
危険を顧みずナルトは飛び込んだ。
刹那、三度銃声。
「ふーっ。危なかったってばよ」
「何をしてきた…」
「いやぁ、武器らしいものがあったんで取りに行っていたんだってばよ」
そう言い、拾ったベアークローを見せる。
「そうか。いいものを拾ったな。
だが、聖闘士は武器は使わん。
だから、こうしろ」
ナルトの耳元で何やら呟き、ナルトも了解した。
「よーし、やってやるってばよ」
一方、中川は跡部を殺した後、2発も外したことに不快感を募らせていた。
「うーん。当たらないなぁ。
やっぱり肩が痛いからかな」
次の瞬間、一人が飛び出してきた。
まってましたとばかり、スナイパーを構える。
「フフフ。あの子供、とうとう痺れを切らせて出てきたか。
ようし。殺してあげるよ。」


399 :すれ違う思い其の4:2005/08/10(水) 01:05:46 ID:???
中川は照準を合わせようとするが、ちょこまかと動かれるので当たらない。
「えぇい。死ねっ。死ねっ。死ねっ。」
「死ぬのはお前の方だってばよ」
中川は振り向くとそこにはさっきまで下にいたナルトがそこにいたので目が丸くなった。
「きっ、君は何処から入ってきたんだ人のビルに」
「問答無用。食らえッ」
ナルトの手からベアークローが放たれる。
一般人でしかない中川にはそれを避けることは到底無理だった。
「うぎゃゃゃゃゃゃゃぁぁぁぁぁぁっっっっ!」
中川の腹をベアークローが突き抜ける。
中川はゆっくりと、その場に倒れた。
「これは…頂いていくってばよ…」
ベアークローを引き抜き、中川のスナイパーライフルを取り、ナルトは下へ下りていった。
「いやぁ、一輝の作戦、見事に当たったってばよ。まさか、あの人も壁を登ってくるとは思わなかったってばよ」


400 :すれ違う思い其の5:2005/08/10(水) 01:06:52 ID:???
一輝の作戦。それは、一輝が敵を引き付けている間にナルトがロープに括り付けたベアークローを使って壁をよじ登ると言うものだった。
「ああ、しかし、跡部は可哀相だったな。
せめて墓でも作ってやるか」
超人である一輝の力を持ってすれば、穴などすぐにほれた。
「ふうっ。跡部。成仏してくれってばよ。
あ、そうそう。一輝はこれからどうすんの?」
「俺は群れるのは嫌いだ…それに、目的もある。
まずはサガを倒した《男》と戦うことだ」
一輝は冷静ゆえに兄弟以外の死で感情を表に出すことはない。
「ま、いいや。道は二つあるみたいだし、俺は島を通っていくから、一輝はこのまま進んでくれよ」
ナルトも能天気な性格ゆえに一輝を引き止めなかった。
さらに、跡部の死によって食料が増えたことを喜んでいる。
奇妙な十五歳の少年達の遭遇。
しかし、最後まで三人の気持ちが通ずることはなかった。
そして、ナルトは一つのミスを犯していた。
仕留めたはずの中川。
ベアークローは彼の内蔵を傷つける事無く突き刺さっていた。
これも神による仕業なのだろうか?
「ぼっ、僕はまだ、まだ死なない。死なないんですよぉぉっ」


401 :すれ違う思い終わり:2005/08/10(水) 01:07:32 ID:???

【初日福岡県/朝】
【一輝@聖闘士星矢】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、衝撃貝のコテ@ワンピース
【思考】1サガを殺した《男》と戦う。
2ハーデスを倒す

【ナルト@NARUTO】
【状態】健康
【装備】ベアークロー@キン肉マン
【道具】支給品一式、約三日分の食料と水
アバンのしるし@ダイの大冒険、ゴールドフェザー、シルバーフェザー@ダイの大冒険
フォーク10本、ソーイングセット、ロープ、半透明ゴミ袋10枚入り2パック【思考】1、サクラ、シカマルを助ける。
2空腹を満たす
【中川圭一@こち亀】
【状態】腹部、肩に重傷
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】優勝する

【跡部景吾死亡確認】
【残り108人】


402 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 01:14:51 ID:???
396〜401、NGです。


403 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 01:17:40 ID:???
何この荒らし

404 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 14:42:37 ID:???
>>402なんでNGなの?

405 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 14:47:13 ID:lMD9dwhh
んじゃ最強はベジットで。
終了

406 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 14:53:31 ID:???
>>404
明らかにおかしいから。

407 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 14:54:56 ID:???
>>402てか何でもかんでもNGにしてないか?

408 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 14:55:54 ID:???
とりあえず
武装中とすれ違う・・は無効なのね?

409 :マロン名無しさん:2005/08/10(水) 15:00:17 ID:???
此処は投下スレですので話し合うときは以下のスレまで来てください

感想議論スレ
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1121860044/l50


410 :作戦 ◆lEBCrBb0ng :2005/08/10(水) 22:17:52 ID:???
「グッ・・応急処置はしたものの・・・やっぱり肩が痛みますね」
服を少しやぶり傷口にまきつけ応急処置を済ませた中川はこの後のことを考えていた
武器の確保をどうするか、両津のようなわけのわからないやつとはどう戦うか・・・などを
「ここで獲物を待つのもいいですけど・・・あまり効率ではありませんし・・・下手に動くと自分がやられてしまう・・」
20分くらい考えた中川はついに結論を出した
「よし、とりあえずあの子供が行きそうな東京へ移動、接近戦の武器が手に入るまでは隠れながら狙撃しよう。
こんな作戦が考え付くなんて・・・・僕はやっぱり天才だワッハッハッハッハッハ」
中川は立ち上がりビルから出て東京へと歩き出したが、しかし歩いている途中ある男の顔が思いついた

「そうか・・・あいつがいたんだ・・・・散々僕に迷惑をかけたあいつは、ただ殺すだけじゃつまらないな・・・・そうだ
僕の優勝のために利用してやろう。先輩・・いや両津ならきっと僕を信用するだろうクックックッアッハッハッハ」

中川は東京へと足いそがせた。






411 :作戦の作者 ◆lEBCrBb0ng :2005/08/10(水) 22:23:34 ID:???
【福岡県(市街地)/朝】
【中川圭一@こち亀】
 [状態]:左肩を負傷、応急処置済み 精神不安定
 [装備]:スナイパーライフル(残弾18発)
 [道具]:荷物一式
 [思考]:1.東京へ行く 2.人を殺す(接近戦で使える武器が手に入るまでは隠れつつ狙撃、若島を優先) 
      3.両津を探して利用し、優勝する

412 :作戦2 ◆lEBCrBb0ng :2005/08/10(水) 22:24:10 ID:???
名前訂正・・・orz

413 :マロン名無しさん:2005/08/11(木) 22:17:45 ID:???
>>378-412まで無かったことにしてください


414 :マロン名無しさん:2005/08/16(火) 14:58:52 ID:???
てすと

415 :弱者への哀れみ:2005/08/19(金) 21:47:30 ID:???
ハーデスは一人静かに状況を見守っている……


矢張り人間とは愚かなものだ。
神が決めたルールを無視し、謀反を企もうとしている…
キャンサー、ペガサス、フェニックスならいざ知らず、両津、孫悟空、ダーク・シュナイダー …
彼等は神をも恐れぬ行いをしてきた…
もし優勝したところで、余自らコキュートスに送り込んでくれる…
余は彼等に対する慈悲の心など持ち合わせてはおらぬ。
人間共よ。精々醜く争うのだな…

416 :マロン名無しさん:2005/08/26(金) 10:32:10 ID:???
作者光臨まだー

てすと

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